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ミス・スタート・ストーリー  作者: モッチー!
2章 コロシアム
14/41

14話 トーナメント準決勝‼(前半)

こないだですね。

夏休みと運動会とテストが終わりましたよ!


英語が赤点で……ってえ?


なに普通に話してんだと?

今までなにしてやがったんだと?


申し訳ありませんでした。


いやですね。だってですね。

いや、はい素直に謝ります。


でも理由を言わせてもらいますとね?


3回消えた!


執筆中なのに、3回消えた!(大事なことなので2回)


いや、サイト様が悪いのではなく。

単純にiPhoneの操作ミスとか、ソンナンジャナインデスヨ?

深い意味がアッタンデスヨ?


っちゅーことで、申し訳ありませんでした。


ちゃんと、刻一刻と書き進めておりました。

平均して、1日2文字ずつくら…ごめんなさいごめんなさい。


と、いうことで、14話です(笑)

トーナメント準決勝が始まった!!


相手は「アスカ」「ギース」「ユウ」の3人グループだ!!

アスカは魔法使い。ギースは怪力の持ち主で、ユウは未だ謎だ。ついでに性別も。


会場は相変わらずいっぱいで、まだファナやサヤカや俺も緊張している。


サヤカ「どうしたんですか?いきなり独り言を言って…」


ショウタ「あ、あれ?今のって俺のセリフなの?」


ファナ「サヤカ、今のは地の文と言って……」


ショウタ「いや待てファナ!!!それ以上はダメな気がする!!」


ファナ「えー、なんで?」


ショウタ「なんでっておま……」


アナウンス「さぁ、トーナメント準決勝の選手の紹介です!!」


観客「わぁーーー!!!」


サヤカ「あ、始まりますよ!!準備して下さい!」


ショウタ「あ、あぁ。」

ファナ「う、うん。」


アナウンス「まずは赤コーナー‼ショウタチーム!!」


ショウタ達が出てくる


アナウンス「ショウタチームは、ファナ選手の攻撃力とショウタ選手の回復、サヤカ選手の臨機応変な対応を使い試合を勝ち上がって来ました!!」


観客「わぁーーー!!!」


ファナ「いや、褒めてくれるのは良いんだけどさ……」


ショウタ「戦法とか言うなよな……」


サヤカ「そうですよ!!あの司会なに考えてんですか!!!」


ファナ「まぁ、もう準決勝だから言っても大丈夫だと思ってんじゃない?」


サヤカ「それでも言っちゃダメですよ普通!!」


ショウタ「ま、言われちまったもんはしゃあねぇしな」


アナウンス「続いて~、青コーナー!アスカチーム!!」


アスカ達が出てくる。


アナウンス「アスカチームも、予選は全く敗退せず!ここまで勝ち上がってまいりました!!」


観客「わぁーー!!!」


ショウタ「いや待てよ⁉」


ファナ「私達は戦法言われたのにー!!」


サヤカ「ブツブツブツブツ」(呪文詠唱中)


ショウタ「待て待て待て待て!!」


ショウタが慌ててサヤカの杖を奪う


サヤカ「あぁ!!何するんですか!!」


ショウタ「こっちのセリフだわ!!今何しようとしてたんだよ⁉」


サヤカ「……無能な司会を潰そうと…」


ショウタ「やっぱりか!!そんなことしたら失格になっちまうだろ⁉」


サヤカ「だ、だって…」


ファナ「まぁ気持ちは分からなくもないよ?だってアイツ!明らかに私達の説明と全く違う説明を相手してるんだもん!!」


ショウタ「そうだよなぁ~、何かおかしいなこの試合。」


ショウタ達は不審に思うが、思った所でどうしようもない。

そのまま進行していく。


アナウンス「では3分間の休憩の後、試合を始めます!」


~控え室~


ファナ「なんなのあの司会⁉絶対えこひいきだよっ!」


サヤカ「そうですよ!!ホント、最悪です!!」


ショウタ「まぁまぁ、気持ちはすっごく分かるんだが、3分しか無いんだぞ?早く作戦会議しようぜ」


サヤカ「むぅ、珍しくショウタが正論言ってる…」


ショウタ「珍しくってなんだ‼」


ファナ「ショウタ大丈夫?病院行こっか?」


ショウタ「お前ら俺をなんだと思ってるんだ!!!」


サヤカ「あ、そういえばさっき思い出したんですけど……」


ショウタ「ど、どうしたんだ?」


サヤカ「実は今回の対戦相手、私達のこの前の対戦相手を予選で倒した唯一のチームなんですよ!!」


ショウタ「えぇぇ⁉⁉」


ファナ「そんな……マスオさんみたいな驚き方……」


ショウタ「そっちに驚くな‼」


サヤカ「しかも!その頃のアスカ達はギース居ません!!アスカとユウで倒してるんですよ!!」


ショウタ「なっ!!!!」


ショウタ(確か俺達の前の対戦相手チームの予選の時は、ゴーレムを出せる「ティファ」と槍を持った「トウキ」だったはず……。レベル5とレベル4の強敵なはずなのに……)


サヤカ「しかもですね!!無傷で全ての予選を勝ち上がってるんです!!」


ファナ「っっ!!!!!」


ショウタ「全ての予選を無傷⁉そんなわけないだろ⁉」


サヤカ「ホントなんです!!でも、トーナメントではむしろ予選より弱くなってるみたいで…」


ファナ「確かにDVDでは普通にダメージも負っていたけど……」


サヤカ「ですから、とにかく警戒して勝負に挑んで下さい‼作戦は以前言った通りで!!」


ショウタ「分かった‼」

ファナ「うん頑張るよ‼」


ちなみに以前言った作戦とは、ファナがギースの相手をし、ショウタがアスカに接近し混乱を誘い、そこをサヤカが叩くと言う作戦だ。

ユウはとりあえず魔法で牽制をする。


アナウンス「それでは、トーナメント準決勝を始めます!!」


すごい歓声の中、フィールドに出てきたショウタチームとアスカチーム。


アナウンス「試合開始!!」


カーン!!


ゴングと共にダッシュで間合いを詰めるファナとショウタ。


まぁ、ダッシュと言っても、ファナとショウタではスピードが違いすぎるが。


~サヤカSide~


サヤカ(先にユウを牽制です。先手必勝!!)


と、ゴングが鳴りやまないぐらいの早さで魔法を詠唱し、ユウの下の地面から土塊をアゴに向けて発射した‼


ユウ「へっ?うわっ!!」


サヤカ(あの距離ならかわせません!!よし決まった……)


パヒュン!!!!


サヤカ(なっ……)


なんと、ユウのアゴにクリーンヒットしたはずの土塊はアゴに当たるや否や一瞬で消え去ったのだ!!


そして、ユウの頭上にパネルが現れる。


『ユウ』【レベル1】【弱】【能力打ち消しの使い手】


サヤカ(能力打ち消し……!!!)


ユウ「ヤベッ‼!」


アスカ「何やってんのよ!!もう!…作戦開始!!」


ユウ「ゴメン!!」


ショウタチーム(作戦⁉)


アスカのかけ声が響いた瞬間、ギースの姿が消える。


サヤカ(消えた⁉……いや、よく考えて私‼アイツらの狙い、それは!!)


ギースがショウタの前に現れる。


サヤカ(しまった!!ショウタですか!!!)


アスカ(ふっ、違うわサヤカ。本当の狙いは…)


ファナ「イヤァ!!」


サヤカ「!!!!」


ファナの方へ振り向くと、そこにはファナの寸前まで近づいたユウの姿が!!


サヤカ(?何を…?……そうか!!)


ユウの能力は【能力打ち消し】

要するに、触れる、またはレベルが上がれば打ち消し弾のようなものを発射し、相手の魔法や相手の能力で強化されてる道具、または相手自身に触ったり弾が当たれば、能力が消えるのだ。


ユウの場合、打ち消し弾は放てないが、触れれば相手の能力を打ち消す事が出来るのだ


つまり、ショウタチームで最大の火力を誇るファナの能力そのものを消そうとしているのだ!!


ファナは既に狙いに気づき、かわそうと身をよじっているが、かわせないだろう。


サヤカ(くっ!ファナを助け)


ガキン!!


ショウタ「うぐわぁ!!」


バタッ!!


ショウタはギースの力に圧倒され、尻餅をついていた。

剣は遠くに飛ばされ、届きそうにない。


サヤカ(ショウタ…!!!!)


アスカ(チームの勝利を考えるならファナを瞬間移動で逃がすべき、ショウタは死ぬでしょうね。ショウタを助ければ勝利は絶望。あなたはどっちを選ぶの?サヤカ……)


サヤカ(う、うぅぅぅ!!!)


~少しさかのぼりショウタSide~


ショウタ(良し!サッサとアスカに接近して混乱を誘わねぇと!!)


ショウタは意気揚々とアスカにダッシュをしていた


ショウタ(おっ!サヤカのやつ、ユウに先制攻撃か…)


サヤカの土塊がユウのアゴに迫るのが見える。


ショウタ(ユウってやつもとっさの事で反応できてないし。こりゃ、今回は余裕かもな…)


パヒュン!!!


ショウタ(無傷……?あ、パネルが!!)


『ユウ』【レベル1】【弱】【能力打ち消しの使い手】


ショウタ(打ち消しって……⁉⁉)


アスカ「作戦開始!!」


ショウタ(作戦⁉ちょっ、待って!まだ整理がついてな……)


ギース「くたばれ」


目の前に急に現れたギースが思いきり剣を振るう!!


ショウタ「うぉぉぉらぁぁ!!!」


とっさに前転してかわすショウタ


ショウタ「あ、危ね!!!クソ、死ぬところだった!!」


ギース「ちっ、やはり戦闘のセンスはあるようだな!!」


言いながら、横薙ぎに剣を振るうギース


ショウタ「ちっ!!」


とっさに剣の切っ先を下に縦の形にしてガードする!!


ギース「フン!!」


ガードなど粉砕する勢いで剣が振られる


ショウタ(ま、マズイ!!このスピードじゃ剣が折れる!!)


ショウタ「だっ!!」


ショウタは剣が衝突する寸前に軽くジャンプをする。


ガキン!!


剣が衝突する。

浮いているショウタはその勢いを止めきれず、左に吹っ飛ぶ


ギース「なるほど」


しかし、そのおかげで、ショウタの剣は折れる事無く、ショウタの体も致命傷に至らず済んだ。


ゴロゴロと転がりながら体制を整えるショウタ。

だが……


ギース「残念だったな…」


ショウタ「!!!」


確かにショウタは体制を整え、ギースの方を向いていた。

だが後ろからギースの声が聞こえてきたのだ


アスカの瞬間移動によって。


頭上に振り下ろされる大剣。


ショウタ「う、うらぁぁぁあ!!!!」


死ぬ気で振り返りながら剣を振るう!


ガキン!!


ショウタ「うぐわぁ!!!」


必死の抵抗が運をよび、剣は弾け飛びショウタも吹っ飛ばされたが、なんとか無傷でしかも距離をとることが出来た!!


ショウタ(よし、急いで剣を拾えば……)


ギース「私に移動は無意味だ。」


またもやアスカの瞬間移動により、目の前に現れるギース。


ショウタは尻餅をついており、ガードのための剣もない。


ショウタ(待て待て待て待て‼なにか突破口は……)


ギース「終わりだ。」


無情にも大剣が振り下ろされる。


ショウタ「クッソぉ!!!!」


~少し時間はさかのぼりファナSide~


ファナ(よし!早くギースをやっつけて皆を助けに行かなきゃね‼)


と、意気揚々とギースに向かっており、またギースも特に違和感も無く構えていた。


パヒュン!!!


ファナ(えっ?なんの音…?)


アスカ「作戦開始!!!」


ファナ(えっ⁉作戦⁉ど、どういう事⁉)


ファナは不幸にも、サヤカの攻撃が打ち消された瞬間を目撃しておらず、対応が遅れてしまっていた。


ファナ(あれ⁉ギースも居ない‼)


そして、そっちに気を取られている間にギースも瞬間移動してしまっていたのだ。


ファナ「どこに…?………ショウタ⁉」


見ると、ショウタの目の前に移動しているギースがショウタを襲っていた。


どうにか初撃はかわせていたが、やられるのも時間の問題だろう。


ファナ「助けなきゃ!!」


ファナはショウタに向けて走り出した!

が、


ユウ「待って。この先には行かせないよ。」


ファナ「えっ……?」


ファナが困惑するのも無理はない。


なんと、武器も持たず、魔法などが使えそうでもないユウが、素手でファナの前に立ちふさがっているのだ。


ファナ「今、ショウタは危ない目にあっていて、早く助けなきゃって思っている私を………本気で止める気?」


ゾワッ


ファナは語尾に力をいれており、ユウは悪寒が走った。


ユウ「こ、怖いな…。…うん、そうだよ。」


ファナ「そう。」


ファナ(サヤカは関わるなって言ってたけど……ショウタが危ないのに立ち止まってなんかいられない‼‼)


ファナ「なら覚悟しなよ!!!!」


ファナは恐ろしいスピードでユウに接近した。が、その瞬間、視界の端にパネルが見えた。


『ユウ』【レベル1】【弱】【能力打ち消しの使い手】


ゾワッ‼


今度はファナに悪寒が走った。


そのファナの反応で、ユウは全てを気づき、ファナへと接近する!!


ファナ「くうっ!!!」


ファナも慌てて体をよじっているが、まず避けられないだろう。


ファナ(だ、誰か!!!)


ファナは祈った‼


~サヤカSide~


サヤカ(ショウタを助けないと致命傷を負ってしまいます‼で、でもそしたらファナが無能力者に………。くぅぅぅぅ!!!!!)


サヤカ(ごめんファナ。もしショウタを死なせたらファナはきっと『なんでショウタを助けなかったの⁉』って責めるとおもう。だから‼)


サヤカ「ショウタァァァァ!!!!!」


サヤカは防御魔法をショウタに向けて放った‼


ショウタ「クッソぉぉ!!!」


ガキン!!!


ショウタ「……あれ?」


ショウタが恐る恐る目を開けると、眼前でバリアによって静止しているギースの剣が!!


ショウタ「これは…?」


サヤカ「ショウタ‼早く剣拾ってコッチに来て下さい‼」


ショウタ「へっ?サヤカ?……あぁ、そうか助けてくれたのか‼わかった!今からそっちに…」


と、ショウタが立ち上がり、剣の所へ走り出した瞬間。


シュン‼


ギース「残念だったな」


剣とショウタの間へ割り込むようにギースが瞬間移動で現れた‼


が、


ヒュン‼ドッカーン‼


ギースがまだセリフを言い終わらない内に、サヤカが先読みして放っていた爆発魔法がギースに直撃!


たまらず横に吹っ飛ぶギース。


アスカ「な、なんで分かったの⁉」


サヤカ「誰でも分かりますよ‼ショウタが剣を取りに行ってるのを邪魔したいなら、剣とショウタの一直線上に出現するってことぐらい!」


サヤカは次々にアスカやギースに魔法を撃ち込む。


たまらずアスカとギースは遠くに後退する。


そしてショウタは無事に剣をとり、サヤカの元へ。


ショウタ「サヤカ、助かったよ。ありがとな……サヤカ?」


サヤカ「………。」


サヤカは無言で俯いている。


どうしたの、とショウタが聞く前に悲鳴が聞こえてきた。


ファナ「キャー‼」


ショウタ「っ‼ファナ⁉」


バッと振り向くと、ファナがユウにボロ負けしていた‼

何度も殴られているようだ。


ショウタ「な…な…なんで⁉どうしてファナが負けているんだ!」


ショウタは混乱していた。


無理もないだろう。

ユウの能力を抜きにすれば、レベルは全く及ばず、身体能力も負けていて、そのうえ素手であるユウが、多方面で優位なファナを圧倒しているのだから。


サヤカ「……実は、」


と、サヤカは俯きがちに説明してくれた。


ショウタを助けないと命が危なかったこと。

ファナが負けている理由。

ユウの能力。

最終的な判断をした理由。

などを分かりやすく。


すると、ショウタは呆然とした表情で呟いた。


ショウタ「またかよ……また俺が足引っ張って、ファナをあんな目に…俺が弱いせいで……」


サヤカ「やめてください‼」


ショウタ「っ‼」


唐突にサヤカは叫んだため、ショウタは一瞬ひるむ。


サヤカ「私は、そんなことを言ってもらいたくて助けたんじゃありません!私が、ショウタをそうやって追いつめたい、と思って助けたとでも言うつもりですか⁉」


ショウタ「………。」


サヤカ「私は、ショウタに死んでほしくなかったんです!死んだら取り返しはつきません。けど能力が消される、ぐらいならまだ取り返しはつきます。ファナだって、きっとそう言うはずです!」


ショウタ「サヤカ……」


サヤカ「だから!だから‼…………そんな悲しいこと言わないで…‼」


ショウタ「っ‼」


ショウタ(そう…だよな……。あんな危機的状態で俺を助けてくれたのに、その助けてもらった俺が落ち込んでどうするんだよ…。)


ショウタは自分の行いを反省するとサヤカに向き直った。


ショウタ「サヤカ…ごめん。サヤカは俺が心配で助けてくれたのに、それで後悔して落ち込んでちゃ、助けた意味なんて無いよな。大丈夫、もう俺は大丈夫だから!ファナだって絶対助けてやる‼」


ショウタの言葉にサヤカは一瞬驚いた表情になると、すぐに微笑へと変わった。


サヤカ「…フフッ、…どんな根拠があって『絶対』なんて言葉が出るんですか?まぁ、ショウタらしいですけど。………ありがとう。」


サヤカは最後にボソッと一言言うとすぐにマジメな顔になった。


サヤカ「よし、じゃあファナを助けましょう!…どうします?」


ショウタ「そうだな……。あんまり良い案は浮かばないんだけど……とにかく、ファナの所へ行くのが良いんじゃないか?」


サヤカ「いや…ショウタ?アスカ達のこと忘れてません?」


するとさっそく、アスカ達が目の前へと立ちふさがる。


アスカ「ユウの邪魔はさせないわよ‼」


ショウタ「そうだった……。まずはコイツらをどうにかしないと…」


すると唐突に、殴ったような音と悲鳴が聞こえてきた。


バキッ‼


ファナ「きゃあ‼」


ドゴッ!ドゴッ!バン‼ズザザザーー‼


ファナ「ひゃう‼くっ!がっ‼カハッ……」


ショウタの顔から血の気が引いていく。


ファナはユウに何度も攻撃され、苦しそうに倒れている。


ショウタ「……けよ。」


アスカ「な、なによ。言っとくけどこれは」


ショウタ「どけっつってんだよぉぉぉ!!!!」


ショウタは低い姿勢でアスカへと突進する!


サヤカ「ダメですショウタ‼」


サヤカの声も届かず、ショウタはアスカを斬ろうとする。

が、


ガキーン‼‼


ギース「やらせると思うか。」


ショウタ「くっ…」


ギースが間に入りショウタは押し止められる。


それどころか、力の差が激しく弾き飛ばされてしまった。


ショウタ「うがっ!…くそっ……」


サヤカ「ショウタ!…大丈夫ですか?ダメですよあんな感情的になっちゃ……」


ショウタ「だったらどうしろって言うんだ⁉俺は黙ってファナがやられる様なんざ見たくない‼」


サヤカ「また行くつもりですか⁉ダメです!そんな無謀なこと!ショウタは無能力者なんです!しかも、万が一突破出来たとしても、その先にはユウがいるんですよ⁉」


ショウタ「無謀だろうが無能力者だろうが関係ねぇよ!俺はファナを……」


ショウタ(ん?)


ショウタは今の言葉に疑問を持った。


ショウタ(なんだ?なにを見落としている?俺は無能力者だ。そしてユウは能力を打ち消すことができる……そうか‼)


ショウタ「サヤカ!分かったぞ‼ファナを助ける方法が‼」


サヤカ「えっ⁉それってどういう…」


アスカ「ごちゃごちゃ話すのは終わりよ‼食らえ!」


アスカとギースがショウタ達を襲う!


サヤカは急いで防御魔法を展開する。


ガキン‼


サヤカの石弾とギースの大剣がバリアに阻まれる。

しかし、それも長くは保ちそうにない。


サヤカ「ショウタ。詳しい話は良いです。ショウタの考えついたその方法なら……ファナを…ファナを助けられるんですか?」


ショウタ(サヤカ……他に聞きたいことは死ぬほどあるだろうに……)


ショウタ「……あぁ‼絶対に助け出してやるさ!」


サヤカ「そうですか……分かりました‼ショウタに懸けます‼私は何をすれば良いですか?」


ショウタ「あぁ!ありがとう!じゃあ、ギースとアスカを足止めしてくれないか?…いや、キツイことは分かってる。だから、ギースだけで良い!俺がファナを助けるまで時間を稼いでくれ!」


サヤカ「…分かりました!頑張って足止めします。……なら、瞬間移動でショウタを移動させますね。」


ショウタ「足止めはムリしないでいいからな。…あと、瞬間移動なんだけど……サヤカの瞬間移動がファナまで届くなら、アスカの瞬間移動だって届くよな?」


サヤカ「あ、まぁそうですけど……それがなにか?」


ショウタ「いや、ギースを瞬間移動させられたらアウトだから…」


サヤカ「あ、確かにそうですね……。」


ショウタ「だからさ!俺の瞬間移動は良いから、アスカの瞬間移動をどうにかしてくれたら嬉しいんだけど……できる?」


サヤカ「はい!出来ますよ‼そのかわり、ショウタの瞬間移動も出来なくなっちゃいますけど……」


ショウタ「あぁ!全然オッケーだよ!よろしくな‼」


サヤカ「はい!……っ⁉そろそろバリアがマズイです…。ショウタ、今から私が言う作戦をよく聞いてください。」


サヤカはショウタに作戦を伝えた。


一方、バリアの外では


アスカ「くっ!…ギースお願い!このバリアを壊して!」


ギース「あぁ、任せろ!」


ギースは何度もその大剣を叩きつける。

バリアにヒビが入る。

そして……


パリーン…‼


バリアが破壊された!


アスカ「今よ!早く……えっ⁉」


アスカは呆気に取られていた。

バリアの中には誰も居なかったのだ。


アスカ「ど、どこに…」


サヤカ「ここです!」


アスカ「っ⁉」


アスカが声のする方を向くと、


ショウタ「うぉぉぉぉ!!!!」


ショウタが猛スピードで走ってくる!


アスカ「へっ?…キャア‼」


アスカはなにも出来ずに身体を強張らせた!


しかし、


ガキーン‼


間一髪でギースの剣が割り込む。


しかし、その瞬間、サヤカの雷撃魔法がアスカを襲う!


アスカ「なっ!」


アスカは慌ててバリアを張った!


が、早くもヒビが入り始めている。


なぜこんなに差があるのかというと、アスカは元々【移動させる魔法】の使い手なうえに、サヤカに熟練度(【悟り】とか【中】とか)でも負けているからだ。


アスカ「ひっ⁉」


バリアは割れて、雷撃が迫ってくる!


ギース「アスカ‼」


バッ‼


すると、ギースがアスカを庇うように飛び込み、雷撃を受けた!


アスカ「ギース⁉」


ギースは倒れこみ、アスカは動揺している。


少しズルい気もするが、その間にショウタはファナの元へ走って行った。


ギース「く……なかなか痛いものだな」


アスカ「えっ?ギース⁉平気なの⁉」


ギースはスッと立ち上がる。


サヤカ「なっ⁉」


サヤカ(『なかなか痛いものだな』じゃないですよ‼なんであんな雷撃受けといて立てるんですか⁉)


ギース「む。マズイぞ、ショウタがファナの所へ行っている……アスカ、俺を瞬間移動させてくれ。」


アスカ「えっ?えっ?あ…うん分かった。」←まだ混乱している


アスカは杖を振るが、何も起きない。


アスカ「あ、あれ?な、なにが……」


サヤカ「瞬間移動なら出来ませんよ?瞬間移動魔法だけ、ピンポイントで封じましたから。」


アスカがテンパっていると、サヤカがそんな解答を述べた。


アスカ「そんなはずはない!相手の魔法を封じるにはあなたも同じものを封じないといけないのに…」


サヤカ「封じましたよ?ですから、今あなたと私は瞬間移動が使えません。」


アスカ「くっ……ギース、サヤカを足止めしてくれない?私がショウタを止めるから。」


ギース「分かった。」


するとアスカは空を飛ぶ魔法で宙にうかんだ!


サヤカ「行かせるわけないでしょう!」


サヤカはまたも雷撃をアスカに放射した。

しかし、アスカに届くことは無かった。


アスカ「なっ……!!!」


なんと、これもまたギースがアスカと雷撃の間に入って、雷撃を変わりに受けたのだ。


ギース「早く行け!」


アスカ「あ…うん!ありがとう‼」


アスカは飛んで行ってしまった。


サヤカ「くっ……仮にもレベル3の悟りが渾身の雷撃を2回も当てたっていうのに……」


ギース「どうやら筋肉が発達してると打たれ強いらしい。」


それが合図となり、サヤカとギースが真っ正面から衝突した!


~ショウタSide~


ショウタは全力で走っていた。


後ろからは、魔法と剣がぶつかり合う音がしている。


ショウタは振り向かずに後ろの様子を予想した。


ショウタ(魔法と魔法がぶつかる音がしない…?アスカは石弾しか放てないはずだから、絶対砕けるような音が一度はするはずなのに……やっぱりアスカは俺のところへ…?)


ショウタの予想は間違っておらず、早くも解答が来てしまった。


アスカ「ショウタ‼これ以上先には行かせないわよ‼」


アスカが後ろから飛行魔法で追って来ている。


ショウタ(やっぱり‼さすがに2人とも足止めするのはキツかったか……。となると、ファナの所へ行く前にコイツをどうにかしないとな…。)


アスカ「無視⁉あんたさっきから何も反応ないのはどういうこと⁉……いいわ、そっちが話す気ないなら、コッチも攻撃してやるわよ!」


ショウタ(確かアスカの攻撃は基本、物を動かしたり投射したりすることだ。そして周りにある物は小石ぐらいしか無い。なら、どれも致命傷には至らないハズだ‼)


と、ショウタは思い、アスカの方へは見向きもせず、走り続けた。


ビシビシビシビシ‼


アスカの投射した小石が、ショウタの背中や肩に衝突する。


確かに大ダメージではないが、当たった所は容赦なく皮膚が切れ、血が出ている。


それでもショウタは走り続けた。

ファナを助けるために!


アスカ(くっ……、どうして効かないの⁉絶対痛いハズなのに‼……こうなったら、大技で一気に潰すしか無いわね…)


アスカはそう結論づけると、小石を空中で圧縮し始めた。


ショウタ(マズイな……小石なら根性でやせ我慢出来るんだけど、あんなデカイもん当てられたら……そうだ!アスカは今とても無防備じゃん‼よし、一矢報いてやる。)


ショウタはハンマー投げの要領で剣を振り回すと、アスカに向けて思いっきり投げた‼


アスカ(よし、そろそろ圧縮が完了す……って⁉剣が飛んで来…)


バキッ‼


アスカ「っ‼‼」


アスカは自分を空中に浮かせ、尚且つショウタの走りに並行させて、その上小石を空中に集めて圧縮して…というとても精密な事をしていたために、飛んで来る剣を避ける余裕など無かった。


ので、剣の切っ先は当たらなかったが、剣の腹や取っ手がブチ当たり、たまらずアスカは落下してしまった。


しかしショウタは、アスカの方へは向いておらず、剣を投げた瞬間にきびすを返して走り出している。


ショウタ(剣の切っ先は当たらなくてもいいから、少しでも足止めしてくれよ!)


と、ショウタは低い希望をしていたが、結果は大きく上回っていた。


剣が当たり、落ちるまでは予想通りなのだが、どうやら打ち所が悪く、アスカは気絶してしまったのだ。


(ちなみに、気絶すると普通は退場なのだが、その場合は『相手に戦闘を求められているのに戦えない状態』だから退場に値するため、戦闘を求められず放置されている場合は、退場にならない。)


そのため、ショウタは誰のジャマも受けずにファナを助けることができるようになったのだ。


ショウタ(待ってろよファナ…。今助けるからな‼)


~ファナSide~


パヒュン‼


ファナ「あっ……」


ファナは回避も虚しく、ユウの手に触れてしまい、能力が打ち消されてしまった。


ファナ(剣が重い……⁉こんな重かったっけ…?いや、落ち着いて私、あんだけ訓練してるんだから能力が無くなったって……)


ファナは一瞬戸惑ったが、すぐに落ち着きを取り戻そうとしていた……が。


ユウ「へぇ、パニックにはならないんだね。そこは褒められたもんだけど……能力無いのってすぐには慣れないんだよ‼」


そういうとユウは運動神経UPが無いにも関わらず、矢のような速さでファナに接近する!


ファナ「くっ…」


ファナは慌てて剣を構える。


ユウ「遅いよ遅いよ!」


しかし、ユウが剣の腹を上手く押したため、剣の先はあらぬ方向へと向けられる。


ファナ(まっず……‼)


既に距離は拳が届くほど迫っている。


ユウの拳が無防備なファナの腹に突き刺さる!


ボフッ‼


ファナ「あ…っく……」


ファナ(そんな、こんなにダメージがあるわけ……そうだった…能力打ち消されちゃったから腹筋も無くなってるのね……)


ファナは能力が無いことに一瞬戸惑いをみせる。


そしてユウはそんな戸惑いを決して見逃さない。


バキッ‼


ファナ「きゃあ‼」


ファナが怯む間もなく、追撃が襲う。


ドゴッ!ドゴッ!バン‼ズザザザーー‼


ファナ「ひゃう‼くっ!がっ‼カハッ……」


殴る勢いが強くて吹っ飛ばされ、たまらず倒れこむファナ。


ファナ(うっ……痛いよ…怖い…よ……)


ファナは能力が消えたため倍増した痛みと、鈍足になった自分の行動。

そして改善されない戦況により…心はもう折れかけていた。


ユウ「……これじゃボクが悪者みたいだけどさ…これも勝負なんだ……悪いけど…」


ファナ(負けちゃダメなのに……ショウタやサヤカを守るために……私は……)


ファナの手には重い重い剣が握られている。


ファナ「うっ…ひっく……く、くらえぇぇぇ!!!」


ファナは最後の力を振り絞り立ち上がると、その剣をユウに向けて振り下ろした‼


ユウ「……ホントにごめん……」


ユウはそういうとファナの剣をあっけなく避け、剣を奪い取り遠くに投げ捨てた。


ファナ「あ…あ……あ………」


ファナの表情が絶望に変わる。


ユウ「もう一発で…気絶させるから……」


そういうと、腕を大きく振りかぶった。


ファナ(う…ショウタ、ショウタ!ショウタ‼)


ファナは心の中でショウタに助けを求めた!


ショウタ「やめろぉぉぉ‼‼」


ユウ「っ⁉」


ファナ「ショウタ…‼‼」


バッとユウが振り向くと、100メートルほど先からダッシュしてくる少年の姿があった。


ヒーローのように颯爽としていない。

というか、むしろ間に合ってすらいない。

爽やかに来ているわけでもなく、無様に必死で走っているだけの少年。


だが、それでもその少年はどうにかファナを助けようと必死に走り、そして拳を止めるほどの距離に近づけなくても、ファナを殴るその手を止めるために叫んだのだ


ファナ「…ショウタが来てくれた…‼…ショウタ……」


ショウタ「それ以上ファナに手ぇだすんじゃねぇぞ‼俺が相手になってやるからそれまで待ってろ!」


普通に考えれば、この訴えは無意味だ。

なにせ、ユウには待つメリットが全く無い。

しかし、ユウは一つ疑問に思った。


なぜ彼は助けにきたのか。

という点だ。


普通に考えて、能力打ち消しであるユウに攻撃を加える方法はないはずだ。

能力無しで強い人ならともかく、彼は別に体格も強そうではない。


だとしたら、助けにいっても被害が増えるだけだと考えるべきだ。

それでも助けにきた。


そしてなにより、


ユウ(ファナはそれを見て安堵している。彼はなにか特別な力でも持ってるの…?)


ファナの様子も不自然だった。

普通なら、来たのを止めて、戻るように促すはずなのに、安堵してしまってる。


ユウ(そんな余裕もないのか、それともホントにショウタには特別な力が……?)


そして、ユウにも誤算があった。

ユウは前回の試合を見ていないのだ。

そして、とある理由により、アスカとギース以外とは接点を取ろうとしていないため、ショウタについてのウワサを知らない。


つまり、ショウタが無能力者だと知らないのだ。


そのため、ユウはショウタの行動に興味を持った。


ユウ(どうやって助けるんだろう…?ボクの能力知らないのか…?それとも知っていて、それでもファナを助けようと…?どっちにしても、)


ユウ「彼にもあんな行動力があってくれたら……ボクは…」


ファナ「ユウ…?」


ファナ(今、なにか思い出すように言ってたけど……)


ユウ「ねぇ!君の能力はなんなの!」


ショウタ「っ‼……教えるわけないだろ!」


ショウタ(ユウは俺が無能力者なことを知らない⁉だったらチャンスだ!)


ユウ(そりゃ教えるわけないか……。でもホントにどんな能力者なんだ…?あ、確かアスカが何かを言ってたような…?なんだったっけ……)


~回想~


アスカ「いい?ギース、ユウ。ファナって娘が【剣の使い手】で、サヤカって娘が【魔法の使い手】、そして、要注意なのがこのショウタ‼【○○○○】で……って聞いてるの⁉ユウ!」


ユウ「あぁ、うんうん聞いてるよ聞いてるよ。とにかく打ち消すから大丈夫だって!」


アスカ「もう、ホントに知らないよ?痛い目にあっても!」


~回想終了~


ユウ(あのときは聞き流してたから……えっとなんて言ってたっけ?)


ショウタはもう25メートルほどに近づいてる。


しかしユウは気づかない。


~回想~


アスカ「ショウタ‼【無能力者】で……」


~回想終了~


ユウ「無能力⁉もしそうなら僕のチカラは…⁉」


ショウタ「やっと追いついたぞこのやろう‼」


ユウ「っ⁉」


ショウタとユウの距離はすでに5メートルも無かった。


ショウタは右手を引いて、左手を前に突進してきている!


ユウは慌てて右手を構える。


ショウタ「ジャマだ‼」


ショウタは前に構えてた左手でユウの手を弾く!


バシッ!


ユウ(そん…な、やっぱり能力が無い…?)


冷静だったら避けれたはずだ。しかし、能力にとらわれすぎて、能力を頼らない戦いに切り替えるのが遅れていた。


いつも自分が相手に使っている戦法を、ショウタによって使われているのだ。


ショウタ「くらえ‼」


ショウタは右手を振り下ろす!


バキッ‼


咄嗟に構えられたユウの左手により、直接は殴れなかったが、それでも助走&体重かけた右ストレートは効いたらしく、後ろに吹っ飛ぶユウ。


ショウタもそのまま体制を崩して、ファナの前に倒れこむように到着する。


ファナ「ショウタ…」


ショウタ「いてててて……やっぱ当○さんのように完璧に殴れないか……。コケるよな普通…」


ファナ「ショウタ‼」


バッ!


ショウタ「ファナ⁉」


ファナはショウタに抱きついた!


ファナ「ショウタ…ごめんね、私、能力消されて……」


ショウタ「な、なに謝ってんだよ!コッチこそ俺のせいでファナを助けられなくて……」


ファナ「そんなことない!だって今、実際に助けに来てくれたじゃん‼…ホントは怖かった……でも、ショウタが来てくれたとき、嬉しかったんだよ?」


ショウタ「っ‼」


ショウタ(そんな首かしげながら可愛い上目遣いってアリですか⁉)


ショウタ「そ、そっか。とにかく、無事で良かったよ。」


ファナ「?……うん!」


ショウタ「あ、いきなり悪いんだけどさ…あの、また力を貸してくれないか?」


ファナ「えっ…?」


ショウタ「いや、多分アスカがもう少しでコッチに来ると思うんだ。それで、2人相手にファナを守れる自信が無いんだ…だから……」


ファナ「そっかなるほど。ショウタはまた私を素っ裸にする気なんだね?」


ショウタ「いや、えぇ⁉俺の話聞いて…」


ギュッ!


ショウタの声を遮るようにファナが抱きしめていた。


ファナ「は、はやく、抱きしめてよ…」


ショウタ「えっ?へっ?あ、いや、うん!分かっ…た。」


両者とも顔を真っ赤にしながら、ぎこちなく抱き合う。そして


ショウタ(力を貸してくれ!)


ピカーン!


すると眩い光に包まれる!


光が消えるとそこには…何も変わってないショウタが立っていた。


ショウタ「…あれ?」


ファナ(ん?どうかしたの?)


ショウタ(いや…なんか、運動能力5倍も付与されてないっぽいんだけど…)


ファナ(えぇ⁉…私の能力は確かに消されてるけど…抱きしめたら5倍になるんじゃなかったの⁉)


ショウタ(いや、確かそのはず…っ‼)


ファナ(なになに⁉どうしたの⁉)


ショウタ(予想なんだけどさ…もしかして、能力者を吸収しないと、合体したって認知されないんじゃない?)


ファナ(な…⁉)


ショウタ(今能力無いだろ?だから多分…存在を認知されてな…)


ファナ(私…役立たず…?いやそれどころか、全く無意味なのに抱きあって尚且つ後で裸になるの?…もう……死にたい。)


ショウタ(いーや待てはやまるなファナ‼意味ないわけないだろ⁉自分の周囲全て見えるんだろ?死角なしじゃねーか‼それだけで充分意味あるさ!それに…)


ファナ(それに…?)


ショウタ(い、いやなんでもない!)


ファナ(怪しいな…?ってか、私はショウタの本音聞こうと思えば聞けるんだから、隠し事しても無意味なのに…)


ショウタ本音(ファナを抱きしめれただけで元気100倍というか…もう今なら誰にも負けない気がする…というか)


ファナ(シュボ‼)


ショウタ(おいファナ⁉大丈夫か!今スゴイ音したぞ⁉)


ファナ(なんでもないわよバカ‼)


ショウタ(えぇぇ⁉いきなり暴言ですかファナさん⁉)


まさか自分の本音聞かれてるとは知らないショウタは、ファナの怒り(?)の理由が分かるはずもなかった。


ユウ「う…くっ……」


ショウタ「っ‼」


そうこうしていると、ユウが立ち上がり始めていた。


ユウ「痛てて……効いたよ今のは。君、無能力なんて……面白いことしてくれるじゃん。」


ショウタ「はっ!テメェの能力は俺に無意味だと分かっただろ!痛い目にあう前にさっさと降参してろよ」


ショウタ本音(いやマジで引き下がってもらえません⁉怖いから!俺、まともにケンカとかイヤだから‼つーか、アスカも来て2対1になったら絶望的だから‼)


ファナ(………はぁ。)


ショウタ(え?なんでため息ですかファナさん?)


ファナ(なんか、ショウタってこう……残念だよね)


ショウタ(いきなりソレ⁉今から戦うのに俺の精神ポイント減らさないで‼)


ユウ「ふっ、降参なんてするとでも?」


ショウタ「っ!ど、どうしてだよ?」


ユウ「確かにボクの能力は君に効かない。だからって、別に君が強いわけじゃないんだ。見たところ普通の人。いっぱい戦って戦闘経験のあるボクとまともなケンカして……勝つと思うの?」


ショウタ本音(ですよねー!やっぱそうなりますよね‼…怖いよ!絶対痛い思いするよ!)


ファナ(えー……)[軽く幻滅中]


ファナ本音(はぁ……、ショウタってこんなにかっこ悪かったのかなぁ…)


ショウタ「……負けるわけないだろ」


ファナ本音(えっ?)


ファナは一瞬自分の耳を疑った。

たった今本音でビビりまくってるショウタが『負けるわけないだろ』と言ったのだから。


ショウタ本音(いやマジ無理帰る、俺帰る!)


ショウタ「テメェなんかに負けてられないんだよコッチは!さっさと倒して先に進ませてもらうぞ。」


ファナ本音(……あれ?おかしいな……私の聞き間違え?なんであんなにビビってるのに…あんな強がっていられるの?)


本音でウソをつけるわけないのだから、ショウタの本音は本物だ。

それでも、立ち向かうショウタが、ファナは不思議だった。


ショウタ本音(マジ怖いムリ!………でも、俺が負けたらサヤカが危ない。ファナだって、俺を信じて能力をくれたんだ。……こんなところで負けていられないんだ‼)


ファナ本音(っ‼……そうか。ショウタはホントはいつも怖いんだ。それでも、自分が負けた後の私たちを考えてくれて、それで自分の本音すらも偽って…私たちに大丈夫だって言ってくれてるんだ…。ううん、偽ってなんかないね。本音すら変えているんだ…)


ショウタ(さぁー、いっちょぶっ倒しますかね‼ファナ、周りの警戒頼むよ。何かあったら教えてくれ!)


ファナ本音(いつもショウタはこうやって、私たちを助けて……)


ショウタ(おーい、ファナ?聞いてますか?)


ファナ(……いつもありがとね。よし!OK私に任せておきなさい!)


ショウタ(うぉ⁉…いきなり感謝?いや、まだ倒せてませんよ?)


ファナ(なんでもないよ!ほら、くるよ‼)


ショウタ(へっ?…うわっ‼マジだ‼)


ショウタが前を向くと、ユウが猛然と突っ込んで来ている!


ショウタ本音(ギャー‼マジで来てるー‼)


ファナ(ふふっ)


相変わらず本音はかっこ悪いが、それでもショウタはファナ達を守るために立ち向かっていく。


~数分後~


ショウタ「くっ!」


ガン!


ユウ「うりゃあ‼」


バキッ!


ショウタ「かはっ…」


もう、何度目とも分からないコンボがショウタを苦しめていた。


最初に突っ込んできてパンチし、それをショウタが受け止めたら空いたわき腹に攻撃。避けたらスゴいスピードで後ろに回り攻撃。という、いたってシンプルだけど避けようがない攻撃を延々と食らっている。


ショウタ「ぜぇー、はぁー、はぁ、くっ」


ファナ(ショウタ!……頑張って……)


ファナもアドバイスのしようがない。


ユウは思ったよりスピードが速く、ショウタを大きく凌駕していた。


力はショウタのが上なのだろうが、全く反応出来ていないため、そして、避けても受けてもダメージを負うため、どうすれば良いのかファナも分からないのだ。


ユウ「もう終わりかい?さっきまでの威勢はどうしたんだよ!」


ショウタ「へへっ。あんなに、攻撃しといて、ぜー、ぜー、まだ倒れさせれてない時点で、お前の攻撃なんか効いてねぇんだよ!」


ショウタ(考えろ、考えるんだ俺!ユウは速すぎて全く反応できない。攻撃を受け止めたらその隙に攻撃がくる。かといって避ければその体制に適した方向から確実に攻撃が飛んでくる。へへっ、万事休すじゃねぇか…。避けると受け止めるのがダメなら……くっ、考えろ、思いつけ‼)


考えたところで、一瞬で答えが出るはずもなく、ユウがもう目の前に接近して、パンチを繰り出してきている。


ショウタ「うぉ‼」


ショウタは思わず右手で防いだ。

そして慌てて左手で右のわき腹を庇う。


が、その空いた左のわき腹に的確にアッパーが飛んでくる。


ショウタ「うが…っは…」


ユウ「せい!」


すかさず浮いたショウタに向けて蹴りが放たれる。


ズガッ!ズザザー


たまらず飛ばされ地面を転がるショウタ。


ショウタ(かん、がえろ。雑念はいい。いいから全身全霊を持って打開しろ!じゃねぇと…そろそろ保たない……)


ユウ「ねぇ、効かないんじゃなかったの?サッサと反撃しなよ。」


ショウタ(効かないわけないじゃないか。確かにちょっと弱いけど積み重なれば………っ‼弱い?)


ショウタ(そうか、そうだ。守っても避けてもダメなら…喰らっちまえば良いんだ!)


ファナ(えっ…?喰らうって、ショウタ?)


ファナは一瞬、自暴自棄になったのかと思ったが、このやる気に満ちている顔はきっとそうではないと思い直した。


ファナ(うん…ショウタに任せるよ)


ショウタ(あぁ!任せておいてくれ!)


ユウ「次で終わりかな…。いくよ!」


ブアッ!


またユウがダッシュで迫る!


それを無反応で待ち構えるショウタ。


ユウ(避けない?受けるそぶりもない…。っ!もしかしてワザと喰らう気か?ふっ、最初の一撃は弱いとでも思ったのか。…威力は変わらないに決まってるだろう!)


ユウは力をこめ、尚且つ避けられても対処出来るくらいには抑えて右手を握りしめる。


そして、ショウタにぶつける!


バキッ!


まともに食らった……が、


バシッ‼


ユウ「っ⁉」


ショウタはパンチを喰らった瞬間、右手でそのパンチを受け止めたのだ。


ユウは急いでもがくが、力が弱くて抜け出せない。


ショウタ「そうだよな。防いでも避けてもスピードが速くて勝てない。最初からスピード勝負に持ち込むのがダメだったんだ。どんだけ速くても当てたその瞬間はゼロスピードになる。そのとき掴んで単純な力比べになったら……負けねぇんだよな!」


正しくはゼロスピードではない。

ショウタも殴られて後ろに下がるしパンチもそのまま振り抜かれるため、体感的にゼロスピードに近くなっているだけだ。


それでも……ショウタはようやく攻撃するチャンスを得た!


ユウ「くっ…!」


ショウタ「喰らえ‼」


バキッ‼


今までのお返しとばかりに左手がユウの顔面を貫く!


ユウ「くはっ…」


その瞬間、急いで右手と左手を持ち直すショウタ。


そして、


ショウタ「これが俺の渾身のパンチだ。受け止めてみろ‼」


ブン‼


バキャ‼


ユウ「う、わぁぁぁぁ!!!」


バン、ズザザザザー


掴んだ左手を引きながら振り抜いた右ストレートは、胸あたりを直撃し、ユウは堪らず後ろに吹っ飛んでいった。


ショウタ「はぁ、はぁ、はぁ。終わった…のか?」


ファナ(ぴ、ピンポンパンポーン…お知らせがあります)


ショウタ(なぜにアナウンスかは置いといて…どした?)


ファナ(後方からアスカさんがものすっごいスピードで迫っております…)


ショウタ(なに⁉)


バッと振り向くと、そこには、ユウが倒れてるのを見てブチ切れてるアスカの姿が‼


ファナ(ど、どうする…?)


ショウタ(どうするって…大丈夫さ!ユウは倒したからファナの能力戻ってるだろ?だったらアスカなんて…)


ファナ(ユウ、まだ起きてるけど…)


ショウタ(な……)


ユウは気絶してはおらず、アスカを庇うような位置に走り込んで来ていた。


ユウ「はぁ、はぁ。アスカには、手を出させないぞ!」


ショウタ「くっ、しぶといやつめ……」


ショウタ本音(いやいやー、逆に俺がピンチなんですけどね⁉無能力者だってお忘れですか?)


ファナ(……いや、本音も気持ちは分かるけどさ……)


そうこうしてる間に、もうアスカはユウの元へ。


アスカ「ユウ!大丈夫⁉……後は私に任せて…」


ショウタ「目ぇ覚めたんだな…アスカ!」


アスカ「…ユウにこんなことして……覚悟できてる?」


ショウタ「そ、そっちだってファナにひどい事を…」


アスカ「だから、こんなことしたんだよね?だったら私も…襲ってイイよね?」


ショウタ「ま…まぁ、悪いとは言えねえな」(汗)


ファナ(怖い?)


ショウタ(んんんなわけねぇだろ⁉いや、まじヨユーだし⁉俺やってやんよ‼)


ファナ(嘘つくのへただね(笑))


ショウタ(嘘じゃねぇよ!)


ファナ(ま、嘘でもホントでも……倒してくれないと進めないからね…。頑張って)


ショウタ(そうだな……)


ショウタはそう言いながらアスカに視線を移した。


すると、アスカはショウタの投げた剣を持って来ていた。


ショウタ(…?なんで剣なんか……あ、そうか)


ファナ(え?どうしてなの?)


ショウタ(そういえばアイツ、移動させるのだけが取り柄だろ?でも、この闘技場にはロクなものがない。だから俺の剣利用してるんだ)


ファナ(あ、そうか…。いや、だったら、剣飛んでくるんでしょ?…危ないね…)


ショウタ(あぁ、だからなおさら周りの警戒頼むよ)


ファナ(うん!任せといて)


アスカ「覚悟はできてる…?いくわよ!」


ブワァ!


アスカはそう言うと杖をふり、砂ぼこりをあげた。


ショウタ「くっ…」


ショウタは思わず手で顔を覆いながら後ずさりする。


すると、その砂の中からユウがスゴイスピードで突進して来た!


ショウタ「なぁっ⁉」


右ストレートを左手でうけ、左ジャブを後退して避ける。


追い打ちで蹴りを放ったユウを、左に重心を傾けてかわす。


ショウタ(あれ?)


と、ここでショウタは一つ疑問に思った。


さっきは避けたり受けたりすると追い打ちが来ていたのだが、今は全然来ないのだ。


ショウタ(そっか…さっきので警戒して深追い出来なくなったんだな…。あと、攻撃も心なしか弱い。掴まれるのを恐れてる‼だったら!)


ユウはそれでも素早い身のこなしで攻撃してくる!


ショウタは受けたり避けたりして、逆に前にでる。


ユウ「っ⁉」


ショウタ「うぉぉぉ‼」


追い打ちが出来ないため、ヒット&アウェイのカタチで戦っているユウは。避けられたあと必ず後退していた。


そのため、その後退のタイミングでショウタは踏み込んだのだ。


そしてそのまま右ストレート……というのは罠だった。


アスカ「喰らえぇぇぇ!!」


ファナ(ショウタ上!)


ショウタ(なっ⁉)


今の戦っている最中に溜めていた圧縮岩を頭上から落として来たのだ。


ショウタは慌てて右に転がり、一発目を避けた。


が、1発目はダミーで、2発目が投射される。


2発目は対してスピードがなく緩やかだが、急角度でショウタをホーミングしてきている!


要するに避けられないのだ。


ショウタ(まずい…ホーミング機能があるなんて……多分これは触れたら一斉に放出するように設定してあるな…?クソ!ギリギリでかわせば避けれるのか…?いや、ほかに方法は…)


と、困惑している間に、アスカはまたもや砂ぼこりをあげた。


ショウタ「くっ!しかも見えねぇ‼どうする…?」


ファナ(ショウタ!前進して!)


ショウタ(はぁ⁉前進⁉いや死ぬだろ!ホーミングあるんだぞ?)


ファナ(いいから早く!絶対助かるから‼)


ショウタ(な、根拠もなしにそんな……)


と、言いあってる間にも刻一刻と迫る岩。


ショウタも完全な案などなかったため、ファナの言うことに従うことにした。


ショウタ(どうなっても知らないからな‼)


そう言うと、砂ぼこりの中にダッシュするショウタ。


しかし、平行移動はバカみたいに速い岩は全く意に介さず追ってくる。


ショウタ(ほらぁ!言わんこっちゃない‼クソ!根性でどうにか耐えて……)


と、そこまで考えたとき、いきなり目の前にユウの姿が!


ユウ「え?」


ショウタ「ちょまっ……」


ドッシーン‼


思いっきりぶつかりもつれ込む2人。


アスカ「ユウ⁉くっ!」


アスカは慌てて岩を破壊した。


ショウタ「あ、危なかった……」


ファナ(さっきアスカが、ユウを休ませるために移動させてたのをたまたま見ててね。それでこの作戦にしたの!)


ショウタ(あ!だから砂ぼこりを……)


ユウを隠すために砂ぼこりをあげたアスカだったが、逆に近づくショウタの目隠しになってしまったのだ。


ファナ(…で?ショウタはどこ触ってんのかな?)


ショウタ(は?どこって……)


ショウタは自分の右手を確認した。


右手はユウの胸に触れていた。


ショウタ(っ⁉…っていやいや男だから‼そんなコアな趣味お持ちじゃありませんから俺は!)


ファナ(いや、ショウタ。その娘は……)


ユウ「痛たたた……え?」


胸に手が当たってることに気付く。


ユウ「へ、へ、へ……」


ショウタ「あ…れ?ユウ?…男だろ?……胸もぺった」


ユウ「へんたいっ!!!!」


ドゴスッ‼


ショウタ「が…がはっ……」


ユウ「だ、大体!ボクはぺったんなんかじゃ…って、あ……」


ショウタ「お、おま…女だったのか⁉」


ユウ「…コホン!いや、今のはかるーいジョークだよ。ボクが女なわけないじゃないか」


ショウタ「かるーいジョークであんな殴る⁉いや、まぁ確かに一人称ボクだし……」


ユウ「そ、そうだよ!こんな、胸もなくて一人称もボクなんて女とは……女とは…思え…な……」


アスカ(自分で首をしめてる⁉…はぁ、男のフリしてるのも理由があるっていうのに……)


ショウタ「な、なんで泣いてんだよ⁉どうしたんだよ。男のユウ!」


ユウ[グサァ‼]バタッ


ファナ(とどめぇ‼それトドメだよ!)


ショウタ(は?トドメ?)


ユウ「…とにかくここは………殺す」


ショウタ「怖っ‼な、なんでそんな怒ってるんだよ…って危なっ‼」


ユウは問答無用で攻撃を繰り出す。


ユウ「なんでってそりゃあ……対戦相手だから?」


ショウタ「嘘だ!絶対嘘だ!今までと殺気の種類違う!」


ユウ「なんのことやら!」


ブン!


バシッ!


ショウタ「あ、ぶね…」


ファナ(ショウタ!アスカが後方から剣を構えて狙ってる!タイミングは言うから用意してね!)


ショウタ(わ、分かった。頼んだぞ!)


一時、ショウタとユウの攻防が続く。


そして


ファナ(真後ろ!剣が飛んで来てる!)


ショウタ「っ⁉……はっ!」


ショウタは慌てて振り返り、そして剣をしゃがんで避ける。


剣はユウの元へ!


ユウ「危なっ!」


しかし、ユウはそれをなんなくと避けた。


ショウタ(ちっ、当たればダメージになったはずなのに…)


ファナ(いやいや、ショウタ?ユウは打ち消せるから、『魔法によって動いてる』剣は打ち消して、停止させれるから、どっちにしてもダメージにならないよ)


ショウタ(そ、そうなのか……。くっ、だっならどうすれば……)


ショウタ(考えろ俺、なんかあるはず。早く助けないとサヤカが危ない。今の情報で打開策があるに決まってるんだ!)


飛んでくる剣、ユウは打ち消しの能力者、ショウタは無能力、触れると停止する剣……。


ショウタ(…そうか……。この手ならあるいは……)


ファナ(ショウタ?なにか思いついたの⁉)


ショウタ(あぁ、まぁな…。一回こっきりハッタリ攻撃だけど……成功すれば大丈夫なはず!)


ファナ(良かった…)


ショウタ(いや待て、その前に実験しねぇとな…ちょっと待って)


ファナ(実験?)


すると、ショウタは砂を掴み、ユウに接近する。

そして、砂を投げつける。


剣に気を取られてたユウは、モロに砂を喰らい、目を覆う。


そして、ショウタはユウを触った。


ショウタ(回復ちょっとだけ!)


ファナ(えっ⁉)


すると、ピカッと、少量の光とともに、ユウの傷は癒される。


ショウタ(なるほどな…。この世界では無能力と認定される能力なら、打ち消しの対象じゃないわけだな…)


ファナ(あの…ショウタ?今のは…)


ショウタ(あっと……気にしないでくれ!それより、次に剣を構えたらまた教えてくれ!そして、ギリギリでかわせるような指示を頼む!)


ファナ(けっこうムチャ言うなぁ……。これでも一応隊長だったからね、任せて!)


ショウタ(ありがとう…助かるよ。じゃ、行くよ!)


ショウタはユウに接近する!


ユウとショウタの攻防が続く……。


ユウ「(♯`∧´)」


ショウタ(心なしか、ユウの攻撃力が高いような…?)


ユウ「殺す殺す殺す」ブツブツブツブツ


ショウタ「怖ぁ‼」


と、ショウタが半ば半泣きになっているその時!


ファナ(……剣が来るよ!構えて!)


ショウタ(っ‼…あぁ!)


剣が迫る。


ショウタはユウと剣の間に入り、剣の接近を気どられないようにする。


そして…


ファナ(まだ、まだ、まだ……っし今だ右に飛んで!)


ショウタ「ダラッシャァァァ‼」


間一髪!

背中の服が掠める音を聞きながらショウタは倒れる。


そして、完全に不意をつかれたユウの腹へ!


ユウ「⁉⁉」


ファナ(そうか!服の上からなら消される心配はないから…あんな瀬戸際で……。すごいねショウタ!)


ファナの言うとおり、ユウの服に剣が当たっても止まらなかった。


ショウタ(いや違う…)


ファナ(へっ?)


キュピーン!


なんと、剣がユウの腹に当たった瞬間、剣が停止したのだ!


ファナ(な…なんで……っ‼服が破れた…?)


そう、剣が服を貫き、身体に触れてしまったため、打ち消されてしまったのだ。


少しずつ落ちて行く剣。


ユウ「あ、危なかった……。考えたもんだけど……ちょっと惜しかったね」


ショウタ「……どうかな?」


ユウ「?」


すると、いきなりショウタはユウに接触するほど近づく!


ショウタ「能力者の剣がダメなら…」


そう言いながら、ゆっくりと空中に浮いていた剣を、素早く握る。


ショウタ「無能力者の剣だ‼」


ユウ「しまっ…」


ザクッ


ショウタの突いた剣は、なんなくユウの皮膚を貫いた…。


ファナ(ショウタがホントに刺すなんて…⁉)


ユウ「が、ガハッ……」


がくりと膝をつくユウ。


ショウタ「悪いな…」


そしてユウは倒れた。


審判「ユウ選手戦闘不能!救護班は助けに!」


しかし。もう救護など無意味なほど、血が出ている。

要するに…助かりそうにないのだ。


アスカ「そん…なユウ……ユウ!」


アスカは駆けより回復魔法を唱えたが、全く効かない。


アスカ「なんで…‼」


ユウ「ボクの……能力…」


消え入りそうな声でユウが答える。


アスカ「あ……」


ユウの能力は【能力打ち消し】

回復魔法だろうがなんだろうが、それが能力なら、良し悪しに関係なく消してしまう。


アスカ「あ…あ……いやだよ……ユウ!」


その間にも、止まることのない血液。


すると突然ショウタが走ってユウの元へ!


ショウタ「邪魔だアスカ!」


アスカ「邪魔……?これ以上ユウに何かしようっての⁉」


アスカは、涙をいっぱい溜め、ショウタを睨む。


ショウタ「いいからどけよ!時間がない!」


アスカはユウを庇うように仁王立ちしている。


アスカ「時間……?時間ってなによ。愛しのサヤカちゃんを助けるつもりなの?…この偽善者!」


ショウタはハッとしてユウをみた。

苦しそうに呻いており、血だまりもすごいことになっている。


ショウタ「つっ‼……そうかもしれない…。けど、とにかく今はどけっ‼」


ドン!


ショウタは、ユウが退場になったことで、戻ったファナの能力により、力が25倍になっている。


そのため、ただ、地面を蹴っただけで振動させることができる。


アスカ「うっ…」


よろけた隙に、アスカの後ろのユウへと向かうショウタ。


アスカ「や…めて‼」


アスカの叫びなど無視して、ショウタは非情にもユウの傷口に直接手を入れる。そして……


ショウタ「回復してくれぇぇぇ‼」


ピカーーン‼


アスカ「…えっ…?」


光が消えると、そこには何事もなかったようなユウの姿が!


ユウ「ど…どうして…」


ショウタ「ま、間に合ったぁ……」


ショウタはホッとして後ろに倒れた。


ショウタ「いや、死んでしまったら助けられないからさ…。ホント、焦ったよ……」


アスカ「…もしかして最初から回復させようと……」


ショウタ「…一応な……。」


ファナ(ショウタ……胸張っていいんだよ?対戦相手を無傷で倒すって偉業成し遂げたんだから……って聞いてないな…)


ショウタはバッと立ち上がり、アスカとユウの元へと行った。


ショウタ「……さっきはホントにごめん‼」


ユウ&アスカ「⁉」


ショウタ「アスカの言うとおりだ……。死ななきゃいいってもんじゃねぇ…。実際に刺されて苦しい思いをさせたんだ…。そんなの…ホントにただの偽善だよ……」


アスカ「あ……」


アスカは先ほどの言葉を思い出した。


~回想~


アスカ「時間……?時間ってなによ。愛しのサヤカちゃんを助けるつもりなの?…この偽善者!」


~回想終了~


アスカ(助けるつもりだったのに…あんなこと言われて、普通憤るはずなのに……。対戦相手を最終的に無傷で返しといて、謝るって……)


ファナ(そういうとこ、律儀っていうのかなんというのか…。胸張っていいのに…)


ショウタ「ユウも……ホントにごめんな…」


ユウ「っ‼…〜〜‼」


ユウも面喰らい、たじろぐ。


アスカ「……ホント、変な人。」


ショウタ「変…えっ?」


アスカ「対戦相手を無傷で返しただけで、充分よ!謝る必要ないわ!」


ショウタ「でも痛い思いを…」


ユウ「そんなこと言ったらボクだって散々殴っただろ。…おあいこだよ…」


ショウタ「でも…」


アスカ「いいから!…ほら!他の人も迷惑してるよ!ついでに、サヤカちゃんも危ないんじゃないの⁉」


ショウタ「えっ⁉」


みるとサヤカは、ショウタ達を置いて激しい戦いを繰り広げていた。

いや、違う。


完全にサヤカはスタミナが切れており、目に見えて追い詰められていっている。


ショウタ「……助けないと。」


ゾワッ!


アスカに悪寒が迫る。


ショウタ「俺はすごくなんかない。今だって、仲間がやられてるのを見て、ギースにとてつもない怒りが湧いてる…。ホント、偽善者だよ。」


アスカ「…ここから先は行かせないわよ……」


アスカは杖を構える。


ショウタ「…あぁ。そうやって敵対してくれると助かるよ……戦えるから。」


アスカ「……はっ‼」


アスカは先ほどの石塊をショウタに猛スピードで投射する!


アスカ「食らえ!」


バキャ‼


砂煙があがる……。

が、その場には誰も居ない。


アスカ「そ、そんな⁉」


ショウタ「じゃ、先に行かせてもらうよ。」


アスカの背後から声が聞こえた瞬間…

アスカは気絶した。


続く!(えー)





いやー、ホント、高校生活忙しい!

柔道の先生怖い!

投げられる!


もう、柔道の時間になると皆、

「今日は何人の死者が…」

「遺書書かねえと……」

「俺、帰ったら○○と結婚するんだ…」(死亡フラグ)


などなど、追い詰められております。はい。

いや、ギャグじゃなくて。切実に。


あとですね!筋肉が!

筆者に筋肉がつき始めたのですよヤッフイ!


元々筋トレはしてたのですが、先日、運動会でですね。


放送部の数少ない男子として、20キロ以上はあろう、スピーカーを1週間運び続けたのですよ。


毎日筋肉痛に泣かされる日々を過ごしとったんですよ!


私は汗がかかないという極めて珍しい病気なので、毎日保健室に運ばれてましたし!


でも、終わってみるとあら不思議。

みるみる筋肉が!主に腕!


\(^o^)/

ってなってます(笑)


あとあと他にも不幸なことが……って、文字数が…。


ってことで、また近々続きを書きます。

あと、絶対!辞めないので!

半年後くらいに、「そういやあの人、続き書いてんのかな」くらいのペースで読んで頂けると幸いです!


もう読者さん消えてます!リア友除いて!

じゃんじゃんコメント欲しいです!

よろしくお願いします!


冷たいコメントはご遠慮してます。

基本、褒められて伸びる子なので!(威張るな)

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