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3話 拾いもの

文字数:2391

 盗賊を掃除してから2日後


 この大陸の試練をまだ攻略できてないせいで、索敵範囲がスマホの半径1キロ程度しか発揮していなくて、ジグザグに走りながら西へ







 道からはずれた深い森の中


 「そっち行ったぞーー!!回り込めーー!!」


 「おらー!!逃げんじゃねぇーー!!」




 なんで?朝まではいつも通りだったのに。

 なんで?私たち悪いことしてないのに。

 なんで?!あの人たちは私達を追いかけるの。

 

 だれか、たすけて。







 その日の朝


 いつもの様に、畑仕事をしながら弟の面倒を見ていた。


 その日も朝の仕事が終わって、昼ごはんまで弟と遊んでいた。


 ただ、その日に限っていつもより村から離れて遊んでしまったため、村に帰るのが少し遅くなってしまった。


 幸か不幸か、その日のその行動が2人の今後の人生を決定付ける。




 「あれ?お姉ちゃん、何か焦げ臭くない?」


 「ホントだね、ちょっと急ごっか。」

 そう言うと同時に、小走りになる姉。

 まるで不安を隠すように。




 いつもの道を、いつもの様に通る。

 ただ違うのは少しずつ膨らむ不安感と、焦りから走る速度段々と速くなっていることだ。

 それに気付いたのは弟の「いっつ」という痛みをこらえる声が耳に届いた時だ。

 はっとなった姉は、いつの間にか自分が、小走りから弟を引き吊りまわそうかという勢いで走り出していた事に気付いたのである。


 「ご、ごめんねスペース、大丈夫?怪我して「!!」」

 どこからともなく、かすかに悲鳴が聞こえてきた。

 しかし、姉のフォルティにはしっかり聞こえていたようで、身をかがめながら村の方を注視する。


 「?どうしたの?姉ちゃん。」


 「し、しずかに。」

 

 すると今度ははっきりと悲鳴が聞こえてきた。

 「きゃぁぁぁ。」


 「お姉ちゃ!「だからしずかにっていってるでしょ?」モガモガ」

 今度の悲鳴には弟も聞こえていたらしく、大声で姉に言ったそばから口元を押さえられている。


 「いい?今はとても危険な状態なの、わかるわね?」

 「コクコク」

 「だから、ゆっくり静かに移動するから、お姉ちゃんの後ろに付いてくること。わかった?」

 「わかった」




 そして、姉弟見たのは奴隷狩りの現場だった。


 遠目からでも分かるその仕打ちは、とても酷いものだった。

 人が囲みこんで、男には矢を打ち込み、それ以外の抵抗する者達には棍棒で殴りつける。

 矢には痺れ薬が塗ってあったのか、男達は次第に動きが鈍くなり、倒れてしまった。

 それを見たフォルティは、弟の手を握り村とは反対方向へ逃げ出した。


 ただ運の悪い事に、この逃げ出す2人を見ていた男が「獲物が逃げるぞ、捕まえろ!!」と叫んだことにより、2人の逃走劇が始まった。







 そして現在、夕方になろうかという時間




 「はぁはぁ・・・お姉ちゃん・・・ぼく、もう。」

 いくら普段から走り回って遊んでいるといっても、何時間も走り続けた経験など無い子供がここまで走れたことが凄いのだが、それを追っ手の存在が休む事を許さない。


 「もうちょっとがんばって!」

 そんな事を言ってるフォルティもすでに限界を超えており、まともに走れていない。

 

 そして、ついに逃走劇は、追っ手の到着という形で終わりを告げる。


 「てこずらせやがってこのガキ共が!少しきついお仕置きが必要だな。」

 そう言いながらにやけながら近付いてくる。




 ん?何か引っかかる反応だな。

 追いかけられてる?とりあえず様子を見に行ってみるか。




 「覚悟は出来てんだろうな」

 そう言いながら、腰に挿してある使い込まれた棒を取り出し、近くの木に打ちつけながら近付いてくる。


 「ひっ」

 一瞬怯むも、隣の弟に気付き自分の後ろへ追いやる。


 「何か面白いことやってんなぁ。」


 「!!てめぇ!どっから出てきやがった!?」


 「くせぇ大人が子供をいじめるか・・・全員黒だし駆除対象確定だな。」


 「何をぶつくさ言ってやがる!どっから来たかって聞いてんだよ!!さっさと答えねぇとぶっ殺ぶぉっ」

 言い終わる前に、男の顔が変形して吹っ飛んでいった。


 「1,2,3、・・・全部で15、いやさっきので14か。とりあえず死んどけ。」


 「!!お前ら!囲んで潰せ!」


 「させるか、よっ」

 「ぶっ」

 1人1人丁寧に顔面を叩いていく。




 2分後


 賊を始末してから2人の子供に近付く。


 「待ってろ、今かいふ「こないで!!」く?」

 その場で立ち止まる俺。

 「どういうつもり?」


 「?なにが?」


 「とぼけないで!人が獣人をただ助けるなんて事ありえないでしょ!」


 「へぇー、こっちではそんなクズばっかなんだな。ははは、潰すのに躊躇わなくて済むから丁度いい。」


 「な、なに訳の分からない事言ってるのよ!私の質問に答えなさい!」


 「あ?そんなお前らの常識なんて知るか。ほら、回復してやるからじっとしてろ。」


 「ちょっ、何す。え?体が軽い。」


 「お姉ちゃん!痛いところがなくなったよ!ありがとう!お兄ちゃん!」


 「おーよしよし、素直でいい子のお前にはおにぎりをやろう。ほれ。」


 「なにこれぇ?」


 「それはおにぎりっていってな、こうやって齧って食べるんだ。」


 「ちょっと!人の弟になに変な物食べさせようと「おいしいねこれ!」ちょっとスペース!」




 そんなやり取りをして、二人が落ち着いたころに事情を聞いたら、村が奴隷狩りにあったらしい。

 そして、この2人は犬の獣人で、村には他の獣人たちと暮らしていたそうだ。

 軽く自己紹介をした後、これから二人はどうしていくのか聞いてみた。


 「出来れば、近くの教会がある街に連れて行ってもらえるとありがたいんですが。」


 「そんなんでいいのか?」


 「え?どういう」


 「奴隷狩りしてる奴らをぶっ潰したいから、強くなりたいとかじゃないんだな。」


 「・・・・・・。」


 「俺は、用事があるから特大試練に行くけど、お前達はどうする?「いくっ!!」」

 「ちょっとスペース!」

 「ボク、つよくなりたい!!」

 「そんなのあぶ「決定だな、とりあえず明日に向けて早めに寝るぞ」」

 「はーい!」

 



 それから、無理やりご飯を食べさせたり、風呂に入れたりして眠った。

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