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白色毛玉とおいしいもの食べ隊!  作者: はにか えむ


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37/37

37.宝石みたいにキラキラです!

 新たな味の今川焼を作るため、私たちは街に繰り出した。

 

「そういえばクリスタ。フワリン。ありがとうな」

 

 何がありがとうなのかわからなくて、フワリンと一緒に首をかしげる。

 

「当然のように弟たちにも食べさせてくれたから……みんな、私がお昼を作ってもらっていると知って羨ましがってたんだ。前のせんべいで、クリスタの作る料理はおいしいと覚えてしまったから、また遊びに来てくれないかなと言っていた。甘いものは高価だから、普段は食べられないし、みんな喜んでいたよ」

 

 子供たちが喜んでくれるのは嬉しい。姉もこんな気持ちで、ガーデンの子供たちに炊きだしをしていたんだろうか。私も一度やってみようかな?

 

「そういえば言いそびれてたんだけど、親族会議で事業として水アメを製造販売するのはどうかって話が出てるんだよね……実現したら安価で甘いものが食べられるようになるよ」

 

 それはとても嬉しいことだ。キャンディの家ならきっと上手く商売にできるだろう。

 

「そうなったらフワリンとクリスタに、協力要請することになると思う。水アメを使った料理のレシピと一緒に売り出すのが一番だからね。協力してくれたら結構な大金が入ると思うから考えておいて」

 

 フワリンは「へっぷ」と私の頭の上で飛び跳ねながら喜んだ。「とうとう俺の時代が来たな」と言っている。嬉しそうで何よりだけど、髪の毛がボサボサになるから私の頭でジャンプするのは止めてほしい。

 フワリンは「早速レシピを紹介するぜ」と言っている。気が早いな。

 

 はしゃぎながら果物を売っている店に着くと、フワリンはリンゴとブドウを選んだ。オレンジがないことを残念がっていたけど、時期じゃないからしかたがない。

 そしてもう一つ、フワリンが反応したのは栗だ。これは貧しい人の食べ物というイメージがある。だって焼いても身は小さいし、ちょっと甘さはあるけど硬い皮を剥く労力にみあわない味だ。安かったので大量に買ったらお店の人にとても喜ばれた。

 

「栗の皮むきなら得意だからまかせてくれ!」

 

 普通刃物かハンマーなんかを使って割るんだけど、モニークの身体強化なら素手で簡単に剥けちゃうみたい。身体強化は料理を作るときとても役に立つなと思う。フワリンの料理は力が必要な工程も多いから。

 でもフワリンは「茹でるから大丈夫だ」という。茹でたら硬い皮も柔らかくなるのかな? モニークがちょっとがっかりしている。モニークは力仕事は自分がやるべきだと強く思っている節があるからな。

 

 食材を買ってモニークの家に戻ると、弟妹たちが出迎えてくれた。おいしいものを作るとわかっているから、目がキラキラしている。

 フワリンがとりあえず栗を茹でるというので大量の栗を鍋に入れて沸騰させる。一時間くらい煮込むんだって。そうしたら今度はリンゴを切る。これは大量に買ったから重労働だ。

 モニークの弟妹たちが興味津々で覗いてくるので、ブドウを洗って種を取ってほしいとお願いすると、楽しそうに手伝ってくれた。包丁を使わないから、小さい子でも大丈夫だろう。

 次々リンゴを小さく切って、塩水に五分だけ漬ける。これは変色防止なんだってフワリンが教えてくれた。たしかにリンゴって、すぐに色が悪くなるよね。塩水に漬けたリンゴは綺麗な黄色を保っている。見た目をよくするのは料理の基本だと、フワリンは言った。

 次に、リンゴとブドウをそれぞれ別の鍋に入れて、たくさんの水アメと一緒に煮込む。アクが出るからきれいに取りながら煮込んでいくととろとろになってゆく。

 

「わぁ! キラキラだね。すごく甘くておいしそう!」

 

 レヴィーがモニークの妹を抱き上げて鍋の中を見せる。妹ちゃんはキャアキャアはしゃいで手を叩いた。

 フワリンがへっぷと鳴くと、モニークにリンゴをしぼらせる。ブドウの方に少しだけリンゴの汁を足したフワリンは満足げだ。

 

「フワリン、なんでリンゴを入れたの?」

 

 不思議に思って問いかけると「ペクチンで固めるためだ」という。ペクチンが何かわからないけど、リンゴの方がドロッとしているから固めるために必要な物なんだと思う。

 一旦キャンディとレヴィーに鍋を任せて、私とモニークは栗と格闘することになった。茹でた栗を包丁で半分に切ると、スプーンで実をくりぬく。結構な量だったから、また弟妹たちにも手伝ってもらった。

 終わるころには私の手は疲労で震えていた。弟妹達も疲れ切っていて、眠ってしまった子をショコラが運んでいる。

 リンゴとブドウの方はとっくに完成して、フワリンが浄化魔法をかけた瓶に詰められていた。

 

「栗も同じように煮込むのか?」

 

 モニークが問うと、フワリンは牛乳を口から吐き出した。栗を潰しながら水アメで煮込み最後に牛乳を足すのだそうだ。

 

「アクと残った薄皮、取るのが大変だね」

 

 リンゴとブドウはドロッとしているけど、栗はペースト状に近い。フワリンが「ジャム」と呼んだそれらは、他の果物でも作れるみたい。これも瓶に詰めて、みんな持って帰れるようにする。

 水アメが主体のこの調理法は、きっとキャンディの家の事業の役に立つ。フワリンの言う通りに注意事項を記載したレシピを書くと、キャンディに渡した。瓶の浄化は熱湯でゆでることで行えるみたい。長持ちさせるためには必要な工程なんだって。ジャムは保存食でもあるんだね。

 フワリンが「パンにもビスケットにも合うし、紅茶に入れてもいい」というから、私たちは色々試してみることにした。

 もちろん今川焼の中にも入れてみたけど、あまりのおいしさにみんな途中で無言になった。甘いものって人を幸せにする力があるよね。

 果物の香りが鼻を通り抜けていく感覚、舌に残る濃密な甘さ。何より驚いたのが栗だ。こんなにおいしくなるなんて、今まで食べてこなかったのが悔やまれる。

 

 みんなでお腹いっぱいになるまで堪能すると、もう日が暮れかけていた。私たちは急いでハンター協会の解体所に戻ると、お肉を受け取って帰路につく。

 ジュリー先生にたくさんお土産ができたなと喜んで家に帰ると、そこにはあまり嬉しくない来客がいた。

どうでもいいけど、ローソンの冷凍今川焼がおいしいです。

あと東京都中野のれふ亭の今川焼が種類多くて最高に好きです。

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