表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

襲撃

翌朝。リヒトは時計の針に合わせたように正確な動作で身支度を整え、アパートを後にした。大学へと続く道、擦れ違う人々、肌を撫でる風。昨日以来、特に変わったことは起きていない。


講義室の空気は淀んでいる。教壇に立つ教授が、経済理論について淡々と語り続けていた。


教授「――したがって、この局面における市場原理は……」


リヒトはその声をBGMのように聞き流しながら、内容は完璧に脳内へインプットしていた。彼にとってこの講義を理解することは、呼吸をするのと同程度の労力しか要さない。小学一年生が足し算のドリルを解くのと何ら変わりない退屈な時間だった。


昼休み。リヒトは喧騒を避けるため、昨日と同じ旧校舎裏へと足を運んだ。目的は一つ、愛飲している無糖コーヒーだ。自販機で缶を購入し、その冷たい感触を掌に感じながら校舎を離れようとした、その時だった。


視界の端、昨日と同じ場所で、既視感のある光景が展開されていた。昨日遭遇したあのアメフト部崩れの三人組が、今度は別の気弱そうな男子学生を取り囲んでいる。


「あ……。」


男たちの一人がリヒトに気づき、顔を引きつらせた。昨日の圧倒的な敗北が脳裏をよぎったのだろう。彼らの間に走ったのは、明らかな畏怖だった。


「チッ……今回は見逃してやるよ。」


捨て台詞と共に、男たちは逃げるようにその場を立ち去っていく。


リヒトが拳を振るうまでもなかった。残された男子学生が呆然としている前で、リヒトはポケットに片手を突っ込んだまま、首をくいっと動かした。「行け」という無言の合図だ。学生は弾かれたように何度も頭を下げ、慌ただしく駆け去っていった。


その後も、何事もなく午後の講義は消化され、キャンパスは夕暮れの色に染まった。リヒトは帰路に就く。すべては平常通り。そう思っていた。


横断歩道の前に立ち、信号が青に変わるのを待つ。歩き出そうと足に力を込めた、その瞬間。


リヒト「ッ……!」


足が、動かない。まるで鉛でも流し込まれたような重み。視線を足元へ落とすと、そこには昨日の化け物――「黒い影」が、足首にへばりつくようにして蠢いていた。影は不快な粘着音を立てながら、ゲラゲラと下卑た笑みを浮かべ、リヒトを見上げている。


周囲の視線が痛い。信号待ちの車のドライバーたちが、青になっても渡ろうとしないリヒトを、そして彼が凝視している足元を、怪訝そうに見つめている。彼らには、この黒い異形が見えていないのだ。


リヒト「くっ……重い……。それに、このタイミングで現れやがったか。」


黒影ケラゲラ――アルフェッカはそう呼んでいた。こいつらがどこから来て、どういう存在なのか。そんなことは今はどうでもいい。


リヒトは舌打ちし、手で強引に引き剥がそうとする。しかし、指先は虚しく影をすり抜けた。まるで煙を掴もうとしているようだ。


リヒト「(……?)」


リヒトの脳内で、昨夜の「真っ白な世界」での会話が高速で検索される。


アルフェッカ『汝は今、物質と霊質の境界を自在に行き来し得る生物へと昇華しつつある。あの瞬間、汝は己の『まなこ』で黒影を視認したのではなく、魂でそれを『見た』に過ぎない。』


リヒト「……あいつの話が本当なら、今のコイツらは他の人間には見えていないはずだ。今の俺は物質の状態だから、霊的なコイツらに触れることができないのか……?」


信号が点滅を始める。焦燥感が募るが、リヒトの思考は冷徹だった。


リヒト「いや……俺に『力の種』が与えられたというなら、俺自身の意志で、ある程度はその状態チャンネルを切り替えられないとおかしい。……信じろ。自分自身の力を。」


リヒトは深く息を吐き、意識のギアを切り替える。再び、足元の影へと手を伸ばした。今度は違う。指先に、確かな「抵抗」があった。


リヒト「……捕まえた。」


リヒトは渾身の力で黒影を鷲掴みにし、アスファルトから引き剥がした。ブチブチッ、と嫌な音が鳴る。手の中でスライムのように暴れ回る影は、不気味に形を変え続け、蠢いていた。


リヒト「……気味の悪い生き物だ。いや、これを生物と呼んでいいのか……?」


信号が赤に変わる直前、リヒトは影を掴んだまま駆け足で横断歩道を渡り切った。


そのまま足を止めず、アパートの前までたどり着く。だが、このまま部屋に入れるわけにはいかない。


リヒト「さて……問題はコイツをどう処理するかだが……。俺に一体、何をしろって言うんだよ……。」


リヒトが思案した、その時だった。掌の中の影が、ニチャリと口元を吊り上げた。次の瞬間、風船が膨らむような勢いで、黒い塊が急激に膨張を始める。


リヒト「ッ……!」


リヒトは瞬時に危険を察知し、膨れ上がる影を地面へと叩きつけた。


影は地面に染み込むことなく、ボールのように跳ねると、さらに巨大化を続けた。ほんの数秒で、それはリヒトの背丈を優に超える巨大な黒い塊となり、行く手を阻むように立ちはだかった。


黒影「ギギギッ……。」


リヒト「……やっとそれらしくなってきたじゃねえか。……だが、あいにくここは住宅街だ。俺に用があるなら、場所を変えたい。」


言葉が通じる保証などない。だが、リヒトは化け物相手に臆することなく交渉を持ちかけた。すると影は、理解したのか馬鹿にしているのか、胴体から太い腕を伸ばし、人差し指一本で「こっちへ来い」と挑発的なジェスチャーをして見せた。


リヒトは眉をひそめつつも、その後を追う。たどり着いたのは、夕闇に沈んだ無人の公園だった。


影は砂場の前で立ち止まると、ゆっくりとリヒトの方へ振り返った。もはや、先ほどまでのふざけた笑みはない。漆黒の顔面に巨大な裂け目が走り、鮫のような鋭い牙が無数に並んだ口腔が露わになる。


黒影「グオオォォォ!!!」


空気を震わせる咆哮。それは捕食者が獲物を前にした時に見せる、剥き出しの殺意だった。


本性を現した影を前に、リヒトは一切動揺することなく、冷たく呟く。


リヒト「……アルフェッカ。これがアンタの言う『試練』ってやつか?」


リヒトの呟きなど意に介さず、影の背中から無数の黒い触手が槍のように噴き出した。風切り音と共に、漆黒の凶器がリヒトへ殺到する。


リヒト「ッ……!」


リヒトは最小限の動きでそれを回避する。アスファルトを砕く触手の連撃を、紙一重で見切りながら、リヒトは冷たく言い放った。


リヒト「……少なくとも、戦う場所を選べる知性だけは褒めてやるよ。だが……。」


リヒトが地を蹴った。人間離れした加速で、瞬く間に化け物の懐へと潜り込む。右拳に全身のバネと、そして新しく芽生えた「力」を収束させる。


リヒト「……場所は選べても、相手を選ぶ知性は持ち合わせていなかったようだな。」


ドォォォォン!!


放たれた拳が黒影の核を捉えた。それは打撃というより、爆撃に近い衝撃だった。リヒトの拳が触れた瞬間、黒影の肉体は風船が破裂するように弾け飛び、瞬時に霧散した。


飛び散った黒い血液のような飛沫が、リヒトの全身に降りかかる。


リヒト「ッ……!」


反射的に腕で顔を庇う。だが、粘液の不快感はなかった。リヒトに触れた黒い肉片は、瞬時に炭のように硬化し、さらさらとした灰になって崩れ落ちていく。後に残ったのは、静まり返った公園に佇むリヒトと、夜風に舞う塵だけだった。


リヒトは大きく息を吐き、強張っていた肩の力を抜いた。


帰宅し、自室のベッドに腰を下ろす。静寂な部屋の中で、リヒトは虚空を見つめながら思考を巡らせた。


リヒト「……これも全部、アンタの仕業だってのか。アルフェッカ。」


手にはまだ、あの固い感触が残っている。


リヒト「……あれ以来、普通の夢は一度たりとも見ていない。今日もまた、あの真っ白な空間に呼び出されるのか?俺は。」


その日の夜。リヒトはルーチンのように漫画本を読み終えると、常夜灯すら消し、ベッドへと身を横たえた。できることなら、再びあの白い荒野へ招かれ、この理不尽な事象に対するヒントを得たい――そう願いながら、意識を手放した。


――だが。


薄らと感じる光。しかしそれは、あの絶対的な白の輝きではなかった。リヒトが重い瞼を持ち上げると、そこにあるのは見慣れた天井。薄暗い部屋に、カーテンの隙間から朝の陽光が射し込んでいるだけだった。


リヒト「……失敗か。」


夢は見なかった。当然、あの世界への扉も開いてはいない。


その日は土曜日。大学の講義はない。


リヒトはそれから一言も独り言を漏らすことなく、黒のタートルネックに細身のブラックパンツの私服へ着替えると、駅近くにある市立図書館へと向かった。


適当な空席を見つけ、大学の専門書ではなく、持参した漫画本を広げる。講義の予習復習など、彼にとっては時間の浪費に等しい。今の彼に必要なのは、フィクションの世界に没頭し、現実のノイズを遮断することだった。


机に頬杖をつき、ページをめくる指だけを動かしていると、ふと視界の隅――窓の外に違和感を覚えた。


そこだけ、妙に暗い。


リヒトが顔を上げ、窓の外へ目をやった瞬間、その思考が一瞬凍りついた。


リヒト「なっ……。」


ガラスの向こう。そこに、昨夜葬ったはずの『黒い影』がベッタリと張り付いていた。ニヤついた三日月形の目をこちらに向け、重力など存在しないかのように窓枠にしがみついている。ここは二階だ。やはり奴らにとって、物理的な高低差など無意味らしい。


反対側の席に座っていた男子学生が、窓を凝視するリヒトにつられて視線を向けた。しかし、すぐに怪訝な顔をして首を傾げる。彼にとって、そこには平和な街の風景が広がっているだけなのだ。学生はリヒトを不審者を見るような目で見やり、席を変えようと立ち上がった。


その反応を見て、リヒトは冷静さを取り戻す。


リヒト「(落ち着け……コイツらが他の人間に危害を加えるとは限らない。……かといって、こちらから下手に干渉して刺激するのも悪手だ。……ひとまず、無視が正解か……?)」


リヒトが意識的に影から目を逸らし、再び漫画本に視線を落とした、その刹那だった。


パリンッ!!


静寂な図書館に、不吉な破砕音が響き渡る。リヒトは事態を瞬時に理解し、弾かれたように窓の方へ振り返った。


張り付いていた影の姿は、既にそこにはない。あるのは、先程まで綺麗なガラス板だった窓がひび割れて破砕している光景のみ。だが直後、数メートル離れた閲覧席から、女性の悲鳴が轟いた。


「きゃあぁぁぁーーッ!!!」


リヒトが視線を走らせると、そこには異様な光景があった。空中に浮かぶ不可視の力が、女性の長い髪を鷲掴みにし、乱暴に引き上げているのだ。


「なんだなんだ!?」

「どうしたあんた、大丈夫か!?」

「いやぁっ!髪が……!!」


周囲の利用客たちが騒然となる。無理もない。彼らにはあの黒い影が見えていないのだ。髪を引かれている当の女性ですら、何が起きているのか理解できず、ただ見えない何かに怯えて暴れている。まるでポルターガイスト現象だ。


リヒト「クソッ……!」


リヒトは即座に席を蹴り、女性のもとへ疾走した。躊躇なく女性の頭上に手を伸ばし、髪に絡みついている『見えない何か』を力任せに鷲掴みにする。そのまま影を引き剥がすと、脇目も振らずに出口へと駆け出した。


後に残されたのは、地面に蹲って震える女性と、リヒトの背中を呆然と見送る利用客たちだけだった。


図書館を出て通りへ出ると、リヒトは道路の脇で立ち止まり、掴んでいた影へ右拳を叩き込んだ。


リヒト「はぁぁっ!」


ドスッ、と鈍い音がして影の胴体が大きく凹む。だが、なぜか昨夜のように霧散することはなく、ダメージが通っている様子もない。影は相変わらずニヤニヤと下卑た笑みを浮かべ、リヒトを見上げている。


リヒト「(この個体……見るからに昨夜の奴よりひ弱だ。だが、それはあくまで外見上の話。昨夜のように突然変異的に巨大化する可能性も捨てきれない。コイツらの生態が不明な以上、今やるべきは戦闘じゃない。実験だ。)」


リヒトは影を鷲掴みにしたまま、人目の少ない河川敷へと移動した。土手のアスファルトに影を押し付け、足に力を込めて踏みつける。通りがかる数人が、何もない空間を踏みつけているリヒトを奇異な目で見ていくが、今はそんな世間体を気にしている場合ではない。


リヒト「少なくとも、俺の『力』は発動してるみたいだ。でなければ、こうして実体のない影を掴んだり、踏みつけたりという行為は不可能なはずだからな。」


リヒト「……とすると、昨夜のように巨大化した状態でなければ倒せない仕様なのか……それとも、単純に今の俺の出力が足りていないのか……。」


リヒトは冷静に仮説を立てながら、影の性質を探っていく。今分かっていることは、この力はある程度、自分の意思で制御可能だということ。だが、人間の意思というのは想像以上に弱い。


リヒト「……まずは環境だな。それ相応の状態フィールドに身を置かなければ、俺の力には限界がある。」


リヒトは手始めに、掴んだ影を川の水面へと乱暴に浸した。特に深い意図はない。とにかく今は、あらゆる刺激を与えて反応を見る必要がある。


リヒト「反応なしか……。だが、少なくとも『水』という物質による抵抗は受けている。一概に物理法則外の存在というわけでもなさそうだ。……何だ?何か特定のトリガーがあるのか……?」


リヒトはふと、先程の図書館での出来事を反芻する。


リヒト「そう言えば……あの時、窓ガラスが割れる音を聞いて俺が振り向いた時には、既に影は別の場所へ移動していた。……いくら何でも速すぎる。通常の物理法則に照らし合わせれば、あの短距離移動でも音速を超えていなければ辻褄が合わない。……まさか、空間転移テレポートか……? それとも、俺の脳の処理落ち(ラグ)が生み出した錯覚か……。」


リヒトが思考の迷宮に沈みかけた、その時だった。近隣のビル街から、空気を震わすほどの爆発音が轟いた。


ドカァァァン!!!


リヒト「ッ……今度は何だ……!」


思考を中断し、リヒトは音のした方向へ向かって土手を駆け上がる。横断歩道越しにビルを見上げた瞬間、リヒトの瞳が驚愕に見開かれた。


そこには、これまでの常識を覆す光景が広がっていた。


「きゃあぁぁぁーー!!!」

「ひっ……た、助けて……!!」

「何だこの化け物は……!?」


オフィスビルの四階の窓が盛大に破砕し、ビルの中からは黒煙が立ち上っている。その下で悲鳴と怒号が交錯する中、リヒトはまず何よりも先に、『ある事実』に戦慄した。


リヒト「見えてる……だと?」


道路に佇む巨大な黒い影。そのサイズは、昨夜リヒトが倒した個体の倍はあるだろう。周囲には乗り捨てられた車が散乱し、逃げ遅れた人々が腰を抜かして震えている。そして何より重要なのは、その場にいる全員が、あの怪物を視認し、恐怖しているということだ。


リヒトは手に持っている小型の影を一瞥し、再び目の前の巨体を睨み据えた。


リヒト「コイツらが昨夜のように巨大化する性質を持っているなら、この二体を近づけるのは危険だ。」


リヒト「だが、どうする……。俺の力の発動条件が明確でない以上、下手に戦闘を仕掛けるより、人命救助を優先して警察の到着を待つのが賢明か……?」


リヒトが判断に迷った、その一瞬だった。パニックに陥った群衆の中から、一人の中年男性がカバンを振り上げ、自暴自棄になったように黒い影へと突撃していった。


「うおおおおっ!!これでも喰らいやがれ!」


リヒト「馬鹿、よせ!!!」


リヒトの制止も虚しく、男性は間合いに入ってしまった。巨大な影はニタリと笑うと、羽虫でも払うかのような動作で男性を蹴り飛ばした。


ドォン!


生々しい打撃音と共に、男性の体が布切れのように宙を舞う。凄まじい速度で反対側のビルの壁面に叩きつけられたその体は、ピクリとも動くことなく、ズルズルとアスファルトへ落下した。即死だった。


リヒト「……。」


その惨劇を目の当たりにし、現場はさらなる恐慌状態へと陥る。


「ギャァァァ!!!」

「あ……あ……。」


それまで面白半分でスマートフォンを向けていた野次馬も、正義感で残っていた人々も、蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う。あまりの恐怖に腰を抜かし、その場から動けなくなる者もいた。


リヒトは覚悟を決め、動けない人々のもとへ駆け寄った。


リヒト「……立ってください。ここは危険です。」


スーツ姿の男性が、怯えた顔でリヒトの方を見上げる。


リヒト「早く!!このままではあなたも、あの化け物に殺されますよ!?」


あえて恫喝に近い強い口調で言い放つ。恐怖で思考停止していた男性は、リヒトの剣幕に弾かれたように立ち上がり、震える足で走り出した。リヒトはその背中を押し、安全圏へと誘導する。


リヒト「この状況下で、誰も通報していないとは考えられない。警察か自衛隊が来るまで、俺がすべきことは一刻も早く逃げ遅れた人々を避難させることだ。」


リヒトは残りの人々にも次々と声をかけ、手を差し伸べ、的確に避難経路を指示していく。その迷いのない姿に感化されたのか、やがて動けるようになった数人が、リヒトに協力し始めた。


「て、手を貸すよ、若いの。」


リヒトはそれを見て軽く微笑み、人々と連携して救助を続けた。やがて最後の女性を逃がし終えた頃、ようやくパトカーのサイレンが街の至る所から響き渡り始めた。


救助活動が一区切りついたことを見届けると、リヒトはその場にへたり込むように腰を下ろした。アスファルトの冷たさがズボン越しに伝わってくる。右手には依然として、あの不気味な感触――小型の黒い影が握りしめられたままだ。


目の前には、ビルの谷間に傲然と佇む巨大な影。そして、自分の手の中にある小さな影。


リヒト「(俺が救助している間も一向に攻撃してこず、律儀に大人しくしている辺り……やはり、これは俺へ向けての『試練』なのか……?)」


ドクン、と心臓が嫌な音を立てる。


リヒトは、自分に向けられた試練で他人が傷つき、ましてや人を死なせてしまったという事実に冷徹な怒りと罪悪感を感じながら、さらに思った。


リヒト「(そういや、この小さな影の方は他の人間に見えていないようだな。影のサイズによって強さどころか見える見えないの違いまであるって言うのか。)」


やがて、赤色灯を回したパトカーが数台、キキーッというブレーキ音と共にバリケードを作るように停車した。防刃ベストを着込んだ警官たちが、慌ただしく降車してくる。


「おい君!そこは危険だ、直ちに離れなさい!」


拡声器越しの警告。リヒトは警官たちに軽く会釈をすると、素直に従う振りをしてその場を立ち去った。だが、完全に現場を離脱することはしない。彼は近くの雑居ビルの陰に身を滑り込ませ、事態の推移を冷静に観察する位置を確保した。


通りには規制線が張られ、ジュラルミンのライオットシールドを構えた機動隊員たちが、巨大な影を取り囲むように展開していく。


現場の指揮官らしき男が、震える声を張り上げてマイクに向かった。


指揮官「警告する!直ちに投降し、武装を解除せよ!繰り返す、直ちに投降せよ!」


常識的に考えれば、言葉など通じるはずもない異形だ。だが、警察組織としてのプロトコル(手順)は踏まねばならないのだろう。滑稽とも言えるその光景を、黒い影は三日月形の瞳で見下ろしていた。


黒影「ゲラ……ゲラゲラ……。」


不快な笑い声が、大気を振動させる。それは明確な嘲笑だった。


指揮官「……総員、構えッ!」


号令と共に、数十丁の拳銃ニューナンブやサクラの銃口が一斉に怪物を捉える。


指揮官「撃てェ!!」


乾いた発砲音がビル街に木霊した。9mmパラベラム弾が、正確無比に影の胴体へと吸い込まれる。


しかし――。


リヒト「(……やっぱりな。物理干渉が無効化されている。)」


弾丸は影の身体に着弾した瞬間、まるで水飴に打ち込まれたかのように運動エネルギーを殺され、ポロポロと地面に落下した。傷一つついていない。それどころか、影は退屈そうに欠伸をするような仕草さえ見せた。


「ば、馬鹿な……拳銃が効かないだと!?」

「隊長! SAT(特殊急襲部隊)の出動要請を!いや、このサイズだ、自衛隊の治安出動が必要かもしれません!」


無線へ怒鳴り込む警官たちの声には、隠しきれない焦燥が混じっていた。


リヒト「(まずいな。この市街地で重火器や戦車なんて持ち出されたら、被害が拡大するだけだ。それに……。)」


リヒトは手の中の小さな影に視線を落とす。


リヒト「(通常の物理攻撃が効かない以上、軍隊が来たところで足止めにもなりはしない。奴を倒せるのは、今のところ『俺』という不確定要素だけだ。)」


覚悟を決める時間は、一秒で十分だった。


リヒトはビルの陰から飛び出すと、警官たちの制止線を軽々と跳躍して越え、巨大な影と警察隊の間に割って入った。


「なっ……何だあの学生は!?」

「止まれ!戻れ!!」


リヒトは背後の怒号を無視し、目の前の巨体を見上げ、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。


リヒト「おい、デカブツ。警察相手じゃ退屈だろ?」


影の巨大な瞳が、ギョロリとリヒトを捉える。リヒトは右手を高く掲げ、握りしめていた「小さな影」をこれ見よがしに見せつけた。


リヒト「お前の仲間パーツの一部、俺が預かってるんだがな。返して欲しけりゃ……ここまで取りに来てみな。」


言い終わるや否や、リヒトは手の中の影を握り潰すように力を込めた。


「ギャッ!」


小さな影が悲鳴を上げる。それを見た瞬間、巨大な影の全身から漆黒の怒気が噴き出した。


黒影「グオオオオオオオッ!!!」


大気を劈く咆哮。警察隊がその音圧だけで怯む中、リヒトは踵を返し、爆発的な加速で駆け出した。


リヒト「(食いついた!)」


その瞬間、巨大な影は姿かたちを変化させ、あっという間に地面に吸い込まれていく。やがて、影はビルの影と一体化し、先程までの巨体は見る影もなくなった。影は警官たちなど目もくれず、リヒトだけを標的に定めて地面を高速で這い回り始める。


「なっ……消え……た……だと?」


警察の声はすぐに遠ざかった。リヒトは迷路のような路地裏を、パルクールのような身軽さで駆け抜ける。ガードレールを飛び越え、フェンスを蹴って三角飛びで壁を登り、最短ルートを計算しながら走る。


リヒト「へえ……そんなこともできるのか。だけど、それは俺にお前のデータを提供するだけだぞ?」


リヒト「(ここじゃ狭すぎる。暴れられたら建物が崩壊するぞ。誘導するなら……あそこしかない!)」


リヒトが目指すのは街の外れ。一級河川、筑後川の広大な河川敷だ。


息を切らしながらも速度を緩めないリヒトの背後に、アスファルトを滑りながら迫る影の気配。


数分間の命懸けの鬼ごっこの末、視界が開けた。土手の向こうに広がる、一面の緑と砂利。そして、夕陽を反射して煌めく川面。


リヒトは土手を滑り降り、人の気配が完全にない橋脚の下までたどり着くと、くるりと振り返った。


リヒト「ハァ……ハァ……。ここなら、文句はないだろ。」


影はリヒトに追いつくと、一度橋の影と一体化し、その後地面に広がる影の上からスルリと実体化した。再び巨大な黒影となって、リヒトの前に立ちはだかる。


周囲には遮蔽物も、巻き込むべき人間もいない。ただ、川風が吹き抜けるだけの荒野。


リヒトは呼吸を整え、ポケットから手を出すと、ゆっくりと構えを取った。その瞳には、恐怖ではなく、冷徹な計算と静かな闘志が宿っていた。


リヒト「さて……実証実験テストの続きといこうか。」


巨大な眼球が、ギョロリと動いた。昨日と同じだ。戦闘態勢に入った瞬間、彼奴等はニヤついた笑みを捨て、途端に好戦的な獣へと変貌する。


リヒトは即座に襲いかかるかと思いきや、構えた手をわずかに緩め、問いかけた。


リヒト「なあ、一つ質問なんだが……お前、知能はあるんだろ?……だったら、お前たちの目的は何だ?」


返答が返ってくるとは思っていない。だが、聞いて損をするようなことでもない。相手の反応速度、理解度、それらを測るためのジャブだ。


影は、小馬鹿にするように首を傾げる動作を見せた。


リヒト「……やっぱり、意思の疎通はできても会話は不可能か。」


直後、影の背中から巨大な黒い触手が噴き出し、切っ先をリヒトへ向けた。


リヒト「フッ……来いよ。」


風切り音と共に、数本の触手がリヒトへ殺到する。リヒトは最小限の動きでそれら全てを見切り、紙一重で躱していく。回避された触手の一撃が橋脚を掠めた。たったそれだけで、分厚いコンクリートがバターのように抉り取られる。


リヒト「……俺は良いが、人と建物は傷つけるなよ。まあそんなことを言っても、お前は既に一人殺してるけどな。……その(他人を巻き込んだ)時点で、お前が俺に倒されることは決まってたんだよ。……『運命』ってやつでな。」


リヒトが地を蹴った。人間離れした加速。影も迎撃しようと触手を振るうが、リヒトはその軌道を完全に見切り、瞬く間に懐へと潜り込んでいた。


リヒト「ハァァァッ!!!」


渾身の一撃を、影の胴体へと叩き込む。しかし、手応えは一切ない。やはり、昨日とはどうも感覚が違う。


リヒト「ッ……。」


リヒトは即座にバックステップで距離を取った。


リヒト「なるほどな……どうもスピードは上がってるらしいが、パワーの方はイマイチみたいだ。……このままじゃ、逃げるばかりで決定打を与えられそうにはない。」


影はリヒトの呟きを聞いてニタリと笑い、人差し指をくいっとして、まるで「かかってこい」とでも言いたげな挑発をして見せた。


リヒト「待て、今考えてる。来たければ来てもいいぞ。返り討ちにするだけだけどな。」


リヒトが挑発し返すと、影はあからさまに激昂した。触手による牽制を捨て、凄まじい形相でリヒト本体へ突進してくる。単純な突撃。リヒトはそれを予期していたかのように、口角を吊り上げた。


カウンターの要領で、先程と同じ渾身の一撃を、再び影の胴体へと叩き込む。


ドォォォォン!!!


確かな手応え。影の胴体が大きく抉れ、弾け飛んだ黒い肉片が瞬時に灰となって霧散していく。


リヒト「……よし。手応えありだ。」


一歩下がり、様子を窺う。影は腹を抱えるようにして悶えている。


リヒト「どうやら、感情が高ぶった時には極端に防御力が弱くなるみたいだな。それとも、何か他の要因でもあるのか?」


しかし、抉れたはずの胴体は、見る間に断面が癒着し、再生していく。


リヒト「(確実に倒すなら、やはり頭を狙うべきか。)」


リヒトは今度は自ら仕掛けた。橋脚を蹴って高さを稼ぎ、ガラ空きの頭部へ回し蹴りを放つ。だが、寸前で触手が割り込み、蹴りは黒い防壁を浅く削るだけに留まった。


着地と同時に、リヒトは間髪入れずに連撃を叩き込む。その全てを、影の触手が高速で防いでいく。


リヒト「(さっきより明らかにスピードが上がってる……そこまでして必死で守るってことは、やはり頭が弱点か。)」


リヒト「どうした?防御一辺倒じゃ、俺は倒せないぞ。……もっとも、お前の目的が俺を倒すことなのかどうかは知らないが。」


再びの挑発。しかし今度は、影は動じない。それどころか、突然ゲラゲラと笑い始めた。


黒影「ゲラ……ゲラゲラゲラ……。」


リヒト「(何だ……?触手を戻した……諦めたわけじゃなさそうだが……。)」


好機と見たリヒトは地面を蹴り、無防備な頭部へと迫る。捉えた――そう確信した瞬間。


リヒトは橋脚を蹴り、がら空きの頭部へと迫る。そして……。


スッ。


リヒトの蹴りは、影の頭をすり抜けた。実体を失ったかのような感覚。想定外の事態に体勢を崩し、勢い余って地面へと転がる。


リヒト「ぐっ……!」


その時、突如として影の口が歪に動いた。


黒影「彩雲……リヒト……。」


リヒト「……!!!」


初めて聞く、影の声。そして、明確な言語。その声は、どこかあの『真っ白な世界』で聞いた天使の声と同じく、電子ノイズのような不快な響きを帯びていた。


リヒト「(コイツ……喋れるのか……。)」


次々と起こる想定外の事態。だがリヒトは強引に理性を働かせ、深く呼吸をした。


リヒト「……ああ、そうだ。お前みたいな怪物が俺の名前を知ってるってのは、どうも気味が悪いもんだな。」


影はゲラゲラと笑う。


黒影「ゲゲッ……ソレ、当タリ前……。お前、神ノ力持ッテル……。」


リヒト「神の力……か。」


リヒト「お前が喋れることは分かったが……どうにも、正確に意思疎通ができる知能レベルじゃないらしいな。……日本語初心者か?」


リヒトが煽り混じりに吐き捨てると、影の顔から笑みが消え失せた。


黒影「ソンナノ、関係ナイ……俺タチ、お前ユルサナイ……ダカラ、殺ス……。」


リヒト「……だったら、かかって来いよ。俺もお前を殺すつもりで戦ってるんだ。……お前も、死ぬ気で来い。」


黒影「ギギッ!」


次の瞬間、黒影は再び触手をリヒトに向けて解き放つ。今度は先程よりも速い。だが、リヒトの動体視力はそれすらも捉え、紙一重で躱していく。一本が頬を掠め、赤い筋を作るが、代償を払った分だけリヒトは深く踏み込んでいた。


完全に懐に入った。リヒトは影の腹前で、右拳に全身全霊の「力」を収束させる。


リヒト「……勝負ありだ。」


ドォォォォン!!


リヒトの拳が、黒影の鳩尾に深く突き刺さる。いや、突き抜けた。黒影の胴体に風穴が開き、抉り出された黒い肉片が背後へと吹き飛び、瞬時に灰となって散っていく。


黒影「ギ……ギギ……。」


影は、故障した機械のように動きを止めた。


リヒト「(霧散しない……まだ倒しきれてないってことか。)」


しかし、先程のように胴体が再生する気配はない。リヒトは油断なく残心を保ち、様子を見る。河原に、一瞬の静寂が満ちた。


――それは突然だった。静寂を貫いていた影が、突如として動き出す。全身の黒き肉が蠢き、やがて泥のように崩れ落ち、リヒトの方へ雪崩込んだ。


リヒト「ッ……!」


間一髪でバックステップを踏んで躱す。だが次の瞬間、リヒトの左手に異変が起きた。それまで掴んでいた「小さい方の影」――戦闘中、ピクリとも動かなかった人質代わりのパーツが、突如として激しく脈打ったのだ。


まるで意志を持った液体のようにリヒトの指の隙間から滑り出し、地面に広がる「崩壊した影」へと吸い込まれていく。


ジュワッ、と嫌な音がした。瞬く間に肉片が再構築されていき、融合したそれは、ひとつの新たな、そして巨大な影へと変貌を遂げた。


リヒト「嘘だろ……?」


もはや橋の下に収まるサイズではない。影は橋を突き破ることもせず、またしても律儀に、開けた河原の方へと移動した。リヒトはそれを追い、何もない荒野で対峙する。


リヒト「……随分、デカくなったじゃねえか。」


リヒトのそれは、虚勢に近いものだった。目の前の存在が、先程まで自分が圧倒していた存在とは圧倒的に別次元のものへと進化したことを、肌で理解していた。


影はまたしても、リヒトを見下すようにゲラゲラと笑い始めた。そして、巨大な胴体から鞭のような触手を出現させる。


リヒト「ぐッ……!!」


反応すら、できなかった。リヒトの肩に激痛が走る。恐る恐る視線を落とすと、そこには触手が深々と突き刺さり、肩を貫通していた。鮮血がドクドクと流れ出し、服を赤く染めていく。


リヒト「(痛い……痛い……痛い……。)」


リヒト「何が起きた……?一体、何が……。」


初めて、リヒトの思考が完全に停止する。その時、影の口が動いた。


黒影「オマエハ、バカダ……サッキノ時点デ、俺ヲ確実ニ……倒シテオクベキダッタ……。」


リヒトの額から脂汗が噴き出す。恐怖で顔が強張る。


リヒト「な……にを……。」


黒影「ソノ慎重サ故ニ、オマエハ……シヌ。」


その瞬間、リヒトの脳内で、抽象的な概念だった『死』が、初めて生々しい現実として迫り上がってきた。


リヒト「(俺が……死ぬ……だと?)」


理性のタガが外れる音がした。一瞬、完全に肩を下ろす。しかし、それは決して安堵ではない。


リヒト「ウァァァアアア!!!!」


リヒトは貫かれている触手を無理やり引き抜き、血飛沫が舞うのも構わず、背を向けて走り出した。土手を駆け上がり、ただひたすらに逃げる。これまでのような冷静沈着な仮面は剥がれ落ちた。そこに在るのは理性ではなく、死を恐れ、生へしがみつく生物としての本能のみ。


黒影「ムダダ……彩雲……リヒト……。オマエハ、カミニハナレナイ……リヒト。」


影はカタコトで宣告すると、全身から無数の鋭利な触手を展開し、逃げ惑う背中へと一斉に射出した。


回避不能。無数の黒き処刑槍が、リヒトへ降り注ぐ。


リヒト「ッ……!!」


死を確信したその刹那、リヒトの世界がスローモーションのように引き伸ばされた。


リヒト「(あれ……。俺、なんでこんなことしてんだ……?)」


走馬灯のように、思考が巡る。


リヒト「(俺はただ、平凡に生きたいだけ……いや……違う……。)」


リヒト「(俺は……刺激を求めていた。あんな退屈な生活が続くくらいなら、いっそ危険を冒してでも、生きている実感が欲しかった……。)」


リヒト「(その求めた刺激で……俺は死ぬのか……?)」


脳裏に浮かぶのは、あの真っ白な空間。そして、恐らくはこの全ての元凶である天使の姿。


リヒト「ああ……恨むぞ……アルフェッカ……。お前は……天使なんかじゃない……人に希望を抱かせ、陥れる……間違いなく、悪魔だよ……。」


リヒトはそう呟き、静かに目を閉じた。


永遠とも思える一瞬が過ぎる。しかし、いつまで経っても肉体を貫く衝撃は訪れなかった。痛みもない。死後の世界にしては、意識が鮮明すぎる。


リヒトは恐る恐る、自分の体を見下ろした。


リヒト「何だ……俺……どうなったんだ……?」


生きていた。傷は痛むが、致命傷となるはずの追撃を受けていない。


その時だった。


黒影「ギィィィィィィ!!!!!」


背後から、凄まじいノイズ混じりの絶叫が響き渡った。それは間違いなく、先程まで自分を死の淵へ追い込んでいた、あの黒き影のものだ。


リヒトは弾かれたように振り返った。


フェブ「あ、気づいた?」


そこにいたのは、一人の少女だった。


夕日を背負い、神秘的な光を纏っている。ベージュのショートヘアに、肩を出した黒い半袖パーカー。腰には無骨な黒いベルト。年齢は十代半ばほどだろうか。一見すればただの少女だが、その佇まいはどこか神々しく、同時に触れれば壊れそうなほど儚く、美しかった。


何よりも、目の前の現実離れした光景こそが、彼女が『こちらの住人』ではないことを雄弁に物語っていた。


リヒト「アンタ……は……。」


リヒトが大きく目を見開く。無理もない。先程まで手も足も出なかったあの巨大な『影』が、まるでビデオテープを一時停止したかのように、空中で完全に静止していたのだ。止まっているとか、そういう次元ではない。彫刻でもなく、ただそれは「時間が停止した」としか表現できない、完全な停止だった。


その異様な絵画の中で、少女だけが、悪戯っぽく微笑んでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ