22話 戦闘開始!(前編)
とりあえずはこのまま投稿しちゃいます。
割り込みさせずに。
2章終わらせてから、場所を直したいなと思います。
それでは、読んでください!
前回のあらすじ!
もはや前回のあらすじの存在意義がないほどの更新スピード!
これにはさすがのモッチーもあらすじが考えつかない!
ショウタ「なんのあらすじを解説してんだ」
え、モッチーの軌跡。
ショウタ「んなもんどうだっていいんだよ!」
っ⁉︎ど、どうだっていい…?
ショウタ「え?あ、いや、今はミスストのあらすじを…」
ショウタなんて、能力者5人にズタズタにされちゃえ。
ショウタ「お、お前がいうとシャレになんねぇからやめて!」
よーし、がんばって書くぞー(意味深)
ショウタ「がんばっちゃだめだぁぁぁぁぁぁ」
それでは始まります!
*****
タッタッタッタッ
マノが走り去る音が、異様に響く…。
ショウタと5人の衛兵達は、対峙していた。
男1「お前1人で5人をとめるだと?」
男2「バカにしやがって。」
女1「私知ってるわよ。こいつ、無能力者なんだから!」
女2「そうそう!いっつも女の子に守ってもらってて!」
男3「ふん、ただの雑魚じゃねぇか。」
それぞれ好き放題にショウタを罵倒する。
絶対的ピンチの中、それでもショウタはこう告げる。
ショウタ「バカだなぁ…。そんな弱い俺が、強いお前らに挑むっつってんだ……。秘密兵器の一つも用意するだろう?」
一同「っ‼︎」
ショウタはネックレスをジャラリと鳴らす。
しかし、当の本人の心境は……
ショウタ(………勝てるわけねぇ。)
ダメダメだった。
ショウタ(ただのケンカで5対1の時点で、コマンド選択逃げるなのに、vs能力者ってなんの冗談だよ)
ショウタ(でも…)
ショウタは後ろをチラリと見る。
ショウタ(マノが奴隷を解放させてくれる!それまで待てば…奴隷達と協力できるまで、進ませないぞ!)
ショウタは改めて決心する。
男1「はっ、そうかよ。」
男2「だったらその秘密兵器を見せてもらうか!」
魔法使いの男1、2が前に出る!
ショウタ「っ‼︎」
男1「はぁっ!」
男1が炎の玉を出してきた!
ショウタ(こいつは……)
ショウタは横っ飛びで回避しながら確信する。
ショウタ(炎の魔法使い!)
男2「まだまだぁ‼︎」
男2は杖を振る。
しかし、何も現れない。
ショウタ「ん?どうし…げぼっ⁉︎」
ショウタのお腹になにかしらの衝撃が加わる!
ショウタ(こい…つは……)
ショウタは身体を傾けて魔法を後ろに流しながら言った。
ショウタ「風の魔法!」
ショウタは3メートルほど後方で、ゴロゴロと転がる。
ショウタ(風の魔法か…。目を凝らさねぇとコリャわかんねぇぞ…。)
ショウタの背筋を冷たいものが走る。
ショウタ(でも…勝てない相手じゃない。)
しかし、ショウタはそう分析する。
ショウタ(今まで戦った相手に比べりゃ、取るに足らない連中だ!そりゃ、俺より強いかもしれないけど、俺だって強くなったんだ!)
男1「おいおい!こんなもんかよ⁉︎」
男2「でかい口叩いてた割にゃあ大したことねぇな!」
ショウタは十字架を握りつつ、立ち上がる。
ショウタ(何とでも言いやがれ。俺の仕事は時間稼ぎだ。マノが奴隷解放すりゃ…)
十字架「危ない!」
ショウタ「へっ?」
十字架がショウタを引っ張り、ショウタはバランスを崩す。
すると、
ヒュッ、ビッ
ショウタの頬を一筋の血が伝う。
ショウタ「な…なにが…⁉︎」
女1「あーあ。これ一発しかないのにさぁ。」
男1「ちっ、うまくいかなかったな。」
ショウタが自分になにが起きたのか理解できず、混乱しているのも気に留めず、悔しがる衛兵。
ショウタ「ど、どういうことだ⁉︎」
十字架「魔法の応用ですよ。」
ショウタ「応用?」
十字架「つまり…」
*****
説明タイム
男1は炎を扱える。
というより、本性は熱することができる能力だ。
ファイヤーボールも、無から生み出したのではなく、空気を燃やして作っていた。
前話では、風の魔法に乗せて。
今回は、描写されてないが空気を燃やして。
空気燃やしたら最強やん
と思うかもしれないが、なにしろレベルが低い。
2どまりの弱なので、サッカーボールほどの空気しか燃やせないのだ。
そして、男2の能力。
これは単純に風を生み出せる能力だ。
この2つと、女1が持っていた剣を合わせると…。
空気を燃やさず熱して、カゲロウをつくる。
剣は見えずらくなる。
それを風に乗せて飛ばせば…。
高ステルス機能付きの、風で飛んでくる剣の完成だ。
的確に頭を貫く弾道だが、十字架のおかげで間一髪避けた。
*****
ショウタは顔を青くする。
ショウタ(ステルスだって…?ふざけんな、それじゃ、離れてたら勝ち目ないじゃないか…‼︎)
男2「ほぉ…よく見破ったなその喋るネックレスは。」
女1「あと1本あるけど……」
女1が自分用の剣をあげながらそう提案する。
ショウタはそれを見ると、慌てて突撃する!
ショウタ(行くしかねぇ!)
ショウタ「うおおおおお‼︎」
しかし、そんなのは相手の思惑通りだった。
女2「いくわよ!」
格闘タイプの女2が前に出る。
ショウタ「くそ!」
ショウタは十字架を剣に変形させながら、力任せに突く!
女2「よっ…と」
女2はいとも簡単に避けると、ショウタを睨む
女2「歯ぁ食いしばってね?」
ゴンっ‼︎
ショウタ「ぐっはぁぁぁぁ‼︎‼︎」
ショウタの突撃スピード+女2のパンチスピードが加算された、ハンパない威力のパンチが、ショウタの頬を貫く。
ゴロゴロゴロゴロ
3メートルは軽く吹っ飛ばされるショウタ
ショウタ「げふっ…ごぽっ、はぁ、はぁ。」
ショウタは血を少し吐いて、肩で大きく息をする。
ショウタ(い、痛すぎる…。ふざけんな…こ、こんなの……)
目がチカチカして、平衡感覚が失われていた。
女1「おらおらいくわよ!」
ショウタ「っ⁉︎」
ショウタがまだクラクラしてる間に、剣を持って突進する女1!
ショウタは慌てて剣をふる。
キン!キン!
ザシュ!
ショウタ「うわぁっ‼︎」
無能力者のショウタでは、能力者の剣技には敵わない。
ショウタの左腕を、剣が浅く切り裂く。
ショウタ(痛いっ!)
ショウタは顔はもはや感覚がないし、左腕からは血が少しずつだが流れている。
男1「はっ!」
男2「うらっ!」
そんなショウタに追い撃ちがくる!
ショウタを風の魔法でコかせ、その上にファイヤーボールが落ちてきた!
ショウタ「ひっ⁉︎」
ショウタは慌てて横に転がる。
ジュっ
ショウタの足が少し炎に当たる。
ショウタ(あ、熱いっ……)
ショウタは熱さに悶える。
というよりも、
ショウタ(こ、怖い……)
ショウタは恐怖で心が折れかけていた。
もともと、ただの中学生。
今までは目の前に、危ない目に遭ってる人がいたり、なんだかんだでショウタはダメージ少なかったりしたが、
今回は違う。
1人で立ち向かってるし、最初のパンチの痛みは尋常ではなかった。
(もっと強い相手と対峙したが、ショウタは生身でダメージを食らっていない。パワーUP後でしか食らっていない。)
そのため、わかっていなかったのだ。
自分が無能力者で、相手が能力者。
この、圧倒的な戦力差を。
ショウタ(い、今までは…騙し騙し、ファナ達と協力して勝てただけだったんだ…。)
ショウタは思い知る。
が、現実はそんなものではなかった。
男3「あとー、言っとくけど。鍵は俺が持ってるからな?」
ショウタ「……え?」
思わずマヌケな声を上げるショウタ。
マノが後ろから歩みよる。
マノ「す、すいません…。鍵、ありませんでした…。」
ショウタは絶句する。
ショウタ(ふざ…ふざけてやがる…。じゃ、なんだ?時間稼ぐだけじゃダメで…あ、あんな強いやつを…倒せって…?)
ショウタの足は震える。
立っているのがやっとなくらいだ。
そんなショウタを尻目に
まだ至近距離にいる女1が剣を構える。
十字架「ちょ、ショウタ!……もう‼︎」
十字架は動けないショウタに変わって、変形する。
叩く部分が大人が入れるほど大きく、そして重いハンマーに。
ドゴォォン!
ハンマーはショウタの手では支えきれず落下し、その衝撃で地面が割れ、破片が女を襲う!
女1「くぅ!」
思わず後ろに下がる女1
ショウタ(十字架…?)
ショウタは何が起こってるか理解してない。
それどころか、
ショウタ「ごぼっ!が、ガハッ…はぁ、はぁ」
先ほどのダメージが効きすぎており、口から血反吐をだしている。
その上、
男2「おうどうした?ショウタ選手?」
そんな、たわいもない言葉に
ショウタ[ビクッ]
となるくらいには、追い詰められていた。
ショウタ(ぐ…甘かった…。無能力者の俺が、敵うはずねぇじゃねぇか…。くそ…痛い……左腕が焼けるように痛い、右足にいたっては絶対火傷してる。頬だって腫れ上がってるし……)
どんどんネガティブ思考になってしまう。
ショウタ(しかもマノがいる。逃げられない、怖い…勝つ見込みなんて……)
ショウタは手元を見る。
そこにはこの世界で自分だけが使える、優秀なアイテムがあった。
でも、
ショウタ(もう…無理だよ…。怖いよ、戦いたくなんてないよ……。でも、マノがいる。ファナとサヤカも俺を信じて待ってくれてる……逃げられない…)
いつもだったら、ボルテージが上がるはずの
"他人からの信頼" "仲間を守る"
なのだが、今のショウタにとっては、逃げれない足枷でしかなかった。
そして……ついに
ショウタ(ちくしょう…誰か……助けてくれよ…。)
弱音を、心の中でだが……吐いてしまった。
すると
マノ「ショウタさん。」
マノがショウタの肩に手をかける。
ショウタの肩は、大きく震える。
ショウタ「ど、どうしたんd」
マノは言う
マノ「逃げてください。」
ショウタ「はぁっ⁉︎」
ショウタは耳を疑う。
ショウタ「逃げろって…マノ!どうするんだよ⁉︎」
マノ「私に、秘密兵器があります。でもショウタさんを巻き込むかもしれないんです。ですから…ね?」
ウソだ。
100%嘘である。
そんなものがあるなら、ショウタが対峙する前に説明して使えばいいし、第一マノは何も持っていない。
なによりも
ショウタ(ガタガタじゃねぇか…)
マノは酷く震えていた。
マノ「ずっと、痛いくらい伝わってます。ショウタさんの"SOS"」
ショウタ「っ⁉︎」
マノの能力は【SOS感知】
ショウタの対峙していたときのSOSも、殴られたあとの絶望も。
全てマノの頭に直接送られていた。
それをわかった上で。
情けないショウタを何の非難もせず。
「逃げろ」と言ってくれたのである。
マノ「ほら…足手まといですよ?」
マノはぎこちない笑みを浮かべながら、ショウタをドンと押す。
マノ「はやく助けを呼んできてくださいっ!秘密兵器と言っても少し時間をか、かせっ…稼ぐ程度で…」
呂律も回らないほど怖がってるくせに。
マノ「3分くらいしかないんですよ!ほら!ショウタさんの得意技ですよ!女の子を助けるために、早く助けを呼んでください!」
ショウタのカッコ悪さを知ってるくせに。
男3「もういいか?どんなことを話してるか知らんが、時間稼いでも助けはこないぞ?その上、応援を呼んでるからな。…はっきり言う、お前たちは詰みだ。」
じり……
少しずつ、間合いを縮め始める衛兵達。
マノ「ほらほら!早く助けてください!私を助けるために!早く‼︎」
ショウタが逃げやすいように言葉を選んで、マノはショウタを守…
ショウタ「やめろよ。」
マノ「え?」
マノは素っ頓狂な声をあげる。
ショウタ「そうやって、俺のために嘘つくのやめろよ!秘密兵器なんてないくせに強がるのやめろよ!」
わかってる。
全部ショウタのためだって。
ショウタ「そうやって自分だけカッコつけて!」
自分はカッコつけることすらできなかったくせに。
ショウタ「もう嫌なんだよそういうの!助けれないのは嫌なんだよ!」
もはや、マノに向かってではない。
自分に向かって。
ショウタ「くそくらえだ!なんも変わってない!異世界に来ても!俺は‼︎」
マノ「……え?」
異世界というキーワードに反応するマノ。
ショウタ「とにかく、とにかくだ!」
ショウタは自身の胸をドンと強く叩くと、十字架を握る。
強く、強く握る。
手の震えは、止まっていた。
ショウタ「…俺が倒す。」
マノ「ショウタ…さん…?」
かっこ悪かった。
思い上がっていた。
弱かった…。
ある意味"誰かさん"が作り出した状況に似ていた。
逃げれない。助けは来ない。やらないと、仲間がやられる。
ショウタは断言する!
ショウタ「俺がこいつらぶっ倒すから黙って見てろ!」
と。
*****
男1「俺がこいつらぶっ倒す⁉︎」
男2「ばっかじゃねぇのテメェ。さっきも秘密兵器があるー、とかほざいてたくせによぉ。」
女2「私に殴られて、震えてたじゃない。」
女1「そうそう。近くに行ったらヤバかったよ!メッチャ震えてた。」
男3「俺が倒す!」
ショウタの真似をして、大爆笑する一同。
でも、
ショウタ(俺の手持ちはなんだ。十字架と、俺と、マノ。マノは危険な目には合わせられない。というか、俺が嫌だ。十字架の能力は…)
ショウタの耳には、入っていない。
もう、いつも通り。いや、いつも以上の『八橋ショウタ』がそこにいた。
マノ「あいつら……‼︎‼︎」
衛兵のあまりな物言いに、思わず前に出ようとするマノ。
ガシッ
マノ「え?」
そんなマノの肩を、しっかりと掴むショウタ。
ショウタ「マノ、もう大丈夫だ。ありがとな、さっきは。すっごく、助かったよ。」
自然な笑顔を見せるショウタ。
頬からは血を流し、パンチで腫れていて、左腕も血が出て、右足は火傷しているのに。
自然な笑顔だった。
マノ「し、ショウタさん…‼︎」
そんなショウタに、溜めていたものが溢れ出すように涙を流すマノ。
よほど怖かったのだろう。
マノ「す、すいませ…とまんない。大丈夫ですから、ショウタさんは早く、助けを…」
それでもまだショウタを逃がそうとしてくれるマノに、ショウタは手を握る。
ショウタ「大丈夫だから。俺が、なんとかしてみせる。」
思い上がりはない。
天狗になっていない。
本気で、どうにかするために思考を向けている。
マノ「〜〜〜」
マノは声にならないようで、ただ頷き後ろに下がる。
ショウタは前を向く。
ショウタ「十字架。メッチャ頼るから、よろしく頼むな。」
十字架「遅いですよ。全く。あ、いい事教えますよ♬」
十字架はやれやれとしながらも、声は嬉しそうに言う。
ショウタ「なんだ?」
十字架「ショウタの声、聞こえますよ。」
ショウタ「え?」
十字架「だから、ショウタの心の声が聞こえるってことです。」
ショウタ「本当か⁉︎それなら…」
男1「ごちゃごちゃお喋りはそこまでだ!」
男2「本気で終わりにしてやる。女1!女2!右と左から挟み撃ちだ!俺と男1は前から魔法を!男3さんは、後ろでハブっ⁉︎」
ショウタは十字架を棍に変形させ、長さを伸ばし、男2のアゴへクリーンヒットさせる。
ショウタは叫ぶ。
ショウタ「よそ見してんじゃねぇぞ‼︎」
ショウタは棍を短くする。
後ろの地面に棍の先をつける。
斜めに傾けて、フラついてる男2に標準を合わせて。
そして、棍を急速に伸ばした。
*****
必死の説明。
つまり、棍を利用した、人間砲ということです。
ショウタが前に飛んで行きます。
…わかりずらいかな…うーん。
*****
空中で棍を剣に戻し、容赦無く振り下ろす!
相手の肩に。
グサッ!
男2「ぎゃぁぁぁぁ‼︎」
深く、深く斬っていた。
ショウタの今までの戦い方とは、大きく異なっている。
ショウタ「散々ボコボコにしやがって。怖いと思ってしまった自分にもムカつくし、テメェらにもムカつく。なによりも…」
1度切って
ショウタ「マノを泣かせやがった。」
ショウタの言葉に、なぜか周りの衛兵は後ずさる。
ショウタ「マノとはそんなに面識がない、ファナやサヤカほど強い信頼関係もない。でもな!あの場面で俺に逃げろって言ってくれるような、優しい女の子を泣かせたやつに!」
また切って
ショウタ「手加減できるほど人間ができてねぇんだよ‼︎‼︎‼︎」
ショウタはその瞬間剣を横にする。
そして、
ショウタ「伸びろ!如○棒‼︎」
十字架「さすがに如意○は無理です!」
と言って、棍となり、伸びる十字架。
女2「うわっと!」
女1「ぐっ⁉︎」
男1「がはっ‼︎」
女2はなんとか避けたが、男1と女1にはクリーンヒットした!
そのまま壁まで伸びる十字架。
男1と女1を壁に叩きつけた瞬間、元に戻る。
女2「はぁぁぁぁ‼︎‼︎」
女2が拳を握りしめて走ってくる!
ショウタは十字架にボソッと耳打ちすると、そのまま走る!
そして…
ガキン‼︎フォン!
女2「…なっ⁉︎」
女2の放った拳は的確にショウタの顎を狙っていた。
フェイントの蹴りもいれていて、ショウタは全く反応できてなかった。
そう、"ショウタは"
女2「その十字架⁉︎」
十字架が素早く反応し、顎をガードする形のよくわからない武器に変形したのだ。
女2のパンチは軌道をそらされ、空を切る。
ショウタはハナから避ける気などない。
ただ、近づいて、右手を振り上げるだけ。
女2「はっ⁉︎」
狙いは至極単純。
ショウタ「さっきのお返しだクソ野郎‼︎」
バキッ‼︎
女2「きゃあっ‼︎」
ショウタの渾身の右ストレートが、容赦無く頬を貫く。
ショウタはさっき「一撃でいいから守って」と言ったのだ。
さっき、一発で3メートル以上吹き飛んだ。
だから、絶対女2は一撃で充分だと油断している。
それを逆手に取ったのだ。
『弱い』というのは、何もバッドステータスだけではない。
上手く使えば、下手に『強い』よりも、一発逆転のチャンスがある。
女2は1メートルほど後方に転がると、よろよろと立ち上がる。
男2は肩を抑えて座り込んではいるが、なんとか気を確かに持ってる。
男1は近接じゃないのでさっきの1撃で気絶してくれているが、
女1は壁に手をついて立ち上がっていた。
ショウタ「くっそ…やっぱり無意識に手加減しちゃってんのかな…。男2は殺すつもりだったのに。」
十字架「しょ、ショウタ……」
ショウタ「あ、幻滅したか?悪いな……俺だって、怒る時は怒るんだ。殺してやるとか言っちゃうんだよ」
十字架(しょ、ショウタ…。)
ショウタ「加減なんかする余裕ないし、な。しょうがないだろ。俺とマノを生き残らせるので、精一杯なんだ。」
なにやらショウタはキメているため、口に出しては言わないが、思わずつっこむ十字架。
十字架(心の声、真逆‼︎)
ショウタ(よ、よかった…死んではいないな。思いっきり斬っちまったけど、大丈夫か…?いやいや!あいつは俺を殺そうとしてた奴だぞ!あとで回復はさせるけど、死なない程度に制裁してやるっ!)
かっこ悪さがこれ以上無かった。
女1「ちょーしに乗ってんじゃ……ないわよっ‼︎」
女1は剣を握り直すと、ショウタに突進した!
ショウタは十字架に伝えるため、こう思う。
ショウタ(電気を流せる武器にしてくれ)
十字架「えっ⁉︎ちょ、ちょっと待って…!」
だが、ショウタは返事も待たずに剣を女1にむける。
十字架「私は1つの素材にしかなれないんです!形とか、大きさは変えれますけど!だからこのままじゃ」
十字架は慌てていて、無駄な説明をしすぎた。
そのせいで、間に合わず、ショウタの剣に女1の剣が接触した‼︎
十字架「ショウタも感電しちゃいますから!」
ショウタ「へ?」
というショウタのマヌケな反応のすぐ後、
バリバリバリバリ‼︎
ショウタ「ぎゃーーーーー」
女1「きゃーーーーー!」
電流が流れた!
女1「う、うっ…」
ばたり。
女1は気絶してしまう。
ショウタ「き、聞いてねぇぞ…」
ショウタはなんとか片膝をついて、痺れを落ち着かせる。
十字架「だ、だって説明する前にしちゃうから……」
ショウタは頭をブンブンと振ってから、肩や手首の調子を確かめながら尋ねる。
ショウタ「じゃあその説明とやらを…」
女2「はぁぁぁぁぁ」
ショウタ「げぇっ⁉︎」
そんなに現実は甘くない。
女2が低い姿勢で突撃してきた!
ショウタはとっさに指示をだす。
ショウタ(もっかい電流流す武器になれ!)
十字架「正気ですかっ⁉︎」
ショウタの気を疑う十字架だが、もはや時間は残されていない。
慌てて、もう一度さっきの剣に形状を変える。
女2はもう、目の前に迫っていた。
するとショウタは剣を落とす。
ショウタ「あーしまった!剣を落としてしまったー!」
わかりやすく棒読みだが、慌てて後ずさるショウタ。
女2は攻撃をとめ、剣を拾おうとする。
女2「ふふふ、バカね。これさえなきゃアンタなんて…」
ピトッ
女2「コテンパンにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
ビリビリビリビリ‼︎
女2はあられもない叫び声を上げながら感電する。
女2「こ、この…卑怯もの……」
ばたり。
女2は倒れた。
ショウタ「な、なんとでも言ってろっつーの。」
ショウタはそう強がりながら、十字架を拾う。
だが、十字架の特性を忘れていた。
無能力者であるショウタが持ってる時だけ形状が変更可能なのである。
なのに、「なにかしら触れたら感電させる剣」にさせた状態で離したのだ。
それを拾おうとすれば、ショウタもモチロン…
ビリビリビリビリ!
ショウタ「うぎゃーーーーーー‼︎」
言うまでもなかった。
ショウタ「ご、ごほ…ガハッ……酷い目にあった…。」
ショウタはフラフラしながらなんとか立っている。
十字架「す、すごいタフですね…。確かに、相手の方が、不意打ちでしたし、ダメージも蓄積してましたし、ショウタが触れた時だけ私がなんとかすぐに形状変えましたけど……」
ショウタは苦笑いで答える。
ショウタ「あぁ……ははは。どっかの誰かさんがメチャクチャ魔法撃ってくるからな……」
*****
サヤカ「へくちっ‼︎」
ファナ「サヤカ大丈夫?風邪?」
サヤカ「あ、あれー…おかしいですね。」
チーン(鼻をかむ音)
サヤカ「さっきまで、何もなかったんですけどね?」
ファナとサヤカ、リュンはもう9割方のドッペルゲンガーを倒していた。
あとは、倒し損ねた残党を狩ってるだけである。
ファナ「それにしても…疲れたね。さすがに。」
サヤカ「そうですね…もう魔法でませんよ…。」
ファナとサヤカは合計500人くらいの偽物を潰している。
ファナ「まぁそれでも……リュンには負けるけどね」
リュンは1500人くらい潰している。
いくら【戦い手】だからって、もはや人間技では無かった。
リュンは、ファナ達とは離れ、端々の残党を倒しに行っている。
サヤカ「もう終わりですかね…?ショウタの方も上手くいったみたいですし。主催者も音沙汰ありませんねぇ。」
そう言いながら、主催者のいたvip観戦席に目を向けるサヤカ。
もうカーテンは閉めきられており、中の様子は見えなくなっている。
ファナ「この程度で終わるやつ…なのかな?まだ何か隠し持ってそうだけど…。」
サヤカ「や、やめてくださいよファナ!そういうのはフラグって言って…」
次の瞬間、
シュン………。
ファナ「え?あ、シールドが…」
唐突に、何の前触れもなく、シールドが外される。
これで隣の闘技場、つまりショウタのいる所へ行けることになる。
サヤカ「ふぁ、ファナ!あれ…‼︎」
サヤカの指差す方向へ、視線をうつすファナ。
そこにはvip席から、窓を通り抜けて、人間1人分ほどの闇の煙のようなものが、地面に降り立った。
みるみるうちにそれは、主催者へと変形した。
主催者「…使えない奴らめ…まだ倒しきることができないとはな。」
そんなことをブツブツと言いながら、グルリとファナ達へ首を回す。
ファナ「ひっ……」
主催者「…なに?ショウタは居ないのか?……なのにこの量の幻影を倒したというのか…?」
主催者の表情は読めない。
が、どうやら薄く笑っているようだ。
ファナ「そ、そうだよ!もうお前の技は効かない‼︎…さっさと投降しなさい!」
主催者「ほぉ…効かないのか。」
サヤカ「そうですよ!もう、諦めなさい‼︎」
主催者「くっくっくっ、ははは。あー面白い」
全くニコリとすら笑っていない目で、口の端を吊り上げながら主催者は指差す。
主催者「闇の魔法がどれだけ恐ろしいのか……死んで確かめるか?」
ファナに向かって。
ファナ「っ⁉︎」
ファナは身震いして、思わず横っ跳びに転がる。
ブォァァア
突如、さっきまでファナがいた位置に、ドラム缶ほどの円周の黒い炎が地面から噴き出る。
主催者「チッ、なにが起きたのかも分からずに楽に死ねたというのに…」
サヤカ「ファナ!大丈夫ですか⁉︎」
ファナ「う…うん……大丈夫…」
ファナは冷や汗をびっしょりとかいていた。
ファナ(今の…もし食らってたら死んでたかもしれない。ショウタ曰く、“なにも受け付けない”っていう黒い玉も出すみたいだし……どうすれば…)
主催者「ふぅ、ま、楽しくないがな。1番簡単で堅実な技を出すとするか。」
ドン!ドンドンドン‼︎
主催者は手から4つの黒い球を出す。
もちろん、これはショウタ戦でも使われた物だ。
シャドーボール
闇の魔法使いなら誰でも出せるもの。
基本的に1度に5個ほどしかだせない。
が、この主催者は魔法力が高いため、1度に10個ほども出せる。
ショウタに消された場合、1個減ると、もう一度出せる。
そのため、ショウタ戦では無数にあるように感じられた。
ファナ「これは……サヤカ!急いでショウタを呼んできて!」
サヤカ「え⁉︎で、でも!」
ファナ「サヤカが戦うよりも、魔法使ってショウタ呼んだほうが相手に相性いいでしょ!」
サヤカは現在、魔法が使えない。
先の戦いでほとんど使い切ってしまった。
しかし、そんなことを主催者にバラしてしまったら、サヤカが真っ先に狙われてしまう。
サヤカ「う………わかりました。私の瞬間移動ですぐに連れてきます!」
サヤカもファナの気持ちを汲み取り、素早くその場を離れる。
主催者「させると思ってるのか?」
ファナ「こっちのセリフ‼︎」
主催者がサヤカの元へ向かおうとするが、ファナが立ち塞がる。
主催者「邪魔だ。」
黒い玉がファナを襲う!
ファナ「うりゃぁぁぁあ‼︎」
しかしファナは並大抵ではない速さでそれをかわしきる。
4つでは足りないとみて、主催者は10個まで一気に増やす。
それでも、ファナには当たらない。
主催者の元へも行けないが、決して当たらない。
主催者「こしゃくな…‼︎」
ファナ(私が時間を稼いでるから……サヤカ、ショウタを呼んできて…!)
*****
ショウタ「トドメだ‼︎」
形勢逆転したショウタは、最後の魔法使いも気絶させることができた。
十字架「ようやく、全ての敵を倒しましたね。」
ショウタ「あぁ、そうだな。辛い戦いだった……。」
マノ「あの…ショウタさん…いや、2人とも…?」
男3「…………」
まだ敵はいた。
ショウタ「ま、俺の機転のおかげかな。ふぅ、疲れたぜ」
十字架「なっ⁉︎何言ってるんですか!どう考えても私のおかげでしょ‼︎ショウタ、全然強くないんですもん!」
ショウタ「は、はぁ⁉︎んなこと言うならお前だってさ、素材同じってどういうことだよ!なんで使い手まで感電しなきゃなんねーんだ!」
男3「…………」
十字架「い、言いましたね⁉︎まだ知り合って間もないくせにその言い方…。それを言うなら貴方だって!弱すぎますよそのスペック‼︎」
ショウタ「な、なんだとぉ!」
男3「……」
十字架「いくら無能力だからって甘えてます!最低限度の運動神経すらないんじゃないですか⁉︎」
ショウタ「い、いくらなんでもそこまでないわっ!」
マノ「あ…あう……」
2人(?)の口論は止まらない。
男3「………………俺が鍵持ってんだけどね……。」
続く!
お疲れ様です。
こんばんは、学年末テストで得意科目である数学が惨敗したモッチー!です。
今まで、他教科の残念さを全て救ってくれていた数学……。
ここに来て裏切りやがった!(ただの勉強不足)
もー。出題者が悪いんですよー。
問題数がべらぼうに多くしてるんですよ。
絶対時間内で解けないレベルで!
周りの頭いい奴らは、早急に見切りつけて、2枚目に突入したらしいですけど……。
俺は…バカ正直に挑んで………ははっ。
結果は悲惨なものですよ…。
しかも1枚目は点数振り分けメッチャ低いんですよ…。問題難しいのに1点とか…。
ズルイですよねっ!
普通1番から順番に解きますよねっ!
正直者はそうするんですよ‼︎
はぁ……。
でも、tayuu君が
「このごろ小説、皆書くの遅くて暇やわー」
と言ってたんで、次話を書きましたよ!
俺エライねっ!(テストと無関係)
こんな作者ですが、これからもよろしくお願いします。