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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第三話 その魔王の脅威を僕ら以外知らない
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AE(アナザーエピソード)・カインたちの失態を僕は知らない

「エリック隊長、あれを!」


 第一部隊と合流したカインたちは、エリックを総指揮者として合同でゴブリン討伐を行っていた。

 しばらく行くと、ホブゴブリンやレッドキャップに混じってオーガが現れ、さらにレッドオーガなどという個体まで出現したものの、この大軍団相手になす術なく沈んで行った。


 レッドオーガなどはクーフとの一騎打ちで恐ろしい叫びをあげながらも、クーフの怪力に抑え込まれて男同士でくんずほぐれつの熱い戦いになっていた。

 最後は腕力に任せたクーフの両腕によりゴキリと首が折られて散っていた。

 カインも最後まで思わず見てしまっていたがあの闘いはあまりにひどい。女性には見せられない闘いであった。


 いや、ネッテが呆れた顔で見てはいたが、彼女にはそっち系の趣味は無いのでカインとしては安心したと言っても良い。

 そんなカインは今、エリック達と共に一つのほら穴を前にしていた。


「おそらく、ここが奴らの巣だな」


「中は広い。オーガと出会うことも考えて少人数で精鋭の部隊を内部に入れる。我と思うモノは出よ。そうだな。八人程が妥当か」


「では第三部隊からはカインさんとネッテさん、クーフさん、それとツッパリリーダーでどうでしょう?」


 カインが何か言うより早く、第三部隊の騎士団長が推挙。それをエリックが頷いて確定。

 第一部隊からはエリックとベテラン冒険者が三人。いずれも名だたるクランの隊長である。


「では第一部隊からは私と、『赤き太陽の絆』のアレンさん、『戦乙女の花園』のモーネットさん。『グラスホッパーズ』のゴードンさんに来てもらうとしよう。よろしいか?」


「俺らは問題はねぇけどな。そっちの女は大丈夫なのか? 広範囲魔法は確かにすげぇが、狭いんだぜ?」


 ゴードンは禿げあがった頭を掻きながら苦い顔で言う。

 相手が役に立つかが本当に心配らしい。

 クーフの闘いなどを見ていたので実力は理解しているはずなので、ネッテの魔法が範囲魔法しかないんじゃないかと探ってきただけかもしれない。


「あら。体力自慢のお兄さんよりは色々できると思わよ?」


「へっ。言うじゃねぇか。なら異論はねぇぜ。魔物と一緒っつーのが気になるが強くて頼れる奴なら問題はねェ」


「私も問題はないですね。彼らの実力は今までにしっかり見せて貰いましたし」


「俺も問題はねぇぜ。こっからは背中預ける仲間だ。足さえ引っ張らなけりゃ問題はねぇよ」


 カインたちはツッパリたちに周囲の警護を任せ、八人だけで洞窟内へと向うのだった。

 洞窟内は、入口こそ狭いものの、内部はかなりの広さを誇っている。

 それこそオーガが暴れても問題無い程の広さ。


 その内部には、今は数匹のゴブリンが居て、奥の部屋に続く通路が一つある。

 侵入者に気付いたゴブリンが武器を手に手に襲い掛かってくるが、カインたちの敵ではなかった。

 番長の一撃とアレンの剣で一挙に二体のゴブリンが屠られる。


「コ・ルラ!」


 ネッテの魔法。さすがに広範囲に使う訳にはいかず、単体魔法に切り替えたようだ。

 ついで、モーネットが筆と符を取りだし、何か文字を書いていく。


「えいっ」


 ひらりと飛んだ符がゴブリンの額に貼りつく。その瞬間、ゴブリンが電撃に撃たれたように仰け反り、そのまま絶命した。

 さらにゴードンがゴブリンの群れに近づきボーパルアクスで薙ぎ散らす。


「はっはっは。なんだなんだぁ。さっきまでとくらべりゃ全く手応えがねぇぞ?」


「変ですね? もっと敵がいても良いくらいなのですが」


 洞窟内にいるのはゴブリンだけだった。

 オーガもレッドオーガも、中級ゴブリンすら居ない。

 洞窟の奥に入ると、どうも居住区らしい。

 メスゴブリンと老人のように細くなっているゴブリンが多数いた。


「メスゴブリンがこんなに!?」


「子供も沢山。これだけ居れば確かにあの大軍団になりますね」


「定期討伐の難を逃れていたのか。良く今まで気付かれずに存在したもんだ」


「申し訳ない。我等騎士団がもっと討伐範囲を広げていればここも発見できただろうが……」


 少しだけ、騎士団の行う定期討伐範囲から外れていたらしい。

 騎士団は定期的に周囲の魔物を討伐する事になっている。

 これは魔物の大発生を防ぐためのものだが、前回の討伐の際はここまで来てなかったらしい。


「あ、待ちな嬢ちゃん。そっちは行くな」


「何故ですか? 奥に続く道はこちらだけですけど?」


 モーネットが向おうとした洞窟の奥への道を自分の身体で塞ぐゴードン。どう説明したものかと頭を掻きながらエリックを見る。


「そうですね。ここから先は女性には見せられません。ゴードンさん、アレンさん、カインさん、クーフさん、お願いしても良いですか?」


「任されよう」


 意味の分かっていないモーネットとネッテ、護衛として番長とエリックを残し、カインたちはさらに奥へと向うのだった。


「カインたち次第になるだろうけど、不味いわね」


「ネッテさんでしたっけ? 何が不味いのでしょう?」


「たぶんだけどあの先には牢屋しかない。ならゴブリンマザーは? ゴブリンキングは? これ、失態かもしれないわよ」


「まさか、私達は足止めをされたと? 捕まえられた女性の救出でさらに時間は取られる。その間に王国を乗っ取る気ですか!? ゴブリンにそれ程の知能があるとは……」


「とにかく、急いで脱出すべきだわ。王国が気になる」


 エリックとネッテの会話を聞いてようやくカインたちだけが奥に向った理由を察したモーネットは、何故か顔を赤くしていた。

アレン・ボルダート

 ・『赤き太陽の絆』を立ち上げた若きクラン長。

  魔法を巧みに使う剣士であり、魔法を付与した剣を扱う事が出来る。

  冒険心溢れる子供っぽい青年で、おっぱい星人。

  種族:ニンゲンC クラス:魔法剣士

  装備:ダマスカスアーマー、ダマスカスブレイド、ダマスカスシールド


モーネット・スパルタクス

 ・『戦乙女の花園』を立ち上げた若きクラン長。

  女性だけの仲良しクランでよくお茶会をしている。

  おしとやかさのある女性だが、怒ると怖いお姉さん。

  種族:ニンゲンG クラス:戦巫女

  装備:巫女服、白銀の胸当て、忍刀牡丹、忍刀菫、青龍刀、お祓い棒、符×73、筆


ゴードン・ダンデライオン

 ・『グラスホッパーズ』を立ち上げたクラン長。

  スキンヘッドの巨漢のおじさん。武骨な荒くれ者を連想するが根はイイ人。

  実家は貴族らしいのだが、今は息子に代を譲り悠々自適な冒険者生活をしている。

  種族:ニンゲンH クラス:重戦士

  装備:ボーパルアクス、塗装済みオルハリコンアーマー、塗装済みオルハリコンシールド、塗装済みオルハリコンバスタード

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