対3話十年述懐感覚感
私はお姉ちゃんが大好きだ。ずっと前から今もこれから先も。何故かって?だって可愛いんだもん!それ以外に理由は要らない。昔の記憶はあまり無い。覚えてるのはヒステリックなおばさんと頑固で昔良がりな思考のおじさん、そんなのは置いて。とっても優しくしてくれたあの!天使の様な!…いいや神と言っても比喩にならないぐらいの!お姉ちゃん!あんな尊い笑顔魅せられたら。……虐めたくなっちゃうじゃん!だってだってさ!こんなに幸せの塊みたいな顔が自分の手で歪む瞬間絶対最高に決まってる!だけどね。誰かにお姉ちゃんが傷つけられるのは違うじゃん。私は自分の手でぐちゃぐちゃにしたいだけで。関係が親ってだけのおっさんとババァに"私の"お姉ちゃんが汚されていい訳がない!明日起きてまたお姉ちゃんに手ぇ出してたら言ってやる!
………あれ?お姉ちゃんどこ?
《あの親不孝者はやっと人のためになりに行ったよ》
これで遂にあいつも俺達の誇れる娘だ。
音が水の中で聞こえてくるような濁り方をしてそれでいてはっきりとクリアに聞こえてくる。全身の穴という穴から嫌な汗がとめどなく出てくるような、気味の悪い感覚が、身体中をつま先から頭のてっぺんまでゆっくりじわじわと麻痺ってるような後味を遺し通り過ぎていく。今にも目の前の2つのものに飛びかかって喉輪をしたくなる衝動を抑え、二人が望む'二人の普通の優秀な娘'を演じる。つまり
「へー遂にあの邪魔者いなくなってくれたんだ!」
である。言いたくもない。今の自分の喉は、発される音は、自分のものであって自分ではない。自分という存在ではない。でもでも!お姉ちゃんは壁。マシに言って地獄にいることは解った!まあ、兎に角私がすべき目標は、それは、で四苦八苦苦戦しまくっているであろうお姉ちゃんを守れる、ついでにキモイやつから私のお姉ちゃんを盗られないために、めちゃくちゃに鍛える事だ。
10年後私は18になった。
まだ生きてるかは分からないが生きていたらお姉ちゃんは20の筈だ。生きていたらね、。嫌だよ!享年○○って書くの。さて、そろそろ次の目標に移る頃だ。次の目標は、題して
【許されざる犯罪を犯そう!!】
だ。……ん?違うよ?ただ8歳から趣味の悪い性癖兼ね備えて次第には犯罪者になるとか、とち狂ったことしたい!てことではないよ。断じて。何が言いたいって、何がしたいって今回の最終はお姉ちゃんが居る(はずの)壁に行くためにって話だから!差し当たって、親を殺そう!いやさアイツらが親なんて思いたくないけども。一応あんななりして街統べる支配者なんだって。……だからって躊躇うことないよね!私はお姉ちゃんに会うためならなんだってするんだから!
「ひっや、やめてくれ…」
邸の護衛とははサッサと片付けちゃって。後はこれを殺るだけ。なんでこいつらを殺すのかって?だって壁に行く条件は"やばい犯罪者"なんだから、支配者、権力者を殺ったとなれば、仲間入りっしょ!………刺した。生暖かい感覚が血に塗れた腕に残る。息は,,して無い。もしこの暖かいものが、二人の感情としてあったなら、【愛情】だったなら、私にもお姉ちゃんにも配っていたら。静かになった豪邸を、見渡す。自分の荒くなった呼吸が、今の気持ちを私の気持ちを、現してる気がして、気味が悪い。ちゃんと私が私の親として2人を認めていた事。殺したく無かった?……いいや!何を言っているのか、私よ!こいつらはあんたの大切な存在、お姉ちゃんを傷つけていたヤツらだぞ!感傷なんて私には要らない。
暗い地下牢の中に誰かの過呼吸の音と、すすり泣く声が聞こえてくる。なんだかなぁ、支配者を殺したからたしかに捕まった。だけどそれの子供だからってなんか解放されそうなんだよな。誰かが関わってきたら殺そうか、1人残らず。そしたら取り扱い注意人物として送られるかな?お姉ちゃんの所へ贈られたいだけなのに!
『ガシャンッ』
急に鳴ったからびっくりした。檻の扉を開けて男が2人入ってくる。
「へへっ見張っとけって言われたんだそれ以外のことは多少ならしてもいいだろ」
「お嬢ちゃん大人しくしとけ、そしたら痛いことはしないぜ」
カモだ。絶好のカモ。よく居るようなモブキャラだ。こいつにヤラれる前に殺って、壁に行こ。
馬鹿な2人は私の手枷をニヤニヤしながら外していく。キッショ。
『ガタンッ』『グシャッ』
「!??アッ?!」
裏声で鳴いた。何やったかって?2人みたいな駄遺伝子がこれから先増えないようにしただけだよ。
んーここに居る子達も殺っちゃうか。確実にお姉ちゃんに会いたいし。あっでもそれぐらい強いって思われたらなんかこう別のことで使われそうだな……誰かにこの状態見つかるの待つか。
えっとー私の部屋は6281105室か。
何とかお姉ちゃんの隣の部屋にできたんだ!使えるゴネはすり減ってなくなるまで使う(お姉ちゃんの為に!)
『ガチャ』
何かと思えば!寝ぼけた顔のお姉ちゃんが!
形は変わってもすぐに分かる!
『んあっ!人がいたぁ!』
そういったのには理由がある。てか私の全ての行動には理由がある。(お姉ちゃんの為に)
なんでかって言うと、私の立場はお姉ちゃんの妹だ。お姉ちゃんの中ではそれ以上でもそれ以下でもない。でも知ってる。まあお姉ちゃんのことはなんでも知ってるはずなんだけど。お姉ちゃんは恋愛対象に男が含まれてないってこと!つまり私が他人なら、まあそういう事だ。
「初めまして!最近入ってきた子?」
お姉ちゃんが用事でいなくて暇だなーと思ってた矢先に。なんかThe・一軍女子みたいなそしていじめっ子みたいなやつに金魚のフンが2人。
こうゆうのは媚び売って気に入ってもらうのが吉だ。
「うん!まだ右も左もわからなくってーここは長いの?」
「当たり前じゃない!フモさんは優秀な狩人なのよ!」
フンの右側が喋った。あんたじゃない。
て言うか、とことんモブみたいな名前だな。なんかこうモブモブしている。
「あなたの名前は?」
「あっハルって言うんだ。私」
お姉ちゃんの妹はここには居ない。
ハルなんて偽名だ。
『あっハルおはよー』
また会った。
『おはよー』
楽しそうに話してる。私はただ相槌打って、同じ感情を装って話を合わせる。
ふと横に目をやると、絶対頭ん中モヤモヤ裂けてる表情のお姉ちゃんが。かぁんわいい!!嫉妬しちゃってる!もっとその表情をぐちゃぐちゃにしたい!…けどまだ早いもっと温めてから、美味しくいただくべきだ。今じゃない。
「あっ?どこだここ?」
その声で思いに耽っていた私の脳が、起こされる。幸せな目覚まし時計だな。まあ過去のことを思ってもそれ以上の幸福がこれから私を待っているのだ。楽しみに思いながら、私はお姉ちゃんが横になっているベットへ顔を出した。




