プロローグ【物語の始まり】
はじめまして、茶川彩華です。
このたび、初めてのオリジナル小説を連載させていただくことになりました。
初めての投稿で緊張していますが、無事に公開できてほっとしています。
主人公・スパイルの冒険譚、どうぞお楽しみください。
今後、設定資料なども随時掲載していく予定ですので、そちらもお楽しみに!
俺の名前は【スパイル】
瀛絨俯潜大学二年生。
趣味は読書と、人助けだ。
変わった趣味をしてる?それはどうしてだって、問われると長くなるんだけど…
それでもいいから話せだって?
逆に言ってやるけど、君の方が趣味が悪いよ。
いいぜ、聞かせてやるよ。その話を―
俺はあの時、金髪の長い美しい女性に救われたんだ。
だけど俺はその人に結局、恩を返せずに終わってしまった。
その日以来俺は、困ってる人を見かけるとさ、つい手を出したくなっちまうんだよ。
皆から「ありがとう。」と感謝されるのが嬉しくてさ…ってまた俺、自分話で盛り上がっちゃったな。
ごめんごめん。
でもーできるならもう一度、あの子に会いたい。
合って、あの時のお礼を伝えたいんだ。
助けてくれて、ありがとうって。
だけどこれは叶わぬ願い。なのかもしれないな。
それでも俺は、信じてる。
先の未来でもー
その時、背後からバケツ一杯分の水が頭から流れ落ちてきた。
「冷た!誰だよ、悪ガキみたいな事をしてきたのは。」
「おまえが、ボケーッと突っ立てるのがいけないんだぞ。」
「ったく、子供かよ。君は。」
紹介しよう、彼は【陸翔】
陸上競技でトップクラスのタイムを出した、凄腕の実力者だ。
「なあ。さっきから大丈夫かよ。」
「大丈夫、大丈夫。この通り、俺は元気だからさ。」
---
(…ルパイル!)
げっ、なんだよこの痛みは!
(…パイル!)
君が、原因なのか?俺になんか、呼びかけている。
いや、それともー
(…スパイル!)
聞こえた。謎の少女の呼び声が。
声の方へ、手を伸ばすと意識がだんだんと、薄くなっていった。
― ― ― ― ― ― ― ― ―
目を覚ますと、地形全体がガラッと変わり果てていた。
(なっ、何じゃこりゃ―!?)
おいおいおい、嘘だろ?そこらじゅう、電子土地みたいな風景になってるぞ。
床の下だって、足で叩けばザラッとなるし。
もはや、これは…あの、異世界転移ってやつではないだろうか?
本が読むのは好きでよく、流行り物のジャンルを探っては読みあさり、自作の小説を作成してはコンテストに送り出した事、あったなあ~だけど結果は、全落ち。
まあ、アマチュアな本好き少年がいきなりプロ作家へ昇格!なんてそんな甘い話が、ある訳ないんだよな~
「お客様。」
いや、それにしても、俺をここに呼んだ召還者はどこにいるんだ?
呼び声を推測するに、女性だったような気が…
「お客様!ゲームにログインするに当たっての、認証のチェックが行われていませんが、受付にてサインをしてきてくれませんか?」
うっほ―!これぞ、アンドロイドってやつか。
テレビではよく見かけたりするが、実物は初めてだ。テンションあがるぜ!
「(ため息)話を聞いておられますか?このままですと、システム上。追い出されますよ。」
「あはは…ごめん。ちょっと、舞い上がってた。ここは、異世界とかじゃないのか?」
「ここは特殊な世界となっています。プレイヤーの皆さんは、死後の世界から訪れていて、敵を倒したり、交流を深めたりしていますよ。」
なるほどな…って俺、死んだの!?
待て待て、何のアクシデントも起こってなかったよな。一度、確認してもらうか。
「気になる点があるんだけど、調べてもらえるか?」
「はい。何なりと。」
「俺は一度、死んでるか死んでないかをはっきりさせたい。」
「わかりました。スキャン開始します。しばらく、お待ちくださいませ。」
彼の身体に接続し、プレイヤー情報を確認。
彼の名前はスパイル。死亡経緯情報は…記載されておりません。
しかし、スパイルを召還した者が一名、確認されました。
プレイヤー情報は古いデータしか残っておらず、他は破損したと思われます。
「データ取得完了。お客様は生存者という情報が確認されました。これは、この世界において、有り得ない事態となります。ですが不正を犯した者は、あなたではなく、別のプレイヤーと見なされます。」
生存者はゲームにアクセスすると、不正ログインとして強制的に追い出されるのか?
でも俺は、ラッキーと呼ぶべきなのかわからないが、助かったみたいだ。
「なあ、そのプレイヤーの名前を教えてくれ。」
「はい。プレイヤーの名前は【ラミリ】という方です。ですがこの先は、個人情報にまつわるもので、本人の許可がない限り、教えることはできません。」
「大丈夫だ。それだけわかれば十分。」
「よろしいのですか?」
「ああ。それじゃあ早速、このフロアマップを教えてくれ。」
「かしこまりました。これより、始まりの地【トレス】について説明を行います。」
お客様は現在、初心者なら誰しもが通る【トレス】という地にいます。
ここでは武器を取り揃えたり、仲間を集める為の【案内所】等の設備が豊富。
現段階での、オススメ場所は【受付所】です。そこで、プレイヤー情報を登録し、案内所へ伺ってみるといいでしょう。
「ふ~ん。それじゃあまずは、案内所に案内してくれないか?俺、初めて来たばかりだからさ、この世界のルールとかわかってないんだ。だから頼むよ。」
「承りました。では、私についてきてください。案内所へ案内します。」
「サンキュー、助かる。」
それにしても随分と文化が発達したもんだよな。人工知能が搭載された対話型ロボットが、ここまで人間の知能を上まってるなんてさ。この事を研究ノートで調べあげれば、ノーベル賞を受賞できるのも、できちゃうんじゃねえのか?
「お客様。ご覧ください。右手に見えるのが【バトルトライアル】です。実力に見合ったプレイヤー同士が、集まりお互いに戦うことのできる場所となっています。」
「面白そう!後で、いってみよ。」
うんうん、用はギルドバトル的なものだろ。ゲームではよくあるよな~ロマンが溢れるぜ。
「そして、こちらが受付所となります。」
「あら?お客さん。こんにちは。」
「初めまして、スパイルと言います。ログインをしたいんだけど、ここでできるか?」
「もちろんです。お任せください!」
お客様の生体認証を確認中…プレイヤー情報を読み込み開始。
名前はスパイル様。現在の状況は…プレイヤーレベル【0】
いわゆる、始まりの冒険者となっています。
スパイル様のデータ取得が完了しました。
「お待たせしました。こちら、お客様のプレイヤー情報が記載されている。大事な書です。身分確認の為に、確認を求められる場合がありますのでログインの際は必ず、お持ちくださいね。」
「ありがとうございます。それじゃあ、いってきます!」
いよいよ、本格的に始まりって感じだな。
まずは、案内所にいってラミリの情報を探ってみるか。
「なあ、案内所の場所を教えてはくれないか?そこで、ラミリのことについて、知ってるやつがいるかも、しれないんだ。」
「わかりました。では、こちらへ。」
ちなみに、この世界の名はなんと呼ばれているのだろうか?
答えてくれるかはわからないが、聞いてみるか。
「ねえ君は、この世界の名前を知ってるのか?」
「はい、ティンディア・セノムと呼ばれています。この世界のゲームマスターは、許可が下りてない為、お答えはできません。」
ティンディア・セノムって言うのか。名前のセンス、よすぎだろ!俺、ゲームマスターに直接、あってみたいわ。
「お客様。着きましたよ。ここが、案内所になります。この先は、お客様お一人でいってください。私は制限により前には進めません。」
「ありがとう。後は何とか、やってみるよ。色々とありがとな。」
「礼には及びません。それでは、お気をつけて。」
彼女は俺を見送った後、次のプレイヤーの案内にいってしまった。
さて、ここからが本番だ!
異世界転生の作品はたくさん、読みあさった。この経験を生かして、カッコ良く自己紹介!
さして、仲間をわんさか増やそうじゃないか。
「(咳払い)お集まりの皆様、俺の名前はスパイル!瀛絨俯潜大学二年生。趣味は読書だ。よろしく!」
…これは、決まったのか?周りの皆の反応がすげー悪いんだけど。
「あはは!生きのいい新米が来たもんだよ。あたしは、受付の松だ。よろしくね、若者さん。」
この奥さん、受けがいい!わかっていらっしゃる。
「で?お前さんは、仲間募集が目的でここにきたのかな。それとも…」
「いかにも俺は、仲間を集める為に来た。それと、もう一つ。ラミリって言う名の美少女を知らないか?」
「ラミリ?いや、知らないね~まあ、仲間募集ならそこの掲示板にでも、募集用紙を張りな。」
「ああ、ありがとう。」
冒険者仲間を募集か~なんだか、ドキドキしてきた。
ラミリを探すのにもまずは、ここからスタートだよな。
よし、書き始めよう!
『冒険者名はスパイル。プレイヤーレベル【0】募集者は、初心者有無問わず。気軽に交流をできる者に限る。』
完璧だな、これで一旦。数日様子を見てみるとしよう。
ってことはよ、しばらくはこの地にとどまるんだな。
ならさっきの、バトルトライアルにでもいってみるか?いや、まてよ。
武器屋に行くのが先か、観光でもいいんだよな。う~ん…迷うな。
「困ってるようだね、手を貸そうか?」
警備員…?いや、パトロール中のお巡りさん?みたいな格好だな。
「逆に困らせたようだね。僕はケレス。街の安全を守る為に、パトロールを行ってるんだ。君は?」
「素敵な趣味ですね。俺はスパイルです。趣味は読書。」
「ふ~ん。相変わらず君は、変わらないねって。失礼。君とは初対面だったね。」
「はあ…(なんだか、変な人だな。でも。失礼だよな。)」
俺とケレスさんはその後、謝罪し、ギルドの客席で話し合っていた。
「つまり君は、ラミリという名の女性に召還されてこの世界に来たんだね。セノムでは生存者が、ログインできる事例は今までになかったことだから驚きだよ。」
「世界中をパトロールしてるのに、知らないこともあるんだな。」
「まあね。でも、今は仲間が必要だろ?特別に僕が、仲間になってあげるよ。」
「ええ、いいんですか?だって、こんなへなちょこですよ。」
「いいよ、だって君は、興味深いしね。」
そういう訳で一時的に、ケレスさんがパーティーメンバーに加わった。
頼もしい仲間が増えて、安心したよ。
「これから、よろしくね。スパイル。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。ケレスさん。」
俺とケレスさんは握手を交わした。
「さて、僕の知人のミケラの案内所を紹介するよ。彼女は親切で優しいからきっと、力になってくれるはずだ。ミケラの案内所はトレスと離れた場所にあるから一旦、マップ移動をしよう。移動をするには、各地のゲートを通らねばいけないんだ。ゲートまでは僕が責任を持って、案内するよ。」
フロアマップ移動か、ゲートを通るシステムになってるんだな。やっぱ、ゲーム世界って感じ。
「ケレスさんはどうして、パトロールをし始めたんですか?」
「僕かい?僕は街のみんなの安全を守りたいから、やり始めたんだ。前に、僕の心を変えてくれた人がいたもんでね。」
「どういう人何ですか?」
「その人は優しくて、カッコイい。みんなの英雄さ。」
「俺も、そんな風になれますかね。」
「なれるさ。人は努力次第で変われる。誰だっておんなじだよ。」
ケレスさん、かっこいいな!俺もいつかは、あんな風になれたらいいのに…
「ほら、スパイル。着いたよ。ここがミケラの案内所付近のゲート。ここ通過すると、目的地まで徒歩だいたい、五分ぐらい先の場所にあるかな。」
「ありがとうございます。じゃあ、いきましょう。ケレスさん。」
「そうだね、スパイル。」
二人で同時にゲートに進入すると、持ち物チェックや身分確認が行われて、異常なしと判断されたのか無事に通り抜けることができた。
ゲートからくぐり抜けると、先ほどとは雰囲気が変わって、夕日が寂しげな待ちを照らしていた。
「ケレスさん、ここはどこ何ですか?」
「ここはそのまんまだよ。ミケラの案内所さ。プレイヤーはあんまり来ない傾向にあるから、初心者の君にならピッタリな場所になってるよ。」
「不人気な観光スポットって感じですね。」
「前は、たくさんの人で賑わっていたんだよ。」
「そうだったんですか。」
何か事情でもあったのかな。気になるところはあるけれど、とりあえず。
ミケラの案内所にいってみるしか、なさそうだな。
俺達は、なにもない一本道を歩く。
ほんとに、物静かで寂しそうな街だ。
こんなところでよく、案内所をやってるもんだよ。
俺なら絶対にこの地は選ばないな。
「そろそろ着く頃だよ、スパイル。準備はいいかな?」
「なに?心していかないとダメなパターン?」
「あはは、そんなんじゃないよ。ほら、話しているうちに着いたよ。ここが、ミケラの案内所だ。」
へえーここが、ミケラの案内所。思ったよりも、綺麗な案内所だな。
受付の人は一体、どんな人何だろう?
「その、ケレスさん。案内所の受付の人の名前を聞いてもいいですか?」
「もちろん。彼女はミケラと言うんだ。合えばわかるよ。」
「ミケラさんか。だから、ミケラの案内所何ですね。」
さて、ご対面といきますか。
ミケラさん、おじゃましま~す。
俺とケレスさんは、ミケラの案内所の入り口へ足を踏み入れた。
すると客人は誰一人おらず、受付にはミケラさんらしき女性が一人でたっていた。
「やあ、久しぶりだね。元気かい?」
「ケレスじゃない。久しぶりね。今日はどうしたの?」
「君に客人を連れてきたんだ。まだ、この世界に来たばかりだから、いろいろと教えてあげてよ。」
「はっ、初めてスパイルと言います。もしよければ、この世界のことを教えてください。」
「なに?お客さん。ああ~悪いんだけどまた、今度にしてくれる?」
「何か、不都合でも?」
「うう~ん。そうじゃないんだけどね。」
ミケラさんは難しそうな顔をし、何か悩んでる様子だった。
そんなミケラさんを見た俺は、ほおっておけなかった。
「なあ、ミケラさん。困ってるなら俺が相談に乗ります。一人で抱え込まないでください。」
「いいんじゃないかな。ミケラ。彼は僕と同じく、人を助けるのが好きなんだ。だから彼を頼ってみたらどうかな?」
ケレスさんが気を使ってくれて、ミケラさんに聞いてみてくれた。
正直にいって、物凄くありがたい。これでミケラさんの悩み事を解決できるなら、万々歳じゃないか。
「だったら、悪いんだけど私の悩みを聞いてくれる?」
「はい、俺でよければ力になります!」
「それじゃあ、後は頼んだよ、スパイル。僕は任務に行かなければならない。」
「えっ?一緒に来ないんですか。」
「すまないね。でも、また。どこかであえるよ。それじゃあミケラ。スパイルの事は任せたよ。」
「はあ。ケレスも相変わらず、変わらないね。」
ミケラさんは、案内所を出て行くケレスさんをみて、ため息をつく。
まさかの事態に驚くが、ミケラさんを心配させない為にも、初ミッションをこなそう!
そんな訳で俺の記念すべき、初ミッションが始まろうとしていた。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
プロローグ「物語の始まり」~完~
次回第一章始まりの物語 第1話「ミケラさんの悩み事」
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
いかがでしたでしょうか?
感想や応援のコメント、お待ちしております✨
この作品はpixivでも同時公開しています。そちらもぜひあわせてご覧ください。
それではまた、次回お会いしましょう!




