8/8
事の終わり
その後のことはなんてことはない。ぼくが彼女に恋をしてから二時間、ぼくは約束通り警察に連絡した。たった十分ほどで到着する。手紙から始まる事の顛末を簡単に話す。正直に話す。警察はぼくの扱いに少し困惑している。パニック状態だったのか判断に困っているらしい。そんな失礼なことを考えてもらっては困る。ぼくは様々なものに触れないようにしていた、冷静にそれを判断していたと説明する。ぼくの初恋を、幻の如く扱われるのが許せない。あの時間、あの想いは偽物じゃない。
ぼくは何かしら罪に問われるだろう。それはわかりきったことだ。けれどぼくにしっかりと残るものがある。それがあることで産まれる謎もある。
ぼくの母は生きた。堂美春は死んだ。母にはぼくがいたからか。堂美春に愛はなかったのか。彼女に愛があれば、死ななかったのか。愛が母を生かしたのか。与えるものに、生かされたのか。与えるために、生きたのか。
ぼくは次を目指して生きる。ぼくが愛を抱き、誰かを生かすことができるのか。




