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CosMOS  作者: 螢音 芳
Chapter.3
39/144

6. 知識の価値とジレンマ

いつもよりも、投稿時間が早いですが、エイプリルフールだから、嘘内容というわけではないのでご安心を。

 サリの一件について、今後の方針についてサザン勢が話を固めたところで、アナンがイツキに向き直った。

「さて、取り乱してすまなかった。礼と言っては何だが、話せる範囲で情報を提供しよう」

「それは助かります。では」

 イツキは持ってきた荷物から、小型のスピーカーらしきものを取り出した。それを見てハルカがげんなりする。

「父さん、こんなとこにも持ってきたの?」

「当たり前でしょう。メモも取りますが、音声で保存した方が確実ですから」

「なんだね、それは?」

 アナンが問いかけると、にこにこしながらイツキが答える。

「マイク付きのスピーカー兼プロジェクターです。メモリ機能もあってデータを保存できるので、音声の記録を残すのにもってこいなんです」

「なるほど、そちらは発展しているな。後々そういった技術に関する情報も共有したいところだ」

 アナンが羨ましそうに話したところで、お互いの情報交換を行った。

 アナンからもたらされたのは各勢力の政治事情、戦力、主要プローム機、そして最近のケートス主砲発射後の各国の反応。

 対して、エイジスは最近のファリア大陸の奪還とユエルビア共和国との交渉とその真意についてを話した。

「あくまで、ケイオスの駆除に終始しつつ、黎明の旅団の支援か。なるほど、ミナトが惚れ込むわけだ」

 アナンが感嘆するように言うと、イツキは苦笑した。

「正直なところ、エイジスとしては他国を攻めてまで欲しいものはないんですよ」

 この世界ではそもそも食事の必要がないため、食糧自給率なんてものは気にしなくていい。服や生活必需品、エネルギーについてはフェアリスが作ってくれるもので賄える。この世界の経済の中心となっているプロームのパーツについても、ケイオスから得られる素材とフェアリスの元素変換の技能があれば十分。

 エイジスは貿易の必要がなく完全に自給自足ができる国と言っても過言ではなかった。

「プローム素材って、各国によって、得意不得意なパーツが出るから貿易はかかせないはずなんだが、にわかには信じ難いな」

 シュウが呟くように言う。

 そこで、イツキは何かに気づいた表情になった。

「もしかして、そちらのフェアリスも元素変換ができますか?」

「げん…なんだね、それは?」

 イツキに言われて、アナンは面食らった表情になる。

 それは、カナタと話した時と同じ反応であった。

「そうですか、やっぱりなんですね…」

 為政者であればある程度地球の知識を残しているのでは、と少し期待していた部分があっただけに残念であった。

 イツキの発言から、イリスが泣きそうな、焦るような表情になる。

 頼むから言わないでくれ、と。

 その表情を見てイツキ、ハルカ、そしてノインとノウェムは察した。

 この陣営はフェアリスと協力関係にあるが、地球のこと、フェアリスと人間にまつわる事情を話していないのだと。

 イツキはため息をつくと、イリスに対して話をすすめることにした。

「元素周期表の縦の列、同一周期の元素の変換であれば、分子の結合を損ねずに物質を精製できます。この法則を利用して、ケイオスから得られるケイ素の素材を活用すれば、プロームの強度が現状のものより5割程度上がるはずです」

 その言葉を聞いて、イリスが驚いた表情を浮かべた。

 なんのことだかわからないアナンは首を傾げつつも、強度が5割向上すると聞いて、目の色を変える。

「それは本当か」

「ええ。ただ、全てのプロームのパーツを交換する場合にはそれなりにケイオスの素材とフェアリスの労力が必要になります」

 そこで、アナンがイリスの方を見る。

「可能だと思う。うちの勢力から協力を得られるフェアリスはけっこういるから」

 アナンの期待する視線を受けて、イリスは頷いた。

「ただ、こんなことを明かしていいのか?他国の武力が強化されれば、君のところの陣営が辛くなるのでは」

 アナンの疑問に対してイツキは首を振った。

「それで、各国のケイオスの駆除効率が上がるのならば構わないです。もし攻め込まれるような最悪の事態になった時にはケートスで撃つまで、ですからね。そうはならないでほしいと願っていますが」

 寂しそうなイツキの言葉にハルカは同感、と頷く。

 その様子を見て、アナンは自分の最初の推測が正しかったことを理解した。やはり、エイジスは追い込まれたから牽制のために撃たざるを得なかったまでで、決して、フェアリスに唆されての行動ではなかったのだと。

 アナンは表情を真剣なものに変えると、イツキに視線を合わせてから問いかけた。

「……ひとつ聞かせて欲しい。なぜ、君は、君たちはケイオスを駆逐することにこだわっているんだ?」

 和やかだった空気が張り詰める。

 困ったように、ノイン、ノウェム、ハルカがイツキのことを見る。

 本来、ケイオス駆逐の目的は、地球に帰るという二次的な目的のためだ。

 だが、それはこの場で言うことはできない。

 ならばここで曖昧なことを言って誤魔化すのか。しかし、アナンの様子からはそんな雰囲気を出せば勘づかれるとわかる、それだけの威圧があった。

 どうするのか、と言うようにノイン、ノウェム、ハルカが見つめていると、イツキが口を開いた。

「僕らがケイオスを駆逐する目的はあの会議で言った時と同様、この惑星に住む全ての生命に対して脅威となる、そう判断したからです」

 イツキの目はアナンに対して受けて立つかのように真っ直ぐに返していた。

「君のレポートは読ませてもらった。だが、それは国を立ち上げて、君の家族を巻き込んでまで打倒しなければいけない脅威と言えるのか?」

「ええ。放置すれば大陸の陸地は徐々に削られ住む場所は無くなる。ですが、今この惑星の人達はその危険に対する認識が甘い。甘すぎると言ってもいい。放置されればじわじわと人類もフェアリスも削られていく中で、当の首脳陣は戦争という名のゲームに興じている。だから、誰かが言わなければいけない、そう思いました」

 イツキの表情は至極真っ直ぐだ。その目の奥には、あの天空会議場の時と同じような精神束縛を受けても揺らがない決意、意志をアナンは感じた。

 ならば、対等に交渉すべき相手だと認識を切り替えた。

「なるほど、君たちの意志はわかった」

 アナンが頷いた。

「なら、こちらに害がない限りは、こちらからもエイジスへ攻撃はしないと約束する。約束できるのはあくまでサザン側のみで申し訳ないが」

 独断専行とも言える言葉に、シュウが驚いて声をかけようとするがアナンが手で制止した。

「いいのですか?」

 同じ国の勢力であるノトス側を無視した決定になるので、イツキが問いかける。

「構わんよ。それに、今まで他の相手でも手一杯だったのだ、懸念事項が減るに越したことはない」

 そう言うと、アナンはいたずらっぽく笑い、握手を求めた。

「どうか、よろしく頼む」

「感謝します、アナンさん」

 イツキはアナンの手を握り返した。

 その後ろでハルカはほっと安心した表情になる。これでユイや、シュウ、サキといった元チームメイトとやり合う可能性が減ったからだ。

「安心したような表情だな」

「だって、敵に回したくないですから。あの島の時のような生きた心地のしない戦闘はもうこりごりです」

 心底うんざりしたように言うハルカにシュウは笑った。


 意義のある会談を終え、イツキとハルカはケートスへと戻ってきた。

「いやあ、急な依頼だったので、ハルとノインの力を借りてすいませんでした」

 イツキが苦笑しながら言った。

 隠密で伺いたいが、飛空艇だとバレる可能性もあるし、何よりその前にヤナギから止められる可能性が高い。そのため、ようやく完成に近づいたプロームの機能の試運転も兼ねて、ハルカと来たのだった。

「うん、いいテストができて良かったし、いろいろ聞けてよかった」

 サザン側と衝突する可能性が低くなつて、素直にハルカが安心していることにイツキも微笑む。ハルカから、あの場に元チームのリーダーだったシュウがいたのは帰りの道すがらイツキも聞いていた。今回一勢力でも、休戦を確約できたのは、大きい成果だった。

「だけど、父さんは何でアナンさんにああいう風に言ったの?」

「何をです?」

「ケイオス駆逐の目的」

「ああ」

 ハルカとしては、ケイオスをこの惑星から排除するのは地球へ帰るため、そう捉えていた。だからあの場でイツキがあのように言った理由を聞きたかった。

「あの理由も本当ですよ。ケイオスは放置していいものではありません。最近レポートをまとめるほど、強く確信しています」

「けど、それが全部の理由というわけじゃないよね?」

「そう、だけども全部を話せない。なら、信じてもらうためにはこちらが話せるだけのことを誠実に話す。それに賭けました」

 話しながら、イツキは遠くを見つめた。

 アナンのことを怖い人物だとは思う。下手な嘘をついていたら看破されていたはずだ。武力や知識など交渉に優位な材料がこちらにありつつも、力づくな方法を取っていたら信頼を失い逆に足元をすくいにくる。そんな怖さがあった。

 だからでこそ、誠実に答えるしか方法はなかった。そうさせるようアナンに誘導されたとも言えた。

「その結果得られた成果としては上々なのですが、バレたら怒られそうですね…」

 イツキが引きつった表情を浮かべると、ハルカが首を傾げた。

「へぇ、どんな成果を得てきたのかしら?」

 びくり、と二人の身体が震え上がる。声の方を見ると、そこには、にこにことしながらも強烈な威圧感を放つケイト、そして怒気をほとばしらせたヤナギがいた。

「詳しく聞かせてもらおうか、二人とも」

 その晩、ワタセ家の男二人は、ケイトおよびヤナギからこんこんと説教を受けることになったのだった。


 エイジスの親子と別れたあとで、アナンとシュウは発着場に向かう車の中で話をしていた。本当はイツキ達を送ろうかと言ったのだが、丁重に断られてしまった形だ。

「いいんですか、アナンさん。勝手に休戦決めて」

「いいさ、密約だし。ノトス側は無理だが少なくとも貴族院の意見は、私に賛同するだろう。エイジスが適わない相手なのは、わかっているだろうからな」

 賛同するだろうではなく、賛同させるのだろうな、とシュウは思いやれやれとため息をついた。貴族院がアナン一強なため、意見を通すことが可能なことはよくわかっている。

「今回の密談が大いに収穫のあるものは君もわかるだろう?」

「確かに、サリさんのことも大きいですが、今回得た技術や知識は国の利益に繋がりますね」

「ミナトには感謝しないと。あそこで唆してくれなければ動かなかった。ん?いや、もしかしたら…」

「どうしたんですか?」

 考え込んだアナンにシュウが問いかける。

「スパイであることを承知で受け入れていたなら、こうした交渉筋を得ることも折り込んでいたのかもしれない」

 そう言うとアナンは口の端で微笑んだ。

『ミナトさんの雇い主はアナンさんだったんですね』

 今日の会談の初めの時にイツキが言った言葉だ。

 雇い主、という事はミナトの背景には情報を得ている人物がいると既にわかっていたということである。

「なら、今回話していたことは…」

「いや、言ってたことはほぼ本当だろう。情報を流すことのリスクも計算していたなら、反対に偽の情報を流す危険性も理解しているからな。ただ、思惑全部を話したという訳じゃないのだろうが」

 イツキが話していたことは本心ではあるが全てではないことはアナンも見抜いていた。

 どこまで情報を提示してどこまで真意を明かすかの探り合い。結果それで互いに上々の結果を得て合意できたことにアナンも充実した気持ちを抱いていた。

 会議の時から興味深い人物だとは思っていたが、アナンはさらにその評価を強めた。

 アナンとシュウが話し込む様子を眺めつつ、イリスは落ち込んだ表情を浮かべていた。

「イリス、どうしたんだ?」

 シュウが声をかける。

「ごめんなさい。サリのことは私がしっかりしていなかったばっかりに」

 しょんぼりとした様子でイリスが語りかける。

「こんなことになるなら、きちんとみんなの精神に触れておくんだった。そうすれば、精神体の帰るところを奪われても、あそこまでサリを拘束されることはなかったのに」

 悔しそうな表情でイリスが言う。アナンは娘に対してするような、困った表情を浮かべた。

「精神に触れることは、その人の人格を左右しかねない行為で尊厳をおびやかすものだ、そう思ったからしてこなかったのだろう?」

 言いながら、イリスの頭のところに手を当てる。

「そうそう。おかげで、うちの陣営はこの人がやりたい放題できて、自由な風潮ができてるからな。イリスが尊重してくれたおかげだ」

 シュウがにやっと笑いながら茶化す。

「まったく。それで、部下がもう少し私の心労を理解してくれたなら、言うことはないのだが」

「心労って何をおっしゃいますか。人の足をすくおうが、あっけらかんとできる度胸の持ち主なのに」

 サザン側ではアナンのことは交渉手腕や手段から腹黒、性格が悪いと専ら言われている。それも民衆に愛されてるがゆえ、そして自由に言える風潮の現れと言えた。だからでこそ、鷹揚にアナンは受け止めている。

 いつもどおりの二人を見て、イリスは去り際にノイン、ノウェムから忠告されたことを思い出す。

『イリス、その人達が大事なら我々の事情を早めに話しておいた方がよいのです』

『姉さんの言う通りです。いずれ、それは自分の首をしめることになるのです』

 イリスに告げたノイン、ノウェムはその段階を乗り越えた表情をしていた。

 地球の知識や反応を見るに、イツキ、ハルカはフェアリスの事情を知っているのだろう。そして、知りつつも立ち上がったのだ。

 さらに、精神束縛も受けたことがある。それでもなお、互いに相談できる関係を築いているのは驚嘆すべきことだった。

 けど、

(自分にはできない…)

 今の居心地の良さを思うと、踏み込めない。

 ジレンマを感じつつ、イリスは近いにいるシュウとアナンを遠い存在のように見つめたのだった。


 サザンと極秘裏の会談から数日後。ケートスの自宅の書斎にてイツキは物思いに耽っていた。

 今回、スパイと分かりつつもをミナトを招き入れたのは福祉方面への人材を確保するためでもあるが、第二の目的としてエイジスの内情を敢えて明かして他国に積極的に侵攻する意志は無いということを雇い主に伝えてもらう狙いがあった。

 ハチや野生動物のように刺激しなければ脅威でない存在と認知してもらい、放置する方針を取らせる、そう期待してのことだった。それが、その思惑を通り越してスパイ側から国のトップに交渉して会談に至るとは思わなかったが。

 巨大な勢力と交渉できたことは大きいが、それと同時にある一つの事実も浮かび上がった。

 イツキがため息をついていると、ヤナギが現れて問いかける。

「どうしたのですか、イツキ殿」

「いや、どうしてこっちの世界に地球人を転移させる時に知識を引き継がなかったのかな、と思いまして」

 その言葉を受けて、ヤナギがびくっと身体をすくめた。

「いや、その、現在ユエルビアの代表を勤めているフェアリスが、どうせ蛮族なのだから、大した知識などないだろう、と言いまして。それに、転移させて新しい勢力図に適応させるのに邪魔だから、とも」

 ヤナギの言葉を受けて、あいつのせいか、とイツキはいらっとしてからため息をついた。

「それは、悔しくてならないです。元素周期表だけじゃない、ロボット工学、航空力学がこちらに伝わっていれば、もっとプローム技術の進歩が早まってケイオスの駆除速度が上がったかもしれないのに」

「だがしかし、イツキ殿がいるではないですか」

 ヤナギの言葉にイツキは首を振った。

「僕の知識は所詮常識に少し知識が追加されたものだけであって、専門家には遠く及びません」

 あくまで自分は技術屋だ。少なくともイツキはそう思っている。いかに推測や推論を立てても自分の知識が限定的で対応出来ることに限りがあるのはわかっていた。

 だからでこそ、開発をしつつ悔しいと感じてしまうのだ。もっと他にも地球の知識を有している人物がいれば、と。

 イツキは最悪を想像してしまう。もしもこのまま開発スピード、駆逐速度が追いつかず、ケイオスの進化が早まって太刀打ちできなくなったら、と。

 どうか想像が当たらないでほしいと思いつつ、イツキは自分の書斎の専門書を眺めた。


 ファリア大陸で、ケートスの拡散砲でもコアを破壊できない地帯が見つかったと報告が上がったのは、その翌日のことだった。





 ○幕間

 ゲームCosMOS、とあるチームの会話ログより

 ユイ:「大規模レイドお疲れ様―!」

 カナタ:「おつかれー」

 ケンジ:「おつー」

 サキ:「お疲れ様―」

 ミナ:「今回うち討伐数MVPだってー、やったね!」

 シュウ:「短期決戦向きの機体が多い中で、よくあの長丁場持ったな。血の気の多い連中なのに」

 ルイ:「黒曜一番その筆頭じゃん!棚に上げて何言ってんの!」

 カナタ:「特殊武装積むと、どうしてもエネルギー消費上がるからなー」

 ハヤト:「同じエネルギー消耗系のディザスターがよく持ったもんだよ。あとエニエマも」

 ユイ:「う、さすがに情報もらった時から持久戦になるのわかってたから堪えてたの。シールド使うのもなるべく抑えたし」

 ルイ:「それに比べて、何このB3の余裕綽々っぷり、エネルギー5割残してるとかどんだけ?」

 ハルカ:「だって、持久戦って聞いてたし。それにこの機体、特殊武装積んでないから」

 リュウ:「レイド戦のときは、1時間耐久だけど、今回さすがにマップ規模大きいから2時間だったんだよね。途中入退場あり、補給禁止だけど」

 ルイ:「その計算でいくと、4時間持つってこと?前衛であんだけ走り回って回避して、パーツの破損も軽微とか。どんな変態駆動してんの」

 ハルカ:「へ、変態って…余裕があった方がいいと思ったんですよ。それに、今後もしかしたら自分の余剰エネルギーを他の機体に分けれるような特殊武装が実装されるかもしれないし」

 ユイ:「そんなたらればの話してどうするの。それだったら、特殊武装積みなさいよ、勿体ない」

 ハルカ:「特殊武装積んだら駆動系の調整がしづらくなるから嫌なんですよ…。回避動作とりづらくなるし」

 ルイ:「あーのーねー、機体整備で、パラメータを0コンマ1単位で調整してるのB3と清澄ぐらいなもんだよ!それだったら火力積んだ方がチーム戦勝率上がるのに!」

 リュウ:「それって一概に言えないんじゃないかな?それで今回のMVPに繋がったんだし。付け焼き刃の特殊武装に頼るより、機体調整しっかりして、基本駆動を鍛えた方がよっぽど勝率あがる」

 ハルカ:「リュウさんに同感」

 ルイ:「このゲーマーが……」

 シュウ:「まあまあ……この2人が言うことも一理ある。それに、この2人並の調整できるプレイヤーってそうそういないと思うし、チームとしては貴重なんじゃないか?」


 ある日、ケートス格納庫内のプローム調整のメンテ室にて。

「イツキさん、今度の作戦に備えて、水上走行パーツ使うんだったらもう少しバランス調整したいんだけど、数値どうしたらいい?」

 リュウに問いかけられて、イツキがリュウの持っているタブレットPCをのぞき込む。

「それだったら、ここの数値を66.951で調節するといいと思います」

「あ、父さんそれなら、機体重量も計算に入れた方がいいかも。この間旋回した時に、だいぶ横にふられたから」

「なら…機体重量を0.5減らして調節してみましょう。それで試運転の結果でまた再調整ですね」

 イツキ、ハルカの意見を受けてリュウがうなずいた。

 それを遠くでカナタとケンジが眺めている。

「あの会話の中って混ざりずらいよな…」

「というより、いつまで調整するんだろうな…」


次の投稿は、4/2を予定しています。

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