18話 名前決め①
「それでは、今日のミーティングを始めます。まずはクローン人間の総称からいこうと思います。案のある人挙手!」
基本的には手放しで教育したいので、司会進行も昨日はいなかったヴィーナに任せてある。特に何も言っていないけれど、ヴィーナになる。他の3人娘があんなんだから仕方ない。
「「はい!」」
エリーと百合愛が手を挙げる。
「百合愛さん!」
「えーとね、いもうとたち、って書いてシ◯ターズ!」
「「却下」」
「えー……。ダメかぁ」
わかるぞ、百合愛。クローン人間といったらそこにいくよな。でも、それはダメだ。
「エリーは?」
「普通にメイドの複数形、メイズはどう?」
「確かに王道だけど、複数形になるとあまり聞かない言葉になるね」
啓介はメイズに同意したようだ。
「他にはある?」
だがヴィーナは、もう少し候補を出して、その中で選びたいらしい。
「メイドを直訳すると使用人。別の訳はサーヴァントになる」
ソーニャが提案する。
「サーヴァントってなんかカッコいいね。私はそれかな」
優佳はサーヴァント推し。
「うわー、どっちもいいな。迷う」
「確かに、これは両方いいね。どうしよう」
リーナや耕太郎は決め切れていない様子。どっちもいいんだよな。
「あのさ、この子たちって、性別は? 種類は一種類だけ?」
「「「あ。」」」
唯の指摘に、全員が固まった。
「役割はまだ決めていないけれど、女性形をメイズ、男性形をサーヴァントにするのはどうかな?」
「それいい! 性別で分けるのはいいかもしれない!」
耕太郎は唯の案を手放しで称賛した。
「でも、性別かぁ。男女ってことだよね」
「そうなるね」
「なんかそうじゃないと思うんだよなぁ」
「啓介さんは、呼び方を変えるのは賛成だけど、分け方が性別なのは違うと思うってことですか?」
ヴィーナは一旦論点を確認する。こういう役回りは本当に会議では重宝する。
「そう。一般的に男女を作った場合、男課題は防衛や建設に、女型は家事や生産に就くことになると思う。また、少し発展して、男型のバトラーと女型のメイド、みたいな。それって、全部既成概念じゃん。真の男女平等とは全然違うと思うんだよね」
たぶん啓介は、男女の個体を作って仕事ごとに分けてしまうと、男女平等に見られない、ということを言っているのだと思う。
「そのあたりは難しい話なので、一旦置いておきましょう。ただ、性別で分けるよりも仕事内容で分けることにし、力仕事系をサーヴァント、事務仕事系をメイズと呼ぶことにしましょう。それで良いですか?」
否定意見は一切なく、終わろうとしたのだが。
「結局総称決まってなくね?」
「「「あ。」」」
エリーのひとことで話は振り出しに戻ってしまった。




