23話 戦闘開始!(後編)
やーやーどーもどーも!
近頃更新が早いモッチーですよっ!
いやぁー、ビタミンAの小説でも我らが主人公!『八橋ショウタ』が活躍してますしねぇー!もう何も怖くすいませんチョーシ乗ってます。
夜中まで説教食らうと、こんな気持ちになるんですねお父さんのバーカ。
前回のあらすじ!
ショウタ「あの……お2人さん…?」
ファナ「…………なに。」
サヤカ「…………なんですか。」
せっかく久しぶりの3人水いらずを作ったのに、なにやらご機嫌ナナメなファナとサヤカ。
ショウタ「いや、その…悪かったって!番外編長くて放置しすぎたよごめんって!」
ファナ「べっつに〜?そんなの全然気にしてないよ」
ザクッ‼︎
地面に剣を突き刺しながらそういうファナ。
サヤカ「そうですよ、そんなんで怒るほど短気じゃありません。」
ゴゴゴ…
魔法の調子を確かめながらそういうサヤカ。
ショウタ「こ、言葉と行動が一致してねぇ…。」
しょうがない、助けてやるか。
なぁなぁ、そこのヒロインお2人さん。
ファナ「なにさ」
サヤカ「元を辿れば貴方が悪いんですからね」
うっ……めげないぞ!
ショウタがこの戦いでまともに勝てるわけないでしょ?
やっぱり、最後は合体使うと思うんだよ。
そしたら…ね?
ショウコちゃんいじり放題…ね?
ファナ[パァァァァァァ]
いい笑顔。
サヤカ[キラキラキラキラ]
心が輝いてるね!
ショウタ[ズーーーーーン]
あれま、どしたとね。
ショウタ「どうしたじゃねぇよ!つか、思いっきり方言使うのやめろ‼︎」
それでは、本編です!
ショウタ「無視すんなぁぁぁぁぁ」
*****
男3「よく俺以外のやつらを倒したな…。だが、あいつらはただの前座にすぎない。俺は!俺こそはぁ‼︎」
ショウタ「大体テメェがもっと使いやすい道具だったら…」
十字架「わ、私の文句ですかっ⁉︎読者も『最強やん』と認める性能を持った私に!文句ですか⁉︎」
ショウタ「いや、そういうメタ発言は控えた方が……」
男3「俺こそ…は………存在してるよな?」
マノ「自分の存在にもはや疑問を感じてる!」
現在状況
もはや男3がかわいそうであった。
男3「ふざけやがって……。」
男3は怒りにぷるぷる震える。
男3「そんなに興味ねぇってんなら、無理矢理にでもコッチ向かせてやるよ!」
そう言うと、男3は距離をつめる!
ショウタはそれを確認すると、慌てて横に転がる。
ショウタ「あ、あぶね……そうか!まだ1人居やがったのか‼︎」
男3はさらに怒りマークを額に浮かべながら、ショウタにもう一度突撃する。
ショウタ(…?なんの能力者なんだ…?見たところ、特に優れた能力は見当たらないぞ?)
ショウタはそれに応戦する。
男3は腰にぶら下げられたナイフを抜きつつショウタに斬りかかる!
ショウタ「十字架!」
十字架「はいはい」
十字架を短剣に変形させ、至近距離に詰め寄った男3を受け止める。
ガキィィィィン‼︎
ギリギリギリ…
ショウタはナイフと短剣でつばぜり合いをしながら尋ねる。
ショウタ「お前…の、能力はなんなんだ……?」
ショウタ(力も強くないぞ…?もちろん、衛兵だから俺よりは強いけど…でも。)
ショウタは相手の勢いを流しつつ、斜め後方に下がる。
ショウタ(回避できてしまう)
男3は答える。
男3「はっ!お前を相手にすれば一番強い能力だよ!」
なおさら訳がわからない。
ショウタ「どういう……っ⁉︎」
もう一度突っ込んでくる男3。
また、短剣で受け止めようとすると……。
ヒュン!チッ
ショウタの耳をナイフがかする。
ショウタ(なぁっ⁉︎)
先ほどの動きとは打って変わり、ショウタの短剣を蛇のような軌道で華麗によけつつ、ナイフを首すじに真っ直ぐ突き出してきた!
十字架の咄嗟の機転により、なんとか形状をかえ、男3のナイフによる軌道をズラしたため、致命傷には至らなかった。
ショウタ(さ、サンキューな。十字架。)
十字架「ねぇー⁉︎役に立つでしょー!」(トゲのある言い方)
役に立つが器が小さい道具である。
十字架「なんか言いました?」
ショウタ「イエナニモ。」
と言う間にも、男3はまたナイフを構え直す。
ショウタ「役に立つついでに、あいつの能力わかんねぇか⁉︎何が起きてんだ、わけわかんないんだけど!」
十字架「うーん…そんなこと言われたって…私、武器ですし、ただの」
ショウタ「役立たず。」
被せるように言ったため、『ただの役立たず』になってしまった十字架。
十字架「…………」
シューン…
文字通り、十字架のペンダントになってしまった。
ショウタ「わー!悪かった悪かったごめんって‼︎」
ショウタは慌てて謝罪する。
と、
男3「喰らえ!」
ショウタ「うわぁぁぁ⁉︎」
男3は狙いを定めてナイフを投擲した。
辛うじてつまずいたような避け方で回避するショウタ。
男3「おらおらおら!」
男3は、素手で、ショウタに挑んでくる。
ショウタも素手であるが、これでは分が悪い。
ショウタ「め、メリケンサック!」
十字架「……」
無言で手首も守る大きめのメリケンサックに変身してくれる十字架。
ショウタ「あ、ありがとう!」
と同時に両者の拳が交差する。
バキッ‼︎
ショウタ「が…はっ……?」
当たったのはショウタだけだった。
ショウタのパンチは、首を傾けただけで避けられてしまった。
ショウタ「くぅぅ…‼︎」
よろよろと後ずさるショウタ。
男3「まだまだ行くぜぇ⁉︎」
男3はさらに追撃しようとする。
マノ「うりゃあ‼︎」
ブン‼︎
男3「うおぉ⁉︎」
しかし、マノの横からの奇襲により、追撃は断念される。
マノはどうやら、女1の剣を投げつけたようだ。
ショウタもチャンスとばかりに、距離をとる。
ショウタ「く…くそ……」
ショウタの苦しそうな表情に満足する男3。
男3「どーだどーだ!無視できないだろう⁉︎俺を気にせざるを得ないだろう⁉︎」
…強いが、動機がショボいとは如何に。
ショウタ(…!そうだ…)
ショウタは少しいい事を考えると、口を開いた。
ショウタ「あぁ…つえぇよ。俺じゃ敵わない。」
男3「ふっ……お前が弱いだけだ。」
すっごく嬉しそうな男3
ショウタはさらに言葉を発する。
ショウタ「あぁ勝てねえ…。でもま、能力がわかれば余裕なんだけどなぁ。」
男3「…なんだと?」
ショウタ「せっかく強いのにもったいない。そんな、俺の手札は全部知ってんのにさ、そっちは姑息にも隠すなんてさ…」
男3「む……」
少しだけ揺らぐ男3。
ショウタ「あーあ、同じハンデなら相手にすらならねぇほど俺勝てるのに。」
ブチっ
男3はついにキレてしまった。
男3「いいよ教えてやるよ!俺の能力はな……【弱者に強い】だ‼︎」
…………?
男3「地の文まで説明放棄なんて解せねぇ‼︎」
*****
しょうがないから説明タイム。
【弱者に強い】とは文字通り、自分より能力が低いものに強くなる能力である。
理屈は特になく、なぜか、勝てるのである。
相手が剣の使い手であっても、剣技で負けてるのに、剣使って勝てるし。
別に、素手でも勝てる。
とにかく"勝てる"のだ。
ちなみに男3は[レベル4]
残念ながら[最弱]ではあるが、でもレベル3以下なら勝てるという話である。
ましてや、無能力者(レベル0)なんて……
強いて弱点を言うなら、ギリギリ勝てるレベルということである。
レベル3と戦えば、それより強くなれるが、
逆にレベル1なんかと戦っても、ギリギリ勝てるぐらいまで能力が"下がる"のだ。
それが、今ショウタが立ち向かえてる理由である。
つまり……
*****
ショウタ「俺が無能力者である限り……勝てない⁉︎」
男3「そういうことだ。」
ショウタの脳裏に、絶望がよぎる。
ショウタ(そんな能力が……?いや、待てよ。勝てない…んだよな?それが本当なら…!)
ショウタ「いくぜ!ジャンケンぽん‼︎」
男3「はぁぁ⁉︎」
ショウタはチョキをだす。
男3は唖然としている。が、グーであった。
ショウタ「そんな嘘みたいな能力に騙されるかよ!これで証明してやる。ジャンケンぽん!」
ショウタ、パー
男3、チョキ
ぽん!
ショウタ、グー
男3、パー
*****
20戦20敗
ショウタの戦績だった。
男3「現実逃避も大概にしとけ?諦めろ。」
ショウタ(マジで言ってんのか…。)
ショウタは完全に嘘だと見越してたのだが、現実は厳しかった。
男3「じゃ、死んでもらうか。」
ショウタは後ずさりながらも、なにか腑に落ちないと思っていた。
ショウタ(なーんか見落としてないか…?絶対に"勝つ"相手。勝ち負けがありゃなんでもOK…だよな…?)
少しずつ、少しずつ戦況を整理していく。
男3「うらぁぁぁぁ!」
ショウタ「⁉︎…くそ!」
あと少しでなにか思いつきそうなのに、男3は黙って待ってはくれない。
慌てて横っ跳びに転がりつつ、思考を切り替えるショウタ。
ショウタ(とりあえず、こいつを一時的にも行動不能にしなくちゃ‼︎)
ショウタは十字架をメリケンサックに変形させると、拳を握って突撃した!
男3「無駄だって言ってんだろ!」
男3も応戦する!
*****
完全に押されていた。
ショウタも何度も攻撃を当ててはいるのだが、なぜかこちらの方が倍食らう。
じわじわと、男3の言っていたことが、身体の傷となって理解してしまう。
勝てない…と。
ショウタ(…例えば。)
しかし、ショウタはそれでも諦めていない。
ショウタ(ジャンケンの勝ち負けを反対にしたとしよう。俺の中で、そういうルールにする。)
ショウタは自分に"ジャンケンのルール"を逆に思い込ませる。
そして、言う。
ショウタ「もっかいだけジャンケンしてくれない?」
男3「はぁ⁉︎」
一方、完全に勝利が見えたと思っていた男3は、ショウタの心が未だに折れてないことに驚愕していた。
男3(なにかを狙ってやがる…?こんなの、乗ってやる必要は…)
ショウタ「出さんかったら負けな。ジャンケンぽん!」
男3は反応できずにパーのまま。
ショウタはチョキを出そうと思ってたのに、急に指が痛くなり、グーになってしまう。
男3「は…ははは‼︎俺が反応できなくても勝っちまうのかよ!傑作だな‼︎」
今まで試したことが無かったのだろうか。
非常に喜ぶ男3。
ショウタは緩みかける表情を抑えながら、言う。
ショウタ「信じない!信じないからな‼︎」
今の行動はただの現実逃避で、他に理由など無いと思わせるために。
ショウタ(なるほどな……。ふふっ、これなら勝ち目はあるぞ‼︎そのためにも、まだ仕込みが必要だ……。俺と、あいつの勝利条件を違わせる…)
ショウタは叫びながら突っ込む!
ショウタ「俺が、お前なんかモブに負けるかよぉぉぉぉぉぉ‼︎‼︎」
あきらかに錯乱していた。
男3「おいおい、お得意の機転はどうしたんだ?え?」
男3は余裕の態度で右手を突き出す。
ショウタは予想通りだったのに、まるでなにかのシナリオに流されるように、鮮やかにつまずく。
がん!
ショウタが体制を崩しながらも、それでも避けた右腕が、裏拳としてショウタの後頭部を襲った!
男3「おぉ、たまたま手を引っ込めただけだったのに。」
本当にふざけた能力である。
ショウタは前のめりに転がって体制を整えつつ、舌打ちする。
ショウタ(運まで味方ってか…?そうか、ジャンケンなんざ100%運だったな。)
ショウタはもう一度突っ込む!
男3「無駄無駄ぁ‼︎」
しかし、今度は男3の攻撃を受け止めることに成功した。
そして、カウンターパンチを食らわせる。
バキッ!
男3「あがっ……」
確かに男3は勝つことができるが、かと言って"圧勝"ではない。
熟練度が上がれば分からないが、あくまで"ギリギリ"なのだ。
ショウタの攻撃だって、勝てないにしろ、当たる。
ショウタ「うおおおお‼︎」
そして、よろける男3へすぐに右手を伸ばし髪の毛を掴むと、足を絡めながら男3の前方、つまりショウタの後ろへ投げ飛ばす。
ドン!ゴロゴロゴロ
男3「てめぇ‼︎」
立ち上がりながらそう言う男3。
チャリーン。
男3「あっ!」
男3は鍵を落とす。
奴隷解放の鍵を。
ショウタ(ここが正念場だぞ!俺‼︎)
男3は慌てて拾い出す。
男3「あぶねぇー。お前にとっちゃこれを取れば"勝ち"だもんな!あーよかった。"負け"るところだったぜ…」
ショウタ(させるか!)
ショウタ「ふざけんてんじゃねぇよ‼︎‼︎」
男3「おぉ?…なにがだ?」
突然の今までに無い剣幕に、驚く男3。
ショウタ「俺はお前に勝つ気でいるんだよ!そんな鍵なんかどうだっていい!奴隷なんかもはやどうでもいい‼︎俺はお前に勝つんだよ!」
もはやその様子は、考えなしに叫ぶ楽観論者だった。
男3は笑いながら"ズボンのポケット"にそれを入れた。
先ほどまで、服の内部ポケットに忍ばせていたものを、だ。
ショウタ「うがぁぁぁぁ‼︎」
ショウタはまたしても飛び込む。
男3「うっとおしいんだよ‼︎」
ゴン!
手刀を振り下ろされる。
ガシ!
それでも男3の腰あたりにしがみつくショウタ。
ショウタ「だらぁぁぁぁぁ‼︎」
そしてそのまま、押し倒す。
男3「うわっ!」
ドン。
地面に落下する。
カシャーン!サラサラー
鍵がポケットから落ち、30センチほど滑る。
ショウタ「邪魔だ!」
と、ショウタはその鍵を後ろも見らずに"投げ捨てる"
男3は呆れながら叫ぶ。
男3「お前やっぱバカだろ。あれ取りゃ勝てるだろうが!」
ショウタ「だから言ってんだろ!俺はお前をぶっ飛ばさなくちゃ、気が済まねぇ!………ギャラリーも邪魔だ‼︎」
そういうと、ショウタは十字架を、また後ろも見らずに投げ捨てる。
と、十字架は変形し、"通路を塞ぐ"壁のような大剣になる。
ショウタ「これで邪魔は入らねぇぞ……?」
マノも"鍵"も、大剣の向こう側にある。
男3「そうかよ……俺には"勝てない"ってこと!思い知らせてやる!」
男3の反撃が始まる!
*****
マノ「しょ…ショウタさん……!」
マノは鍵を拾いつつ、震えながら思った。
マノ(鍵をゲットしちゃいました!どうやったか知らないけど…)
*****
説明しよう!
男3の能力は弱者に対して、"自分の描く勝利"で勝てる。
つまり、相手がジャンケンのルールが逆の文化で生きてきて、負ければ喜ぶというのに、それでも男3のルールで勝つ。
これを応用して、ショウタは男3の勝利条件を『ショウタぶっ倒す(物理)』に限定したのだ。
もし、普通に鍵を取りに行けば。
きっと取れなかっただろう。しかもギリギリで。
その上、一回でも狙えば、ギリギリなのが災いし、相手の警戒はちょっとやそっとでは変わらない。
『ショウタをぶっ倒す(間接的にも)』
つまり鍵すら渡さない。へと、勝利条件が広がってしまうのだ。
*****
マノ「だからワザと突っ込んだ。」
出来るだけ早く離れつつ、檻を開けつつ、マノはそう言う。
ショウタの、一見無謀にも、無策にも思える行動は、全て鍵をマノへ託すためだった。
自分の最大の武器、十字架を捨ててまで。
マノ(まだSOSは聞こえてない……。)
もう半分近く解放している。
マノ「皆さん!私と一緒に来てください。皆を助けてくれた、ショウタさんがピンチなんです‼︎」
マノは力を込めて叫ぶ。
絶対に、あの弱虫な少年を救うため。
続く‼︎
お疲れ様です。
前書きがえらいことなってますが、お許しください。
疲れてるのよ…彼。
それでは、また次回も読んでくださると嬉しいです。
…ビタミンAとtayuuと夕凪とついでにバキバキ!の小説もどうぞご覧くださいね!
面白いですよ!いや本当に!
ベツニ『ショウタ』がでてるとか、ソンナコトry