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マホロバ堂書店でございます  作者: 木下秋
夏目、書店員になる
14/33

クリスマスくらい、おだやかなきもちで。 ①

 どうして、おれはクリスマスが、こんなにすきなんだろう。


 ふと、そんなことを考える。




 そもそもおれは、冬がすきだ。


 なんでかって、冬はおれのすきなモノであふれてる。マフラーも、コートも、手袋も、ブーツも――


 羽毛ぶとんも、こたつも、みかんも、雪も、石油ストーブをつけた時の、あのにおいも……。




 キンモクセイが咲きだして、「あぁいい匂いだなぁ……」なんて思っていると、夏が最後の台風がよこして、全てを洗い流してしまう。その後少しづつ木々の葉が色づいて、北風がそれを全て落とす。


 するとテレビから竹内まりやの『すてきなホリデイ』が流れはじめて、おれは「冬がきたなぁ……」なんて思う。槇原敬之の『冬がはじまるよ』を、一人でこっそりイヤホンで聴いて、ニヤニヤしたりする。




 一年で一番すきな時期の真っただ中で、今おれは、すごしている。




 別にたいしたことは起きないんだけど、ただ、それが『しあわせ』なんだよなぁ、と、思っている。




 『思っている』というより、『思うようにしている』。




 なくした時に気づくんじゃあ、遅すぎるから。

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