第二章 18話 Federsの子ども達
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チュンチュンチュン
シュウ「うーーん!!…ふぅ……。」
今日は指名任務1日前…明日朝、食堂で話し合おうって小張さんからの連絡有ったしな…ワグさんはもう居ないか…仕事のときはしっかりしてるんだもんな。
シュウ「よし、、行こう。」
シュウは気を引き締め、食堂に向かった。
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食堂─
ワグ「来たなー!シュウ!この寝坊助が!」
小張「おはよー!ぐっすりだったねー!ワグが寝かしてくれないからだろうなー」
シュウ「おはようございます!ワグさん!小張さん!」
ワグ「え、俺のせいなのか?」
シュウ「あ、いや」
小張「そうしかないでしょ。私がこいつとっちめようか?」
シュウ「本当大丈夫ですから!本当に!さあ、明日の事話しましょう!」
三人は明日の事について話し合う。テーブルに沢山の資料を散りばめ小張は一枚の資料を見て言う。
小張「取り合えず明日は現地の確認ね。多分、送られたデータを見ると日本が所有してるらしき地方の島で行うみたいね。基本そこは無人島らしいんだけど、映画の撮影とかで使われたりするみたい!」
ワグ「無人島か!どの県に所属してるんだ?」
小張「んー…随分北だけど、北海道の物かって言われたら違うかも。んー…分からないわ。兎に角国が所有してるって事だけね。」
シュウ「そんな島あったんだなぁ…この人達は国からの許可は取ったのかな?」
小張「それが取ってないのよ。このサーカス団はさっと現れてさっと居なくなるの。団体で動いてくるわけじゃなくて個別で集まって始まる、みたいな感じなのかな。」
シュウ「え、不法進入じゃないですか!」
小張「そうね…でもこのサーカスを見に来る人達が普通の人達じゃないから、他の国の富豪や貴族。有名会社の社長や暴力団とかが関わってて上手く取り締まれないみたい…場所代としてしっかりと他の団体が多額のお金を払ったりしてるらしいし…」
シュウ「何でそんなにまでして見たがるんだろう…」
ワグ「そりゃすげぇからじゃねぇかな?すげぇもん見てぇならそれくらいするんじゃねぇ?」
小張「んー…私の考えは違うな…私は今後の展開に向けて先にこのサーカス団に目をつけておいてるんかなと。恐らく…このサーカスを見に来る連中は能力者の事を勘づいていたり、知っているんだと思う。」
ワグ「あーなるほどな…そんでスポンサーにでもなるつもりか?」
小張「もしかしたら…ね。更に目をつけた所はサーカス団を買い占めたりしようとするんじゃないかしら。」
シュウ「あれ…でもこのサーカス団はいつからこう出始めたんですか?」
小張「えーっと…」 ペラペラ
小張「あった!このサーカス団が巡業を始めたのは随分と昔からだったけど、ここまで国を横断してまでのことは無かったみたい。国をドンドン回り始めたのは…一年前からだね。半年に巡業が一ヶ所二日のペースだったのが三ヶ月で一ヶ所、多くて二ヶ所の三日ペースになってる。」
ワグ「分かりやすいな。そのノブって言った能力者が出てきたんだろう。」
小張「恐らくそうね。」
シュウ「なるほどな…」
すると食堂がガヤガヤと騒がしくなる。
シュウ「ん?」
ワグ「あーガキ共だな?」
シュウは騒がしくなってる所を見るとそこには年端もいかない子どもが騒いでいた。
シュウ「あ、あれってもしかして、六階の子供達?」
小張「そ!Federsの子達だね!可愛いなぁ子供達、癒されるなぁ…フフ♪」
ワグ「はぁ?あの生意気のガキ共のどこが…」
シュウ「ワグさんは子供が苦手なんですか?」
ワグ「Federsのガキ共が嫌なだけだな。」
シュウ「えーそんな!酷いっすね。」
小張「本当、ワグは人間として何か欠けてる。」
ワグ「おうおう!何とでも言え!」
シュウ「そう言えばFedersって何か由来があるんですか?BARKERsも。」
ガヤガヤ、オイ!ナンダヨー!ヤメロヨー!
近くで子供達が更に騒がしくなってくる、
小張「あるよ、勿論!FedersもBARKERsも前団長が決めたんだけど、Federsは確か、Federは羽って意味があるんだけど、これからも産まれてきた事を不幸ではなくこれから幸福であってほしいと願いを込めて、もっと羽を伸ばし、人生を羽ばたいていってほしいという意味で付けた、だったと思う。」
シュウ「へぇー!とても良い意味があるんですね!じゃあ、BARKERsは?」
オイ!オレノダゾ!カエセヨー!
ジャアオレカラトリカエシテミナー!
ワグ「あ、」
小張「確か、BARKERsは…」
っと小張が続けようとした時、シュウに強い衝撃と冷たい何かが頭にぶちまけられた。
ドン!バジャア!
シュウ「うっ痛っ!冷たっ!!」
シュウの頭から緑色のシュワシュワしたものが滴る。
?「痛てて…くっそ…また失敗した…」
ワグ「ハッハッハ!」
小張「ちょっと!謝りなさい!」
シュウは状況が理解できなかったがすぐ理解できた、子供が背中にドンとぶつかり、持っていたメロンソーダが頭にぶっかけられたのだ。
シュウ「くうっ…あ、大丈夫かい?怪我はない?」
ぶつかった少年を見てそう言うと少年はじっとシュウの目を見た。
少年「………」
シュウ「?、ん?」
小張「ほら、ぶつかったんだからごめんなさいしないと!」
少年はまた少しじっと見てからにやりと笑い
少年「やだよー!誰が謝るか!」
シュウは少し驚き、小張は少しその態度に怒る。
小張「こら!連!ダメでしょ!自分からぶつかったんだから!」
連「へへへー!だってこの人俺より弱そうだし!」
シュウ「なっ!?」
小張「はぁ!?」
ワグ「ハッハッハ!弱そうだって、ハッハッハ!」
シュウは自分よりも断然に小さく、学年で言うと小学6年くらいの男の子にそう言われ少しカチンときた。
すると、もう一人の少年がこっちに走って寄ってきた。
少年「おい!連!謝れよ!僕のメロンソーダも取っていきやがって!」
連「へっへー!謝って欲しかったら俺を捕まえてみなよ秋斗!お前みたいな弱そうなやつが捕まえられるはずがないけどな!そこの兄ちゃんも小張も!」
シュウ「じゃあ…捕まえられたらしっかり謝るんだね?」
連「できるもんならな!」
そう言われたシュウはがっと捕まえにいくが、サッと避けられる。
連「へっへー!遅い遅い!」
そしてバッと後ろから立ち上がって一気に捕まえに来た小張が連を抱える。
小張「ほら!捕まえた!謝りな!」
連という少年は少し暴れたあと、
連「小張姉ちゃん!尖りすぎだよ!痛い痛い!」
小張はパッと無意識に離してしまう。
小張「あーごめんごめん!勝手に能力が、」
連「なんてねー!」
ドンっと小張は押されバランスを崩し尻もちをつく、
小張「痛っ!」
連「へっへっへー!」
シュウ「この!」
シュウはまた捕まえようとするが、今度はフッと目の前から連が消える。
そして後ろの方から馬鹿にした声が。
連「こっちだよー!弱そうなやつー!」
シュウ「くっこの子能力者か!」
もう一人の少年とワグが両脇から捕まえようとする。
ワグ「おらっ!」
少年「やあ!」
だが、また目の前から消える。二人はごつんとぶつかり少年も尻もちをつく。
少年「痛ててて…すいません、ワグさん。」
ワグ「くぅ…大丈夫だ。悪いのはあいつだからな。」
違う人達の机の上に立つ連。
連「皆俺を捕まえてみなー!」
それから数十分ほど食堂にいた他の人も含めて捕まえようとしても連は捕まえられなく、その後救世主が現れて連は御用となった。
ロッド「……騒がしい。静かにしろ連。」
連「うぐぐぐ…ロッドが出るのは卑怯だー!」
連はロッドの横で転がる。
シュウ「助かりました…」
小張「流石ロッドさんね。」
ワグ「流石はロッド!」
ロッド「……構わん。連。何か言うことがあるだろう?」
連「うぅ…ごめんなさい…」
少年「全く…連はすぐ調子に乗るからな…僕達の昼休みがほとんど無くなっちゃったよ!」
ワグはその少年に話し掛ける。
ワグ「なあ、秋斗。今日の教育係は誰なんだ?」
秋斗と呼ばれた少年は少し考え答える。
秋斗「うーん……恩田さんと椎名さん!」
ワグ「何でその二人なんだよ!!」
小張「何でその二人!?」
秋斗「わ、わかりませんよ…」
ワグ「保科先生も居ないし…どこ行ったんだ?」
秋斗「保科先生と恩田さんは行く行くって言ってた椎名さんを呼びに言ってます。」
ワグ「はあ……」
小張「保科さん……ダメだなぁ……」
どうやらFedersには先生が居るようだ。
シュウ「はぁ……何かめちゃくちゃ疲れた気がする…」
ワグ「頭ベットベトだしな。シャワー浴びて来いよw」
シュウ「そうするよ…」
今日は非常に騒がしくドタバタした午前になった─
シュウ「あ、明日の行く時間とか決めてないし…」