一難去って
一息ついた。
どのくらいの時間が経ったのだろう。
あらためて意識を集中すると
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名 キンゲジ
種族名 多角鬼
ジョブ 無
レベル 17↑
HP 79↑
MP 77↑
攻撃力 89↑
体力 83↑
魔力 97↑
素早さ 255↑
防御力 37↑
耐性
物理耐性 ↑
魔法耐性 ↑
状態異常耐性 ↑
特殊
魔角
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とあった。
いつの間にかレベルが上がっていたのか。
途中の記憶がないので、どうやって上がったのかわからない。
しかしだ、あの牛頭の動きの遅さ、自分の動きの速さ、時が止まった感覚。
どうやら、この世界では、思った以上に身体が動くようだ。
しかも、あれだけの筋肉オバケのようなやつをぶん殴ったのにも関わらず、まったく拳は痛みを感じていない。
そして、自分の身体も、まったくもって人間というわけではないようだ。
種族名に多角鬼とあったが、やはり鬼の類いのようだ。
身なりは、何かの皮のような粗末ではあるが、頑丈な布で作った軽装の着衣。
左腕にはアンクルのようなガントレットのような少し厚手の腕当てがあり、肌が出ているところには、これでもかというほど、細かい傷痕があった。どこも癒えているようで、痛みは感じない。
記憶の中にあるサラリーマンの俺は、身長175センチメートルだったが、どうだろう、感覚的には100センチメートルほどだろうか。
さっきの牛頭の半分もあればいいところだ。
さて
牛頭はいったい何だったのか。
血のような緑の液体がドクドク流れていた物体をあらためてよく見た。
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名 ナシ
種族名 二角鬼
ジョブ 狂戦士
レベル 10
HP 33
MP 0
攻撃力 77
体力 70
魔力 0
素早さ 10
防御力 10
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ん
耐性とか、特殊とかはないのか。
あれで素早さ10か…。
それにしても俺の動きは、ヤバすぎな感じがする。
そう言えば、魔角ってのは何だろう。
多角鬼だから角でもあるのだろうか。
角と言えば、さっきの牛頭は良い角持ってたなあ。
あんなので突進されたらひとたまりもなかったかもしれない。
頭を触ってみると、たしかに額の上の方に角が一本。とても控えめにあるようだ。
鏡のようなものがあればありがたいが、自分の顔もよくわからない中では、不安しか浮かばない。
顔を触ってみると、思ったよりは人間のような感触で少し安心した。
さて、所持品はどうだろう。
肩掛けカバンのような、皮だろうか、カバンが一つ。中は真っ暗。
外から触っても、ペタンコであるが、手を入れてみると、何か個体がいくつか手に当たった。
とりあえず、確認してみることにした。
ガラスのような小瓶×3
油紙のようなものに包まれた粉末×3
乾燥肉のような固まり×3
金色のコイン×15
銀色のコイン×5
穴の空いたコイン×10
青色のコイン×15
赤色のコイン×10
赤銅色の鍵一つ
だった。
なんだかお腹も空いたようだ。乾燥肉のようなものを見ると、お腹が鳴るのがわかった。腹は空くようだ。
かぶりつくと、意外に美味い。固そうに見えたが、思った以上に柔らかい。一切れ食べるとお腹の中で膨れるような感覚になり、満腹になった。
ここは地下室のようなところだ。
牛頭の倒れた先に道が広がっている。
これがダンジョンなのだろうか…。