天国から地獄 7
それから一週間は、気の抜けない一週間だった。
だが、特に変化はなかった。
夢にも杏にも澪にも。とりあえず幼馴染三人との間には特に何もなくいつも通りだった。
肝心の翼も特に変化なし。いつも通りに関係が続いた。
だが、なんだろう。翼に関しては何か違和感があった。
まるで、僕を避けているような……まぁ、それはあくまで気のせいくらいで、会って話せばいつも通りなんだけど。
で、結局一週間経って、亜由美との約束の日。
遊びに行くと言ったあの日になったのであった。
「おお、ついに明日か」
夢が夕食を作り終えて帰った我が家で、くつろぐように実体化した神様が思い出したように言った。
「ああ。そうだよ。まぁ……大丈夫だろ」
僕は完全に安心しきって言う。
「ほぉ? 自信アリじゃな?」
「そりゃあね。今週一週間も何もなかった。それに、亜由美が僕を殺すこともないだろ。だから、明日は乗り越えられる。これで、アンタとの付き合いも終わりだよ」
僕は神様を見てそういう。神様は特に関心もないと言う風に僕を見ていた。
「そうだといいんじゃがな……まぁ、どちらにせよ、明日が楽しみじゃ」
「何もないと思うよ。期待しないでくれ」
神様はなぜかニシシと歯をむき出して笑った。
この神様、実は全てを知っていて、僕が間違った選択をするのを楽しみにしているんじゃ……
「ああ。それはないぞ。ワシはお主がどうするかなんて知らん。あくまで見ているだけじゃから」
「ああ。そう。見ているだけ。暇なんだね」
「暇? 違うぞ? ワシは本来ならこんなことしていてはいけないのじゃ。じゃが、あえてお主を見ておる。なぜかわかるか?」
「なんで?」
すると、神様はもったいぶったように一旦間を置いてから、ニヤリと笑って僕を見る。
「お主が面白いからじゃよ。見ていて飽きない……ずっと見ていたいくらいにな」
神様は得意気にそう言った。僕は返事の代わりに溜息をついた。
まぁ、いい。
神様がどう言おうと問題ない。
明日はきっと乗り越えられる。
そうすれば僕は翼と付き合ったまま、他の幼馴染とも距離を保っていられる。
大丈夫。大丈夫なんだ。
自分に言い聞かせながらその日は眠りについた。




