結奈とダンガリー伯爵そしてコルーマン宰相?黒幕は!
「結奈さん、此処においでになりましたか!」
「ダンガリー伯爵!お久しぶりです。」
「結奈さんが、これ程までに世渡り上手なので、驚いています。正直に言いますと、貴方はエンドリア殿下に、興味があったのではと、思い違いをしておりましたよ。」
私は、ダンガリー伯爵の顔を正面から、見て驚いていた。前回みた光景では、違うのだ。
私の見間違い、もう一度、伯爵の眼を見る、そこには、伯爵が血を流して倒れている。
どうしてなの?結奈は冷静になって、思い巡っていた。
シャロン達が、ダンガリー伯爵を殺そうとは思わないはず、母親が違うけど同じ義兄弟なのだから、では、誰が、伯爵の事を殺そうとしてるのだろう?
「青い顔してどうしたのかね?」
「ダンガリー伯爵、私には、貴男たちには見えないものが、私には見えてしまう事があります。信じては貰えないのかもしれませんが、今、私が見たことをお話ししますから、心当たりがあるのか、ないのか、考えて貰えますか?不吉な事をもうしあげますが、お許しください。」
「聞いてみないと、許す許さない判断はつかないのでは?」
「私が見た光景は、伯爵が血を流されて倒れているところです。誰かに、恨まれていることは、ありませんか?」
「あるなら、こちらから先に、殺すであろう!私も馬鹿ではないのでな。」
「私の事は、前に合った時も見えたのだな!どんな、事が見えたのだ!」
「周りの人達が火に焼かれていて、貴方一人は、笑ってはいましたが、何故か悲しそうな顔をしていらした。」
「私は、氷の魔女と呼ばれている、エメリンダさんに、ダイアリスさんのことを、お聞きしました。
エメリンダさんとお母様は幼馴染で親友でもあったそうです。
この大陸は、最初は、荒野ばかりの荒れ地ばかりで、生き物もいない大地だったそうです。
神の御使いとして4人の巫女は、人間が暮らして生けるようにと、託されたのです。
エメリンダさんとダイアリスさんは、お互いに、支えながら頑張って、この大陸を創ったからこそ私たちは、幸せに暮らして生けるのです。
そんな思いを、息子である伯爵が壊そうとするのですか?」
「グリーンマイン国の前王が、したことを知っているのか!」
「知っています。貴方の父親である国王は、国を捨てる気で、ダイアリスさんと結ばれました。ダイアリスさんは、彼の不幸を望まなかった。
自分から身を隠し、貴男を、産んだ事実さえも告げずに、この世界から消えました。
エメリンダさんは、とても心配されて、ダイアリスさんに、話されたようです。
神の力を失った彼女と一緒に、神の元へ帰ろうと!ダイアリスさんは拒否をされました。
何故だと思いますか?
愛した人が、いる場所を永遠に守りたいからと、言われたそうです。
そして自分の子供にも大事にしてほしいのだと、そう言い残したそうです。」
「伯爵は、誰の話を聞いて、父親の事を恨むようになったの。」
そこに、意外な人物が現れた。
「私が思った通り、君は若いのに、なかなかの策略家なのですね」
「コルーマン宰相!貴方がどうして此処に!」
「ブラット王子は、女性には、甘いところがあるのです。君は王子を手玉に取ったつもりだろうが、私には、君の考えているような事は、お見通しなのですよ。」
「ベネット!結奈の話が本当なのか!君の父親は、俺に嘘を言っていたのだな!」
「私の父親が、君を引き取ったのだよ。勿論、火の魔女とグリーンマイン国の王子との間に生まれた子供だと知っていて、屋敷に置いたのさ。役立つときを待っていたわけだ。
世の中は思い通りにはいかない、父は、早くに亡くなってしまった。
だから、私が、父の意思を引き受けたのだ。君をグリーンマイン国の伯爵にさせるまでは、大変だったよ。でもその後、君は、良く働いてくれた。」
「ベネット!何故だ!君は、僕とは、兄弟になろう!仲良くして行こうと、言ったのではないか!」
「だから!どいつもこいつも、お人好しばかりで、騙されやすいんだ。私は、自分しか信用はしないのだ。」
「そこにいる、小娘には、これからも私の為に、働いてもらうよ。」
「小娘の弱点は、この国を火の海にはしたくはないのだろ。大事な人もいるようだし、こちらに来てもらうよ!」
「誰が!行くもんですか!小娘と馬鹿にしないでよ!貴方のような人に、民衆が付いてきてくれると思うのですか。」
「民は、欲深いものだ。いくらでも、私に靡いてくる。」
「コルーマン宰相!貴方は、もっと頭の良い人かと思っていました。私も、未熟者でした。見抜く力がなかったのですから、独りよがりの独裁者なのだという事を!」
「そこまでだ!二人とも、よく見てるがいい、町も人も、木端微塵にして、火に包まれる。面白いだろう!私の、命令に背くなら、お前たちも殺す!」
結奈は、部屋の隅に置いてある、ポトスに似た観葉植物にお願いをする。
(早く!大きくなれ!蔓を伸ばして、コルーマンを縛って!人を殺させないで!)
ポトス似た植物は、ぐんぐん大きくなり、蔓を伸ばして、コルーマンに襲い掛かる。
「小娘!お前は何をしたのだ!こいつ、殺してやる!」
コルーマンは、結奈に向って、剣を振り上げた。
「ああ・・!」
「ダンガリー伯爵!血が!」
「結奈、大丈夫だ。少しかすっただけだ。心配はない。」
コルーマンは、ダンガリー伯爵を、切りつけた後、蔓に剣を取られ、体を蔓でグルグルに巻かれ、拘束されている。
シャロンは、侍従たちの知らせで、結奈が、広間から出たことを聞いて、ヘブライ国の宿泊になっている建物に向っていた。
しかし、そこには、侍女しかいなかった。侍女を問い詰めて、急いで結奈のもとに駆け付けた。
「結奈!怖い思いをさせてしまいすまない。怪我は、ないか?」
「私は、大丈夫よ、」
シャロンは、私の体を隅々まで、見て怪我をしてないのを確認して、安堵している。
「私を、庇って伯爵が、怪我をされたの、早く手当てをしなければいけないわ。綺麗な水と薬に包帯を持ってきてください!」側にいる人に、手配を頼む。
薬を受け取り、傷の手当てをしだした。
「結奈、こんな私に、どうしてそこまでするのだ。」
「私は、これでもマジョリッタの弟子なのですよ。任せて下さい。」
「伯爵は、シャロンのお兄様ですから、当然な事です。私は、4人の巫女様に頼まれました。この大陸を、無駄に命を奪い合う国にはしないようにと、巫女様は豊かな自然と、人々の幸せを願っておいでです。命を、粗末にしてはいけないのです。」
「そして、巫女様たちの思いを、叶えられるように、この大陸に集う皆が幸せになるように、託されたものは、子孫に繋ぐ義務があるのです。」
「お兄様もお母様が大事に守ってこられた、この大陸を、もっと良くしませんか!」
「私のいた地球は、此処より進化はしていますが、まだ、戦争や飢餓で、苦しんでいる人が大勢います。私の国でも70年前には、戦争をしていました。一人の死には、多くの人の涙と悲しみがあります。」
「私は、この大陸だけは、戦争を知らずに、いつまでも幸せに暮らして欲しいのです。」
「他の生き物に比べれば人間は、欲張りな生き物なのです。一つ手にしても、また一つ・・・限りなく強欲になっていきます。
知らず知らずに自然を壊し、生き物を絶滅させる。
私は、そんな国には、絶対にしてはならないと、思っています。」
「お兄様にも、是非手を貸して頂きたいのです。お願いします。」
「私のような者が、何を出来るというのだ。」
「だって!ダイアリスさんの息子でしょう!貴方には、彼女がいつも守っていますから!」
「私は、この国に来てからは、人の不幸になる様なものは何も見えなかった。でも、お兄様だけには、未来が見えました。不思議に思い自分なりに、考えて思い当たりました。
ダイアリスさんの思いが私に、お兄様を止めて欲しかったのだと、今はそんな風に思えるのです。」
ダンガリー伯爵の顔には、憑き物が落ちた様に晴れ晴れとしていた。
「シャロンリップ殿下、肖像画のままですね。無事に戻られて良かった。」
「兄上!シャロンリップでいいですよ。ヘンリーもそう呼びます。俺は、猫にされていた時は、自分の時間は止まっていました。それは、結奈に出会うためなのだと思っています。だから、俺は、結奈と二人で、幸せになる。」
「どうか、兄上も幸せになって欲しいのです。」
その時、城の周りで大きな、音がした。
火薬が爆発したのかと、皆は驚いて、外に飛び出してきた。
大きな音は、夜空に沢山の光をちりばめられている。人々は、唖然として夜空を眺めていた。「結奈!あれは、お前が考案したものなのか?」
「マイク!やったわね!成功よ。あれはね花火と言うのよ。ほら夜空に花が咲いてる様に見えるでしょう。綺麗よね!もう少し改良したら、もっと綺麗な花火が見えるわ。」
「俺には、君の方が綺麗にみえる。結奈、愛してるよ!」
「もう、二度と離れる事はさせない!今日まで、どれ程、君に逢いたかったか、今夜は眠らせてはやらないよ。」
「シャロン!ここでは・・・・」
結奈は、シャロンの熱い口づけ攻撃に逢ってしまう。
ヘブライ国の兵たちは、グリーンマイン国の騎士たちに、包囲されて、戦闘不能になっていた。カーマイン親子の采配で、無事に難を逃れていた。
花火の饗宴の後は、グリーンマイン国が調停役となり、オース国との婚約は破棄になる。
オース国内は氷が一機に溶け始めて、洪水被害が出たのである。
ヘブライ国内でも、トンネル内は、支えていた枕木から次々に芽が出て、森の様な状態で、当分の間は、通行止めになった。城下町付近では、海水が逆流してきて、浸水しているらしく。マヒ状態だ。
グリーンマイン国よりヘブライ国に、通達された文面には、こう書かれていた。
ベネット・コルーマンは、我が国の侯爵を傷つけた容疑で、牢に監禁された。
ブラット王子は、ヘブライ国に帰国すると。
コルーマンと共謀した罪で、王位継承を剥奪され、ヘブライ国辺地に軟禁された。
シャロンは、あっさりと王位継承を放棄して、愛する結奈と共に、森に住むことにした。
ヘンリー国王のたっての頼みで、大公爵の位を貰ってはいるが、自分の領地はないのだ。
マジョリッタの家に住み、二人は、自給自足で暮らしている。
ケンダース親子は、、秘密のトンネルを抜けて結奈に逢いに来てくれる。
マイクは、花火職人になるのだと言って、結奈に、教えを乞うためにやってくる。
エンドリアとロナルドの結奈に対する恋は、シャロンリップ殿下では、勝ち目はないと諦めたようだ。ロナルドは、突然来ては、焼き菓子を置いていく。
今は、侯爵になられた、ダンガリーお兄様は、自分の私財で、孤児院を建て、見守っていらっしゃる。
結奈は相変わらず、忙しく働き、グリーンマイン国内から、沢山の要件を相談されている。村に出向いては、村人達の世話や怪我の治療、病を治している。
生き生きとした結奈の姿を、側で見守り協力する事が今は幸せに思うのだ。
シャロンは、結奈の荷物を持ち、結奈を待っている間は、村の子供たちと遊びながら相手をしている。
愛する妻が、微笑みながら籠を抱えて、こちらへ向かってくる。
シャロンはこの一瞬が大好きなのだ。
「シャロン!待たせて、御免なさい。お腹がすいたでしょ。沢山の野菜を貰ったから、今晩は、美味しいスープを作るわ。」
「俺は、結奈を食べたい!君以上に美味しいものはないよ!」
「シャロン!大きな声で、言わないで!子供たちに聞こえるでしょ。恥ずかしいからやめてよね。」
結奈は、真っ赤になりながら、顔を下げた。村の中は、笑い声に包まれていた。・・・・・・
結奈の新しい人生は、違う意味で、顔をあげられない!
最後まで、つたない文章を呼んで下さり有難うございました。
次回作は、ファンタジーを書いています。めがみ様と精霊と私です。
宜しくお願いします。 木瓜乃ハナ




