第三章 1話 心休まる日常
あのサーカスの任務から二ヶ月が経った。この二ヶ月の間に色々な任務や仕事が有ったが難なくこなした。例えば、Cfの皆さんと災害があった所での救出作戦や、オペレーターの方々のアシストとして書類をまとめたり…それと、指名任務が有った。内容は、RINAの護衛というやつだった。話は聞いていたが、とてもジャジャ馬で天真爛漫で、大変だったけど、楽しい任務になった。
因みにシュウは今、ワグ、アリサ、幾と一緒に食堂で朝飯を食べている。
アリサ「~~♪」
シュウ「アリサさん今日もご機嫌ですね!」
ワグ「アリサは飯の時はいつもご機嫌だよな!」
アリサは超ご機嫌にニコニコしている。
アリサ「はい♪こうして皆様とご飯を食べている時が一番楽しいですの♪」
因みにアリサは、シュウがあのサーカスの任務から帰ってきた時に、涙目になりながら迎えてくれた。「怪我なくて本当に良かった!!」と。
幾「食い意地張ってんなーアリサー」
アリサは頬を膨らませて幾に言う。
アリサ「ちょっとー食いしん坊キャラにしないでくれますー?」
四人はハハハと笑う。シュウにとっても楽しく、心休まる時間だ。一番ほのぼのしてて、嫌な事を考えないで済むからだ。
そこで、急に美味しそうなプリンが乗る皿が飛んでくる。いや、飛んでくるではなく、運ばれて来たのだ。
アリサ「おー♪美味しそうですわ!」
シュウ「これは…ノブさんですね!」
そう、ノブが腕を伸ばしてプリンを運んできたのだ。ノブがフフッと笑いながら残りのプリンを持って歩いてくる。
ノブ「これは彰からのプレゼントだそうだ。ワグ、シュウ元気にしているか?」
あれからノブはCfに所属し、オペレーターにはアリサが付いてくれているそうだ。アリサが言うには、ノブは毎日楽しそうに仕事をしているらしい。
シュウ「ありがとうノブさん!まぁそこそこだよ!」
ワグ「ありがとうな!見ての通りだぜ!」
ノブ「そうか、それは良かった。」
ノブは幾にもプリンを渡す。
幾「おー私にもかー!うーん♪嬉しいなぁありがとうー!」リンリン
幾は腕をギュッと縮め、体を左右に振り喜びを表現する。更に幾の能力で綺麗な鈴の音が体から鳴る。
ワグ「相当嬉しそうだな…そんなプリンが好きなのか?」
早速ニコニコとスプーンを持ち食べようとする幾だったが、すぐに手を止めて赤面する。
幾「なんだよー、駄目かよープリン好きじゃー…」
アリサ「それでは人の事を言えませんわよ?」
幾「うー悪かったよー」
その場に居た四人は笑う。この空間はとても心地よく、ずっと続いてほしいっとシュウは心に思った。
すると、ワグが何かを思い出し、神妙な面持ちで話始める。
ワグ「そう言えば、知ってるか?カノン・アローナがB.B.Bから居なくなったらしいぜ?」
アリサ「らしいですわね、正式な退団はしてないって話ですわ。」
幾「うーん、あの戦闘狂にしてみては考えられないなー」
シュウとノブは首を傾げる。
シュウ「カノンさんって話ではちょくちょく聞くんですが…どんな人なんですか?聞く話では一人で四人のBARKERsメンバーと重要要人を殺害したって聞きましたが…」
ノブ「それは凄いな。どんなやつか少し気になる。」
ワグは腕を組んでうーんと眉間にシワを寄せる。
ワグ「俺は会ったことないからなー、確か、去年の夏期休暇で海で会ったって言ってたよな?どんなやつだったんだ?」
アリサ「うーん……どんな人ですか…ニコニコしてましたが…正直気味の悪い人でしたわ。」
幾「凄い体だったなー」
ワグ「凄い…体…」
幾「あ、お前の想像とは斜め上を行くからなーこの変態。」
ワグ「またそうやって俺をバカにするんだからもう。」
シュウ「アハハハ…会っても何も起こらなかったんですか?」
アリサ「BARKERs対B.B.B社の壮絶な戦いがありましたわ…!」
シュウ「壮絶な…戦い…」
幾「ビーチバレーとかやったなー」
シュウ「遊んでるし!!」
アリサ「夏期休暇ですもの。ねー!」
幾「なー!」
アリサと幾は顔と声を会わせる。しかし、ワグは疑問があった。
ワグ「なあなあ、それはそれで羨ましいんだけどよ、よく戦闘にならなかったな。何せあのカノン・アローナだぜ?あの殺しの追複曲だぞ?あのガトリングカノンだぞ?走川さんから話聞いただけでも恐怖だぜ。」
アリサ「怖いですわー」
幾「怖いなー」
シュウ「え、走川さんも会ったことあるんですか?」
ワグ「ああ、走川さんはあの時の生き残りだからな。」
「そう。あの事件は悲惨で最悪な事件だったな。」
っと走川がやってくる。
ノブ「ん、残念だが、走川の分のプリンは無いぞ。」
走川「大丈夫。後で金を払って貰うさ。」
シュウ(あ、欲しかったんだ)
「……走川さん、カノンさんとの話をききたいです。」
シュウはB.B.Bのメンバーに興味があった。あの時、ランファとレベッカに会ったとき尋常じゃない何かを特にランファから感じたからだ。そのランファが居るB.B.Bの中で最も危険視されるカノン・アローナを知りたかったのだ。
走川「そうか…あの殺人鬼について知りたいんだな。分かった。話してあげよう。」
走川は近くから椅子を持ってきて座り、手足を組み、話を続ける。
走川「あれは…あれは、俺がまだ入団して間もない頃…初めての指名任務だった…」