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30話 主人公

お久しぶりでーーーーす!

モッチーです!


国公立入試が残ってます!

すいません、今すぐ勉強してきます‼︎

30話 激突


前回のあらすじ!


ショウタ「なにがあったっけ……?」


ファナ「そもそもなにしてたっけ…?」


サヤカ「私たち、誰でしたっけ…?」


戻って来て!お願い!受験で半年以上放置してたこと謝るから!お願い‼︎


*****


前回のあらすじ!


ショウタは開放した奴隷たちの力を借り、騎士達へと歯向かう!


ユウトは孤立していたファナを救い出し、限界突破で主催者とかち合う!

(ユウトの救出詳細は『イフ・スタート・ストーリー』で)


そして、リュンは瀕死の姉を救うべく立ち上がる!


まぁ、大雑把に言うとこんな感じです。

なにとぞ、前話をご覧ください。お願いします。


*****


ショウタ「俺から言えることは、たった1つしかない。……みんな、力を貸してくれ‼︎」


騎士リーダー「総員、速やかに反逆者どもを無力化しろ!」


2つの陣営の総大将が、指示を降した瞬間、両陣営が激突する!


30人vs300人という、圧倒的戦力差。

しかし、奴隷達に負ける気は毛頭ない。


自分たちの自由のために、そして、他の奴隷までなんとかしようとする、お人好し達を助けるため、立ち向かう!


*****


〜ショウタSide〜


30人vs300人は伊達ではなかった。


ショウタ「う…あぁぁぁあ‼︎」


みんなと一緒に最前線で突っ込んだものの、あまりのプレッシャーに後方へ吹き飛ばされてしまった。


ショウタ「い、いっててて…言い出しっぺの俺がこれじゃあ、話にならないよな…」


ショウタ(くっそ…はやくファナとユウトを助けなきゃいけないのに……‼︎)


300人の包囲網を抜けるのは、並大抵ではないようだ。


ギース「大丈夫かショウタ!」


最前線で相手の勢いを抑えながら叫ぶギース。


テイル「弱いのに、無理しちゃ、ダメ。」


最前線ではないが、中距離から炎の魔法を使って、前の仲間を援護したり敵を邪魔したりしているテイル。


ティファ「私たちのリーダー(笑)が死んだら、私たちが…こま…クスクス」


圧倒的魔法力で敵を掃討しながら、ショウタに目を向け心配…いや笑ってる。


ヤシャ「ひゃっはー?リーダーがそれじゃあ世話ねぇなぁヒャッハッハッドゥルグハ‼︎」←殴られた


黙れ雑魚


ショウタ「弱い⁉︎ってかティファ笑ってる⁉︎ヤシャにまでバカにされた‼︎」


軽く落ち込むショウタ。


ガリック「なにを言っているのだ貴様は。俺たちがいまさら貴様のゴミクズのような戦闘力を当てにしてると思ってるのか?」


ガリックは、ショウタ目掛けて飛んできた矢を弾きつつ、ショウタへと声を掛ける。


ショウタ「うぅ…」


ユンフ「そうじゃなくて、ショウタには貴方しか持ってない能力があるでしょ。」


土魔法で敵をボコボコにしながら、ユンフがそう言う。


ショウタ「俺にしか…できないこと…?」


サヤカ「ショウタ。行ってください。私たちがここは食い止めます。ファナとユウトを助けて来てください!」


ショウタ「サヤカ…‼︎でも、」


トウキ「だーかーらー、お前の戦闘力は当てにしてないって!」


槍で辺りを一掃しながら、トウキが声をかける。


ソウタ「そうだぜ大将。あんたは大将らしく、相手の中枢をぶっ叩きゃいいんだ!」


短剣を2本巧みにつかい、騎士達をなぎ倒しているソウタ。


ショウタ「みんな…」


ギース「よし!それでは俺が合図をする。そしたらお前らはショウタの道を作れ!そして、ショウタ!お前は何も気にせず突破しろ!」


奴隷達『りょーかい!』


ショウタ「あ、あぁ‼︎」


騎士リーダー「道を作る?は、こんな大声で作戦会議か!舐められたもんだなぁ…そんな簡単に突破など…!」


ギース「よし!今だ‼︎」


奴隷達『うおおお!』


ゴゴゴゴゴ


地面を揺らすほど大移動が、奴隷達によって起こされる。


ショウタ「す、すげぇ…」


みると、あっという間に人が2人ほど通れるような道ができていた。


ギース「いまだ!いけ‼︎」


ティファ「長くは保たない。…はやく!」


ショウタはその道を駆ける。


騎士リーダー「なにをそんな簡単に…⁉︎はやく道を閉じろ‼︎」


ショウタのために作られた道の、出口付近が閉じ始める。


テイル「だめ…これじゃあ……ショウタが出れない…!」


チャキ


ショウタは首にかけてある十字架を掴む。


騎士リーダーが唯一残された人1人分のルートを潰す。


サヤカ「ショウタ‼︎」


サヤカが叫ぶ。


ショウタ「大丈夫だって、サヤカ……俺にはまだ、心強い仲間がいる‼︎」


刹那、十字架が眩く光だす!


ショウタ「そこをどけぇぇぇ‼︎」


ショウタはそのまま、騎士リーダーへと飛び込む。


騎士リーダー「上等だ小僧ぉぉぉ‼︎」


騎士リーダーが剣を振り下ろす。


ガキィーン‼︎


ショウタの左手に握られた十字架から、刃物が伸び、ショウタを襲う剣を受け止めていた。


ギリッ


騎士リーダー「そんなのアリ…はっ⁉︎」


ショウタは右手を強く握りしめて、すでに振り上げている。


ショウタ「うおおおお‼︎」


バキッ!


不意を突かれた上に、顔面を殴られた反動で少しよろめく騎士リーダー。


その隙を狙って、ショウタは横を無理やりすり抜ける。


包囲網を抜けた。


ギース「よし!もういいぞ皆!あとは各々死なない程度に戦うのだ!」


道が閉じる。


サヤカ「ショウタ!よろしくお願いしますよ!ファナを絶対助けてください!」


ショウタ「わかった!約束するよ‼︎」


後ろを振り返りながら、サヤカに約束すると、また前を向いてショウタは走りだす。


ショウタ(みんな、ありがとう。…そして待ってろよ、ファナ、ユウト‼︎)


*****


〜リュンSide〜


リュン「姉さん‼︎」


ドッペルゲンガーを3体ねじ伏せたあと、リュンは倒れたマノの元へと駆けよる。


マノ「…ぅ…リュン…?」


リュン「大丈夫か?姉さん、しっかりしろ!」


さきほどリュンを庇って受けた傷の影響が大きいようだ。


血は流れていないが、軽い脳震盪を起こしているらしい。


リュン「……大丈夫。」


リュンは静かにマノを地面に寝かせる。


マノ「…リュン…?」


そしてそのすぐ前で仁王立つ。


リュン「姉さんには指一本触れさせない。姉さんをこんな目に合わせたこいつらを…俺は許さない‼︎」


ドッペルゲンガー「がぁぁ‼︎」


1体のドッペルゲンガーが飛びかかる!


リュン「はぁぁあ!」


剣の側面を持って、相手の勢いを止め、剣を逆に奪いつつ蹴り飛ばす。


ドッペルゲンガー「ギャッ‼︎」


そして、もう一つ落ちている剣を拾う。


リュンはこの場から動けない。

そして、避けることもできない。


でも、そんなことは関係なかった。


リュンは2つの剣を交差させると、叫ぶ。


リュン「こい!」


瞬間、ドッペルゲンガー4体が飛びかかる‼︎


*****


〜ユウSide〜


ユウとアスカは、リュンとマノの元へ向かおうとする新たなドッペルゲンガー4体を食い止めていた。


アスカ「じ、時間稼ぐとは言ったけど……‼︎」


ユウ「なかなか厳しい…‼︎」


このドッペルゲンガー達は、本人達ぐらい強い。


主催者の罠で、外へ出ようとするものと同じ実力のドッペルゲンガーを出すもいうものだが、

リュンの抵抗に応じて、8体もでているのだ。

(それだけリュンが強いということ)


よって、アスカやユウと同じ実力の化け物が4体もいるのだ。


ドッペルゲンガー「がぅあ!」


ユウ「アスカ危ない‼︎」


キュピン‼︎


アスカを襲う炎を、ユウは右手で消滅させる。


アスカ「あ、ありがとう…」


ユウはアスカの目の前に立つ。


ユウ「アスカ、とにかく敵を倒すことは後回しにして。死なないで。」


ユウの真剣な表情に面食らうアスカ。


アスカ「し、しし死なないわよ!なにいってんのアンタ⁉︎」


ユウ「わかってるけど、心配なんだ。…とにかく、僕が付いてるから、お互いに守り合うんだ。」


アスカ「で、でもこいつら倒さないと…」


ユウ「…いや、それはホントに無理だと思う。僕たちはドッペルゲンガーに対して有効な手立てがない。仮に倒せたとしても、また新しいのが生まれるだけだ。」


そこで切って


ユウ「きっと、誰かが助けに来てくれる。それまで、耐えるんだ。僕たちの役割はこいつらの足止めをすること。それに徹しよう。」


アスカ「そ、そうね。…リュンが少し気にかかるけど…まずは目の前の敵、か。」


ユウとアスカはお互いに背中を預けあいながら、ドッペルゲンガーと相対する!


*****


〜ショウタSide〜


もう後ろの喧騒も聞こえなくなってきた。


今、ショウタは走っている。

もう辺りには誰もいない。


ショウタ「はっ、はっ、はっ、はっ、くそ…まだつかねぇのかよ…」


我ながら、自分の足の遅さに嫌気がさすショウタ。


ショウタ「手遅れになる前に…急がなくちゃ…‼︎」


すると、前方にすこし人影が見え始めた!


ショウタ「よ、よし…あともうちょっと!」


ショウタがそう喜んだのは、間違いであった。


*****


主催者の手から、黒い玉が撃ち出される。

これは闇魔法で、ショウタの十字架のような例外を除けば、どんな属性も敵わない。


ユウトへと撃ち出された…いや、その“後ろ”のファナへと撃ち出されたそれは、決して速くはない。


ショウタ「ま、待てよ…そんな、嘘だろ…?」


しかし、絶対にショウタが間に合う距離ではない。


なにかファナが叫んでいる。

彼女もボロボロだが、どうやら身動きが取れないようだ。


そして、後ろのお姫様を守るように立ちふさがるユウトは不敵に笑いながら言った。


ユウト「 」


ショウタ「なんだ⁉︎何て言ったんだ‼︎」


ショウタには聞こえない。

ファナはその言葉に、一瞬目を見開き…そして涙を流しながら叫んだ。


ファナ「ユウトーーーーー‼︎‼︎‼︎」


ドン…


ユウトへと、黒い玉が吸い込まれる。


ドサっ


なにも奇跡は起きない。

不敵な笑みは崩さないまま、ユウトは……倒れた。


赤い液体が、ユウトを、少しずつ浸していく。


目の前で、友達が、やられた。


ショウタ「そ、そんな…」


間に合わなかった


ショウタ「ま、まだあいつが死んだとは」


また、マニアワナカッタ。


ショウタ「ぐ…がはっ、かはっ‼︎」


ショウタを吐き気が襲う。


十字架「ショウタ⁉︎どうしたんですか‼︎」


十字架から、心配そうな声が聞こえる。


間に合わない。

その事実がショウタへと突き刺さる。

余りにも遠い、ユウト達との、距離。


信じたくない現実から、目を背けたくなる。


すると


十字架「ショウタ!あれ‼︎」


見ると、ふらふらと、今にも倒れそうに、

ユウトが立ち上がっていた。


ショウタ「そ、そんな…あ、あいつ…‼︎そうだよな、あいつが死ぬわk」


バキッ!


主催者は自ら近づき、闇の魔法で覆った右手でユウトを殴る。


バキッ!バキッ


2発、3発、4ぱ


ショウタ「やめろおぉぉぉぉぉぉ‼︎‼︎‼︎」


血がにじむほど手を握りしめ、足にこれ以上ない負荷をかけながら走る。


だからといって、現実に変化はない。

まだ、たどり着くのに、5分はかかる。


十字架「ショウタ…」


十字架は期待していた。

いつもこんなどうしようもない状況から、お世辞にもスゴイとは言えないが、知恵を絞り、なんとかかんとか助けてきたショウタなら、と。


ショウタ「ちから、あいつを助ける力、目覚めろよ。」


しかし、現実のショウタは違った。


十字架「ちょ、ちょっとなに言ってんですか、ショウタ。」


ユウトは殴られる。

その度に、血がでて、うずくまって。

それでもファナの元へ行こうとすると、立ち塞がる。


ホントに見てられなかった。


ショウタ「こんなの…嘘だ…。なにか、力目覚めろよ…!そうすれば、あいつを…もしくは、誰かが来てくれれば…‼︎」


バキッ‼︎


ズシャァァ!


ショウタ「な…な…⁉︎」


突如襲われた衝撃に、ショウタは倒れながら目を白黒させる。


十字架「なに…甘ったれたこと言ってんですか…」


ショウタの頬を殴ったもの。

それは、ショウタの首にかけられた、十字架のペンダントだった。


十字架「あなたは無能力者、八橋ショウタでしょ⁉︎たまたま色んな偶然が重なって、回復とかさせれるようになったかもしれない!今までは沢山の人に助けてもらったかもしれない!」


十字架「でも、それを貴方が望んじゃだめだ!あなたは、いつだって最善を尽くさなくちゃならない!だからこそ、奇跡は起こるんです!それを、起こりますようになんて祈ってたって、現実は変わらない‼︎」


1つ1つ、言葉がショウタへと浴びせられる。


十字架「力がほしい?仲間がいれば?十分助けられたでしょうが!もうそんな切り札は使えない‼︎友達を失いたくないんなら!自分がなんとかするしかない‼︎」


ショウタは最後の言葉に強く反応した。


“自分でなんとかする”


それは、ショウタが主人公になりたいと思った、きっかけの言葉でもあるし。


ユウトとの戦いで、繰り返し、繰り返し言われた言葉であった。


十字架「やめてくださいよ!そんな、そんなの……ぐすっ、ショウタじゃないでしょう…?」


そして、ショウタを完全に覚醒させた要因は…十字架の涙声だった。


ショウタ「じゅ、十字架…」


十字架「私が泣いたらおかしいですか?そうでしょうね、あくまでモノですもん、私」


ショウタ「そうじゃなくt」


十字架「でも、嫌なんです。私だって、ユウトやファナの傷つくところを見たくない。…それと同様に!ショウタが苦しむ姿も見たくない‼︎」


ショウタ「…うん…」


十字架「なんとかしてくださいよ!ショウタ‼︎あなたが…あなたがそんなんじゃ……私なんてモノだから、ホントに…なにもできなくて…」


ショウタ「うん…悪かった。」


泣きじゃくる十字架に、どうすればいいかわからないショウタは、

とにかく、十字架をギュッと握り、立ち上がる。


ショウタ「もう、迷わない」


そして走り出す。


ショウタ「絶対に、仲間を殺させやしない。」


*****


この間にも、ユウトは攻撃を受けていた。

あまりの痛々しい状態に、ショウタはまた気が遠くなりそうになるのを、必至で抑えつけ、


思考を巡らす。


ショウタ(とてもじゃないけど間に合わない、あの血の量……いまのタイムラグも考えると…)


ユウトから溢れる血は、水溜りを作るほどであった。

今も立って立ち向かっていることが、不思議で仕方が無い。


ショウタ(考えろ、俺。まず目標はなんだ。ユウトを助けること。そのためにはどうしなきゃいけない。主催者を遠ざける。それだけじゃだめだ。俺の回復でユウトを助けないと、いずれ死んでしまう。じゃあなにが必要だ?俺が辿りつかなくちゃならない。)


頭の中を思考が埋め尽くす。

まともな言葉の羅列ではない、自問自答、箇条書きのように埋め尽くされていく。


ショウタ(俺のちからだけじゃどうしたって辿り着けない。認めろ、それは認めろ。で、俺の手元には十字架しかない。こいつをつかって、俺が向こうにたどり着くには……)


思いついた。


ショウタ「十字架!衝撃を受けるとその部分から大爆発が起こる剣になってくれ!死なない程度に!それと、できるだけ爆風、衝撃は1方向に強くおこしてくれ!」


十字架「え、えぇ?……わかりました!」


細かな指示に戸惑いつつも、いつものショウタに戻ったという安堵もあり、あわてて変形する。


十字架「完了しました!」


ショウタ「いくぜ」


ショウタは剣をこれでもかと振り上げる。

そして、ショウタの目の前の地面に叩きつける。


この間もショウタは走っており、よって、叩きつけて爆発が起こるまでのタイムラグで上をちょうど通過することになる。


そして、


ショウタ「ぶっとべ‼︎‼︎」


がん‼︎


ドガーーーーン!


大爆発が巻き起こる


主催者「な、なにごとだ⁉︎」


主催者はその手を止める

表情には怯えがまざっている。


ユウト「は、はは。あいつ…」


少なくない出血に朦朧としながらも、ユウトは目を見開き、しかしすぐになんの音か予兆して、笑った。


ファナ「ユウト、ユウトぉ……え?」


爆発に驚いてファナが顔をあげると、そこには。


ファナ「しょ、ショウタ‼︎‼︎‼︎」


ショウタ「うおおおおあああぁ‼︎‼︎‼︎」


ショウタが空から突っ込んできた!


ショウタ「これ、ど、考えて、も、作戦、ミス、甘かっ…」


あまりの空気抵抗に、息もまともにできず、背中は大爆発をなんの盾もなく食らった代償で、酷い火傷を負っていた。


それでも、さっきのような絶望は全くない。

こんなもの、痛みの1つですらない。


主催者「バカな⁉︎いったいどうやって⁉︎」


主催者は後ずさりしようとする。


ガシッ


ユウト「おぉっと……逃がさねぇぞ…?」


そよ風で倒れてしまいそうなユウトだが、それでもギリギリと音がなるほど主催者の腕をつかんで、離さない。


主催者「く、この死に損ないが!離せ!」


決して、その手を離さない


距離が遠くて、皆わかっていなかったが。

ショウタの速度は半端なかった。


もう10秒もしないうちに、到着する。


ショウタ「十字、あの、くそ、ぶっ飛ば、ハンマー、」


十字架「なんて言ってるかわかりません!心の声でわかりますから!」


ショウタ(十字架、あのクソ野郎ぶっ飛ばすために、ハンマーかなにかになってくれ!)


十字架「で、でもショウタ。この速度でしかも空中で、ハンマーなんて振れますか?」


ショウタ(む、無理だと思う)


十字架「やっぱり、いつもみたく、げんこつ食らわしてやってくださいよ。」


ショウタ(…わかった。それじゃあ、右手を覆ってくれ。)


十字架が変形する。


完了すると同時に、主催者の眼前へと迫る!


ユウトは倒れこむようにして、ショウタと主催者の間から離れる。


ショウタ「く、たばれぇぇぇぇぇ‼︎」


ドン‼︎


ショウタの右手が、主催者の顔面を捉える。


恐ろしい速度でバウンドしながら10メートルほど吹き飛ばされる主催者。


主催者では全くブレーキにならなかったショウタも、思いっきり地面に接触する。


フワッ


ショウタ「え?」


しかし、十字架が、ショウタが殴った瞬間に変形し、ショウタを包み込むようにして、衝撃を吸収した。


ショウタ「十字架……」


十字架はそんな速く変形できない。


そのため、十字架はあらかじめ予想しておいて、衝撃でエアバックが作動するように設定してくれていたのだ。


十字架「よ、よかった。成功しました。」


スタっ


珍しく着地を綺麗に決め、ショウタはユウトの目の前へに降りる。


ユウト「お、おせぇんだよ、バーカ。」


そう毒を吐くので力を使い果たしてるのではないか、と思うほど、ユウトはボロボロだった。


ショウタ「ユウト‼︎」


ショウタは一転、泣きそうな顔になってユウトへと駆けよる。


ショウタ「ごめん、ごめんな。くそ…こんなになるまで……ホントにごめん…。」


回復させながら、ずっとそんなことを言うショウタ。


ユウト「な、なんだお前どうした頭打ったか⁉︎それとも、あまりにこの頃幼女に会えなくて、ロリコン魂がうずくのか⁉︎」


少しずつ体力が戻り、毒に活気がつくユウト。(日本語おかしい)


ロリコン魂「て、てめぇ誰がロリコン魂だ‼︎人が心配してるときくらいおとなしくしてやがれ‼︎」


ユウト「きゃー!襲われる〜!変態ロリコンゴキブリ魔王に襲われる〜‼︎」


変態ロリコンゴキブリ魔王「だまれ‼︎もうお前逆に死んでしまえ‼︎‼︎」


感傷的な空気なんて一発でぶち壊されたショウタだが、ユウトの傷がふさがると、安堵する。


ショウタ(やばいな、主催者がもう起き始めてる…。いくらなんでも早すぎるだろ…?ユウトじゃあいつの相手は無理だし、かと言って俺じゃないと回復させれないから、ファナの元へ行きたい……くそ、どうする?)


しかし、まだ問題は全て解決していない。

ショウタが苦悩していると、


ユウト「大体な、俺1人ならあんなやつに負けなかったぞ」


ピクン


ショウタの耳が反応する。


ユウト「ファナちゃんさえ、後ろで拘束されてなきゃ、俺1人で十分だったのにry」


ユウトお得意の言い訳……もとい理由説明(いいわけ)である。


この手を使わない手はない


ショウタ「えぇー、まじかよー。スゲぇな。お前あいつとタイマン張れんのかよ。」


ユウト「当たり前だ‼︎お前なんかのチカラなんて借りなくてm」


ショウタ「じゃー、はい。」


ユウト「え?」


回復が完了し、ショウタはユウトの肩を持って向きを変えさせる。


ショウタ「俺がファナの回復をしてる間ー、よろしくね♪」


ユウト「マジで⁉︎」


ショウタ「まじで。」


ユウト「それでお前俺を先に回復させやがったのか⁉︎」


正確には1番傷が深かったからで、謝りたいとも思っていたからなのだが、

感傷的な空気をぶち壊しやがったコイツに「心配してた」なんて口が裂けても言いたくない。


ショウタ「当たり前だろ♪」


ユウト「てんめぇぇぇぇ‼︎‼︎」


ユウトのケツを蹴りとばし、向かってくる主催者へ押し付けたあと、ショウタはファナの元へ駆ける。


ユウト「さっき心配してくれてたから、感謝しなきゃなー、とか思ってry」


なんか後ろで問題児がピーピー言ってるが聞こえない。


*****


ズバチィ!

バチバチバチ‼︎


後ろで大きな電流の音がする。

どうやら、戦闘が始まったようだ。


ああは言っていたものの、ぶっちゃけ、あんなチート(主催者)と長く戦わせるのはショウタの望むことではない。


ファナを助けてすぐに向かうつもりで、ファナのもとへとたどり着く。


ショウタ「…ファナ。」


ファナ「ショウタ。」


近くで見ると、青いあざや血、あんなに綺麗な顔や体に、生傷が絶えなかった。


ショウタ「くそ…ごめん、ファナ。遅くなって…ほんと、ごめん…」


ショウタは項垂れながら、ファナの闇魔法による拘束を解き、頭に手を当てる。


その際、いろんな生傷が改めて目につき、その度に、ファナがショウタ不在の中、受けていた仕打ちが想像できて、ショウタは辛かった。


ピカーン


回復が始まる。


ファナ「ショウタ…嬉しかった。ショウタが来てくれて。」


懺悔にかられるショウタに、そんな言葉をかけてくれるファナ。


ショウタ「そんな…でも俺!…手遅れなくらい遅くて…‼︎」


ファナ「うん。」


ショウタ「俺、ファナとユウトに、酷いことを……」


ファナ「うん、そうかもしれない。でもね?ショウタ」


ショウタのアゴに手を当て、顔を上げさせる。


ファナ「私も、ユウトも、ここにいるよ?」


ショウタ「〜〜ファナ‼︎」


たまらず、ショウタはファナを抱きしめる。


ショウタ「ホントにごめん!間に合わなくてゴメン‼︎泣かせてごめん!気をつかわせて…ホントにごめん‼︎」


ファナ「うん、いいよ、いいよ。全部いいよ。だからさ、そんな風に泣かないで。」


ショウタ「おれ、2人が死んだらどうしようって…目の前で、間に合わなくて……」


ファナ「大丈夫、大丈夫だから。」


涙がぽたり、ぽたりと落ちる。

そしてそれは、決してショウタ1人のものではなかった。


しばらく、ファナの身体と、ショウタの心が落ち着くまで、そのままでいた。


*****


が、


しばらくして、落ち着くと、ショウタは死にたくなった。


ショウタ「うあぁぁぁ…かっこ悪りぃ……助けに来たのにみっともなく泣いて、しかも励まされるとかホント……」


頭をかかえてしゃがみ込む。


ファナ「やーいやーい、泣き虫〜」


ぐさぁっ!


追い打ちをかけられる


ショウタ「もう、俺、今息止めて死んでやる‼︎」


ファナ&十字架『子供か‼︎』


*****


ファナ「それで、ショウタ。今向こうはどうなってるの?」


ショウタ「っ‼︎そうだった!あのな…」


今起こっていることを、詳しく話した。


ファナ「そんな状況に…‼︎」


ショウタ「だから、ファナ。今回復したばかりで悪いんだけど、あいつらの助太刀に行ってくれないか?特に…サヤカが心配だ。」


ファナ「うん、わかってる。行ってくるよ…でもね、」


コツン


ファナのでことショウタのでこがくっつく。


ファナ「無茶しちゃダメだよ、絶対。死なないで、約束。」


ショウタ(顔ちかっ…///)


ショウタ「わ、わかったよ。約束する。そっちだって絶対に死ぬなよ。」


ファナ「ふふん、当たり前でしょ?私はレベル4の最強なんだから♪」


ショウタ「そうだったな、泣き虫ファナちゃんじゃなかったよな。」


ファナ「なぁっ⁉︎泣き虫はショウタでしょー?」


ショウタ「んなことねぇよ!」


お互いにやじを言いつつ、笑いあう。


ファナ「それじゃ、行ってくるね。」


ショウタ「あぁ。よろしく頼む。」


ファナ「うん……あのね!ショウタ。」


急に声が上滑りするファナ。


ショウタ「ど、どうしたんだ?」


ファナは少し照れたように俯いて、また顔を上げ、真剣な表情になり、また顔をそらして悩んでいた。


ショウタ「くっ、あははっ」


その表情がコロコロ変わるのが可愛く、思わずショウタは笑ってしまった。


ファナ「わー!なんで笑うのさ!」


ショウタ「いや、表情変わりすぎ、面白くて……」


笑いが止まらないショウタ。


ファナ「むむむむ。…人が真剣にしてるのに…」


ショウタは聞こえてないようで、


ショウタ「いまの、サヤカにも見せてやりたかったよ、絶対あいつも笑ったから。」


そこで、ファナははっと、きづく。


ファナ(そうだ…サヤカだってきっと…。…私だけ、抜け駆けするなんて、ダメだよね。)


ファナがなにか思案してるので、不思議に思って尋ねる。


ショウタ「どうかしたのか?」


ファナ「…ううん、やっぱなんでもない。」


ショウタ「えー、なんだよ気になるじゃないか」


ファナ「えっとね、じゃあ、無事に帰って来たら、サヤカと一緒に話すよ」


ショウタ「え、それってサヤカも関係あるの?」


ファナ「ある…と思う。」


ショウタ「なんじゃそりゃ」


ファナ「とにかく!無事に帰ってきてよね!わかった⁉︎」


ショウタ「あぁ、はいはい。わかったよ。そっちも気をつけろよ!」


ファナ「うん、わかった。……それじゃあ、」


ショウタ「うん、またな…」


振り返る瞬間、


ファナ「…へへへ。元気でたかも。それじゃあね!」


ショウタの頬に湿った感触が残る。


ショウタ「え?いま、なにして…⁉︎」


ファナはもう見えなくなってしまった。


to be continued


昨日、ちょっとアイディアが止まらなかったので、3時間ほどかけて書き上げちゃいました☆

うん、ぶっちゃけ、ホントのホントに試験がやばいです。

めちゃくちゃやっても、間に合うかどうか、わかりません。


けっこう怖いです。

そんな現実逃避として←最低

久しぶりに執筆させてもらいました!


主人公ショウタも頑張ってますもんね…。

俺も頑張らなきゃな。

それでは。

春には良い知らせを持ってきます。

約束です。

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