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12話 秘密


 

「紹介が遅れたね。まず、彼女がミア。私のパートナーだ」

 

「みなさんよろしくお願いします。特に百合愛さん、あなたには聞きたいことがいっぱいあるわ」

 

 何か含みのある顔で星月に語りかける。ミア、あんまりいじめないでくれよ。座っているとはいえ、170センチ以上の人に話を聞かせてくれ、とか言われたら正直怖いぞ。現に少し怯えてるし。

 

「そして、彼女が私たちの長女ヴィーナ。そのほかにエリー、ソーニャ、リーナの3人の娘がいる」

 

「よろしくお願いします」

 

「あ、あの」

 

 星月は怯えたまま、話しかけてきた。

 

「ん? どうした?」

 

「ミアさんとは結婚されているんですか?」

 

 怯えていたのは、私がミアのことをパートナーと呼んだからか。

 

「私の話をする前に、約束して欲しいことがある」

 

「それは?」

 

「私たちの秘密について、一切他言しないでほしい」

 

「わかりました」

 

「もともとするつもりはありませんでしたけどね」

 

「それならいい。ミアもいいか?」

 

「どうせ話してしまうんでしょう? この子たちは特別ですからね」

 

「ありがとう。さて、単刀直入に言おう。私とミアは天界からやってきた」

 

「「「「「え?」」」」」

 

「私はヤハウェと呼ばれる神。ミアは天使だな」

 

 ミアはそれを裏付けるかのように、羽と天使の輪っかを顕現させた。私は人間だからできない。

 

「か、神……」

 

「ミアさん……」

 

「てことは、ヴィーナさんたちも?」

 

「いや、娘たちはれっきとした人間だよ」

 

「私たちは4人とも、親に捨てられた”遺児”で、イリヤとミアに生後間も無く引き取ってもらったんです」

 

「そうだったんですね……」

 

「でも、私たちは生後すぐに引き取られているので、完全に実の親です」

 

「そうすると、先生とミアさんは夫婦ということですか?」

 

「私には性別という概念がない。ただ、天使であるミアと違ってこの世に現れることができないから、人間の女性の器を借りている状態だな。なぜ歳をとらないのかはわからないんだけど」

 

「先生は女性なんですか……」

 

「確かにこの内容は他言できないね……」

 

 少し重い雰囲気になってしまったので、話を変えようと思い、本題に入ることにした。

 

「さて、今回みんなにこの話をしたのは、私たちのやっていることを手伝ってほしいからだ」

 

「やっていること??」

 

 3人は首を傾げていたが、

 

「先生の娘よ? 普通なわけないじゃない。自動運転の車を完成させてる時点で、もう意味がわからないんだから」

 

 綾瀬と佐野は既にエリーたちと話しているからか、呆れた顔をしている。

 

「詳しくは着いてから話そうか」

 

「そういえば、いま私たちはどこに向かっているんですか?」

 

「私たちの敷地だよ」

 

「敷地? 家じゃなくて?」

 

「うーん、家もあるけど、あれは敷地だな」

 

「そうですね、敷地ですね」

 

 ヴィーナも同意してくれた。

 

「そんなに広いんですか……」

 

「そろそろ敷地に入りますよ」

 

 そうミアが言った数秒後、簡易的な鉄柵が横一面に広がり、正面の扉が自動的に開いた。

 

「「「おぉぅ……」」」

 

「いやー、まあそうなるよね。意味がわからないよね」

 

 少し先に経験した綾瀬と佐野は、3人の反応をみて納得していた。ちょっとやりすぎた感はあるよ。うん。

 

「あそこ、なんか動いてない?」

 

「あれは、監視ロボですね。広すぎて管理できないし、かといってこの辺まで開発が全然進んでないのでカメラの設置も出来てないので」

 

「ヴィーナさん、外の世界を知ってる?」

 

 呆れた綾瀬はこんなこと言い始めた。もう数時間を共に過ごしているため、他のメンバーよりも打ち解け始めていた。

 

「えぇ。半年くらい前までは東京に住んでいたので」

 

「確かに、まだ北海道にきてから半年も経ってないな」

 

「それでこの進み具合ですか……」

 

「次女のエリーが機械開発担当なんだがな、まだ半年くらいしか経験ないんだよ。それに対して、プログラム書いてるエンジニアの四女リーナは数年以上経験があるから、サイズの大きいものはまだ少なくても、中身がヤバいことになってるケースが多いな」

 

「特にリーナちゃんがやばいんですね、わかりました」

 

 なぜか気合を入れた星月。だんだん落ち込みから回復してきていた。

 

「さ、そろそろ見えてきたぞ。とりあえず、工場に向かおう。きっとみんないるから」

 

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