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嘘つきたちの本音  作者: おしるこ


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1/4

嘘つきたちの本音.1

【大学 卒業式】


「袴可愛いねぇ、つーちゃん!」

こっちの背が高くて美人なのは

周防百合(すおうゆり)


『ゆりは背が高いから似合ってていいわねー』

こっちの化粧っ気はないが可愛いのは

蒼星椿(あおほしつばき)


[やっと式典終わったなー疲れた]

こっちのロン毛のアンニュイな男は

黒野楓(くろのかえで)



ねぇ、小さい頃に3人で交わした約束、覚えてる?


"隠し事と独り占めはだめなんだよぉ?"

"仲を壊すようなことをしたらいけないんだよ"

"いつまでも3人一緒よ"


幼・小・中・高・大学まで一緒 

バイト先はさすがに違うけど

ずっと一緒にいる 幼馴染だ


【つばきpoint of view】


「あと2週間ちょっとで仕事かぁ…」

『ほんとね…まぁ、あたしはもう少しだけバイト入れてるけど』

「えっ…ぎりぎりまで働くのぉ?」

『もちろん!』

[俺もう辞めたからなー稼いだら奢れよーつばき]

「かえでったらー!つーちゃんは夢のためにお金貯めてるんだからぁ」

『夢って言ったって叶わない夢だけどねー』

「夢は頑張れば叶うって言うもんっ」

[夢かー]

『かえではあるの?夢』

[あるように見えんのか?]

「うーん…」/『ないでしょうね』

[てめぇら!こら!]

「ふふ あ、じゃあわたし帰るね 着替えたい」

『え?もう脱ぐの?もったいなくない?』

「わたしはもういいかなー じゃ、お先にーっ」


ゆりがスタボを後にした


『ふーっ』

[つばきー]

『ん?』

[俺が脱がせてやるから、行こうぜ]

『今帰ったら…ゆりにバレるよ』

[もうよくねーか?いつまで守ってんだよ

ガキの頃の約束なんか]

『…ゆりがいるところではだめ』

[めんどくせーなー]

『そんなこと言わないで…ね?それより、何か食べていく?』

[いや、腹減ってねぇー早く帰ろうぜ]

『はいはい』


【ゆりpoint of view】


「…」

知ってるよ?何年の付き合いだと思ってるの

1年も知ってて知らないフリしてるこっちの身にもなってよ

そろそろ…ほんとのこと話してきてよ


家に帰るなんて嘘 2人から逃げてきたんだ


《いいかげん気づいてるって言えばいいだろ》

この人は島崎草(しまざきそう)くん

ひょんなことから仲良くなったわたしの彼氏

まだ付き合いたてだけど


「だってー2人から言ってきてほしいんだもん」

《いつまで嘘つき続ける気なんだ、お前らは 

そんなんで友達って言えんのかー?》

「やっと卒業したもん 職場も別々だし」

《やっとって…卒業願ってたのか?…薄情なやつー》

「だってぇ…」

《なぁ、俺らが付き合ってるって言ったら、

向こうも言ってくんじゃねぇの?》

「あ、確かに…話してみよっかな!」

《そうしろよ、やっと日なたでお前と歩けるぜ》

「今までこそこそさせてごめんね」

《いいよ!そんなの ほら、行くぞ》

「うんっ!」


とりあえずRileを送って反応を見ることにした


【かえでpoint of view】


"わたし彼氏できたー!島崎草くんだよ"

つばきと一緒に帰ってたらゆりからグループRileが届いた

は…?意味わかんねぇ…なんであいつに彼氏が出来てんだよ

しかも島崎だって…?確か…何回か同じコマにいたような…


『ゆり、いつの間にそんなことになってたのかしら…島崎くんて人、同じ学部にいたっけ…?

どんな人だっけ?さっき言ってくれればよかったのにね…ん?かえで?どうかしたの?』

[…別に なんもねぇよ]

『…』


[よし、着いたー]

『お邪魔しまー…んんっ』

[ん……んんっ…]

[かえ、で…んっ ここ、玄関っ…ん、ん]


ーーーーー


『ねぇ…なんか変だよ かえで』

[そうか?]

『ゆりが彼氏いるっていっ…』

[おい!その話はもういいだろ]

『…やっぱり、ゆりのこと…』

[っていうかそんなこと気にする間柄じゃねーだろ?]

『でも、変だよ!』

[…]

『好きなら好きって言えばいいじゃない』

[…]

『ねぇ…なんとか言ってよ…』

[わかんねーんだよ!俺にも!]

『もういいわ…帰る』

[あ、おい…!]


くそっ!!

…なんなんだ

この気持ちは…なんなんだよ…


【そうpoint of view】


《あいつら、なんだって?》

「わかんない まだ既読がつかないの」

《ふーん》

「よく考えたら、わたしだってつーちゃんだって

かえでだって、別に誰と付き合ったって

誰と遊んだっていいはずだもんね」

《何を今さら…あたりまえだろ》

「なんか…小さい頃からの"呪い"みたいな感じでさ」

《〜しなきゃいけない、みたいな?》

「うん もちろん仲は良かったし、好きだけど 

隠し事とか嘘ついてまでってなんか…」

《よかったじゃん?その""呪い"から解き放たれて》

「うん!」


俺…見てらんなくてさ

苦しそうな顔しながら2人とつるんでる彼女を


ゆりは、本音を話す子じゃないからな

こうしてやれるのは俺しかいないと思った


彼女が元気になってくれればそれで良かった


黒野はゆりのこと好きなくせに

他に何人も手ーだしてたしな…


ゆりは俺と付き合うことにはなったけど、

これで本当に良かったのかはわからない


ほんとはあいつのことが好きなんだろ?

こんなやり方しかなかったのか?


【翌日 ゆりpoint of view】


朝、つーちゃんからRileがきた


"ゆりちょっとでてこれない?"


"いいけど…どうしたの?"


"いいから あの公園で待ってる"


"うん わかった"


わたしは、そうくんに

"つーちゃんに呼び出されて近くの公園に行く"

とRileした

そうくんから返事はない まだ寝てるのかな…?


つーちゃんは…あ、いた なんだか怖い顔してる…?


「いたいた…どうしたの?」

『ねぇ、どういうことなの?』

「え?」

『どうして隠し事なんて…』

「…先に約束破ったのそっちだよね?」

『え…もしかして知ってたの?違うのよ、あれは…』

「わかるよ 見てたら 

それに、もういいんじゃないかな」

『え?』

「嘘つき続けてまで仲良くしてなきゃだめだった?卒業したし、これからは別々の人生も待ってるじゃない」

『…そう そんなふうに思ってたのね

ゆりがそう言うなら…もういいわ じゃあね』


つーちゃんはそういうと走って行ってしまった



[へぇーそういうことになったのか]

「かえでも来てたの?」

[呼び出されたんだよ 俺も

で?もう"仲良しごっこ"は終わりなんだな?ゆり]

「…うん じゃあわたしもう行くか…」

[おい、待てよ ん、んんっ…]

「…ん…んんっ、ちょっとかえでっ!なんで…」

[俺、もう我慢しねぇ…お前が好きだ ゆり]

「遅いよ…わたしには、もう彼氏が…」

[俺の方がお前のことわかってるんだ 俺にしろよ   

 な?]

「…つーちゃんと付き合ってるんでしょ」

[付き合ってなんかねーよ あいつはセ…]

「かえで!つーちゃんのこと、大事にしてあげてよ 友だちでしょ?」

[…気づかなかったんだ、自分の気持ちに

やっと気づいたんだよ、俺…ゆりが…]

「やめて…つーちゃんのこと考えたら…」

[すみれ…んん、んっ]

「ん…んん、離して!…だめぇっ!んんっ、かえでってば!!」

[…]

「…そんなかえで、見たくなかった…」


とりあえず…駅前まで行こ…


…どうしよう…そうくんからまだ返事来てない…


"…会いたい"

返事はきっと来ないかも…なんて思ってたら

意外と早くきた


"ごめん 遅くなった どこにいる?今から行くよ"


"駅前…西口の方のスタボに向かってる"


"わかった すぐに行くから"


どうしよう…そうくん…


《おう!いたいた…って、おい、どうした!?》

「…」

《…泣いてたのか?》

「…友だちじゃなくなっちゃった」

《喧嘩でもしたのか?》

「ううん …わたし、つーちゃんにひどいこと…」《…元気出せよ、な?時間をおけば、また仲良くなれるかもしれないし》

「うん…あ、ごめんね、急に呼び出しちゃって…」《ばーか 気にすんなよ》

「うんっ…ごめんね…ありがと…」


かえでとのことは話さないほうがいいよね…


【かえでpoint of view】


…

「…そんなかえで、見たくなかった」


頭に響いてる 

何回も何回も、あの泣き顔と声が

頭の中をぐるぐる回ってる


あんな顔もするんだな あいつ


初めて見た

何年もずっとそばにいたはずなのに

俺の知らないゆりがそこにいた


『…ねぇ』

[帰ったんじゃなかったのかよ?]

『やっと、自覚したってわけね?』

[趣味わりーぞ 覗き見かよ]

『はぁ…ゆりに嘘ついたみたいに 

あたしにも嘘をつき続けるつもりだったの?』

[さぁな]

『どっちにしても、あたしたちも終わりね こんな関係』

[悪かったな…今まで]

『…さよなら』


【そうpoint of view】


ゆりの部屋にやってきた


《あ、そうだ!》

「ん?」

《卒業旅行いこうぜ?》

「今から予約できるかなぁ」

《予約なんかいらねーよ 車あるしさ 行き当たりばったり旅とかどうだ?》

「楽しそうっ」

《だろ?買い食いとかしてさ 楽しもうぜ!》

「うん!ありがとぉ!」


ふぅ、少しは元気がでてきたか…?


《行きたいところ考えとけよー》

「ありがとう!だいすきっ」


【つばきpoint of view】


…仕事行こ…

ゆりにもかえでにも言ってない

"もうひとつの仕事"


ゆりには、夢のためなんて言ってたけど

夢なんかあるわけないでしょ


信じられるのはお金だけ

今のうちに貯められるだけ貯めたかった


そのためにあたしは…

ウイッグをつけて、化粧をして、ハイヒールを履く


つばきから"エリカ"になる瞬間

心を無にして客の前に行く


今日はここのホテルか…

あたしだけなら絶対に泊まれないな…

高いんだろうな…


"コンコンコン"『エリカです』

❲…来たね 入って❳

『はい 失礼します』

❲……!❳

『?…あの…よろしくお願いします』

❲あ、あぁ…いきなりで、いいのかな?❳

『…好きにしてください』

❲すまん…余裕がなくなりそうだ 

ん、んんっ…エリカ……挿れるぞ…❳

『…ん…んっ… あ…!』

名前を呼ばれただけなのに…なんか変だ…

身体が…熱い⋯

スカートを捲り上げていきなり挿れてきたのに

…すんなり…なんで…?


ーーーーー


❲今度はこっちだ おいで❳

『え?』

…鏡の前…嫌だ…

❲…ここに立って❳

『…はい』

❲よーく見ておくんだ…君の顔がどうなるか…❳

『…』

❲…返事はどうした?❳

『…はい』

❲よくできました じゃあ、挿れるぞ❳

『はい…あぁっ…』


ーーーーー


❲延長ってまだできるよな?❳

『…はい』

ちょっと、まだするの!?4回もしたのに

…何回するのよ!


❲ではこっちへ…❳

『はい』

❲エリカ…少しだけでいい このままで…頼む…❳

『え?はい…』


あれ…抱きしめられてる…

なんでそんなつらそうな顔してるの…?




❲朝まで悪かったね…

なぁ?俺の専属にならないか?気に入ったんだ

これ、連絡先 返事は今じゃなくていい 

いつでも連絡してきていいから❳


金払いはいいけど…

誰が連絡なんかするか!

こんな仕事もう辞めるんだから

『…失礼します』


ふーっ、疲れた…

今日だけですごい稼げたけど…ほんとに疲れた…

さっきの客が何回も延長したせいでもうすっかり明るい…


でも…延長はしたけど…

最後の2時間はずっと抱きしめられてて

プレイとは全然違う、優しい雰囲気だった


あれが本当の彼なのかな


…あー!何考えてんのよ!…どうでもいいわ

帰って寝よ…


【ゆりpoint of view】


朝早く目が覚めた 今日もいいお天気だぁ


やっと堂々と付き合えるようになったのに

泊まっていかないで帰っちゃった

全然手を出してこないんだもん…

そういえば、会うのわたしの部屋ばかりだなぁ

そうくんのおうちってご実家とかなのかな…


付き合いたてってこんな感じ?なのかな…



あっ、旅行先考えとかなきゃ!

雑誌とか探してこようかな


あ、Rile …そうくんかな?


"ゆり、昨日はごめん 本当に反省したんだ…

また会ってくれよ もちろん2人きりじゃなくていいから"


かえで…

…つーちゃんとも会えないよ、もう

ひどいこと言っちゃったの聞いてたんでしょ?


返事はしなかった


ふぅー気を取り直して

あとで本屋さんにでも行ってこよっと


【本屋】


へぇーいろんな特集の雑誌があるんだぁ

車で行けるところ…

そうくんの行きたいところも聞いておかなきゃ


"旅行先どこにしよっか?

今本屋さんにいるんだぁ 

いろんなところの雑誌があるよー!"


よし…っ!

返事くるかなぁ…


30分くらい待ってたけど、まだ寝てるのかな 

先にスーパー行ってきちゃお


【↷朝 かえでpoint of view】


あいつ…既読スルーかよ

しょうがねぇか 嫌われることしたんだから


朝、はえーけど

ちょっと外いって気分転換してくるか



あれ…島崎か?いや、違うか

あいつ、あんなに垢抜けてねーしな


学校以外でこんな時間から外に出るとかひさびさだわ 

「かえで、おそーい!遅刻しちゃうよぉ、早くー」



タバコの自販機か…そういや、やめて結構経つな…

「かえで!健康に悪いよ!心配だよぉ…」



…ゆりの顔がぐるぐるしてる

ずっとそばにいたのに…気づくのおせーよ、俺


あーだめだ 気分転換になんかならねーじゃんな


…ふーーっ

うめぇ…

もう、無理なんだよな

俺も他に目ー向けねぇと


新天地でも探すか

職場から近くて、ここから遠いとこ


…部屋の片付けめんどくせーけど

もう誰も手伝っちゃくれねーんだ

とっとと決めて動くか…決心が鈍る前に



【ゆりpoint of view】


返事返ってこないなぁ…

先に買ってきたもの片付けちゃお!


ふんふん〜♪

だいぶ片付いたぁ ちょっと疲れたー


あ、Rile…そうくんだ!


"すまん 寝すぎた!!そうだなぁ、どこにするかな

まだ本屋にいるのか?そっち行こうか?"


"1回家に帰ってきたけど、今から行けるよ!

来てくれるなら本屋さんに行くね!"


"わかった!俺もすぐに行く"


今日も会えるんだ!

メイク直して…行ってこよ♪


【本屋 そうpoint of view】


まだ来てないか 先に見てるかー


どこにすっかなぁ…


「いたーおまたせ!」

《おう!悪かったなー行ったり来たりさせて》

「ううん!全然大丈夫!」

《どこがいい?》

「うーん…」


箱根、熱海、伊豆…

山梨、日光、仙台…


「車でどのくらいなら、運転、疲れずに行けるのかなぁ」

《そんなこと気にすんなよ 夜ちゃんと眠れれば

どこでも大丈夫だぞ? 休憩も挟むしさ》

「…ほんとぉ?じゃあ…日光、行きたいなぁ…」

《おう、いいぞ 俺も日光あたりは考えてたんだ

るるば、買って行こうぜ!

俺買ってくるからここで待ってな》

「うん!ありがとう!」


《せっかく外でてきたから、どっか行くか?》

「うん♪」

《どこ行く?》

「あ、その前にもうお昼だよ」

《あ、ほんとだ なんか食うか!》

「うんっ!」


イタリアンでパスタを食べた後、

ウインドウショッピングで腹ごなしして

夕方になったからゆりの部屋に行くことにした


「ただいまー入ってー」

《おじゃまー》

「あ、そうだ!」

《ん?》

「おうちってご実家だったりする?」

《…なんで?》

「ううん!気になっただけ!」

《うちに来て親に挨拶でもしてくれんの?》

「あっ…今すぐじゃなくていいの!もっと後で…ね!」

《可愛いやつ》"ぽんぽん"

「ふふ 大好きっ」


あ、Rileだな…

《あ、ちょっと待った 職場からだ》


【つばきpoint of view】


んーーーーーっ!!よく寝た!

げ、もう夜じゃん…

なーんもやる気になんなーい

今日は仕事もないし


……これ、どうしようかな

捨てる気になれなくて


芹澤蓮(せりざわれん)…


抱きしめられてる間、彼…泣いてた


もう一度だけ 会いたくなった


"エリカです お時間ありますか?"


"連絡ありがとう 昨日のホテル覚えてるか?

部屋を取ったらまた連絡する"


"わかりました"


シャワー浴びて準備してたら

Rileが届いてた


"1023"

ただ、それだけ


それだけなのに…なんで?

なんでこんなに…

会いたいの…?

こちらの記事はnote様で同一名義にて投稿しております。

再編集して投稿しております。

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