13話 挨拶
「ただいま〜」
「あ、おかえりなさーい!」
3人が作業を中断して駆け寄ってくる。
「はじめまして。次女のエリーです」
「三女のソーニャです」
「四女のリーナよ」
「園倉耕太郎です。医者やってます」
「同じく園倉唯、旧姓柴田唯です。看護師です」
「星月百合愛です。デザイナーです」
固くなりながらも、最低限の自己紹介をした6人。
「いろいろ見学してもらおうと思うんだが、今は何やってたの?」
「新しいロケットを考えてたんだよね」
「今日打ち上げたばかりじゃないか……」
「え、ニュースになってたあの打ち上げ、リーナさんが関わってたんですか?」
「リーナでいいわ。私たちの人工衛星を極秘で打ち上げてもらったの。そしたらイリヤとみんなが知り合いだっていうからびっくりして」
「エリーさんとリーナさんがソーニャさんの姉妹だとは聞いていたけど、まさか先生の娘さんだったとはびっくりしたね」
5人とはどこかで再び会える、と思っていたけど、まさかこんな形で再会するとは私も思わなかったね。
「それで、なんで新しいロケットを考えてたんだ?」
「打ち上げのあと、啓介さんが『ロケットはコストが高すぎる』って言ってたから、いい方法ないかなって思って」
「いつの間に名前で呼んでるんだよ」
「だって結婚してるなら優佳さんも佐野なわけじゃんか。だから、名前で呼ぶことにしたの」
「先生の教え子である私たちと先生の娘さんは同じようなものですし、全然フラットに話してくださいね」
「百合愛さん、私もソーニャと呼んでください」
「僕たちもいまは名前で呼び合ってるし、そうしてくれると嬉しいかな」
「じゃあみんな、よろしくね」
「「「「よろしくお願いしますー!」」」」
娘4人と教え子5人は仲良くなったようだ。
「それで、どうなったんだ?」
エリー「海外に、ロケットを使わないで軌道投入を目指す宇宙スタートアップがあった。内容は公開されてないけど、たぶん電磁加速なのかな、と思ってね」
「レールガンみたいなもの?」
「まさにそんな感じ。カタパルトと呼ばれる二本のレールを設置して電流を流し、発生した電磁誘導によって飛翔体を飛ばす技術のことを電磁カタパルトというんだけど、原理はレールガンと同じみたい。アメリカ海軍の空母が戦闘機用に搭載しようとしている技術で、それを応用して宇宙に飛ばそうとしているんじゃないかと思ってる」
「情報抜いてみる?」
「うーん、ありかもね」
「じゃあ後でやってくるね! 久々のハッキングだー」
「ほぼクラッキングだけどな。あと、1カ月前を久々とは言わない」
「むしろ最近ペース早いよね」
娘たちの会話に呆然とする合流組3人。
「ね、やばいでしょ?」
「「「……うん」」」
優佳の言葉に、絞り出すような返事しか出なかった。
「ヤバイってなにがですか?」
ソーニャ、天然に首を傾げるな。あんたも十分ヤバイ。
宇宙ベンチャーは、【SpinLaunch】です。
デモ機の写真も公開されているので、ぜひ調べてみてください。
レールガンです。超電磁砲ですよ(←チガウ)




