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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二話 その愚連隊の真の隊長を、彼らは知らない
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その女性たちの話し合いを彼は知らない

「ぶひ」


「はい。そういう訳で、バズ・オークさんと婚約しました、エンリカ・エル・ぱにゃぱです」


 バズ・オークのご両親らしいオーク達。

 御免、僕にはただのオークにしか見えません。

 そこにいるオークの村長さんとどこが違うのこのバズ・オークのおやっさん。


 俺としては向こうの恰幅がいいオークの方がお母さんっぽく見えるけど、アレはたまたまここに来ていた村長オークの娘さんらしい。もう、オークの見分け方なんてわかりません。

 ただ、エンリカの容姿が端麗なせいかオーク達は比較的歓迎ムードのようだ。

 エルフを嫁にするとか凄いじゃないかとか親父さんは嬉しそうにしている。

 が、母親は少し困惑顔だ。


 セレディちゃんはどうするの? みたいなことを言っている。

 セレディって誰? 当然あの幼馴染オークだ。名前あったんですね。

 ちなみに、バズ・オークの本名なのだけど、どうやら両親からはバズと呼ばれているらしい。

 お前、バズ・オークのままでいいのかよ!?


 コリータさんだな。あの人が一度バズ・オークの姿を鑑定して名前を決めやがったんだ。

 だからバズ・オークじゃなくて、オークのバズだったんだね。

 セレディさんを呼ぶ場合はセレディ・オークの方がいいのか?


 コケコケブヒブヒうるさいが、歓迎してくれているご両親。

 ここが養鶏場じゃなければもっと良かったと思う。

 いや、こいつら鶏でいいのかどうか……


 ご両親はこの村の養鶏場で鶏を育てて肉を提供しているらしい。

 どうも卵は雑菌の関係で余り取ってはいないらしい。もったいない。

 そのうち卵かけご飯食べたくなってきたじゃないか。ご飯すらないけど。

 ちなみに、こいつらは鶏じゃなくてパラライコッカトライスという魔物らしい。


 麻痺の眼光というのを持っているらしいのだけど、肉がおいしいのでオーク達が育てているそうなのだ。

 村を移転する際こちらに連れて来たのだとか。

 なんにせよ。村人たちからは好意的に受け入れられているらしい。


 今日はゆっくりして行けという父親にバズ・オークは困惑しながらカインたちを見る。

 カインたちが遠慮すんなと告げると、ようやくバズ・オークは了承した。

 どうやら今日はこの村に泊りで確定のようだ。


 そして、それが決まると目出度いとばかりに村中を巻き込んだ宴を用意に取り掛かるオーク村長と村の村長。

 互いに息が合っているのは似た者同士なせいだろうか?

 彼らが我がことのように張り切りだした姿を見送り、カインたちはバズ・オークの実家に荷物を置いてゆっくり休むことにする。


 折角だから村を見回ろうか? とネッテがリエラを誘っていたので、アルセとネフティアも押しつけることにした。

 護衛の辰真を含めて、彼らは自由行動を始めてしまう。

 カインとクーフもバズ・オークとエンリカを残し、自由行動に向ってしまった。

 さて、僕も折角だし初の単独自由行動でも……


「ブヒッ」


 鼻息が聞こえた。

 現れたのは身体中の血を洗ったセレディという名のオーク。

 その声に反応したエンリカが彼女のもとへと向った。


「ブヒ」


 ちょっと、面貸しな。


「はい、いいですよ」


 エンリカさん、それ呼び出しっ! ヤキ入れられますよ!?

 守るべきバズ・オークは父親と母親の話を聞いていてエンリカのことに気付いていない。

 これはマズい。


 仕方ないので僕はエンリカの安全を確保する保護部隊となることにした。

 まったく、バズ・オークさん、自分の彼女は自分で守ってくれよね、激おこぷんぷん丸だぞ。

 最悪、使わねばなるまいな。見せて貰おうかアルセソードの実力とやらを。


 そして、エンリカはセレディ・オークに連れられて、村唯一の酒場へとやってきた。

 カウンター席に座ったセレディが隣を進め、エンリカは緊張した面持ちでそちらに座る。

 なんだ。校舎裏にでも呼びだすのかと思ったら酒場だよ。


「ブヒ」


 マスター、一番強い酒を。

 そんな言葉を告げるセレディに、マスターは無言で酒を注いでいく。

 戸惑うエンリカにはカクテルが出される。

 マスターの心意気と言うべきか。サービスですとか言いそうだ。あ、違う。先に来ていたカインが頼んだようだ。


 カインとクーフが離れた場所にあるカウンター席でやってきた二人を見て戦慄しとる。

 まさかこの二人が隣合って酒場に来るとは思ってなかったらしい。

 カクテルを受け取ったエンリカは戸惑いながらも一口。その間にセレディは目の前にあった酒を一気に煽り、ゴトンと乱暴にカウンターに突き返す。


「ブヒ」


「ひゃ、ひゃい!?」


 ちょっと。と底冷えする声でセレディが呟く。聞こえてしまったエンリカが驚いて声を出して慌てて取り繕う。

 どうやら覚悟を決めたらしい。居住まいを正してセレディに視線を向けた。


「なんでしょう?」


 ついに、女同士の骨肉の争いが始まる。

 僕もカインもクーフも、自分のことじゃないのに思わず固唾を飲んで見守るのだった。

 セレディ・オーク

 ・バズ・オークの幼馴染。

  血の気が多く大抵の事は拳で解決したがる性格。乱暴ではあるが好きな人には告れない女の子。

  知能はそれなりに高いらしい。

  種族:オーク クラス:オーク

  装備:プレートアーマー、ヘビィアックス


 パラライコッカトライス

 ・オーク達が育てている家畜。

  麻痺の眼光という能力を持つが肉がおいしいらしい。

 ドロップアイテム・コッカトライスの肉、パラライエッグ

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