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最後の選択 12

 朝が、来た。


 扉から微かに漏れる光で僕はそれを感じ取る。


 そして、少し先にその光を浴びてガラスの破片が輝いている。


 ……どうする?


 神様が昨日言ったこと。


 そして最期の神様の言葉。あの表情。


 自分が今までしてきたことを振り返ってみる。


 もし、もう一度やり直したとして、また同じ結果にならないだろうか……


 いや。今考えていることを実行できるならきっとそれはない。


 今度こそ、ない。


 そして、それこそが、僕が真に行うべき贖罪なのだ。


 だけど、それは同時に非常に危険なことである。


 それでも、僕はそれ以上にそれをやってみたかった。


 どんなに危険を冒してでもやってみたい。


 きっと、僕が気付かないだけでずっと、かなり長い間僕を見ていたくれたんだ。


 だとしたら、僕はそれに応えたい。


 たとえそれが間違っていても、鈍感な僕なりに、彼女の願いを叶えてあげたい。


 そういうことなら、もう答えは出ているじゃないか。


 僕はガラスの破片を握り締める。手から赤い鮮血が零れる。


「さぁ……最後の一回だ。悔いのないように……逝こう」


 僕はそのまま思いっきり首にガラス片をつきたてた。


 そのまま地面に倒れる。


 血がドボドボと流れていく。


 なんだろう。


 今まで夢や杏、翼に殺された時よりも多く血が流れているような気もする。


 僕はその流れた血液をただ呆然と眺めたままでじっと動かずにいた。


「隆哉君、おはよう……隆哉君!? そ、そんな……い、いやぁぁぁぁぁ!」


 澪の叫び声。


 ああ。ごめんね。澪。


 澪だけじゃない。夢も、杏も、翼も。


 僕は君たち幼馴染に本当に酷いことをしてきたんだ。


 でも、ようやくわかったんだ。鈍感な僕なりに、自分の気持ちというものに。



 ……やっぱり、まだ結論は出せそうにない、ってことなんだ。



 これが僕の結論。


 なんとも情けないけど、それが真実。


 自分の気持ちに嘘をつくのが、最も自分を破滅に追いやる結果につながるのだということを、この四回分の一ヶ月で理解することができた。


 だから、皆、もう一度だけチャンスをくれ。


 きっと、僕は皆にとって、もっと良い幼馴染になれると思うから――



 そんなことを考えながら僕は四度目の絶命をした。

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