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番外編 驚きの事実

番外編です。

「ティアはいい友達が出来たね」

「ええ、大切な親友よ」

エリエルはティアが暮らす王宮の離れに来ていた、ティアはソファーに座って本を読んでいた。

「得にルルー嬢が」

「あの子は…私の事を話しても私は私だと言ってくれたの、それに彼女も過去に辛い経験をしている。あの子と私は似たもの同士なの」

「まあ、一応王族だしね」

ルルーの家ビレーシオ公爵はエルセント王国が出来た時代の王、つまりはティアの先祖にあたる人の末弟だ。末弟といっても先祖の王が連れてきた村の娘が産んだので王族の血はほとんど無い。しかし先祖の王は村の娘が産んだ末弟を王子にした。王と末弟の年齢はあまり変わらず、王は幼い頃にはもう王座についていたという。


ビレーシオ公爵の先祖は末弟なので一応王族の血は流れているが産んだのが村の娘、庶民なのでほとんどは庶民に代わりは無い。


「あの子は庶民の血も、王族の血も同時に濃く受けついでいるの…だから苦労したんでしょうね」

「だろうね…でもそんな所を誰にも見せないのが彼女らしい」

ティアは机に本を置いた。

「そうね…あの子はそういう子だもの、それにはきっと前世の事もあるのでしょうけど…あ、そういえば」

「?」

ティアはエリエルを見て微笑んだ。

「この後、ルルーが来るのよ」

「え?」

それはどういうこと?とエリエルが聞こうとした時、扉がノックされた。

「ティア様、ルルー様がお見えになりました」

「ありがとう、中に入ってもらって」

ティアがそう言うと静かに扉が開いた。

「お、お邪魔します」

ルルーは何故か緊張しながら入ってきた。

「ルルー、何故緊張しているの?」

「だって…エリエル様がいるし、離れでも一応ここは王宮だし…緊張しちゃうよ」

ティアとエリエルは顔を見合わせ笑い合った。

「ルルー嬢、そんなに緊張しないでいいよ、リラックスリラックス」

「あう…」






3人はソファーに座った。

「ルルー、貴方の前世のことなのだけど…」

「私に何か様か?」

ティアが聞くとルルーは賢者の喋り方になった。

「貴方は賢者だということは分かったけど…名前は?」

ルルーは無表情で言った。

「知らない」

「「え?」」

その言葉にティアとエリエルは唖然とした。

「…思い出せない、私の名は何なのか、私は男なのか女なのか、どうして死んだのか…何も思い出せないんだ…私がルルーとして転生してから思い出そうとしても…無理なのだ」

ルルーは俯いた。

「私はがんばって思い出そうとしたけれど…何か、何かが…あぁッ!」

ルルーは頭が混乱した。ティアはルルーを抱きしめた。

「ルルー大丈夫、無理に思い出さなくてもいいから…落ち着いて」

そう言いながらルルーの背中をさすった。


「ふぅ~…ありがとうティア…ごめんね、本当に何も覚えていないの」

「大丈夫よルルーこちらこそごめんなさい」

二人は笑い合った。

(…少し、賢者について調べる必要があるな)

エリエルは笑い合う二人を見ながら思った。

「ルルー嬢」

「何ですか?」

「…君の賢者はどの国か分かるかい?」

エリエルがそう言った時ルルーが意味ありげな表情になったのをエリエルだけが気付いた。

「……ト…国」

ルルーが小さく呟いた。

「え?」

「エルセント王国」

「「!?」」

ティアとエリエルは驚いた。

「今思い出した…私はエルセント王国の賢者と呼ばれた女騎士、名はフィアリース・レウス・ビレーシオ」

「ビレーシオ…まさか!?」

ティアは驚いてルルーを見た、ルルーは苦笑いを浮かべていた。

「そう…私の前世はティア達の先祖である王の末弟の娘。私の先祖は末弟だから前世の私は子孫に転生したということになる」

「なんか…」

「凄い話だね」

ティアとエリエルは唖然として…

「自分でも驚きだよ」

ルルーは元の話し方に戻り呆れた。





誤字・脱字があったらお知らせください。

もう少し番外編を投稿する予定です。

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