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無能と呼ばれ剣聖になった男  作者: 悠渡
序章 剣聖の物語の幕明け
6/22

クラスメイトのその後 旅立ちの準備 ※

少し短いです。


改稿済み

「神崎君が崖に落ちてからもう三日も経っているのに、自室から出てくる気配が無いね」

「相当ショックだったんでしょ。とても仲が良かったんだから。私だって、相当落ち込むわよ、家族が崖に落ちたら」

「なるべく早く立ち直ってほしいよ」

「そうね」



 そう話しているのは、柊とクラスメイトの御門夏帆だ。夏帆は守と同じく、柊といつも一緒にいるメンバーの一人だ。



 今、二人の話題は愛莉についてだ。隼人が崖に落ちてからずっと自室に籠り、もう三日も外に出ていない、食事もろくに食べていないので、クラスメイトからは心配されている。



 隼人が崖から落ちて三日、クラスメイトの中には意気消沈したり、もう仲間を失わないために猛特訓をしたり、ハヤトの死を影で笑ったりするものも居た。そんなクラスメイト達に、レンジが渇をいれた。



「皆、いい加減立ち直るんだ! そんな気持ちでは、戦場に出ても死ぬだけだぞ!」

「レンジさん、そんな言い方はないんじゃないですか! 皆、友人が死んで悲しんでいるんです! もっと配慮をしてください!」



 レンジの渇に対して反論をしたのは、愛川翔子先生だ。だが、その先生の反論に対して、レンジも反論する。



「先生殿、そういう訳にもいかない。最低でも、自分の身ぐらいは護れるようになってもらわねば困る。我々は、いつまでも彼らを護ることはできないからな。それに、戦場に出れば確実に人が死ぬ。もしかしたら、この中の者が死ぬかもしれない。いつ隣に居る者が死ぬかも判らない場所に出るのだ。ならば、もう友を失わないためにも強くなり、友を護れるようにならなければいけない。そうでなければまた友を失う。そうしたとき、また、こう落ち込むのか? そうしている内に、再度友を失う。武力を付けても、精神面が弱ければ意味がない」

「・・・・・・確かにそうですが、彼らが戦いたくないと答えたら、戦わせないと誓ってください」

「それは重々承知している。無理に戦わせても、何も戦果は得られない」



 先生の提案に、レンジは「承知している」と答えた。それを見ていた相馬は、皆に声を掛ける。



「皆! もっと訓練をして、皆で一緒に日本に帰ろう! そうすれば、神崎だって報われる筈だ! もっと頑張ろう!」



「そうだよな」や「そうよね」などの声が訓練場に響く。そしてその声は、愛莉のいた部屋にも届いた。



「今さら何を頑張ったところで、兄さんに褒めてもらえる訳でもないし。兄さんが居ないなら、日本に帰る意味もない。もう何をやっても意味がない。私は、私はどうすればいいんですか? 兄さん・・・・・・」



 愛莉は昔、その美貌と誰に対してでも分け隔てなく接するその性格から、一時期それを妬む者からイジメにあっていた。その時、愛莉は自分に自信を持てなくなったが、隼人が言ったその言葉に救われた。



『愛莉は愛莉のやりたいようにやればいい。それが正しいと思うなら、その意思を貫くんだ。そうすれば、失敗はしても後悔はしない筈だ・・・・・・』



 愛莉はふと、そんなことを思い出していた。いつも思う。何故、自分こんなに憐れなんだろう。自分は弱い。そこで愛莉は、自分のステータスが今どうなっているのか? と考え、ステータスを開いてみた。



アイリ・カンザキ 性別 女(16) レベル9


HP1000

MP1500


ATK800

DEF900

SPD800

MIA1400

MID1300

DEX1200


能力 

通常魔法 極大魔法 結界魔法 複合魔法《二属性複合》 重力魔法《重力軽減》 治癒魔法 無詠唱化 魔力制御 異世界人補正


魔法属性 火 水 風 土 電 光 影 結界 特殊



(短期間で、随分とレベルが上がりましたね。......〝重力〟って何なんでしょう?)



 そう思い〝重力〟の部分を押してみる。



魔法《重力》

〝重力を操れるようになる。重力を増加させたり、軽減できる。

また斥力や引力として代用できる〟



 〝重力〟の能力が判り、愛莉はハッとする。



「これを使って重力を軽減し、崖の底に降りれば兄さんを探せる! 訓練をして、この魔法を使いこなせるようになれば、兄さんを助けに行けるようになる。早速訓練しなければ・・・・・・!」



 愛莉はそう思い、すぐさま着替えて訓練場に向かった。



~~~~~~~~~~



 その頃隼人は、アメと共にダンジョンを脱出し、一人旅に出ようとしていた。



「あぁ~、やっぱ頭痛いんだけど」

『それよりマスターこのあといく宛なんてあるのか』

「あの竜から剥ぎ取った魔石を換金する。・・・・・・って言うか、何処に行けばいいの?」

『はぁ~、そんなことだろうと思ったよ。取り敢えずギルドを探せ。そこにもって行けば、換金してくれるはずだ。因みにクエストも受けられるし、それなりの報酬も出るぞ。訪れた街のギルドの場所を知っておくのも、冒険者の心得の一つだぞ』

「そうなのか。まあいいさ。取り敢えず換金だ。そのあとの事は、その時考えればいい。取り敢えず、換金して東にいくぞ」

『東か・・・・・・了解した。確か、巨大な街があるよな。そんな所に、何の用なんだ?』

「【ラジア帝国】、その国、と言うか街の一角に、闘技場が在るらしいんだ。そこの闘技場で、腕試しがしたい。付き合ってくれよ」

『いいぞマスター。とことん付き合ってやるよ』

「よっしゃ、目指すは東だ!」

『おー!』



次話より新章スタートです。


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