第二章 27話 動物使いと腐った男
バンシャ「ladies・and・gen・tle・man!!とうとう来た!!来てしまったぞ!!お次はそう!!動物使いのバンシャ!!そうだ!!私がショーをさせて頂きます!!見るものを驚かし、心を踊らすショーを皆さんにプレゼントです!!」
円の真ん中にバンシャが立つとスポットライトが入り乱れる。
ワグ「お次は団長さまだぜ!きっとすげぇの見れるぞ!!」ワクワク
シュウ「そうですね!楽しみだなぁ!」
小張「どんなショーなんだろうね!」
もう三人は心からショーを楽しんでいた。
バンシャ「はい!ズンチャ♪ズンチャ♪ズンチャ♪はい!はい!」パンパンパンパン
バンシャは流れてきたメロディーのリズムを刻み手拍子をする。
一体何が起こるのかと思いきや、入口から玉に乗った熊が現れた。
バンシャ「ご紹介しましょう!ヒグマのケイティだ!ご挨拶だよケイティ!」
ケイティと呼ばれたヒグマは玉の上に後ろ足で器用に乗りつつ前足を大きく観客に向けて手を振った。
とても器用な動きだ。普通の人間でも上手くは出来ない。
バンシャ「お次は白熊のベティ!!」
次はベティと呼ばれた白熊が玉に乗りやってくる。
バンシャ「ラストはアフリカ像のジュディだ!!」
ワグ「アフリカ像!?」
シュウ「アフリカ像!?」
小張「アフリカ像!?」
なんと!アフリカ像も後ろ足で器用に玉の上に立ちながら転がしやってきたのだ!
ワグ「す、すげぇ光景だな…」
三匹の巨大な動物が玉乗りを器用にしている。非常によく調教された動物たちなのだろう。
バンシャ「ジュディ!しっかり取るんだぞ!」
バンシャはジュディにリンゴを投げる。
器用にしっかり鼻で受け取り、何をするのかと思ったら─
そのリンゴを白熊のベティに投げたのだ!
まさかのベティも前足で綺麗にキャッチ。またまやリンゴをヒグマのケイティに投げる。
少しもバランスを崩さず、綺麗な放物線を描きながらリンゴを投げ合う三匹の巨大な動物の姿に周りの観客は大いに喜んだ。
バンシャ「とてもキュートでアメイジングなショーを持つ彼女達に大きな拍手を!」
パチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!
三匹は玉の上に乗りながら帰っていく。
最後のジュディが帰った瞬間、物凄いスピードで入口から何かが飛び出してきた。
その何かはバンシャの方へ一直線飛び込んでいき、バンシャを背負った。
その何かとはなんと…豹?だった。
シュウ「あれはチーター?豹?ですか?」
小張「あれはジャガーね。警戒心の強いジャガーが人を乗せるなんて…相当な調教師なのね。」
ワグ「か、かっけぇー!!!」
ワグは目をキラつかせていた、
バンシャは持っていた鞭をジャガーの首に巻き、手綱のようにする。バンシャを乗せてグルグル円を走り回っていたジャガーはバンシャの命令でピタリと止まる。
バンシャ「はいはいドウドウ!よしよし、良い子だ!」
そして観客達に伝える。
バンシャ「このジャガーの名はビート!よろしくしなさいなビート!」
ジャガーのビートは顔を上げ観客達に気高く吠える。
オオオオオー!!!!
観客達も目を輝かせて歓声を上げる。
団員達は大きなリングが付いた台をガラガラと引いてきた。そして、そのリングに火を付けると、リング全体は火に包まれる。
バンシャ「それでは!ビートと共に火の中へ行こうではないか!」
手綱を引いたあと足でビートの横腹を蹴る。
バンシャ「GO!ビート!」
ビートはその言葉と同時に高速で炎のリングへ飛び込む。
ワグ「これがサーカスの王道の猛獣の火の輪くぐりってやつか…」
小張「普通と圧倒的に違うのはジャガーってことと、調教師が上に乗ってるって事ね。相当な動物との絆が無いとこんな真似は出来ないわ。」
火の輪をくぐり、着地しまた火の輪へ入るバンシャとビート、その姿は火を若干纏っているように見え、何か中二心を揺らす物を感じた。
シュウ「か…かっこいい…」
四回ほど火の輪くぐりを繰り返し、手綱を解き、ビートの上に立ち、観客に手を振り、アピールする。そのアピールに勿論ボルテージの上がった客は思いっきり歓声で答える。
そして、その上を前転宙返りをして降り、ビートはそのまま出口へ走っていく。
バンシャはその場でシルクハットを取り一礼をして言う。
バンシャ「お次は腐れる男!」
バンシャ「……皆さんNzambiの呪いにお気をつけて下さいね?」ボソッ
ワグ「ん?何て言った今?」
シュウ「ザビ?って聞こえたような…」
小張「嘘…私呪いって聞こえたんだけど…」
すると突然バンッと全ての明かりが消える。
バンシャ「さぁお次はこちらでございます。ブードゥー教は皆さんご存知でしょうか?その言葉をご存知では無い方、きっとこの者を見ればすぐに分かるでしょう。皆さん、驚く準備は整っていますかな?それでは、悲鳴をお待ちしております…」
ウゥゥ… オゥゥ… グガァ…
暗闇の中に謎の唸り声。辺りは不穏な空気に包まれる。
そして、、明かりがついた。
既にその唸り声の主は真ん中で数人、檻の中に密集していた。
キャーー!!! オエェーー!!!
ナンダアレハ!!?
そこにいたのは腐敗臭のした生きた人間…いや、人間と言ってよいのか分からない物が居た。
小張「な、、何あれ…」
シュウ「ゾンビ…ですか…?」
ワグ「な、何か嫌な予感がするぜ…」
バンシャ「この腐れる男達は、そう!映画やゲームで引っ張りだこのゾンビ達!ブードゥー教信者の話では本当に、あるマーケットでゾンビを見たとまで実は言われております。そのゾンビの捕獲に成功したのです!」
バンシャ「そうそう、、ゾンビの感染というのはよくある話…噛まれたり、体液が付いたりして感染してしまったというのは本当なのか?…本当でした…我が団員も一人、このゾンビに噛まれ感染して同じ姿になってしまったという例があります。まぁ…そう言う脱走するとかの危険性はもう……ん?どうしました?」
バンシャは団員一人と話始める。
バンシャ「えっ!!!何故それを早く言わなかった!!!!」
キャーーー!!!!!!
バンシャの怒号のすぐ後、女性の悲鳴が響く、、
ワグ「まさか…」
小張「嘘でしょ…」
シュウ「あ、あれは…」
檻がゆっくり開いていく─
向かいの観客席で腐れる男が女を襲っていた─




