面倒事
帝都に入って早々に面倒事に絡まれたわけだが
何とか無事にギルドに到着できた。
ギルドといえば、酒場の様な所を想像する人が多いだろう。
この世界でも酒場の様になっている。
クエストボードと書かれた板には、様々な依頼書が貼り付けられている。
周囲の視線がこちらを追っているが、新入りなのだから仕方がない。
「すみません、ギルドのことを教えて欲しいのですが」
カウンターで暇そうにしているお兄さんに声をかけた。
「ああ、初めてかい? 討伐や採集をして獲得してきた物を持ってきてくれたら、それに応じた報酬が支払われるんだ。 依頼書はただの確認用さ。 依頼書を見て捕りにいってもいいし、捕ってきた物を依頼書の中から探してもいい。 ギルドはいつでも誰でも大歓迎さ。 登録なんて面倒なこともないしね」
なるほど、捕ってきたものを見せるだけでもよさそうだ。
「依頼書があるかわかりませんが、これは買い取れますか?」
あるわけがないのだが、提示した物は香水だ。
「ほう、綺麗な瓶だね! それに良い香りだ…って…フューム!? 貴族くらいしか買えない高級品だぞ!」
香水っぽいものはあるようだ。
「どうでしょう? 私の国で作られた物ですが、それなりに高価なものを選んできました。 買い取っていただけますか?」
「ああ、勿論だとも! こちらからお願いしたいくらいだ! 手持ちは一つだけかい? もっとあったら売って欲しい!」
沢山あるが、あえて三つだけ売っておこう。
「これで全部です。 近日中に補充出来そうですが、仕入れルートが少々特別でして…」
「そうだろう! そうだろう! これだけの物だ、仕入れも困難だろう! また仕入れたときで良い、売ってくれ!」
当面の資金も手に入ったので、ギルドを出て宿を探す。
新しい街に入るときは、これが面倒だ。
新しい土地に行くことは楽しい
だが、宿を取るのは面倒くさい。
「お兄さん、この街は初めて?」
「君は?」
話しかけてきたのは小さな男の子だった。
「俺はギール! 宿屋の息子だよ!」
んー、タイミングが良すぎる…。
「そうか、何か用かい?」
「ちょうど呼び込みをしてたらさ、キョロキョロしてる人がいたから声をかけてみただけだよ! 宿が決まってないならおいでよ!」
どうしても信用できない。
どこか怪しい気がするのだ。
「わかった、折角だから頼もうか」
背後にいる連中もまとめて、ね。




