3話 あれから10日後
文字数:3129
2つの大試練攻略から10日が過ぎた。
追加で大試練を攻略し、下級魔法のスキルスクロールを2つ追加で貰った。
この大陸でやる事もなくなったので、別の大陸に行く事にした。
この大陸は、地球で言うと九州のような、グリーンランドのような形をしている。
今から向かうカプリティアという港町は、他の大陸と定期的に交易をしている、それなりの大きさの港町。
場所は下のほう。刺さると痛そうなところといえば伝わるだろうか?
そのとんがった所に港町はあるのだが、今はちょっとした問題に巻き込まれている。
神がいうには、この大陸は大丈夫だといっていたはずだ。
だから、今起こっているこの騒ぎは、人災か喧嘩が大きくなっているだけだろう。
ちょっと時間が経てばすぐに
「サハギンだー!!サハギンの群れが出たぞー!!」
はい、だめでしたー。厄介事がログインされました。次の大陸までゆっくりとかはできないようです。
「戦えるものは港へ急げー!!戦えないものは教会へ逃げろー!!」
「あのー」
「レベルが20以下のものは教会へ避難誘導しろー!!レベルが30以上のものは戦闘に参加だー!!」
「おい」
「遠距離班と近距離班と回復支援班に分かれて、騎士に指示を仰げー!!」
「お゛い゛無視すんな」と言いながら、頭を鷲掴みにして無理やりこちらに意識を向けさせる。
「あだだだだまてまてまて!!一旦落ち着け」
掴んだ頭を離しながら「戦うにはどこに向かえばいいんだ?サハギンて聞こえたが、数はどれくらいいる?」
「は?そもそも誰だお前、詳しい数は知らんが1,000以上はいる。
今の状態は大群が現れた時の非常事態宣言が発令されてるんだ。
そんなことも知らんのか?とにかく戦えるなら、あっちに言って叫んでるやつに詳しい事聞いて来い!」
「あっちだな、わかった。じゃぁな」
そう言い、教えられた方向へテクテク歩いて行くと、すぐに叫んでる人たちを見つけることができた。
「近接戦闘班はこっちに集合してくださーい!!」「遠距離攻撃はこっちでーす!!」「回復支援班はこちらにお願いしまーす!!」
そう叫んでる相手の横を見向きもせずに、通り過ぎて港へ「おい!お前!そこで何してる!!早く持ち場につけ!!」
行けなかったので、大人しく従っておこうと思い、持ち場を確認してみた。
「なぁ、あんた。遠距離と近距離の両方が出来るやつはどこへ行けばいい?」
「は?何言ってんだ?どんなやつでも、どっちかに偏るだろ?そっちに行けばいい。」
「・・・じゃぁ俺は連係できそうにないな、先に行ってくる」
「おい!!勝手な真似はするな!!」そう言いながら肩をつかんできたので、ちょっと電気を流しておく。
「あばばばば」
歩いていると、海が見えてきた。
そして、スマホで敵の数や種類を確認していたら、後ろから
「ちょっとそこの貴方!!こんな非常事態に何勝手な事をしてるの!!」
そう言いながら、近付いてきたのは、騎士の格好をした女で、さっきの男とのやり取りを見ていたのだろう。
とてもお怒りな様子だ。
そして俺に、態々今がどれだけ非常事態なのか、という事を説明しようとしている。
残念ながら、そんな時間はない。
その証拠に、サハギンが今にも上陸しようと近くまで来ているのを、スマホのマップが捕捉している。
「そんなことより、あっちの大きな船が停泊してる辺りから200くらいと、あっちの小さい船が停泊してる辺りから300くらいの先発隊が上陸してくるぞ」
そう言いながら、攻めて来る場所が3箇所ある内の、2箇所と大体の数を教えておいた。
「そんなこと言っても誤魔化され「サハギンだ!!戦闘態勢!!」えっ。」
「こっちはやっとくからさっさと行って来い。」
「こっちにもすぐに援護させるから、ちょっとだけ待ってて!」
いらん。って、言いたかったが、「ちょ」の段階で走り出していた。
それに、俺みたいな名前すら知らない者に、ここを任せるほど頭の中がお花畑だったら騎士なんかやってないだろう。
騎士で思い出したが、俺の体には鑑定妨害とステータス偽装が備わってたはずだ。レベルは50くらいで、オールBくらいにしておこう。
2箇所からサハギンが上陸して5分後、俺のいる正面から上陸してこようと、サハギンの本隊が今にもその姿をみせ
られずに、俺の冷凍グレネードの餌食になっていた。
このグレネード各種は、当たった時の衝撃で爆発するタイプなので、今は水面目掛けて強めに投げている。
水面で起こった爆発は、サハギンを巻き込んで氷付けにしていく。
ある程度氷付けに出来たら、爆発させて粉々にしていく。
そんな事をしながら、スマホの加工でミスリル鋼からミスリルを取り除いた残いの鋼と、魔石を組み合わせて手裏剣を試しに作る。
この手裏剣を手に取り、雷魔力を込めてみる。
ドンドン込めていって、限界がどれくらいか確認。
すると、バチバチ音を立てながら光りだした所で、パンとはじけて放電した。
その放電で、近くに居たサハギンが20体ほど感電死していたが、気にせず作業を再開する。
限界を把握したので、同じものを作りながら、サハギン冷凍爆破も同時に行う。
手裏剣も、とりあえずの量として100個できたので、壊れた魔力量の8割ほどを感覚で流し込み、サハギンの群れ後方に、俺を避けて回り込もうとしている奴等が居るので、そいつらの進行方向へビリビリ手裏剣を投げ込んでいく。
投げ込んだ辺り、半径30m程の範囲に居るサハギンが気絶していく。
マップで確認してみると、気絶したやつらも2発ほど追加でビリビリする頃には、マップの反応も消えていた。
そんな事をやっていると、後方から援護として送られていたであろう騎士と、冒険者達が走ってきていた。
騎士の中には、さっき加減を間違えて、電撃を浴びせてしまった騎士もいた。
チリチリ頭で。
「サハギンはどこだー!!」
俺は無言で、海に浮かんでるサハギンを指差す。
そして、おもむろに懐からおにぎりを取り出して、頬張りながら
「この浮かんでる3倍から4倍くらいの数がまだ残ってるから、頑張れよ。」
と言って、その場に腰を落とし、おにぎりを租借する。
それから、騎士たちが何か言ってくる前に、マグナムの冷凍弾を左手でダン!ダン!と仕事してますよアピール。
おにぎりを3つ食べ終わり、今度はウサギ肉の串焼きを頬張りながら、冷凍弾からノーマル弾にして、また撃ち始める。
騎士たちは、俺が使ってる武器がなんなのか気になって、こちらに意識を向けているが、上陸し始めたサハギンの量が、それどころではないと教えるように、ドンドン溢れていく。
そして俺は、デザートのクリームパンに手をつける。
左手には火炎弾に切り替えたマグナムで、冒険者の後ろに回りこんだサハギンの頭を狙い撃ち、騎士目掛けて槍を投げようとしている、サハギンの顔面に撃ち込んでいく。
クリームパンを最後の一口頬張ったころで、サハギンジェネラルを引き連れたサハギンキングがものすごいドヤ顔(に見える表情)で堂々とした歩みでこちらに近付いてくる。
冒険者の一人が「き、キングだーー!!キングが出たぞー!!!」
と、叫んだのを見たそのサハギンキングはドヤ顔に磨きがかかった(様に見えた)表情でニヤッと(してないのかも知れないが、口がその様に少し開いた)し、腰に下げた剣に手を伸ばしたと同時に、ジェネラル達も武器を構えた。
キングが武器を構え雄たけびをあげると、頭がはじけとんだ。
「これだけ待ってやったんだから、こいつも満足しただろ。さぁ、ゴミ掃除といきますか。」
そこからは、ライトマシンガンの炸裂に切り替えて、ダダダダっと撃ち続けて一体も残さず駆除していった。
駆除が終わったのを確認して、騎士に向けて聞いてみた。
「これで別の大陸に行く船が出せるよな?」




