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第三話 悔しさを抱えて another

 今夜は、ミサキという人にあった。


 大人の人だった。

 でも、胸の奥にしまっている気持ちは、子どもの涙とあまり変わらない。


 会社で、つらいことを言われたみたいだった。


 「女だからだめだ」って。


 最近、少しわかってきたことがある。


 大人になると、泣きたい気持ちを隠すのが上手になるみたいだ。

 ほんとうは傷ついているのに、泣きたくても泣かずに、ちゃんと立っていようとする人がいる。


 それが、人間の強さなのか、それともさびしさなのか、ぼくにはまだよくわからない。

 でもね、がんばっている人が傷つく言葉は、やっぱり悲しい。


 ミサキはとても強い人だった。


 悔しくても怒らず、泣きたくても泣かず、ちゃんと頭を下げていた。

 でも、本当はとても痛かったんだと思う。


 だから今日は、「がんばらなくていい夜」にしてあげたかった。


 ミサキがぼくの頭にさわったとき、少しだけ肩の力が抜けたみたいだった。


 よかった。


 星砂をひと粒、置いてきた。

 あの砂はね、勇気を作る材料になるんだ。


 ミサキは明日も、また戦う日が続くかもしれない。


 でもきっと大丈夫。

 がんばっている人は、ちゃんと光っているから。


 ふわぁ……。

 ぼくも、明日の夜のために、今日はぐっすり寝よう。


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