1話 四歳の頃の私
それは私が四歳の頃だった。
その時、【カレン】お母さんの薬草畑に連れて貰っていた。
お母さんは仕事で使う薬草の選別、私はピクニックのつもりだった。
「う~ん……
ちょっと見辛いわね。
《シャイン》」
お母さんが持参していた杖から小さな光が出て、薬草を照らしていた。
それを見ていた私はてを前に出して、
「……しゃ、《しゃいん》」
その時の私はよく考えていなかった。
お母さんに構って貰えず暇だった。
子どもによくある親の真似事、それだけだった。
だが、その光は今か今かと待っていたようにあっさりと出てフワフワとシャボン玉のように浮かんでいた。
「……うわぁ~」
その光は暖かくて宝石のように綺麗だった。
ずっと見ていられたし、その時にわかっていたと思う。
“私はこの光が大好き”なのだと……。
「さ、【サイレン】!?」
私が出した光を見てお母さんは驚きで声を上げていた。
「ん?」
「あなたのそれ……
魔法、よね?」
「まほう?
よくわからないけど、でた。
とてもきれい」
私がキャキャと笑っていると、お母さんは真面目な顔になって私の目を見ていた。
「サイレン。
私が言ってもいいと言うまで魔法が使えることを言ってはダメよ。
他の人がいる時に魔法を使ってもダメ」
「え?
どうして?」
「今がまだ目立ち過ぎるからよ。
人より目立つ力は碌なことにならないわ」
「……つかちゃったらダメだった?」
「そんなことないわ!
流石私達の子よ!」
不安になって泣きそうになった私をお母さんは優しく、だけど強く抱き締めた。
「サイレンの年齢で魔法を使えることは本当に凄いことなのよ!
だから、サイレンがもっと魔法好きになって欲しいから私の言うことを聞いて欲しいの!」
「……わかった、おかあさん」
光はいつの間にか消えていた。
だけどーー。
「……《しゃいん》」
私はまたその光を出した。
そして、さっきと同じくまるでシャボン玉のようにフワフワと浮かんでいた。
「はぁ~……」
私はその光を夢中で見続けた。
その光を、魔法を知りたいと思うようになった。
他の魔法もあるのなら使いたいと思えたし、大切に使いたいとも思うようになった。
ーー私は魔法を愛している。
そう臆面もなく言い切れるほどに……。
そして、あれから六年ーー。




