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UnCheat  作者: P.river
2/2

Origin

初めてのジャンルなのでうまく書けてるか不安ですがよろしくお願いします。

広大な森の跡地に轟く雷鳴と轟音。

その中心に巨大な龍と数百人の人間が死闘を演じていた。

だが、その戦いも佳境を迎えていた。

龍の鱗という鱗は剥がれ、爪や牙は半分以下の長さになり全身血まみれであるからだ。

しかし、


「GURUUUUU!」

「ぎゃあああああ!?」


龍は巨大な雷のブレスを吐いて直線状にいる数十人を纏めて消し飛ばす。

しかし龍の口元に向けて一人の男が杖を向けて魔法を放つ。


「ストームブラスト!!」


龍の口内に真空の刃が暴れまわり龍の体内を滅茶苦茶に切り裂く。

体をよろめかすものの、龍は吐血しながら踏ん張って体勢を維持する。

その時人族の一人が仲間に向けて叫ぶ。


「ブレス器官破壊したんだから、早く仕留めろよ!」

「わーてっらあ!!」


龍はその言葉を理解した瞬間に刀を持った人族に巨大な鉤爪を振り下ろす。

だがそれよりも先に小気味のいい風切り音とともに人族が刀を切り上げた。

刀は徐々に長くなっていき、途中でぶつかった龍の胴体・・が刀を弾く。


「GUAAA!?」

「くっそー、やっぱ胴体まで届かねぇな。クソかってー!」


龍は自分の前足が半分になったことに遅まきながらに気付く。

初動と速度だけで言えば龍は人族に勝っていたはずなのに負けてしまったからだ。

普通ならありえない、普通・・ならば。


だが実際起こってしまったことだ。

この事実だけは誰も否定などできない。


龍は自分を取り囲むたった4人の人族を睨みつつ突進をかける。

この四人が軍勢のトップだと知っていたからだ。


「『ブレイクレイジ』」


その龍の使える最大の物理攻撃。

全ての物を物理的に退ける鏖殺の一撃。

これで決着がつくはずだった。


「っと、お前らさがっとけ『絶対防御壁』!!」


一人の男が前に出たかと思うと透明の壁を形成する。

龍は無視してそれごと壊そうとしたが完全に防がれる。


そして、龍の一撃は完全に無効化され動きが止まった。

その隙を見逃すほど人は甘くなかった。


「てめぇら最後の大攻撃だ~!! 全力尽くせ!!!」

「「「はい!!」」」


残った人族たち数十人が一斉に魔法や武器で攻撃を仕掛けてきた。

龍は防御魔法で防ごうとするがすぐに完全無効にされる。

軍勢の一番後方でいる奴の仕業だ。


「僕の無効化魔法ディスペルに龍如きが勝てるわけないだろう?」

「GUUU……」


龍は魔法を無効化され、体の部分部分を失いながらも立った、立ち続けた。

手槍が体に刺さろうとも、魔法が体に直撃しても、意味の分からない力で体を引きちぎられようとも。

龍には、いや彼には譲れないものがあった。

最後に彼女が自分に言った言葉。


(……世界が本当に平和になった姿見たかったなぁ)


彼女のその夢を果たすまで死ねない。

だが、現実は非情だ。

こうやって追い詰められて、フルボッコにされているのだ。


「何とも滑稽なものだな……」


龍はそう呟いた瞬間に周りの人族が警戒して、リーダー格が何かをしようとする。


「お前ら、俺のチート能力で決める! 絶対に近づくんじゃねーぞ!!」


そう言ったリーダー格の男は何度も彼の体を訳の分からない力でズタボロにした男。

その男の周りの空間が軋む、必殺の一撃に間違いないだろう。

龍はもう死ぬことは避けられないと悟る。


ならば、


「最後に一泡吹かせてやる……」


龍はブレス器官がないのを無視して密かに雷を体内に創る。

ブレス器官がないのにこういうことをすれば、体内がグチャグチャになるのは必定。

コップがないのに水を注ぐのと一緒だからだ。


しかし龍はやり遂げる。

リーダー格は龍に一言聞く。


「さて、言い残すことはねーか?」

「ひと、つ、だケ……アル」

「ふぅん、何?」

「ソレハ……オ前らガ死ヌこと、だァ!!」

「ック!!?」


龍は最大威力のブレスがところかまわずにぶち撒ける。

リーダー格の男は咄嗟に防御の構えをとるものの完全に直撃して即死。

周りにも甚大な被害をもたらした。


他のトップクラスもやっただろうと龍は周りを見回した瞬間に体に違和感が走る。

なぜなら心臓に刀が突き刺さっていたからだ。


「クッソ龍がよぉ!どこまでも手こずらせやがって!!」


刀使いは無傷のまま、数十メートル離れたところから刀を伸ばして突いたのだ。


(防御結界の奴が守ったか……?)


そうやって龍は死んだ。

何も約束を守ることが出来ずに。


★★★

本当ならここで龍の物語は終わりを迎えるだろう。


しかし、龍は疑問を浮かべる。



(……なんで俺が、俺たちがこんな目に合わないといけないんだ)



龍は涙する、この世の残酷さに。



(魔王を倒して世界を救っても幸せになるなって言うのかよ!)



龍は悔やむ、大切な者を守れなかったことに。



(ふざけんな、ふざけんなよ! クロアは、全ての異世界勇者を助けようとしたんだぞ。それなのになんでアイツが死ななきゃならなかったんだよ……返せよ、あいつを返せよ!!)



優しき龍は壊れる、全てを呪って。



(あぁ、やってやるさ)



「……このクソみたいな世界をぶっ壊してやる」



狂った龍は始める、復讐を。



「さぁ、始めようか俺の復讐譚・・・をな」



これは半竜半魔のヴェリアが始める復讐譚。

また、ちょくちょく書いていきたいと思います。

ここまでよんでいただきありがとうございました!

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