逃げる悪女(おんな)と追う復讐者(おとこ) 第31話
次は【高田 江零奈】/1年生と【高井 汐】/1年生の因縁だ。
【汐】は、一年、休学しているので、年齢的には1歳上である。
だが、【汐】は他のクラスメイト達と仲良くやっていた。
しかし、【江零奈】が、
「ちょっと先輩、良いですかぁ~。
教えて欲しい事があるんですけどぉ」
と言ってきた。
【江零奈】が言う、
【先輩】と言う言葉は、【汐】が最も言って欲しく無かった言葉だ。
【汐】は一年生達と仲良くやって行こうと考えていた。
にも関わらず、【江零奈】の【先輩】と言う言葉で、一年生達は少し、【汐】と距離を取る様な態度になった。
【汐】が一年、留年している事は知らない生徒も多かったのに、空気を読まない【江零奈】の一言で何となく疎外感を感じる様になってしまったのだ。
【江零奈】は最初に【汐】に対して【先輩】と言っただけだが、その一言が彼女にとって致命的だった。
みるみる怒りがこみ上げてきて、【汐】は、【江零奈】を、
「何で、そんな事言うのよ」
とドついていたこともあると言う。
殺すほどの恨みか?と聞かれたら首を傾げる事だが、それだけ、【汐】にとっては重要な事だった。
【汐】は親から、
「高校時代の友達は一生の友達になる事もあるのよ」
と言われて来ていた。
だから、【一生の友達】を作る機会を奪った【江零奈】を強く恨んでいたと言う証言を得ている。




