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(自称)魔王のオッサンと勇者の末裔?

2013年05月12日の作品です。

 ある日の午後、私の目の前に突如として現れたパンツ姿のオッサンだった。

 オッサンは自分を魔王であると名乗り、私を勇者の末裔だと言い放つと、テーブルの上のラザニアの上に飛び乗った。

『私の夕食……』

 呆気に取られながらも、今から食べようとしていたラザニアがオッサンの汚い足で踏み付けられていくのを見て、無性に腹がたった。

「何するのよ! 私の夕食返せ!」

 テーブルの上にあったフォークで、オッサンの裸足の足を刺す。

「うぎゃぁ! さ、流石、勇者の血筋……」

 そういってテーブルから飛び降り、チーズでぐちゃぐちゃになった足の裏でフローリングの床をべちゃべちゃと歩き、私の方へと近付いてきた。

「コラァ、オッサン!!」

 私は近くにあった雑巾モップを手に持つと、オッサンをビシバシと叩いてから、「綺麗に掃除しなさい」と言い放つと雑巾モップをオッサンに突き付けた。

 いや、そもそも、見知らぬオッサンが突然現れたのだからビックリもしたのだが、それ以上に綺麗好きの私の床を汚され、しかも夕食の邪魔をされた事に腹がたったのだ。

「何をこの勇者の末……」

「うるさい!!」

 雑巾モップを奪いさり、振りかざしたオッサンだったが、鬼の形相の私を見て畏縮したのか、すごすごと掃除をし始めた。

 暫くしてから「こんなもので」と、情けない声で振り返ったオッサンに、「皿の破片は! テーブルもぐちゃぐちゃだし、テーブルクロスもべちゃべちゃでしょ!!」と言い放つ。

「でも……」

「でももヘチマもない!!」

 手渡されたモップの柄でビシバシと(自称)魔王のオッサンをしばきながら、後片付けを一通り終わらせさせた。

「くそぉ! 流石は勇者の末裔……」

 そう言いかけたオッサンの顔面にモップの柄の先が食い込んでいた。

「私の夕食どうしてくれるのよ!」

 畳み掛けるようにして、オッサンの顔面をモップの柄でしばきまわす。

 ふとオッサンの顔を見ると、見るも無惨に腫れ上がり、鼻血を垂らしながら、口から血をポタポタと滴らせている。

「折っっっ角、綺麗になったのに、また、汚したわね!! 掃除のやり直し!」

 先程までオッサンの顔をしばいていた雑巾モップを突き付けそう言い付けると、「さ、流石は、ゆ、勇者……の」と息を切らしながらそう言いながら、汚い血を残してオッサンは消えていった。

「掃除くらいきちんとしていきなさいよね!」

 そうオッサンの消えた場所にむかって、ただ虚しく吠えただけだった。

 モップよりも、フォークよりも、言葉が一番の暴力かもしれない。










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