平凡な春休みの終わり
と、ここで番外編を投下したいと思います!
ちょっと本編が行き詰まってまして…。
1章の記念すべきラストなので、も少し良いものにするために、時間を下さい。
てなわけで!番外編を投下します‼
これは、夕凪の「イフスタートストーリー」という小説の、番外編「喧嘩騒動」の話と同時刻のおはなしです。
要するに、ショウタ目線というやつです。
ですので、まずは夕凪の小説から見て頂けるとありがたいです。
私の小説の下に、リンクを貼ってますので是非ご覧ください‼
ショウタ「春休みキタコレェェェェ」
4月の上旬。
中学1年生はもう終わり、2年生に差しかかった春休みのこと。
ショウタは昼まで惰眠を貪ったあと、急に叫んでいた。
こはる「やっと起きたの〜?もう、ご飯食べちゃったよ。」
この人はショウタの妹のこはる。
学年は、小学6年生だ。
ショウタ「いやー、春休みサイコーだわ。もうサイコーだわ。」
こはる「はぁ。そのサイコーの春休みの午前を完全に無駄に過ごしといてよく言うよ……。それじゃ、私友達と遊びに行ってくるから!」
ショウタ「友達?あぁ、コハルちゃんって子だろ?」
ショウタの妹には、同性同名の友達がいる。
苗字はもちろん違うが、名前が同じ『こはる』なのだ。
こはる「うーん、まぁコハルもいるけど……。他にも男子が2人と女子が…」
ショウタ「今なんて?」
こはる「え?だから…男子が2人と女子が」
ショウタ「あがっ…がっ……⁉」
こはる「むしろ失礼だよ!私にだって男友達ぐらい居るよ!」
ショウタ「い、いけません!そんな、お兄ちゃんよりリア充な妹なんて、お兄ちゃんは許しませんよ!」
こはる「なんで許されないといけないのかわからない‼そもそも何に怒ってるのか……というか…嫉妬だよね?」
ショウタ「なっ⁉」
こはる「そっか、そっかぁ……お兄ちゃんは女友達居ないんだぁ……」
ショウタ「いいい、居たよ!転校する前なら何人か……」
こはる「過去の栄光にすがるって……悲しいよね」
ショウタ「い、妹がいじめるぅぅぅぅぅ」
こはる「わ、わかったから!ごめん!泣かないで!」
ショウタ「う……う………」
こはる「ただの友達だから!別に2人きりとかじゃなくて5人でワイワイするだけだから!ね?」
ショウタ「ふん、どーせ妹はさっさと彼氏とかできるんですよ。もてない兄はどーっせ1人ぼっちで春休みを過ごすんですよーっだ‼」
こはる「子供か!なんで妹より精神年齢子供なの‼…あぁ、もうこんな時間!行ってくるね!」
ショウタ「へいへい、どーぞ行ってらっしゃいませぇー!今に見てろよ、俺が妹よりたくさん異性の友達作ってあっと言わせてやるから!」
こはる「はいはい。わかったわかった楽しみにしてるね。」
ショウタ「2人だろ……?どうにかなるさ…えっと、今からあの子とあの子に話しかけてみて……」
こはる(……ホントは男子友達の方が女子友達より多いなんて………言えない。)
こはるは兄を不憫に思いながら、家をでた。
ショウタ「はぁー!つっても遊ぶような人いないしなぁー!なんか、男子友達すらも、皆部活とかで忙しいみたいだし。はぁー、どうすっかなぁー。」
ショウタはあまり友達が多くない。
中1のころ、色々な原因で友達がいなくなり、孤独になってしまったからだ。
最近はようやく立て直してきたのだが、それでも休日に遊ぶような人は片手で数えるくらいしかいない。
ショウタ(じ、自分で考えてて悲しくなってきた……。と、とにかく!今日1日をどう過ごすかで俺の価値が決まってしまう気がする!誰よりも充実した1日を過ごさなくてはいけ…)
プルルルルル。
プルルルルル。
電話がなった。
ショウタ(あぁ、もうせっかく人が決意表明してる時に!全く誰だよ……)
家には誰もいないため、渋々電話にでるショウタ。
ショウタ「はーい。もしもし?」
電話の声「あ、もしもし?私、私!お金をちょっと貸して欲しいんだけど……」
ショウタ「詐欺か!」
受話器に向かって叫ぶショウタ。
電話の声「いやー、借金保証人にされちゃってさー、1億円必要なんだよね☆」
ショウタ「しかも金が圧倒的に高すぎる!リアル感がないぞ逆に‼」
電話の声「ねぇー♡お願いだから1億円貸してよぉー♡」
ショウタ「まだ続けんのか!もう初っ端から詐欺って言われてるだろうが‼」
電話の声「ほらぁー、孫のことを助けると思って……」
ショウタ「は?孫?」
電話の声「いいでしょー。ショウタお・じ・い・ちゃ・」
ガチャン!
思いっきり電話を切った。
ショウタ(ったく、意味のわからん詐欺をしやがって…。誰がおじいちゃんだ‼……つーか、声聞けば一発で誰かなんてわかるっての…)
そんなことを考えてると、また電話が鳴った。
プルルルルル
プルルルルル
ショウタ「…………はぁ。」
ショウタは苦い顔をすると、受話器をとった。
ショウタ「詐欺はご遠慮してますので、また掛け直し……」
電話の声「助けて!」
ショウタ「っ⁉」
電話の声「助けて!今玄関に誰か男の人がいるの!ドアをドンドン叩いてて……ほら!」
受話器からは本当にドンドンという音が響いている。
ショウタ「ちょ、ちょっと待て落ち着くんだ!俺が助けに行きたくてもソッチに行くには1時間はかかる!だから、警察呼んで、戸締まりをしっかりして!」
電話の声「うん、うん。」
電話の声は涙声になっている。
よっぽど怖いのであろう。
ショウタ(なんか無いか…‼なんかこの状況をどうにかする……これだ‼)
ショウタは、受話器を首に挟みながら、電車の時刻表ノートを取ると、パラパラとめくる。
ショウタ「大丈夫だ。落ち着け。今電車の時刻表見たら、運良く快速があった。これに乗れれば40分くらいで着くと思う。正直言って警察の方が早いだろうけど、遅くても40分の辛抱だ。待っててくれ!」
電話の声「うん……。ありがとう……。あとね、1個だけ聞いてもいい?」
ショウタ「なんだ?なんでも言ってくれ」
電話の声「私のこと、心配してくれてる?」
ショウタ「な……当たり前だろが!そんなこと心配してたのか⁉もちろん心配したに決まって…」
電話の声「嘘だよ☆」
ショウタ「…………は?」
電話の声「プッ!アハハハハ‼『ちょ、ちょっと待て落ち着くんだ!』だって‼アハハハハ!」
ショウタ「あのー。おいコラ従姉妹さん?」
いとこ「今から電車で行くとか!無理に決まってるじゃん‼間に合わないに決まってるでしょ!アハハハハ!!!!」
ショウタ「おいコラ『唯』!!!!!!」
電話の主は、ショウタの従姉妹の唯。
同い年の女の子で、ショウタとは小さいころは本当に仲が良かった。
もう毎日遊ばない日はないくらいで、帰る時になったらいつも両者とも泣いていた。
小学生になって、唯が引っ越して。
ショウタも引っ越してしまったので、お互い遠く離れてしまった。
遠いと言っても、電車で1時間程度だが。
そのため、会うのは年に2度の、お盆と正月ほどになり、昔ほどじゃれあえない年齢になったのもあって、2人の間には少し距離が空いてしまっていた。
にも関わらずこの電話である。
ショウタ(久しぶりにこんな会話した気がする……。それにしても、一体どうしたんだろう…?)
ゆい「あー、はいはいごめんごめん。プッアハ、フフフ……ごめ、我慢できな……」
ショウタ「うるせぇぇぇぇ!ったく。さっきの音とかはどうやって演技したんだよ?」
さっきの音とは、ドアをどんどん叩く音である。
ゆい「あぁ、あれ?弟に叩いてもらってた。」
ショウタ「たくまぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
ゆいには小学生6年生の弟がいる。
こはると同い年とは思えないほど泣き虫で、純粋すぎる子なのだが……こと悪戯となるとすごいウザくなる子だ。
ゆい「いやぁー、この作戦もたくまが考えてくれたしねー。あれ?小学6年生の作戦に引っかかる中学2年せ……プハッ‼」
ショウタ「うわぁぁぁ!さっきの自分殴り飛ばしてぇぇぇ!!!!!」
そんな会話をすること10分。
ゆい「あー、面白かった。それにしても、変わってないねショウタ。」
ショウタ「はぁ、はぁ。俺は面白くなかったわ!そして変わらないのはお前もな‼」
ゆい「昔は自分のこと『ショウタ』って名前で呼んでたくせにねぇー。『俺』だって!」
ショウタ「うるせぇ!どんだけ昔のこと言ってやがる!!!」
ゆい「別に私は良いんだよー?読者さんにショウタの昔話しまくっても……」
ショウタ「がっ……。なにかご用でしょうか……ゆい…」
ゆい「様だよねー?ほらほらぁ…目上の人に話す時は……さ・ま☆」
ショウタ「ぐぎぎ……ゆい…様……」
ゆい「なんだね下僕ショウタ!」
ショウタ「チョーシに乗んな‼‼」
ゆい「きゃー!ショウタにセクハラ言われたぁー!」
ショウタ「なあっ⁉」
ゆい「え、なにその単語!私そんな卑猥な言葉知らなぁーい!」
ショウタ「ちょ!まっ…おい…!…親父さんいるの…?」
ゆい「えー⁉お父さんがいるかどうかの、かくにぃーん⁉ウチに来て、私になにするつもりなのっ‼‼」
ショウタ「だぁぁぁ!やめろっ!!バカッ!!!」
ゆいのお父さんは非常に怖い。
親バカの度合いがハンパじゃない。
ゆいに下手に近づきすぎれば、それが従姉妹であっても問答無用で制裁にくる。
ゆい「うえぇーん!ショウタがバカって言った!うえええええん!!!!!」
ショウタ「うっぜぇぇぇ!!!!……じゃなくて……あ、後でクレープ奢ってやるから……な?」
ゆい「クレープ、GETだぜっ!!!!!」
ショウタ「最初からそれが狙いかぁぁぁぁ!!!!!!!!」
ゆい「いやぁー、流石だったっしょ。私の『オレオレ詐欺からの危ない目にあった後のお父さんクレープ作戦』‼」
ショウタ「名前ムダにながっ!そしてセンス皆無‼」
ゆい「な!なにおぅ⁉そんじゃ、ショウタ考えてみてよ!」
ショウタ「あぁ⁉なにをだよ?」
ゆい「今の私のした作戦の名前‼」
ショウタ(名前…?んなこと言われたって……ふーむ。オレオレ詐欺からお父さんクレープ?長いなぁ……そうだ!)
ショウタ「………ふっふっふ。考えついたぞ…?」
ゆい「おぉ⁉ショウタがいつになく自信満々!皆注意しろー!大事故起こすぞぉー!」
ショウタ「失礼なこと言うなっ‼スベらねぇよ‼」
ゆい「おー、偉い偉い。たくまはキチンと机の下に隠れてるね〜」
ショウタ「この野郎共がっ………」
ゆい「いいから早く!」
ショウタ「おっほん。オレオレ詐欺からお父さんクレープなので……略して!『俺危ないお父さん』!」
ゆい「…………」
ショウタ(決まった……。この俺の完璧すぎるタイトル……!略し方がうますぎるのも去ることながら、『俺お父さん』という面白いジョークも交えている……。勝ったな)
ゆい「た……たくまぁ…‼‼震度100強の地震がきたよおぉぉおぉぉ!!!!!!」
たくま「揺れてるぅ!!!!!!家がスゴイスピードで揺れてるよぉ!」
ショウタ「うるせぇぇぇぇ!!!!!」
ゆい「フォローしたんだよ?」
ショウタ「どこがだっ!つーか、震度100ってなんだ!そんなもん日本沈没して……つーか『強』なのかよ⁉そこまで詳しくよく分かったな!!!!!」
ゆい「やっぱり、ショウタはジョークより、ツッコミだね。」
ショウタ「はいはい。いいから感想言えって」
ゆい「………え?」
ショウタ「はぁ。だからー、あの素晴らしいタイトルの感想言えっての!」
ゆい「スッゴクオモシロクナカッタ」
ショウタ「棒読みか!!!!!全然気持ち入ってな……『面白くなかった』だと⁉」
ゆい「うん。いや……ホントに面白くなかった。すべるにしても、なんか、誰もいない所でバナナに滑ってオーバーリアクションした出川みたいな。」
ショウタ「そこまで酷いのかっ⁉そ、そんな酷いのか⁉」
ゆい「むしろ出川に失礼だよね。」
ショウタ「そ……そんな…………」
*******
ゆい「でー、用件なんだけどー」
ショウタ「そんなに面白くなかったなんて……そんな……」
ゆい「まだ言ってんの⁉もう違う話しまくって誤魔化したでしょ⁉」
ショウタ「ジョーダンだって。それで、どうしたんだ?」
ゆい「あー、んとね。……えっとぉ……○○に来て☆」
ショウタ「……は?」
ゆい「いい?とにかく、○○に今から来て☆」
ショウタ「あのなぁ…。○○行くには電車に乗らないといけないわけで……金の少ない中学生にとってはなかなかな出費であり…」
ゆい「うんうん。」
ショウタ「その上、理由も教えてくれないって言うのは、おかしなことじゃありませんこと?」
ゆい「そーだね……うん!分かった!それじゃ、○○に来て☆」
ショウタ「そっか…分かってくれた……なかったんだな⁉」
ゆい「くれたなかった?」
ショウタ「うるさい!つか!人の話を聞けっ!!!!!」
ゆい「んじゃ、よろしく」
ショウタ「よろしくじゃ」
ガチャリ……ツー……ツー……
切れてしまった。
ガチャン。
ショウタ「ふざっけんな!!!!!!!なーにが○○に来て☆…だっ!!!!!」
ショウタ(誰が行ってやるか……)
ショウタの頭に、○○で1人ぼっちのゆいが思い描かれた。
ショウタ(……し、知ったこっちゃねぇっての‼‼だ、大体自業自得なわけで…)
ショウタの頭に、不良に絡まれるゆいが想像される。
ショウタ(あいつ……無駄に厄介ごとに絡まれるからなぁ……。しかも…その絡まれ方がまた不幸なことに………)
ショウタ「だぁーっ!!!!!もう!くっそ!!!」
ショウタは服を着替えると、小さなバッグ取り出し、その中に財布とiPhoneと家の鍵と自転車の鍵を入れ、肩にかける。
ショウタ「ちょっと遊び行ってくるー」
シーン……
家には誰もいない。
ショウタ「…ま、わかってたけどね」
家をでたショウタは、自転車に乗りながらグチる。
ショウタ「ったく。行き帰りで600円は消えるな…….。はぁー…不幸だ」
そして出発する。
ショウタの顔は笑っていることを、本人も気づかないまま…
新キャラ登場ーーーー!
女の子ですね(^-^)
そして、活動報告にもでてます!
5分前に活動報告で初登場してます(笑)
普通逆ですがね(笑)
では、次話は来週土曜日の夜中であります!
ぜひ、待っていてください!