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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第三話 その魔王の脅威を僕ら以外知らない
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AE(アナザーエピソード)・カインたちの奮闘を僕は知らない

今回からAEアナザーエピソード入れてみました。

AEは主人公が居ない時に使われ、三人称で展開されます。

「だっらぁッ!!」


 カインのアルセソードがゴブリンを切断する。

 血飛沫の舞う中さらに一振り。

 息つく暇もなく振われる剣撃に、一人、また一人とゴブリンが露と消えて行く。


「フロ・ストラ!!」


 刹那、さらなる絶望がゴブリン達に襲い掛かった。

 連なる様に凍りついて行くゴブリンの群れ。それを巨大な柩が横薙ぎに砕いて行く。


「クーフ、その辺りは放置して後でいいっ。動ける敵から頼む!」


「了解した!」


 ゴブリン討伐最終組は、物凄い進軍速度でゴブリン達を蹂躙していた。

 その功労者は「オルァ!!」と叫びながら闘う無数のツッパリ。

 王国騎士団も新米冒険者も、数匹相手に苦戦している中、彼らは獅子奮迅の活躍でゴブリンを蹴散らしていた。


 無数に襲いかかって来るゴブリンに眼光が向けられると、その威嚇の瞳に恐れるようにゴブリンが硬直する。

 そこに目から放たれるメンチ怪光線。

 ゴブリン達が悲鳴を上げながら逃げ出す中、怪光線を受けたゴブリン数体がドミノ倒しのように倒れて行く。そして爆発。


 あるいは「オルァ!」と咆哮が轟きゴブリン達が腰を抜かす。ついでに新米冒険者も腰を抜かす。

 そこに突撃する三人のツッパリ。

 一糸乱れぬ行動で接敵すると熱を帯びた拳でアッパーカット。

 何故かその後に背後を振り向くのは、皆憧れの仕草になっていた。


 総長の爆殺アッパーカット。アレみたいになりたい。

 そんな願望が見え隠れしているようだった。

 背後ではアッパーカットを喰らったゴブリン達が悲鳴を上げてのたうち回る。


 さらに別の場所ではパリパリと唸りを上げるポンパドールに突き上げられたゴブリンクレリックが宙を舞っていた。

 悲鳴を上げながら高所からの落下。

 ゴブリンの一人と頭同士で激突し、そのまま息絶えた。


 まさにツッパリたちの戦場だった。

 そして、冒険者たちも騎士団も、思う。

 自分たちだけだったなら、果たしてここまで善戦出来ていただろうかと。


 自然、ツッパリたちの協力を取りつけたカインパーティーに視線が向う。

 若干の嫉妬と、彼らを仲間に出来るだけの魅力を持ったカインたちへの羨望。

 だが、直ぐに我に返る。

 ぼうっとしている場合じゃない。自分達も闘わないと。

 そう思い直して再び戦場に駆け付けて行く冒険者たち。


 自分たちは彼らを輝かせるだけのお飾りじゃない。

 活躍できる冒険者、あるいは国を守れる力を持った王国軍だ。

 それを、ここでゴブリン共に見せつける。


「森の中はゴブリンだらけね」


「既に2000は倒したぞ。まだいんのかよ?」


「待て、前方で喧騒が聞こえるぞ?」


 目の前で、剣撃が聞こえていた。

 声からして人とゴブリンが闘っていることが分かる。

 第二部隊か? 皆がそう思ってゴブリンを蹴散らしながら近づいて行く。


「そこの部隊、無事か! もう少し待ってろ、今助ける!」


「第二部隊か! すまん助かる!」


 ん? とカインたちは違和感を覚えたモノの、今は一刻も早く苦戦気味の彼らに援軍として駆け寄るべきだと思いなおす。

 ネッテが番長に指示を出して優先的に苦戦部隊の援護にツッパリたちを向わせる。

 すると……


「バカなっ!? ツッパリだと! なぜここに、我等の命運ここで尽きたか!?」


「た、隊長、もうダメです、もう、俺らは……」


「囀るな馬鹿者、我等王国騎士団、最後の一兵になろうとも国を守る礎となるのだ! ゴブリンとツッパリを蹴散らせぇ!!」


「ちょぉっ!! そっちの部隊、ツッパリは仲間だ! 攻撃すんなぁっ!!」


 カインがツッパリたちを掻きわけるように走り出し、一気に部隊に合流した。

 クーフはネッテを守りながら遅れて合流を果たす。


「なんと! ではあのツッパリたちは援軍だというのか!?」


「ああ。そうだ。だから全軍に通達してくれ。ツッパリは仲間。同士討ちはするなって!」


「聞いたか皆! ツッパリたちは魔物使いが我等のために連れて来た仲間らしいぞ!! 全員踏ん張れ! 敵はゴブリンのみ、ツッパリは援軍だぁ!! 生き残る目が出て来たぞ!!」


 気勢が上がった。

 俄然激しく剣撃が響く。


「フロ・ストラ!!」


 ネッテの魔法で無数のゴブリンが氷漬けとなる。

 そのおかげだろうか、ツッパリたちの奮戦もあって徐々にゴブリンの数が減って行く。

 冒険者たちにも余裕が生まれたようで、騎士団の隊長らしき人物がカインのもとへ近づいてきた。


「すまんな。助かった。私はゴブリン討伐第一部隊の騎士団長に任命されたエリック・ガナディッシュという。第二部隊の隊長はどちらか?」


「ああいや、俺らは第三、最終部隊っす。って……第一部隊!?」


「むぅ? なぜ第二部隊ではなく第三? 第二部隊には会わなかったのか?」


「ここまで一直線でしたが、他の部隊には会いませんでしたよエリック団長」


 と、最終組の騎士団長までやって来る。

 他の兵士や冒険者が闘っている中、この三人だけは戦闘を止めて会話を始めていた。


「では、第二部隊はどこへ?」


「まさか、壊滅した……とか?」


 第二部隊……一体どこいった? カインたちは困った顔で首を傾げるのだった。

エリック・ガナディッシュ

 ・ゴブリン討伐部隊隊長に任命された騎士団のお偉いさん。

  この戦闘の功績により部隊長に就任する。

  真面目で人情味溢れるおじさん。真面目すぎる性格のせいでアルセやネフティアに翻弄される苦労人。

  種族:ニンゲンD クラス:騎士長ナイトリーダー

  装備:マイネフランアーマー、黒金の剣、ラージシールド

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