逃げる悪女(おんな)と追う復讐者(おとこ) 第42話
【勇気】の言葉に、【匡】は激高し、
「綺麗事はいいんすよ。
貴方は愛する女を殺された事ないからそう言えるんだ。
あいつの事を思うと俺は夜も眠れないんだ。
犯人が、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くて、憎くてしかたないんだ
殺してやりたい衝動を抑えるので精一杯なんだよ。
こうしている間もそいつがのほほんとしているかと思うと・・・」
と言うと、【勇気】は、
「・・・たぶん、してないと思うよ。
私はね、色んな人を見てきたからある程度は予想が付くんだよ。
完全な悪人ってのはそうは居ない。
たいてい、悪いことをしたら良心が痛み苦しむものなんだ。
確かに昨今、心ない犯罪者というのが増えた印象はある。
だけどね、如何に残虐に振る舞っても内心は怯えているんだ。
だって、悪いことをしたら普通に生きてはいけないんだよ。
それが社会という仕組みなんだ。
悪いことをしたままでは済まない。
いつか明るみに出たら処罰される。
それに対して悪人は少なからず怯えるんだ。
だから悪いことをしてつるむ連中はその悪事がばれない様に恐怖で人間関係を結ぶ。
そこには綻びがいっぱいあるものなんだよ。
悪いことをしている奴はいつかそれがバレるんじゃないかって常に怯えて生きている。
真面目に生きている人達が極当たり前の様に出来ている安心感のある生活が出来ないんだ。
それが悪いことをした人が背負うリスクなんだ。
悪いことを目立つ様には出来ないんだ。
目立ったら悪事がバレるからね。
そうならない様にコソコソと行動する。
実に、ちっぽけな生き方だと思わないかい?」
と説いて聞かせた。
【匡】は、
「そんな訳・・・」
と言うが、【勇気】は、
「無いと思うかい?
綺麗事だと思うかい?
じゃあ、こういう言葉は知っているかい?
人を恨めば穴2つ。
人を恨むとね、自分に返ってくるんだよ。
だから、君が恨む相手が一番悔しがる方法は君が気にせず平然としている事なんだ。
それで悪人が自滅したら万々歳だと思わないかい?」
と更に伝えた。




