第28話 真実
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第28話
そんなある日、天空神は天の国にやって来た。目の前に大量の血を流した天様が倒れていた。
「天様」
天空神はダッシュで走り、天様を優しく抱えた。
「天空神・・・」
天様は目を開ける。
「天様・・・」
天空神はハンカチが絞れるくらい大量の涙を流す。
「大きくなったね・・・空」
「空」と呼ばれた時、ハッとした。
「お父さん?」
天様は小さく頷く。天空神の目は涙で潤む。
「私はあの時、閻魔大王に“生きたい”と言って契約し、この天の国を作ったんだ。それに君は強いよ、天空神。君に王を託すよ」
天様は笑顔で微笑むと、目を閉じた。そんな時だった。
「やっと死んだか」
デイバーは確かめる様に死んでしまった天様を見て、嬉しそうに笑った。
「これであの強い王もいなくなった。そして、この世は私の物だ」
その瞬間、天空神は自分の背中越しに居るデイバーに、最強すぎる力を勢い良く交わす。デイバーは粉々になり、デイバが立っていた地面には大量の血が流れていた。
「お父さんー」
天空神は声をあげて泣いた。それを見ていた天川神は天空神の元に近寄る。
「天川神」
天空神 は天川神に抱きつく。天川神も泣きながら天空神を抱きしめた。数分後。
「次の王様って誰かな?」
天川神 は天空神
の様子を伺う。天空神は涙を拭いながら答える。
「・・・私です。天様がさっき、そう言ってた」
「天空神ちゃんが王様か。絶対似合うよ」
「ありがとう、天川神」
次の日。天空神は皆んなに事情を話し、天星神からから輝く王冠を被せて貰う。天空神は前を向き、皆んなをじっと見る。
「今日から私が、この国の王です」
その時、他の音が聞こえないくらい大きな拍手が起こる。
「ありがとう。皆んな」
天空神はふと遠くに視線を送ると、その先には今まで8年間神部屋にいた天金神が、壁にもたれ掛かる様にして微笑みながら拍手していた。天空神笑顔で笑った。
「ねえ、天川神。人間の世界に行ってみない?」
「行ってみたい」
「じゃあ、行こう」
「うん」
天川神と天空神は手を繋ぎ、いつも通る天の扉を開いた。
天川神天の扉を開けるのが初めてだったので、その先は何だろうとワクワクしていた。目を開けると、そこは沢山の人で賑わっていた。やって来たのは、空が住んでいる町だった。天川神には見た事のない物だらけだが、 その中で分かるのは、文字くらいだった。「あれ何?」
天川神は真っ直ぐ指を指す。空は指先 を見る。
「あれは車だよ」
「車?」
「うん。車はね、人が乗ったり荷物を運んだり出来る乗り 物だよ」
「へえ~じゃあ、あれは?」
「あれはビル」
そんなこんなやっていると、少し遠くの 背後の方から、懐かしい友の声が耳に入った。
「空~久しぶり!元気だった?」
「うん!」
「本名、空って言うの?」
と、小声で言った。
「うん」
友達が猛スピードで走って来た。
「空、その人は?」
「私の恋人」
「恋人!?しかもかっこいいやん」
友達はかなりの興奮状態で言う。
「じゃあ、またね」
2人は手を振って別れた。昼過ぎ、空は天川神街に案内した。
「空って名前、可愛い」
「ありがとう。お父さんがつけてくれたんだ」
空は笑う。
「空ちゃん。俺のお母さんに会ってみる?」
「会ってみたい!」
「天の国の天院にいるよ」
2人は天の扉を開け、天院へ向かう。天海神の部屋は208号室だ。天川神は部屋の扉をノックする。
「どうぞ」
「失礼します」
2人は部屋に入る。
「お母さん。傷の具合はどう?」
「結構良くなってるよ。隣の子は天空神ちゃん?」
「はい」
「今日は、ある話をしに来たんだ」
「お話?何かしら」
天海神は耳を澄ませる。2人はお互い顔を見合わせ、頷く。
「話と言うのは結婚の事なんです。突然で本当に申し訳ありませんが、私、天川神と結婚したいです」
「素敵ね!良いわよ。天空神ちゃんの両親にはOK貰った?」
「まだです」
「そう。OK貰えると良いわね」
「はい」
「天川神から聞いたか分からないけど、私デイバーっていう敵に襲われてここにいるの」
「デイバーは私が一撃で倒しました」
「強いね」
「因みに私は、天の国の王様です」
「凄いね。だけど、王様って天様じゃないの?」
「天様はデイバーに倒されてしまったんです」
「悲しいわね。そう言えば、神の皆んなは早実って名字よね?実はそれ、私から来てるのよ」
「そうなんですか!?」
「ええ。天様が早実にしたいって言ったから、皆んなは早実なの。天川神と天金神、私が本名だよ」
「そうだったんですか!」
「失礼しました」
2人はお辞儀をして、病室を出た。
「OK貰えて嬉しい」
2人は店員の廊下から、過去の扉まで歩いていた。
「俺も。後は天空神ちゃんの両親次第だね」
「うん。でも私のお父さん、もういないんだ」
「えっ、いないの?」
「うん。私が小学生の時に、交通事故で私を庇って死んじゃったんだ。でもね、最近までお父さん生きてたんだ」
「もしかして、天様?」
「うん」
「そうだったんだ」
「だから今は、お母さんとお兄ちゃんだけなんだ」
すると天川神が、昔の事を語り出した。
「実は俺も、生まれた時からお父さん行方不明なんだ。だから生きてるかも分からないし、 探したくても写真でしか見た事がないんだ」
「お父さん、生きてると良いね」
「うん」
「もう直ぐ家だよ」
2人は一緒に過去の扉を開けた。気が付くと家の近くにいた。
「あそこが 私の家だよ」
空は笑顔で家を指差す。空は玄関の扉を開ると、
「ただいま」
と元気に言った。
「おかえり。ってその人は?」
「恋人だよ」
そう言われ、母は戸惑う。
「えっと、空がお世話 になっております」
母はペコペコと頭を下げる。
「僕の方こそ、お世話になっております」 すると空が、
「お母さん。話があるんだ」
と言い、自分の部屋に呼んだ。3人は部屋に到着した 空は2人が座った事を確認すると、口を開いた。
「お母さん。突然すぎて申し訳ないんだけど、 私、彼と結婚したい」
母はあまりの感動に静かに涙を流すが、すぐに涙をハンカチで拭く。
「ごめんね、お母さん嬉しくて。良いよ」空は笑顔になる。
「ありがとう、お母さん」
「ありがとうございます。お義母さん」
「じゃあ、またまた行って来ます」
「気をつけてね。天川神君も」
「はい」
そして2人は家を出て、外を歩く。
「良かったね。OK貰えて」
「うん」
「結婚式、いつ挙げる?」
「準備があるから、来週とかはどう?」
「良いね」「呼ぶ人、誰か決まってる?」「うん。お兄ちゃんとお母さん、さっきの友達にもし来れれば天海神様も。後は天金神」
「天金神も良いの?」
「勿論!」
「じゃあ、これで決まりだね」
「うん」
「天金神に、来れるか聞いてみようかな」
「行こう、彼処へ」
「うん」
2人は天の国に向う。扉を開けると、天金神が立っていた。
「天空神・・・今までごめん」
天空神は天金神優しく抱きしめる。天金神もそっと抱きしめた。
「良いよ。それに天金神話があるんだ」
「僕に?」
「うん」
「天金神。俺たち、来週結婚する予定なんだけど、来て貰えないかな?」
天金神は少し驚いた顔をすると、目に涙を浮かべながら、はっきりと頷く。
「行きたい」
「ありがとう。天金神」
天川神は天金神を抱きしめた。余程嬉しかったのだろう。天金神は泣き出した。天空神も天川神後に続き、抱き締めた。
「ねえ、天金神。もし良かったら、人間の世界に来てみる?」
「うん」
「行こう」
そして3人は、人間の世界へと向かう。
「ここが人間の世界」
「うん」
天金神も初めの天川神と同じで、文字くらいしか分からない。天金神は街を見渡す。
「人間の世界はどう?」
「めっちゃ凄い。あの大きな建物は何?」
天金神は不思議そうに建物を指差した。
「あれはビルだよ」
と、天川神が口を開いた。
「兄さん、分かるの?」
天川神頷く。
「うん。空ちゃんに教えて貰ったよ」
「天空神の本名って空なの?」「うん」
「僕、人間の世界で生きようかな」
「俺も人間として、これから生きて いくよ」
「兄さん。結婚式の事だけどさ、もし来れればお母さんも呼んで良い?」
「良いよ」
「来週、楽しみにしてるよ」
天金神は満面の笑顔で笑ったのだった。
続く
天空神はこの時点で大人になっています。違和感があるかもしれません。ご了承下さい。
天空神が交わした力、何か分かりますか? ヒントは25話。




