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夜明けの新世代  作者: 日下田 弘谷
第1章 新世代
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プロローグ

「うわぁぁぁぁ。助けてくれぇぇぇ」


 男も女も、大人も子供も。すべての人間が悲鳴を上げて逃げ回る。


「こっちだ。早く」


 そんな中で勇敢で正義感溢れる警察官が民間人を誘導する。自分も早く逃げたいだろうに、ただただ公務員だからという理由でこの危険地帯に駆り出され、民間人を守るためにぎりぎりまで持ち場を守る。


 そんな勇敢な人間は敵にとってただの獲物であった。


 高さにして3メートル、全長は10メートル近くはあろうかという大きな『虎』は、持ち場を守ろうと逃げるタイミングを失ったその警察官へと襲い掛かる。


「うわぁぁぁ」


 驚き反射的に転がって避ける。直後、近くにあったパトカーが虎にのしかかられて簡単に潰れてしまう。


 警察官はただちに腰の拳銃を手に取ろうとするが、手が震えて取り出せない。そんな間に再び視界に獲物を捉えた虎は右手を勢いよく振り下ろす。彼は自らの最期を悟るとともに、恐怖のあまりに目を閉じて顔をそむける。


 凄まじい音が響く。


 その瞬間手前まで見ていた人も彼の死を確信しただろう。



 だが痛みもない。痛みを感じる間もなく殺されたと考えるべきなのかもしれないが、それにしては風を感じる。音も感じる。つまり生きている。ゆっくり目を開ける警察官。するとそこには、一人の少年が鉄の棒一本で虎の一撃を防いでいた。



「なっ⁉」


「早く逃げろ」


 驚く警察官に彼は言う。だが警察官は恐怖で動けない。するとその警察官の体が急に宙に浮く。いや、誰かに抱きかかえられた。体重が60~70キロあろうかという成人男性をいとも軽々抱きかかえ、陸上選手かのような速さで走るのは、


「えっほ、えっほ」


 身長わずか160センチ。やせ型の、決して力があるとは思えない小柄な少年。


 その少年に担がれながら、警察官は見続ける。虎が二度、三度と手を振り下ろすのを、先ほどの少年が鉄の棒一本で防いでいる様子を。そして、


「ふふ~ん。お背中ががら空きだよ~」


 近くに立っているビル。その4階の窓を蹴破り、飛び降りてくるのは少女。彼女は虎が鉄の棒を持つ少年に気を取られている間に、腰に差してある刀を抜き、虎の背に着地すると同時に体重をかけて刃を突き立てる。


 的確に急所を突いた一撃に虎は虎らしい咆哮を上げると、今まで少年に攻撃を与えていた勢いが嘘かのように倒れこんだ。


「こ、これが……」


 警察官は地面に降りながら、隣に立っている小柄な少年と、鉄の棒を振り回すこちらも少年、そして虎の背から地面に飛び降りた少女の3人を順に見つめつぶやいた。


「これが新世代(ニューエイジ)


というわけで書き始めてみたバトルアクション(?)もの。

野球小説である程度、動きのある描写は慣れてきたはずだけど……

本格的なアクション展開はどうかな? ちょっと自信ないです。

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