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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第四話 その演奏会で何が起こったかを彼女は知らない
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その魔物の繁殖力を、僕らは知らなかった

「来ました、ブロック・オリーです!」


 エンリカの言葉でカインたちが武器を構える。

 野営を終えた次の日、僕らは森に入っていた。

 エルフの集落まで後少し。

 そんな時に、ついに魔物と遭遇したのである。


 木々の隙間から身体を揺らして現れたのは……緑色のアフロ。いや、なんかそんな形の植物だった。

 枝分かれして手のようになった節を振りながら、二足歩行で現れる謎の魔物……って、ブロッコリーじゃないですかコレ?

 ブロック・オリー、ブロッコリー……え? そういう意味?

 二足歩行のブロッコリーが身体を揺らしながら現れた。


 カインの先制攻撃、伐採完了。

 弱い、物凄い弱い。

 普通に煮込み野菜に使えそうです。

 人参とかジャガイモとか歩いてないかな?


「結構弱いな。これならリエラでも闘えるぞ」


「そうなんですか。よし、がんばります!」


 カインのお墨付きを貰ったリエラが奮闘を始めた。

 今回葛餅は戦闘フォローすらしてない。

 そこまでの脅威でもないのだろう。

 まるで指導官みたいに触手を伸ばしてリエラに指示している。


「ブロック・オリーは矢が効きにくいんですよ。私達エルフにとっては苦手な敵ですね。まぁ攻撃力は殆ど無いし、あんな姿なので森の魔物や動物に食べられるのが殆どです。ただ……」


「きゃああああああああああああっ」


 リエラの悲鳴が響いた。

 何事だ? とそちらを向けば、物凄い数のブロック・オリーに囲まれている。


「この魔物、繁殖力が強いんです。定期討伐はしてるんですけど、直ぐに増殖してしまって……まぁ光合成するし、食料として食べられるので益獣ではあるんですけど」


 ウンザリした顔で告げるエンリカ。

 確かにこの繁殖力はゴブリン並みとも言えるだろう。


「これ、上位個体は生まれないのか?」


 クーフがもっともな心配。ゴブリンだって群れを形成すれば上位個体に進化する存在は居るはずだ。ブロック・オリーだっていないはずはない。

 ブロッコリーの上位とか予想できないけどね。


「今のところ確認されているのはブラック・オリーですかね。耐久力が段違いに高まっています。黒いオリーなので分かりやすいと思いますよ。後は……メタル・オリーが一度だけ討伐されました。物凄い固いのですが体力が少なくなっているようなのでなんとか倒せた、ですかね」


 黒いブロッコリーと金属質なブロッコリーですか……食べたくはないね。とりあえず。

 ……? !!?

 え? あれ? ちょ。えええ!?


 ふと、僕は気付いた。気付いてしまった。

 思わず目を擦り、アルセを見る。

 気付いたら、アルセが二人存在していた……えええ!?


 六つ葉のアルセとご対面しているのは、頭にチューリップが咲いたアルセだった。

 緑色の肌を持つその少女はアルセ同様蔦で身体を隠している。いや、アレは蔦じゃなくて葉っぱ?

 チューリップ特有のあの独特の葉っぱが要所を隠している。

 そんな少女はアルセと珍しげに見合っており、鏡のように片手をあげる。

 不思議そうに首を傾げて逆の手を挙げる。

 なぜか揃って行われているその動作を見ていると、ネッテも彼女に気付いた。


 驚いた顔でしばし目を点にして、アルセと偽アルセを見つめるネッテ。

 口をぱくつかせながらも何も言えないでいる。

 ようやく指を動かしアルセに似た生物に指を向ける。


「あ、あ、アルセが増えた!!?」


「はぁ!? 何寝ぼけたこと言ってんだネッ……おい、嘘だろ!?」


「なんと、分身の術まで使えたのかアルセは?」


「あ、違います、あれ、ドリアデスですよ」


 エンリカだけは偽アルセの容姿を見て気付いたらしい。

 へぇ、ドリアデス。アルセイデスとはちょっと違うのか。

 何か通じるものがあったのだろう。アルセとドリアデスが楽しそうに笑い合い始めた。


「ちょ、何してんですかカインさーんっ。これ、誰か助けて下さいよぉっ」


 あ、リエラ忘れてた。

 声に気が付けば、既にリエラの身体がどこにあるか分からない状況でした。

 ブロック・オリー繁殖し過ぎ。


「むぅ。さすがに多過ぎるだろう」


 辰真、クーフ、バズ・オークが討伐に参加、リエラ救出に向う。

 体当たりを喰らいまくっていたリエラだが、そこまでダメージは無かったようだ。本当に弱い魔物なのだろう。森の食材だねブロック・オリー。

 あ、ブラック・オリー発見。


 ブロック・オリーの中に一匹、黒いブロッコリーがわさわさ揺れて……ちょ、クーフさーん!?

 クーフが無遠慮に振るった柩により、ブロック・オリー諸共に鈍器で殺害されたブラック・オリー。結局どれ程の耐久力を誇ろうと、彼の剛腕に掛かればオーバーキルであるらしい。


「むぅ? 一匹毛色違いが混じっていたぞ?」


「あ、ブラック・オリーって奴か。さすがにクーフの一撃受けちゃ……なぁ」


 カインがブラック・オリーの死骸に同情をみせる。

 本当に、今まで新種相手には苦戦してただけにあまりのあっけなさに驚きだよ。

 成仏しろよブラック・オリー。なむ~。

 ブロック・オリーはオリジナルのつもりですが、どっかで出て来たりしてるのかな?

 別の作品で見かけた場合は削除するかもしれませんw


 ※登場魔物の紹介し忘れてたので追記


  ブロック・オリー

  種族:自立野菜 クラス:オリー

 ・二足歩行のブロッコリー。

  日本にあるブロッコリーという植物ではなく刈り取られて商店などの店頭に並んでいる状態のブロッコリー。

  二足歩行で本体から枝分かれした両手部分を揺らしながら歩く。

  オリー・クイーンから派生して生まれて来るようで、オリー・クイーンが存在する限り無数に生まれて来る。

 ドロップアイテム・ブロッコリー


 ブラック・オリー

  種族:自立野菜 クラス:オリー

 ・二足歩行のブロッコリー。

  ブロック・オリーの上位種。黒い体躯でブロック・オリーよりも固い。

 ドロップアイテム・黒いブロッコリー


 メタル・オリー

  種族:自立野菜 クラス:オリー

 ・二足歩行のブロッコリー。

  ブロック・オリーの変異種。体力が極端に少なくなった代わりに鋼のボディを手に入れた。

  動きが素早く直ぐ逃げる……という事はなく、ブロック・オリーに混じってわさわさ揺れている。

 ドロップアイテム・メタリックブロッコリー

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