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疑問

「・・・おかしい」

 考え事をしていた俺は、不意の発言にみんなからの視線を集めてしまった。


「あっやべ」


 いつもの悪い癖が出てしまった、どうしても考え事をしてるとつい何か呟いてしまう・・・


「すいません、何でもないです」


 俺は逃げるようにその場を去った。

 しかし俺がそう呟くのも無理ない、鬼塚玲奈が家出をしてから、ここ最近家出に関する通報が一切なかった、更に俺の勘だが、鬼塚玲奈は俺たち警察を怖がっている。

 でも何でだ?警察は基本市民を守るための組織だ・・・何故怖がる?犯罪者なのか?とにかく資料室で鬼塚玲奈に関する情報を集めなくては。


 俺は資料室へと向かい、急いで資料室の中に入り

一息ついてから鬼塚玲奈に関する情報集めを始めた。

 鬼塚玲奈関連の情報を集めていた時、ふと気になる資料を見つけた。

ーーーーーー

【生態科学研究機構の調査報告書】

調査日:2019.10.30

メンバー:⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎・⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎

生態科学研究機構について周辺住民、団体関係者からの情報収集結果

【団体関係者】

・会社を設立直後に一定期間続いた謎の連続行方不明事件については関係がない

・人類の新たなる発展を願って設立した

・自然界の生態系を調べ、人類がそれらに少しでも対応でき、自然界との共存を目指して、研究していく

【周辺住民】

・会社の窓に変な影が見えた

・時々謎の叫び声が聞こえたりする

(数十日に一回程度、一年間続く)

また生態科学研究機構の設立から数ヶ月後に肉製品が腐りやすく、匂いが臭くなり味も不味くなっていて〇〇市のスーパーが次々に廃業している

関連性は低いが周辺住民の苦情が多く一応報告

                      以上

ーーーーーー

 調査報告書にしては内容が薄い、簡単な調査だとしてももう少し多めに書いてあるはずなんだけど、この報告書は何だ?そして何より、調査メンバーの名前が伏せられている、一体どういうことだ?

・・・・・・

 この報告書といい、鬼塚玲奈関連での疑問点が多いいが、今考えるべき事ではないな・・・

 今はー


「あった、古賀拓哉の電話番号と住所、働いてるところも・・・生態科学研究機構であってる、この人が玲奈ちゃんのお父さんで間違い無いだろう」


 俺は古賀拓哉の個人情報と生態科学研究機構の調査資料をファイルにまとめ、智哉達がいる取調室へと向かう。


「さて、広間先輩がいない間に僕も仕事をしますか」


 数分間の静寂の後、いきなり智哉さんはそう言うと徐にメモ帳を取り出し始めた。

 さっき事情聴取は受けたはずなのに、なぜまた質問を?そう疑問と抱いていたらまた取り調べが始まった。


「えーっと、まず最初に聞こうと思ったのが、君達って付き合ってる?」


「は?」

「はい?」


 真面目な質問かと思い身構えていたが、予想外の質問に僕は混乱してしまった。

 智哉さんは僕たちの反応にニヤけながら続けて言った。


「いやー仲良さように見えたし、一泊したってんならそりゃもーねぇ」


「どっからどう見れば、仲良さそうに見えるんですか!しかもまだ知り合って1日も経ってないですよ!」

 

「そうです!昨日助けてもらって、更に1日泊めてもらったのには感謝してますけど、勝手に彼氏と決めつけられるのは困ります。」


「2人は付き合ってない・・・っと」


「「なんでメモするんだよ!・ですか!」」

 

「おぉ!ハモった!やっぱ仲良いじゃあん」


 智哉さんにからかわれて本気で一発顔面を殴りたいと、そう思った。

「じゃあ次に聞きたいのは・・・」

◇◆◇◆◇◆◇

「2人ともありがとうね、僕のわがままに付き合ってくれて。」


 智哉さんは満足そうに言った。

 あれから数分間は質問やら智哉さんの上司への愚痴やら、最近あった正直どうでもいい話などを次々に聞かされ、俺たちはもうクタクタになっていた。

 

「どうも、お待たせって、えぇ?何があったんだよ」


「すいません広間先輩、つい会話の花を咲かせちゃいました・・・。」


「会話の花をって、どう見ても一方通行な気がするけど・・・まぁいいか、智哉くんの説教は後にして、玲奈ちゃん、お父さんとの連絡がついたよ、迎えに来るらしい、これで安心して家に帰れるな。」


「そう・・・ですか、ありがとうございます。」


 玲奈ちゃんは顔を曇らせて俯いてしまった・・・

 やはり玲奈ちゃんは親に虐待されてる可能性が高いな、だか確証が足りない・・・


「智哉、ちょっと外で話したいことがある、君達はここで少しだけ待っててくれるかな?」


「はい?わかりました。」


 晴人くんが不思議そうにこっちを見ているが、それを気にせず俺は智哉と一緒に取調室を出た。


「で、話とは?」


「玲奈ちゃんは親に虐待されてる可能性が高い。」


「でしょうね、じゃなきゃ数日間も家出はしないはずですし。」


「あぁ、でも確証がないんだよね・・・。なぁおかしいだとは思わないか?」


「何がです?」


「お前が言ってた()()()家出をしたって言うなら、必ず行方不明届なりなしかしら警察に通報が入ってるはずだ、だかここ最近の通報で少女が家出をしたなんて通報を受けたって言う情報は入って来てなかった。」


「確かに、普通の家庭・・・何より虐待をしていたなら、自分が虐待してたって言う証拠がバレない為に、いち早く子供を探そうとするはず・・・だか彼はそれをしなかった。」


「そして何より生態科学研究機構が何かしようとしてる気がする」


「と言うと?」


 俺は資料室から拝借した、生態科学研究機構調査報告書を智哉に見せた。


「確かにこの調査報告書を見る限り、彼らが何かしようとしているのがわかりますね。」


「だから、古賀拓哉・・・彼を尋問することにする。」


「了解。で、どうします?広間先輩だけで尋問します?」


「いや、彼はあくまでも研究員だ、警察の動向には敏感だと思う、だから智哉が彼に質問をして俺が心理学で見抜く、そんな感じで行こう。」


「質問の内容は?」


「玲奈ちゃんを虐待してるか、職場で何か怪しいことをしてないか、6年前の連続行方不明事件と一切関係ないかこの3つを質問する。」


「この3つのうちどれか一つでも、嘘をついてた場合はどう対応します?」


「今回はあくまで考察の答え合わせみたいなものだ、もしそれで1つでも嘘をついたからと言って、無理に捕まえても証拠をもみ消されてそれで終わりだ。ならあえて泳がせておいて、のちに確固たる証拠が見つかれば研究員全員を逮捕できる。」


「わかりました、とにかく今は古賀拓哉がここに到着するまでは待ちですね。」


 俺は頷き、取調室に入り古賀拓哉が来るまで待つことにした。

◇◆◇◆◇◆◇

「本当にすいません!うちの子がご迷惑をおかけしました!」


「いえ、俺たちはただ仕事をしたまでです。感謝すべきは、晴人くんでしょう、この子がいなければ玲奈ちゃんがどうなっていたかわかりませんでしたから」


 古賀拓哉、少々痩せ型で、髪は七三に整え眼鏡をかけている、まぁどこにでもいるごく普通の一般男性、見かけ的にはあまり怪しく見えないが実態がわからない以上は警戒を解けないな・・・

 そうこうしてるうちに、玲奈ちゃんの引き渡しが終わり、彼が帰ろうとしている。


「あの、すいません。少しだけお時間よろしいでしょうか?」


「いいですけど?」


 彼は、不思議そうな顔をしながら応答した。


「今回の件で、こちらで少し疑問に思ったことがあったので、3つばかり質問させていただきます。」


 彼の顔はまだ平然としているが、質問と聞いて彼が緊張してるように感じた。


「まず1つ目です、貴方は玲奈ちゃんに対して虐待を行なっていますか?」


「してませんが?。」


 嘘をついてないように感じる。


「ちゃんと育児はしてたんですが、私はここ最近仕事が忙しくって、あまり面倒を見てやれなかったのですよ、なので今回の件を反省してちゃんとこの子を見てやらないとですね。」


 彼はそう言い玲奈ちゃんの頭を優しく撫でた。


「そうですか、いい父親ですね。貴方の家族愛に水を差すようですいませんが、続けて質問させていただきます。」


「構いませんよ。」


「では二つ目です。貴方の職場で何か怪しい事をしてませんか?」


「してません。第一私たちの目標は、人類と自然の共生なので」


 嘘をついてないように感じる。


「そうでしたね、愚問でした・・・では最後の質問です。5年前の連続行方不明事件に貴方たちは関係ありますか?」


「・・・?一切関係ありませけど?第一我々が人に手を出す危険人物に見えますか?」


「・・・え?」


 視界が異常に伸び壁が歪んで見える、耳鳴りもひどく彼の言っている言葉が段々と曇って聞こえてくる、体は冷や汗をかき、立っていられそうになかった。


 嘘だと思いたかった・・・


 だが彼が話している時の声のトーン・目線・動作が全てを物語っていた。





 ()()()()()()()()()()()()()

第4話 疑問

最後まで読んでくれてありがとうございます。

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