マーシャ
朝が来た。
今日は露店を開く時間が取れるのだろうか。
朝からとは聞いているが、待ち合わせ時間は決めていなかった。
とりあえず神殿に向かうとしよう。
朝ごはんはおにぎりを一つっと。
行儀は良くないが、歩きながら食べていると
いつもの少年が駆け寄ってきた。
「おはようございます! 兄妹で話したのですが、貰ってばかりでは悪いと思って…。 その…、お店の手伝いをさせて貰おうかなって。 ダメですか?」
これは有難い申し出だ。
「いやいや! 助かるよ! 今日はちょっと王宮まで行かないといけないから、店を開くとしたら午後になると思う。 よかったらそこで顔を出してくれ」
「はい!」
少年は元気欲返事をして、人混みの中に消えていった。
神殿に到着したのだが、騎士さんはまだ来ていないようだ。
折角来たのだし、女神様にピークでも置いて行こう。
「神官さん、おはようございます」
「おはようございます。 今日はどのような御用ですか?」
「ええ、女神様にお土産といえばいいのでしょうか…」
「なるほど! それは女神様もお喜びになることでしょう!」
一度同じやり取りをしているので、すんなりと通してくれた。
「女神様、おはようございます。 今日もお土産ですよ」
待てを喰らった犬のような女神がそこにいた。
「透君!! ピークもいいけどさ、あれが食べたいな…」
あれってなんだろう…。
「すみません、どれでしょう…」
「ああ、そうか。 えーっとね、イクラとカニ? ってやつ!」
お弁当か!!
「それくらいなら大丈夫ですよ。 ちょっと待っててくださいね」
さくっと購入して、お弁当を女神に渡す。
「お箸は使えますか?」
「うん、大丈夫だよ! 一部だけどこの世界でも使ってるからね」
そうなんだ。
「それでは、この辺りで失礼します。 あ、ピークもいくつか置いていきますね」
「うん! ありがとー!」
扉を出たところで、アローネさんが待っていた。
「アローネさん、おはようございます」
「透殿、おはようございます」
「早速向かいますか?」
「ええ。 先程寄ってきたのですが、既に準備は出来ているそうです」
ゾロゾロと、騎士を連れて歩くのは落ち着かない…。
王宮に入り謁見の間に入ると、以前のキチガイ貴族はいなかった。
しかし、見たことのない人は数人並んでいた。
「楽にしてくれて構わないよ」
王様の言葉に、低くしていた頭をあげる。
「では早速、と言いたいところだけどね。 まずは君に紹介しておきたい人がいるんだ」
「紹介…ですか」
「ああ、まずは魔石の査定をするニッケル。 そして、私の娘の…」
その後に続く名前に心当たりはあった。
いつもの指輪売りのお姉さん…
「マーシャだ」
その人だったのだ。




