第3話「家が燃えたんだぜ!」
チュンチュンチチチ
「ふぁ〜」
そうやって欠伸をして体を起こす。
いい天気だなぁ全く。空が俺の目覚めを祝福しているぜ。
ふと、視界にモフモフがチラつく。
キャスが人間体で隣に寝ていた。
昨日、認承会を終わらせてから帰って……
そうだ、サラマンドラドラゴンが女の子になったんだ。
で、その後すぐにドラゴンが疲れたのか寝ちゃって……キャスに引っ張られるようにしてベッドに入ったんだった。
「キャス〜朝だぞ〜」
俺はモフモフなキャスのモフモフをモフモフしながらそう言った。
モフモフ。
どこからかいい匂いがする。焼けた肉の匂い。ぐぅ、と腹が鳴る。
どうやらキャスもその匂いに気付いたのか、ヨダレを垂らしながら飛び起きた。
目がらんらんと喜びに満ちていたが、隣に居る俺を見ると、途端に顔付きが険しくなった。
「……なんか俺の顔についてる?」
そう聞くと、
「いや。この匂い、ご主人様が作っている朝餉の香りだと思うたんじゃが……ここにそなたがおると言うことは、その推理はハズレという訳じゃな」
「まぁそうなるね。確かに、この匂いどこから……」
「決まっておろう。昨日のあやつじゃ」
そう言うとキャスはするりとベッドから降りると、足音を立てずにリビングに向かった。
俺はそんなのお構い無しにガチャ、とリビングへの扉を開ける。
「あ!ご主人様!おはよう!ご飯できてるから食べちゃってよ!美味しいよ〜!」
サラマンドラがどこから仕入れたのか豚の丸焼きを食卓に置いていた。
「あのね!私の炎で調理したの!」
そう言って彼女はボォと火を吐く。
結構離れてるはずだが、確かな温かさを皮膚に感じる。
そこに俺の背後からバッとキャスが飛び出すと、思いっきり火を吐いて豚の丸焼きを一瞬で炭へと変えた。
「何やってんだお前!!」
俺がそう叫ぶと、
「良かったの。危うく毒殺されるところじゃったぞ。こやつはお主を殺そうとしておる」
「そんな事しないもん!ご主人様はあたしの大切なご主人様だもん!」
二人の間に火花が散る。
そこからはもうめちゃくちゃだった。
目にも止まらぬ早さで家がめちゃくちゃになっていく。
これがSSS級の幻獣か……
「ってちょ!あまりの凄さに見とれちゃったけどやめて!争わないで!」
聞こえていない。音速を超える速度で戦う彼女らに取って、俺の声はノイズもいいところなのだろう。
突然、炎の玉が生まれた。
どっちのものかは分からない。
ただ、その影響で俺の家は燃えた。
慌てて外に出たから火傷はしなかったが、ごうごうとした音と黒煙を立てて、俺の家は木炭へと進化した。
2人は正座して気まずそうにしている。
とりあえず2人に首輪をかけて、俺の許可なしに力を使ってはいけないと躾けた。
あーあ、どうしよっかな。
とりあえず、次の家探すか。




