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異世界トリップしたので可愛い獣人を全力で愛でることにしました。  作者: 明。
ノミの心臓魔王卒業編

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思ったよりマトモなんだよ

 人型になったノミハートことノルミース。うっかりノミハートって呼びそう。でも呼んじゃうと魔王に固定化されちゃうからノルミースって呼ばなきゃ。ノルミースノルミースノルミースノルミースノルミース……。

 部屋の隅でガクブルしている毛玉ノミハートが目に入った。


「何してんの、ノミハート……あ」


 もうね、あの姿を見たらノミの心臓魔王だと思うわけよ。つい言っちゃうのよ。


「まあ、ママの気持ちもわかるわ。あの姿を見たらね……。ほら、ノルミース。魔力をあげるわ」


 雪那たんがノルミースに魔力を注ぐと人型になった。この姿なら………おい、人の姿でも隅っこで震えるんじゃない。


「ひ、人の視線怖い……」


「どうしろと?」


「ヒッ?!」


 いや、見てるだけで何もしてないんだけども。


「ノミ……ノルミース、次に行くからそろそろ落ち着きなさい。ママ、ノルミースは注目されるのが苦手だから気にしないで。次は最南端の遺跡ね」





 そんなわけで移動した最南端の遺跡。こちらは西の遺跡よりだいぶ原型が残っていた。


「ここの民達が生き残って今の国になったらしいわ」


「なるほど」


 だが、ノルミースの存在は抹消されてしまった。どこにも記録がない。それは何故か。第3王子のせいではないと思う。アイツがいた町は滅んだのだ。では、ここには誰がいたのか。恐らくだが、第3王子の話から王太子はすでに死去しているはず。


「ここを治めていたのは正妃よ。本来なら女王なんてありえないけれど状況が状況だったし、正妃は治世に長けていたそうよ」


 迷いなく進む雪那。一番大きな遺跡は、小さめの城のようだった。


「もともとは王家の別荘だったそうよ。ノミ……ノルミース、ここに見覚えは?」


「………あ、あります……。あ、あの、こ、こここここっちを見るのは……ヒッ?何か来る!」


 まあ、来たところでケビンに敵うものはない。コウモリの魔物が瞬時に両断された。ひええ、グロい。


「ここも魔物の巣窟になっているようだな」


「あ、あの……わ、私が命令したから、と思うので、ま、魔力も少し貰いましたから、どかすぐらいなら、できそうな気がしないでもない、です……」


「やめておきなさい。またかじられるわよ。今のアナタはすごく不安定なの。人でもあり魔王でもある。そもそも魔物より強くないとまた餌認定よ」


「ヒッ?!や、やっぱりやめます!!」


 ノルミースはあっさり諦めた。まあ、それがいいと私も思う。


「では、俺が行くか」

「ゆきも〜」


 そんなわけで再度殲滅してくれたケビン達。その後また抱っこされて移動する私。貧弱ぅ。ノルミースですら自分の足で歩いてるのに。まあ、雪那も抱っこされてるからいいけどぉ。転ぶのも嫌だし、床血まみれだし……。


「……最深部は……こっち……です……」


 どこかぼんやりとしたノルミース。ぼんやりしながらも迷いなく歩いていた。


「ええと……ここを……」


 壁の石飾りにの中に隠し部屋のスイッチがあったらしい。ノルミースはいくつかの石を奥まで押し込み、カチリという音とともに壁が動いて通路が現れた。

 今までの通路とは違い明らかに綺麗だった。


「……一応この遺跡のマップを覚えていたはずだけど……この通路は見つかっていなかったわね」


「まあその、王族しか知らない隠し部屋、隠し通路ですからね……。追手と侵入防止で罠もたくさんあります。真ん中を歩いてください。外れると罠が発動しますのでご注意を……」


 そして進むことしばし。


 豪奢な空間が現れた。


「ここは……あの人の部屋……」



 ノルミースがまた毛玉になって点滅した。



「ノルミース……」


 流れてくる。それは女性の記憶だ。魔王に滅ぼされる国。女達を連れて真っ先に逃げた正妃。


 正妃は高位貴族で、なるべくして正妃になった。


 誰もが羨む完璧な女。賢く、美しく、地位もある。そこらの女とは違い、王を支え、代理すらこなせる自分を誇っていた。

 そんな完璧な生活は、ひとりの女により壊された。


 それは、あまりにも美しい女だった。


 卑しい平民でありながら、高位貴族をその美貌で虜にして……ついには王ですら射止めてしまった。


 許せない。


 女は子を孕み、産んだ。


 許せない。


 王からの寵愛をほしいままにしながら、そんなものは欲しくなかったと嘆いているという。

 自分を惨めな女にしながら、王を得ても満足していないだなんて。





 絶対に許さない。





 ゾッとするほどの憎悪。


 元側妃ですら可愛いと思ってしまうほど、正妃の嫌がらせは苛烈を極めた。ノルミースの母も抗うものの……王しか後ろ盾がない平民にできることは少なかった。


 そしてどう考えても1番しんどいのがノルミース。



 正妃からターゲットにされ、実母からも怒りのはけ口にされた。ノルミースの実母は高位貴族の妻になって悠々自適に暮らすはずが王のお手付きになってしまい、2番手にされたことも、そもそも気に入らなかったようだ。


 負の連鎖すぎる……。もはやノルミースはこの状況下で育ったにしては奇跡的にまともな気がする……。そりゃ傲慢で短気にもなるわよ。この状況下じゃさあ。


 そもそも第3王子を唆したのはこの正妃。王子達を操り、ノルミースを嵌めた。

 そして、その報いを受けたのだ。

珍しくシリアス展開で続きます。


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― 新着の感想 ―
この王妃の方が魔王向いてたんじゃね?
更新ありがとうございますm(_ _)m 「横からの寵愛をほしいままにしながら」って、もしかして『王からの〜」の変換ミスでは……。 シリアスな場面で、こんなん見つけてもーてごめんなさい_:(´ཀ`」 ∠…
見られるだけでもダメとは難儀だなぁ。 よし、見られてるのが分からないように濃いサングラスをかけさせよう。口元は布で隠して、頭にターバンを巻けばどこの誰かは分からなくなる。 そのままだと弱いから、武器と…
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