表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
BIG DREAM(2)  作者: えふわん
PR
2/12

Big Dream 誕生秘話

大夢の祖父、大吉は元高校球児。

決して体格には恵まれなかったが、

躍動感のあるフォームから繰り出すストレートとドロップカーブを武器に、

多くの三振を奪い、様々なピンチを切り抜け、チームの勝利に貢献してきた。

当初は家を継ぐために地元の工業高校に入ったのだが、野球もまた強かった。

しかし、県大会はそれほど良い実績はあったものではなかった。

大体ベスト8止まりだったのである。

その高校は大吉の最終学年で県準優勝を成し遂げる。

もちろん全試合大吉が投げ続けての結果だ。


大吉はとにかくよく人を褒める。

良いところを探すのが得意である。

人の話に耳を傾けるのも得意だ。

そのため、後輩からは一番慕われていた。

こんなエピソードがある。

下級生がエラーしたせいで、負けた練習試合がある。

当時の体質なのか、上級生が彼を一方的に罵っていたのだ。

もちろん下級生はやる気をなくしていた。

大吉はそんな彼を見て、一声かけた。

「よう、お疲れ様」

「はい、おつかれさまです・・・」

後輩は気のない返事をした。

「なんだ、またあいつらに言われたのか。そんなことより、あのピンチで落ち着いてダブルプレー完成させたろう。でなかったら9回まで互角に戦えなかったぞ。」

「はい・・・でも大差で負けても僅差で負けても一緒って言われたんですよ・・・出れなかった先輩もいたんで恨み買っちゃったようで。」

「今日の試合は負けは負け。それ以上何を追求するんだい?」

「いえ、だってエラーしたのは自分ですし・・・」

「まぁまぁ、できなかった奴らのあら探ししたって前に進みやしねぇよ。試合に出たのは、君に可能性があったからであって、君を潰すためではない。だから、あいつらの言うことを鵜呑みにするな。とにかく今日の試合、君はよく頑張った。」

「はい、でも・・・」

「気にすることはない。僕は君に感謝している。毎回の練習で声だしているし、君より気配りしてくれる同期なんていない。同期は僕の実力を妬んでいる。その妬みのせいであいつらは本来の力を出し切れてないんだよ。」

「にしても気配りですか・・・自分そんな大したことしてないですよ。よく言われるんです、エースもエースで甘ったれだ、と。」

「誰が言ったんだそれ?あったまくるなぁ!」

大吉は続ける。

「甘ったれてんのは、人にしてあげているのに礼もろくに言わない奴らの方だ。あいつらは愚痴ることにエネルギーを費やしてるだけで、本当に野球うまくなろうっていう気持ちが伝わらないべ。もう許さねえ。」

「大吉さん・・・」

「ちょっと、明日から投げ込みに付き合ってくれ。もうあいつを座らせて投げ込むもんか。」

大吉は仲間に恵まれないのを言い訳にせず、信頼できる人を自ら見つけ、黙々と自己研鑽に励んでいた。

結果として大吉のワンマンチームになってしまった感が否めなかった。

しかし、大吉は前を見据えていた。引退しても腐らなかった。


こんなことを大夢は何回も耳にたこができるくらい聞いてきた。

今度は僕がじいちゃんを甲子園に連れて行くんだ!

その前に、中学野球をしっかりやりましょう、大夢君。

焦るな大夢。負けるな大夢。

世代を越えた挑戦が今日も始まる。


次回は、榛名vs箕郷。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ