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食するモノ

これから語られるのは、かなりトンでいます。もしも敬虔な信仰を持たれるならば、あまりお読みにならない方がいいかもしれません。悪しからず。

――私は、無宗教ですが、神を信じていない訳ではありません。むしろ、この世界、いや、全ての『存在』は創られたと信じています …神は素晴らしい程に論理的で、具体的な世界を造りだしました。

 大地、海、空……そして動植物。全ては連鎖的にかかわり合い、互いを保っています。だが、その連鎖から外れた存在があるのです……そうです、人間です。私たち人間は、自然界から外れた、いわば『異端』な存在なのですよ。

 そうですね…具体的な話をするならば、自然界に於いて、全ては互いに与えあっています。海の水は雲となって大地に雨となってしみ込み、川となってまた海に戻る…

 動植物もまた然り。草は草食の獣に喰われ、草食の獣は肉食の獣に喰われ、肉食の獣はその屍を大地に与え、新たな草を育む……

 さあ、おかしいと思いませんか?……そうです。この自然界の連鎖に、人間は入っていないのです。草を豚が喰い、人間が豚を喰う……では、人間を喰うのは如何なる『もの』なのでしょうか……?

 私が神学者となった原点の疑問です。その答えは、恐ろしいものになりましたが、その答えは、あらゆる事故や不幸を説明するには十分過ぎるものでした。

 始めに、神は論理的だとお話ししましたね?

 論理的に答えを出すならば、人間を喰うのは、人間を補食出来る存在です。が、自然界にその様な存在は居りません。では……

 おや?もうお分かりの様ですね?記者さんはかなり賢しい方のようだ……そうです。恐らく、人間を補食出来る唯一無二の存在、それは『神』なのです。

 そうです。人間は、神々の『食糧』なのです。正確にいうならば、神々が食するのは、人間の『魂』や『精神』、そして『感情』なのです……

 即ち、人間の『死』とは……神々がその人間を食した、という事に他ならないのです。――ここまで聞いて、私は背筋に冷たい汗が流れるのを感じた。きっと、これから語られるのは更に恐ろしいものになる、そう確信できるから――

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