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最後の選択 4

「なぁ、お主」


 神様が話しかけてきて僕はようやく我に返った。


「な、何?」


「もう一度言っておくが……誰でもよいんじゃぞ?」


「え?」


「じゃ、じゃからな? 誰でもいいと、言っておるんじゃ。もはやあの四人の幼馴染にこだわる必要はない。誰でもいい。仮にお主とほとんど縁がなくともいい。いや、それどころか……に、人間でなくともいい。そ、そうじゃ、神様だって、一行に構わん」


 最後のほうは少し恥ずかしそうにそういった。


 ……さすがに、僕でも気になってきた。


 この神様は一体なんなんだろう。


 そもそも、どうして僕を生き返らせているのだろうか?


 確かにあんなオンボロ神社にやってくるのは僕くらいだろう。


 だけど、だからといって、何度も何度も蘇らせてくれるほどに僕はあの神社に恩義を感じていない。


 せいぜい、日常の中の慣習……癖みたいな感じであの神社に通っていたのだから。


 なのに、この神様は……


「ね、ねぇ、神様、どうして――」


「そ、そんなことはどうでもよいではないか! さぁ、もう一度、よーく考えるのじゃ。考えれば、きっとお主にもおる筈じゃ。あの幼馴染四人以外に、もう一度時間をやり直してでも、恋仲になりたいと思う相手が!」


 神様は少し興奮気味にそういう。


 だけど、僕の気持ちは逆に沈んでいた。


 そんなの、やっぱり無理だ。


 だって、僕にはあの四人しかいないんだから。それ以外の知り合いなんて……


「……どうして」


 と、神様がなにやらボソリと呟いた。


「な、何?」


 僕がその言葉を聞き取れず、尋ね返す。


「どうして……どうして気付かないんじゃ!? あー! もう! どうしてこうお主は鈍感なのじゃ?」


「だ、だって……ど、鈍感じゃなかったら、今まで三回も殺されていないし、ここに監禁もされていないよ……」


「あー! そうじゃろうな! 全く……ワシだって……ワシだって……幼馴染では……ないか」


「え? 何か言った?」


「な、なんでもないわ! この馬鹿者!」


 神様は倉庫全体に響かんばかりの大声で僕に怒鳴った。


 なんで僕には神様が怒っているのか理解できなかったんだけど……


 しかし、ちょうどその時だった。


「隆哉君」


 扉の方から声が聞こえた。


 澪が、扉を開けて中に入って来たのだった。

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