黒幕も予想外なんだよ
正妃は薄くなったものの、なんとか持ちこたえていた。う〜ん、何かで補充できないかなぁ。
「貴女、名前は?」
「わらわ、は、マーガ、レット……いいえ、この、国の、女王…」
「マーガレット」
ほんのりだがつながった感じがするのでゆるやかに魔力を譲渡すると、すっかり…………?
白地に黄色模様のひよこになっていた。
目玉焼きっぽい。いや、そこはどうでもいい。どうでもいいんだ。
「…………なんで?!」
「おそらくだけど、ママの召喚獣の影響……?」
「私のせい?私のせいなの?!」
薄々そんな気はしていた。しかし認めたくなかった。
こけこっこいの呪い?!こけこっこいの呪いなの?!お前をこけこっこいにしてやるぜ!人類鳩マッスル計画ってこと?!怖いんだけど!!
※雪花は混乱している。
「わらわは……ぴよ?」
かわいい。目玉焼き模様のひよこさん、かわいい。かわいいんだが……どうしよう!!
「ええと………鏡だ」
デキる夫が手鏡を見せた。
「あら、可愛い。もしかして飛べるかしら……」
いや、ひよこなので無理では?と言おうとしたら飛んでた。飛べるんだ……?いや、そういやこけこっこい達は飛べない鳥でも飛んでたな?
「飛べるのね……ひよこ……飛べないひよこはただのひよこ……」
「ママ?」
「はっ!」
意識が明後日にユーキャンフライしてた!
「ええと……話をしても?」
「ええ、いいわよ」
すげーな。ひよこになっても動じてない。大物すぎるな、この元王妃。
「一応聞くけど、ノルミースを殺した黒幕は貴女?」
「そうね。否定するつもりはないわ。あの魔王にいいように使われていたとしてもね」
「え」
「魔王?」
魔王ってノミハートの本体?ノルミースが弱体化させたやつ?
「ほーほほほ!いい気味!いい気味だわ!人間を甘く見るからよ!まあ、今のわたくしは可愛いひよこですけども!ぴーよぴよぴよ!!」
思ったよりこの元王妃、面白可愛いわ。
「ええと……説明してくれます……?」
「よくってよ。不本意ながら、貴女はわたくしの主ですから。あのまま消え失せるはずだったわたくしに新たな生を与えてくれたこと……感謝しておりますわ」
「………うん?」
いや、まあ、ね?あのまま消えたら情報が引き出せないと思ったからね?ちょっとばかし私の魔力をあげただけだよ?生まれ変わらせるとかそんな神様みたいな事ができるわけないよね?ないったらないよね??
「……ママ、ママだけのせいではないわ。長年魔王の欠片に取り憑かれて邪悪な精霊になりかかっていたところを容赦ないバナナ連撃で魔王の欠片だけ木っ端微塵にしたのだと思うわ。普通の精霊になるにはリソース不足だったところにママが魔力をあげたから、仮契約したみたいになってるんだと思う」
流石は雪那。私の疑問をわかりやすく解説してくれた。というか、ママの心を読まないでね?
「そのとおりよ」
偉そうなひよこが頷いた。
「マーガレットじゃ長いからマギーでいい?」
「よくってよ。新しい名前みたいでいいですわね」
「ず、ずいぶんあっさりされてますね?あんなに粘着質だったのに……」
「それに関しては悪かったと思っていますわ。そもそも一番最初にあの魔王が見初めたのはわたくしだったのよ。アレは最初、わたくしを宿主としていたの」
「………は?」
最初、元王妃が魔王の本体だったってこと??
「わたくしよりそこの元王子の方が器として優秀だからと乗り換えられたのよ。その頃にはわたくし、そいつへの憎悪以外はかなり感情を食われておりましたから、何とも思わなかったけど」
優雅に羽繕いをしながらそんなことを話す。
「けど、器として優れすぎて気に入られすぎた結果、あのクソ魔王が弱体化されてしまうなんて、おかしいったらありませんわね!ぴーよぴよぴよ!ざまあみろですわ〜!」
その笑い方、気に入ったのかな。可愛くていいけど。
「ええと……つまり元王妃が最初に取り憑かれたのね」
「ええ、それから我が息子達も宿主になって最終的に選ばれたのがそこの黒毛玉ですわ」
王子たちもつまみ食いされてたのかしら。ノルミースに取り憑いてた魔王、マジタチ悪いな。
「そういや、ちゃんと人型を保っておきなさいよ」
静かだなと思っていたら、部屋の隅で毛玉になってマナーモードしていた。いつになったら普通になるんだお前は。
「え?私はここですが………」
部屋の隅で丸くなってるノルミース(人間形態)
「え」
まっく□く□すけも真っ黒の速度で逃げる毛玉。
「わんわんわん!!」
そして反射的にソレを追う雪斗。
「待て!!」
一拍遅れて走り出したケビン。はやっ!!
「あ、貴方の旦那様は止めたほうがよくてよ。あの子供は純粋すぎて排泄物以下魔王につけこまれる危険がないけど、貴方の旦那様は危ないですわ」
「ケビン、ストーップ!アンド、かもぉぉぉん!!」
「どうした、雪花?!」
「みゃっ?!」
瞬間移動かと思う速度で現れ、私を抱き上げるケビン。速い、速すぎる。とりあえずまた走り出さないよう抱きつく。うーん、いい匂い。すりすり。
「アフゥン?!あの、その、ちょ、ひとまえ、ま、待って」
「ん?」
おお、ついケビンを堪能してしまった。
「わん!」
そして息子がくわえてきたボロ雑巾……ではなくノミハートっぽい何かはマナーモードだった。
「……わたくし、こんなのに捨てられたとか屈辱ですわ……なんですのあのボロ雑巾……」
気持ちがわからないでもなかったのでとりあえずマギーちゃん(仮名)をなでてあげた。
はい、お久しぶりの更新です!
最低週一ローテーション更新したいと思ってます!
なんか久しぶりに思ってたのと違う方向へ勝手に動いてますわ……なんで?なんでなの??




