札幌
「とりあえず駅から出るぞ まずはそこからだ」
嫌な音が耳に入ってきた。人の悲鳴、泣き声、誰かが何かを呼ぶ声。
「……なんだ、騒がしいな」
「ちょっと行ってみよう」瑠美が早足になる。
数メートル先。駅のロータリーの中央、タイルの上に──
血まみれの遺体があった。
それは魔法使いだった。ローブが裂け、体中に無数の穴。顔は原型を留めていない。
「うっ……見たくなかったな。くそ、電車酔いがひどいってのに……」
吾郎が顔を歪め、蹲る。背中に手を当てる瑠美の手が温かい。
「もしかして、アーヴァントが……」
「この惨状……今もまだ、近くにいる可能性が高い」
吾郎が辺りを見渡す。血の匂いと緊張が肌を刺す。
「札幌駅内に潜んでるかもしれない。ここは魔法使いが多く集まる場所だ、確保は相当難航するな……」
その時──背後から声が飛ぶ。
すると 別の魔法使いに話しかけられる
「そこ、どいてもらえる?邪魔なのよ 消えて」
少し態度が悪い女性の魔法使いのようだ 吾郎は少し怒りを抑えながら話す
「どくのはいいが……その態度はどうかと思うな。マナーの欠片もない」
「は? 新入生のくせに、口答え?」
吾郎は眉をひそめ、一歩前に出る。
「俺たちもアーヴァント確保のために来てる。今は対立してる場合じゃない。協力しようぜ」
「ふーん、そんな暇、ないのよ」
彼女が指を鳴らす。
次の瞬間──空気がねじれる音と共に、吾郎の体がふわりと浮き上がった。
「な──!?」
視界が反転する。風が、顔を殴る。
ドンッ!!!
吾郎は、近くのコンビニの自動ドアを突き破り、店内の棚に叩きつけられた。ガラスの音、商品の散乱。煙草の匂いが鼻についた。
「あんたも退きなさい あいつのように吹き飛ばされたくなかったら」
瑠美は一旦退いて 吾郎の元に掛け着く
「ちょ、あんた大丈夫?怪我はなんとか防いだ?」
「あぁ、まあな、岩魔法で全身を固めて 負傷を防いだが 1年違うだけでここまで実力差が酷いとは とりあえず
情報収集に出るぞ アーヴァントも探しにな」




