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マホロバ堂書店でございます  作者: 木下秋
夏目、書店員になる
12/33

本屋のお仕事……? ②

「あのね……アイちゃんはね。怒ってたわけじゃないの。すっごく責任感の強い子だしね、ちょっと目とかもキリッ、としてるから誤解されやすいんだけど、ほんとはすっ、ごく、優しい子なの」



 レジカウンターに立つおれの横で、小川さんがいった。

 声は小さく、伏せ目がちだった。



「わかってます」



 延原さんがいっていたことは、正しかったと思う。下手な行為をしなくて済んでよかったと、今は思っている。

 ただ……この心のモヤモヤは、なんなのだろう……。



 延原さんが店を出て、一時間近くが経った頃。店に電話が入って、小川さんが出た。



「お電話ありがとうございます、マホロバ堂書店でございます。……あっ、アイちゃん! どうだった?」



 その内容は、彼女の表情を見れば、わかった。あの男性客の注文品、『ビロードのうさぎ』が、見つかったのだ。



「よかったねぇ。これで一安心だよ」



 電話を切った小川さんは、穏やかな表情でいった。

 おれも、素直によかったと思う。



 ――ピリリリリリ……



 すると、すぐにまた電話が鳴って、小川さんが出た。



「お電話ありがとうございます、マホロバ堂書店で……あぁ、山内くん? さっきは大変だったんだよぉ。この前キミが受けた注文品がね…………へっ……? ちょ、そんなの困る…………えぇえ!!」



 電話を切った彼女は、ハハハ……と渇いた笑いをもらして、こちらを見ていった。



「山内くん……バイトやめるって……」

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